ボクの先輩にはバカと変態が多い   作:たけやまさん

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バカとシャルルと元服本

 

 

 

「おぉーーーい、シャ、ル、ルぅー!!」

「…………はぁ」

 

 

すれ違う女子生徒や奥様方をキャーキャー言わせることに評判がある清潭なイケメンフェイスを不快そうに歪ませ、ため息とともに歩く足を早めたシャルルに、バカが1人飛びついた。

 

 

「シャルルー!へいへいへーい、シャルルぅ!?」

 

 

後ろから、横から、そしてシャルルを追い抜いてついに正面から大声で呼びかける、何故か裸一貫のバカ。

 

不快そうなシャルルの正面に回り、腰に手を当てながら高速でモザイク術式に包まれる下半身をクルクル回す。シャルルの顔を青筋が浮かんだ。腰のホルスターに手が伸ばされる。

 

 

「何の用ですか総長。返答関係なくぶち抜きますよ」

「あれ問答無用で私刑宣告!?それが番屋でバイトしてるやつのやることかよ!」

「全裸で歩いてる時点で私刑になりませんよ。この歩く猥褻物陳列罪」

「そんな、褒めるなよぅ」

「……今からでも、性別変更の届出の準備は遅くないですよ」

「わりぃ、それはやめてくれ」

 

 

モザイク越しににコカーンを両手で抑え、すごすごと土下座に移行しようとするバカ。なんのプライドもなく、全裸土下座とかいう無駄に高度な変態プレイをこなそうとするこのバカが、仮にもこの“武蔵”の最高権力者だと言うのだから笑える。

 

 

シャルルをみて黄色い声をあげいてた通りすがりの女子生徒が、色合いを変えて悲鳴をあげるようになる。そんな彼が葵・トーリ。極東において数少ない自治を許された領土である“武蔵”の武蔵アリアダスト教導院の生徒会生徒会長兼総長連合総長。政治と軍務、その両方のトップを兼任する最高権力者。

 

聖連が求める“無能”という条件に当てはまるからというのもあるが、それでいて人たらしが幸いして“武蔵”に住むほぼ全ての同意があっての権力者。そんな彼を、騎士傍付きとはいえ従士たる自分に頭を下げさせる訳には行かない。そこでシャルルは。

 

 

「土下座はやめてください、立場的に。さもないと番屋にぶち込みますよ」

「お、おぅ。やめるけど、番屋はやめれ」

「─────分かりました。それで、ご要件は?呼び止めたからには何かあるんですよね」

「そーそー、そーなんだよなぁ!」

 

 

若干引いたような顔から一転、きらきらとして笑みを浮かべるトーリ。彼は懐から茶封筒にしまわれる1冊の雑誌を勢いよく取り出し、シャルルへと手渡す。

 

表紙にはでかでかと、今にもポロリと零れてしまいそうな水着姿の女性の写真とR元服指定の文字。そう、アダルト雑誌だ。

 

 

「こ、これは」

「見て驚いたな、これこそ!伝ッ説の」

「『真夏の陽射しに照らされて~年上幼なじみとひと夏のアバンチュ〜ル~』じゃないですか!?」

「……いや詳しくね?まぁいいや。それも初回生産限定付録、メインビジュアルポスター付きだぜ!」

 

 

騒ぐバカに何人かの野次馬が集まってくる。おおよその人がシャルルによる捕縛劇を見に来たのだが、2人の様子に首を傾げた。葵・トーリとシャルル・バルフェット、このふたりがこうして話しているのは非常に珍しかった。

 

それでいて、男衆はトーリの持つ雑誌に釘ずけになるシャルルを見て生暖かい目を向け、女衆はシャルルに意外なものを見るような視線を、一部は意外と顔はいいトーリとイケメンシャルルに邪な妄想を膨らませる。

 

 

「トーリ殿にシャルル殿?なぜ周囲からの注目を」

「ふむ、非常に珍しい組み合わせであるな」

「第一特務と第二特務。いえ、自分はコレに呼び止められまして……」

「いや珍しくないって。よく一緒にいるじゃん俺ら」

「…一緒であっても、大抵捕縛された状態であろう」

「番屋に連行する道中ばかりでござるな」

「あれ?」

 

 

集団を抜いて話しかける点蔵とウルキアガ。買い物にでも行ってきたところなのだろうか、2人とも袋をいくつか抱えている。そんな2人に、トーリは元服本を差し出した。

 

 

「いやぁ、実はこんなものを……」

「これは、特典付き元服本?」

「表紙から察するに、黒髪ポニテの褐色巨乳姉ものであるな」

「そーそー、シャルルの好みど真ん中じゃね?って思ってさ。いつも迷惑かけてるからそのお礼にってな」

「ほう、いい心がけではないか。拙僧、ほんの少しだけ見直したぞ」

「そ、総長……」

「ほ、本当に嬉しそうでござるなシャルル殿」

 

 

にかりと笑うトーリから再び茶封筒に戻された雑誌を手渡され、感動に打ちひしがれてるシャルルに、これまた珍しいものを見たと驚く2人。周囲の野次馬もなんだそんなことかと散っていった。

 

 

「家宝にします……!」

「え、そんなに?」

「よかったなシャルル。拙僧、少し羨ましいぞ」

「ふむ、アデーレ殿と直政殿には見つかることのないように、努々気をつけるでござるよ」

 

 

本当に意外そうな顔を去るするトーリと微笑ましいものを見るような2人。そんな3人を片目に、茶封筒を懐にしまったシャルルが入れ替えるように取り出した手錠を片手に持った。ウルキアガが翼を広げて空へと逃げていく。

 

 

 

「あっ、それはそれとして公然わいせつ罪とわいせつ物陳列罪と公務執行妨害罪で逮捕しますね」

「いや嘘だろ!?」

「どんでん返しがすぎるでござるよ!?それとウッキー殿は逃亡速すぎるでござるよ!」

「シャルル、貴様、人のこころとかないのか!?」

「いえ、今はパトロール中ですので、はい」

「あっちょ、やーめーろーよー!直政に言うぞ!」

「はいはい、続きは番屋で聞きますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これからの流れ

  • 原作は全部やって欲しい
  • 原作の要所、オリ主関係だけでもおk
  • それよりイチャラブだ(カケルカナ?)
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