ボクの先輩にはバカと変態が多い   作:たけやまさん

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正純先輩

 

 

「そういえば、シャルル、次の休み、予定は空いているか?」

「次の休みですか?えっと、……昼からなら空いてますよ」

「よしっ、ならば共に“品川”に行かないか?ほら、その日、三河から上がってくる商人が古本市を開くだろう。それを回りたくてな」

「Jud.僕でよければお供しますよ」

「……そうか。楽しみだな」

 

 

返事に満足してか、頭二つ分は違うであろう彼に上目遣いで微笑みかける正純。そんな彼に笑みを返すシャルルの2人。を、教室の窓から梅組の一同が遠巻きに眺めていた。

 

 

「うむ、後輩が逢引か……。しかしあの初々しい感じ、微笑ましいような、先を越されて悔しいような」

「しかも、シャルル殿の性癖どストライクではござらんか?ほら、黒髪ショートの清楚系美少女顔」

「ふむ……。あの二人の絡みから、そこはかとなく金の匂いが」

「でもさ、セージュンってオパーイねーじゃん?シャルルそれでいーのかよ。いや、いいおしりしてるかもだけどさぁ」

「……トーリくん?以前階段登る時にやけに本多くんのおしり見てると思ったら……」

「まさか……っ!トーリ殿、もう少し距離を……」

「ちょっ、違うかんなぁ!?」

「ソーチョー、男=巨乳好きを全員に当てはめるのはよくないよ?……てか、あえてみんな触れないけど、それ以前についてるし」

「……まさか弟に早くも春が来るなんて……。しかも自分のクラスメイト」

「そこのところどう思ってるんです?直政は」

「前々から仲がいいとは思っていたが、逢瀬に繰り出すほどだったとはね、って感じさね。まぁ、あいつらの恋路とか、あたしには関係ないさ」

「あらあら、すました顔でそんなこと言ってていいのかしらぁ?それともまさか正妻の余裕?後方彼女面かしら!」

「喜美、そのムカつく顔を今すぐやめろ」

「今日の私はコルニッションよぉ!……直政ぁ?ちょっと頭から義手どかして欲しいのだけれど……?それで握られたら潰れちゃうわよ、トマトみたいに」

「……もう少しまともな名前はありませんでしたの?」

「もう潰れちまいな」

「あー。あっ、ふふっ、なんだか本当にいい雰囲気じゃないですか?」

「ふ、たりとも、たの、しそう。それ、に、みんな、も」

 

窓際から離れてわちゃわちゃと騒ぎ出す梅組の面々。仕事の話に戻ったのか、黙々と表示枠に何かを打ち込み続け、時々思い出したように言葉を交わす窓の外の2人。六角を咥えでそっぽを向く直政とそれを弄る喜美。

そんな全員の声を聞いて微笑む鈴の後ろで、マルゴットがポツリと呟いた。

 

「でもさぁ、セージュンって、男の子だよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出会いは教導院の生徒会。次期生徒会副会長に内定した私と、同じように外交委員会の次期委員長に内定していた彼との顔合わせの時だった。

 

「来年度生徒会副会長になる本多・正純だ。よろしく頼む」

「同じく、来年度外交委員会の委員長になります、シャルル・バルフェットです。お見知り置き下さい」

 

第一印象としてはやけに落ち着きのある男子、だったろうか。当時はあまり身長も高くはなく、今ほど口数も多くはなく、話したとしても初対面の先輩に対してとはいえやけ慇懃無礼な姿勢が目立った。だが、彼のその姿勢は同じクラスの男子たちと雲泥の差がある。

 

まぁ、最初からわりと好印象だった。

 

 

「おはよう、バルフェット」

「おはようございます。先輩」

 

それから何度か教導院で顔を合わせる度に、挨拶と少なくない会話を繰り返した。多少はマシになったが、相も変わらず慇懃無礼な話し方をする。だが、いくつか話すようになって、そこで色々なことを知った。

 

梅組のアデーレの弟であること。その関係で梅組の面子とも多少なり交流があること。六護式仏蘭西(エグザゴン・フランセーズ)出身であること。何度か独逸傭兵団(ランツクネヒト)に参加し歴史再現の現場にいた事があること。他にもお互いの趣味や好物、アルバイトの話で少し盛り上がることもあった。

