ボクの先輩にはバカと変態が多い   作:たけやまさん

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不法入艦者

 

 

「警告します。そこから動かないでください。撃ちますよ」

「……なんだ豆粒」

「航空都市艦“武蔵”の従士、警備隊のシャルル・バルフェットです」

 

武蔵右舷一番館“品川”の一角。M.H.R.R.から到着した貨物船がたむろする中、降ろされたばかりのカーゴコンテナに囲まれたその場所で2人は対峙していた。

 

一方は番屋からの通報を受けて出勤してきた従士、シャルル・バルフェット。身の丈ほどの長銃を構え、その射線上に相手を収めて距離を取っている。

 

対峙するのは魔神族の大男。青い強固な外骨格と全身で隆起する筋肉の山。眉間からひとつの大きな角を生やしている。シャルルの頭を握り潰せそうなサイズのその手には近場の足場から抜き取った鉄骨が握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

独特な質感のある赤黒い肌に青筋を浮かべた鬼人族の男によって、3m程の鉄骨がその重量を感じさせずに持ち上がり、青年へと向けられる。

 

「チッ、ツラツラと名乗れって言ってねぇだろ。失せろや。じゃねぇと潰すぞ」

「あなたには不法入艦及び違法な地上げ行為の疑いが掛かっています。両手に持つそれを下ろして、大人しく着いてきやがってください」

「馬鹿言え、誰が大人しく捕まるか。だいたい、テメェみたいなのに俺様は倒せねぇだろ?わかったら引きな」

「……繰り返します。大人しくしてください。警備本部並びに現空域監視役の清武田からの武装使用と武力制圧の許可は降りています。痛い目に会いたくなければ─────」

「えぇい、ごちゃごちゃとっ!」

 

鬼神族の男が大きく振り上げた鉄鋼を轟音とともに振り下ろす。4本の腕でしっかりと掴まれた全長3.5mの鉄骨は、鬼神族のパワーと全身の筋肉を上手く活用する動きによって大きくしなりをもちながらシャルルへと迫り、それを見て同時に周囲で見物していた貨物船の乗組員たちがどよめく。

 

「あいつ仕掛けやがった!」

 

商人の1人がそう叫び、それと同時に地面を激しく叩いた鉄骨によって大きく砂埃があがる。

 

「あーあ、終わったな……」

「おい、誰か救護出来るやついるー?」

「実力差とかわかんねぇのかねぇ……」

「ああいう輩はこれまでの人生とかオレ最強!で生きてきてるからそんなこと考えてないだろうさ」

「あっそうだ、どっちが勝つか賭けしねぇ?」

「Jud.いいねぇ、んじゃあ俺は……」

 

立ち上り辺りに立ち込める砂埃。腕や加護でそれらから身を守るそれぞれは、慣れた様子で会話する。しかし、そんな周囲の声を他所に、一人の男が近くにいた男に掴みかかって。

 

「─────おかしいだろ!何が賭けだ!勇敢な少年がひとり、死んでしまうかもしれないんだぞ!?」

「あー?……あぁ、お前さん下から来た商売人かい」

「商人さんはどっちに賭けたよ。皆んな賭ける方なんてハナっから決まってるから、賭け事になりゃしないんだよなぁ」

「決まってるって……。武蔵はこんなにも酷いところだったのか……?」

「何を言っとるんだお前さん……っと」

「気をつけな、流れ弾にあたるんじゃないよ!」

 

遠くで女がそう叫んだ。それと同時に見物していた者が我先にと何かの影へと退避したり、本格的に防護の術式を発動したり、気にもとめずに酒を呷る。

その光景に男は目眩を感じながらも目を凝らした。晴れ始めた土煙の元に先程の勇敢な少年が、酷い姿となって転がっているのかと思うと、吐き気すらも覚えた。

 

─────だが。

 

 

「あぁ?」

 

 

風によって流れる土煙から現れるのは、先程から半身引いた位置で、しかし変わらず銃を構えた青年の姿だった。違うのは、先程よりも短くなった銃を片手に、空いた左手から何らかの流体光を発していること。

 

 

「─────これより鎮圧を開始します」

「なんでっ、ギっ、うっ」

 

 

目の前の存在を認識し始めた鬼神族の男は、驚きに目を見開き、そして呻き声とともにどしりと音を立て膝から崩れ落ちた。

 

 

─────な、何が…。

 

 

青年の後ろと鬼人族の左右、そこに流体光を帯びる短銃がいくつか空を飛んでいるのを見つけた。銃口からは術式火薬によって発生する硝煙が砂煙とともに風下へと流れていて。

 

 

「よっしゃ俺らの勝ちぃ!残念だったな商人さん!」

「バカいいな。その人は賭けに参加してないだろうに」

「……おぉぅそうか。んじゃ今回も不成立かぁ」

「いやぁ、にしても見事な手並みだなぁ。前よりアレの操作上手くなったか?」

「それもだけどあの空蝉の術、いいねぇ!」

「忍者の坊主から教えて貰ってたもんなぁ。ほら、教導院通ってる帽子の第一特務」

「それよりあの新武器!まだ使い始めて1年ぐらいだろ?もう使いこなしてやがるぜ!」

 

 

少年の勝利にドッと盛り上がる周囲の大人たち。商人の男は、すでに鬼人族の全身をやけにイカつい鎖で巻く青年に駆け寄って。

 

 

「君、君!少し話を」

「Jud.申し訳ありませんが次の用事があるので失礼します」

「あっちょっと!」

 

 

青年はこちらを一瞥してすぐ、踵を返して鎖のミノムシを引きずりながら去っていく。

 

 

「あーあ、振られちまったなぁ」

「…別に、そういう訳では無いさ。まだ、暫くはここにいる。話す機会も来るだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみません、遅くなりました!」

「あ、あぁ、気にするな!私も、今来たところだからな!」

「そ、そうですか」

 

 

「あーもう、遅いですよ。何やってるんですか彼は……っ!」

「あらぁ。シャルルが遅刻だなんて、ちょっと意外ね。無粋な梅組男子とは違うと思っていたのだけれど」

「す、ごく、ドキドキ、してる」

「うわー、セージュンってばガチガチじゃん。緊張しい?」

「あんな感じじゃ、ネタにはなんないかなぁ」

「ちょっ、人の弟を変な本のネタにしないでくださいよ」

「……はぁ。なんで尾行なんざ……」

 

 

─────なんで、3年梅組女子揃ってんの?

 

 

正純との待ち合わせ場所に到着したシャルルは見た。何故か物陰で団子になってこちらを覗き見る見知った人達の姿を。

 

 

なお、この後2人は楽しい一日をすごし、特に何も無かったせいで梅組女子を落胆させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

これからの流れ

  • 原作は全部やって欲しい
  • 原作の要所、オリ主関係だけでもおk
  • それよりイチャラブだ(カケルカナ?)
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