 

「じゃあまた後でな、バルフェット弟」

「はい、では体育の授業頑張ってくださいね。本多先輩」

「言うな、憂鬱な気持ちになるだろう……」

 

 

 

次に会ったのはしばらくあと、数ヶ月ほどだったろうか。その頃には私より少し高い程度だった彼は大きく身長をのばし、M.H.R.R.の男子制服をインナーの上から羽織るようになっていた。

 

再会は、今思っても恥ずかしい話だが、ついつい新発売の本を買ってしまい、結果的に食費を切り詰めてしまったがために青梅で行き倒れていた時だった。

 

「あれ?あのぷりケツってセージュンじゃね?」

「このバカ、何何を言って……。ほ、本多先輩……っ!?」

「う、あぁ……。バルフェット弟ぉ。すまない、腹が空いていてどうも……。く、どうもお前の横に縄で縛られながら踊るバカの幻覚が見える……」

「えっ、ちょっ、えぇ!?あっ、そうだパン、パン買いに行きましょう。行きますよ本多先輩!」

「えっちょっ、俺のこと忘れてね?────ぁぁぁぁあ!?」

その時、彼は番屋で警邏のアルバイトが終わって帰宅途中だったという。あんなに慌てた彼を見たのは初めてだった。それこそ、一瞬本人かわからないくらいには慌てていた。それと何故かは知らないが縄で縛られた全裸の馬鹿を引きずっていた。いや、なんでかは知りたくないが。

 

そのあと私を担ぎ、馬鹿を引きずり回す彼は青雷亭(ブルーサンダー)というパン屋を訪れ、いくつかパンを買ったあと、埃まみれになった馬鹿を店長らしき女性に引き渡して出てきた。

 

思えばちょうどその時からだろうか、パンと言えば青雷亭ばかり食べるようになっていた。その時の空腹具合を加味せずとも、ここのパンは美味しかったのだ。

 

そのあとは確か、同じ梅組のアデーレと直政と合流して教導院の食堂へ行き、4人で食堂のメニューを制覇したんだったか。今ではそれなりに話す仲だが、当時は全く交流がなかったから、ふたりとのいきなりの相席に動揺を隠せずにいた。

 

「姉さん、それちょっと分けてよ」

「えぇー」

「まだ量はあるんだから、ちょっとぐらい分けてやんなよ。それはともかく、こいつは頂くさね」

「あぁ、僕の唐揚げ!」

「隙ありぃ」

「姉さんにはやらん!」

「あ、ちょっとぉ!」

 

あの頃はまさか彼も年相応の言動をするとは思ってもみなかったな。彼が姉と唐揚げたったひとつの奪い合いで笑顔を見せ、それを直政に窘められてしょげている。

 

「バルフェット弟、お前、年相応な話し方とかできたのか」

「……そりゃまぁ、普段は従士としての外見もありますし。……あっそれと、僕のことはシャルルでいいですよ。そっちの方が呼びやすいでしょうし。」

「あっ、あぁ。シャルル、だな」

「というわけで、唐揚げどうぞ。正純先輩」

「あっ、私の唐揚げぇ〜」

「うるさいな、はい、あーん」

「─────っ!?」

 

正直、その時はかなり嬉しかった。1番交流のあった後輩から先輩と呼んでもられたことも、少し、気になっていた最も身近な異性から名前で呼ばれたことも。

 

ちなみに、そのあとのご飯の味はほとんど覚えていない……。

 

 

 

 

─────それから数週間後だったか。酒井・忠次に連れられて“独逸傭兵団(ランツクネヒト)”から帰ってきた彼が、その両の腕を喪い、機械の腕を身につけていたのは。

 

時々、酷くも思い詰めた顔をするようになったのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん、番屋からだ」

「どうした?」

「……品川で違法入国者?」

 

 

 

 

 

これからの流れ

  • 原作は全部やって欲しい
  • 原作の要所、オリ主関係だけでもおk
  • それよりイチャラブだ(カケルカナ?)
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