-Double Archive-   作:幸田市

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とあるコラボは爆死(もういや

みさきちぃ…欲しかった。

というか今日ブルアカフェスの当選発表ってマジ?
当たってくださいお願いします…もうこれ以上、外したくないんです…




第十四話 「Sに願いを/面妖な光」

 閃光のように光り輝く怪物、ソレが狙うは男の心臓。かの者は天使を乱し、本来訪れるべき祝福()から目を逸らさせる悪魔。

 

 一刻も早く排除をしなければ、彼女を楽園へと導けない。それは最悪な事態だと判断し、自身のギアを上げるドーパント。すると、元より追いつけずにいた仮面ライダーを更に不利な状況へと推し進めていた。

 

 「…クソッ、今までが本気じゃなかったのか。」

 

 『いや、まだ別個体の可能性もある。周囲に気を付けろ。』

 

 驚きの表情を見せる先生。そう、ハイドの言う通り、これが先ほどのドーパントだと証明できるものは何一つない。先ほどとは全く違う姿である上、戦闘スタイルは変化している。もし仮に、先ほどと同個体なのだとしても、ほぼ初見の動きに加え、圧倒的加速と手数の多さによる戦闘スタイルは、人の急所を確実に狙ってくる。

 

 「…ッこの野郎!」

 

 刹那の瞬間に、ドーパントの攻撃と同時に反撃を仕掛ける。自分に触っているタイミングであれば、確実に狙いを決められるだろうと判断した。

 

 「…」

 「…」

 

 ドーパントも何かを察したのか、一度態勢を呼吸を整えるために間合いを取る。おおよそ人二人分離れることにより、先生が近づけない距離かつ、自身の攻撃を確実に当てる距離を作る。そのことに気づいた彼は、自身の歯にぎしりと力を加える。

 

 「…」

 

 「…」

 

 風の音のみが、この場で響く。たった一瞬の判断で、自身の身体が崩れ去る。自身の生の意味を成せず、死んでいく…それは人間が最も恐れることだ。だが、そんなIFを成し遂げられない事なぞ、今の先生に存在する筈がなかった。彼には、ただこの死戦を乗り越える事のみを念頭に置いた。

 

 「…!」

 「…ッ!」

 

 来る。それを察した時に、彼の思考には何も無かった。無意識の領域、潜在的な存在が自身の鳩尾に怪物が向かっていると鐘を鳴らした。

 

 咆哮する肉体。全ての意識を鳩尾へと集約させ、構えを取る。

 

 『…当たったッ!』

 

 確かに受けた感触を頼りに、拳を振るう。完璧なコースラインかつ、人体に確実なダメージを与えられるよう脇を絞め、かつ自身の胸部に向かい拳を捻り放つ…それによりより鋭い一撃を食らわせる魂胆である。

 

 勝ちの確信、これが当たれば戦況を一気にひっくり返すことが出来る。それを察したのか、ドーパントはまるで焦りを隠せない表情を見せるが…

 

 『…!?避けろッ!』

 

 ハイドは遅すぎた。怪物の攻撃は終了していなかった事、それに対しての自衛手段を彼らが持ち合わせていなかった事。そして、その驚異的なスピードを活かし、回避と同時に確実にダメージを与えられる顔面部分を確実に射抜いたことに気づいたのも。

 

 全て、怪物の前には遅すぎる前提だったのだ。

 

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 「…あなた…さま?」

 

 ワカモは遅かった。彼が仮面ライダーであるという事を知っている彼女は、目の前で崩れ落ちた存在が自身の親愛なる御方というのを理解してしまった。否、理解させられたというべきか。彼が一人でアビドスが対処すべき問題を抱えた事実という事を。

 

 『先生は、いつだってそうだった。』

 

 自信の脱走事件の後、彼女の事をただ一人心配したのは先生だった。罪人かつ居場所もなかった彼女に「いつでも来ていい」と、自身の立場など関係なしに言ってくれた彼に、最初は兄のような温もりを感じていた。だが、彼とのシャーレでの日常を過ごす中で、ワカモの先生に対する気持ちは変わっていった。

 

 『貴方様は、本当にただ優しい人だった。』

 

 嬉しい時は笑い、悔しさと虚しさに充てられた日は泣く。ハードボイルドな小説が大好きで、生徒の事を大切に思っている人。人一倍、誰かのために頑張れるだけの人。この町の人間は、先生を殺すことの出来る力を持っているというのに、彼は恐怖することなく彼女たちに接する姿勢に、狐坂 ワカモは次第に惹かれていった。

 

 『だからこそ、生徒の想いを守るためなら、どんな痛い思いだって我慢してしまう。』

 

 彼の危うさは、数か月とはいえ理解していた。ドーパントとの戦いはほとんど生身で行っており、今回のように変身することの方が珍しい。怪物騒ぎが起こる度、死に瀕する大怪我を負う事でメモリブレイクを行う事で、怪物騒ぎを鎮めていた。

 

 ワカモは、あまりにも異常な自己犠牲の塊を理解が出来なかった。鎮圧から解決まで、ヴァルキューレにでも頼んでおけばいいのに決まって無理をする。彼が不用意に傷つけられることの方が、はるかに損害は大きい。それでも、それでも彼は決まってこんな事を口にする。

 

 『まぁ、つい身体が動いちゃって…』

 

 そんな単純な理由で、自分の身体を差し出す愚か者。そのくせちゃんと結果を出してるのも、余計にたちが悪い。レッドウィンターの時も、百鬼夜行のお祭りでの怪物騒ぎの際も、依頼人である生徒を決して裏切らず、ボロボロになって立ち向かうからこそ、仮面ライダーなのかもしれない。

 

 「なんなのですかッ…いつも一人で立ち向かって…またボロボロになって…」

 

 言葉と身体が乖離した瞬間だった。荒さが出ているものの、結果的に親に頼ってしまう思春期のような、消えそうな声で嘆く言葉。人間として欠けた精神を覆えるように、仮面を被った少年を抱きしめる身体。それが今の彼女の心だった。

 

 「…」

 

 だが、そんな三文芝居を見て黙る程、怪物の精神は強くもなかった。先ほどまでの休憩で、呼吸を整え再び仕掛ける。確実に狙いを定め、先生の心臓目掛け振るう拳。

 

 「…アナタ、何をしようと?」

 

 そこに、厄災はいた。

 

 ドーパントの速度は、現在およそマッハ2。戦闘機クラスのスピードという規格外と断言せざるを得ないそのスペック、科学的根拠に基づいて検証するとしたら、例えキヴォトス人であっても目で追えないのは勿論、その手を止める事はもっての外とされた結論。

 

 だが、今ここに実証された以上、それを改めざる得ない。愛する人の為ならば、例え戦闘機であっても止める事はできる。

 

 「まだ…狩る側だとお思いで?」

 

 この狐坂 ワカモならば。

 

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 「ああ!もう!なんでこうなるのよぉ!」

 

 「まぁまぁ、セリカちゃん落ち着いて。」

 

 黒見 セリカは先ほどの発言を訂正したい程度に、この状況に抵抗を感じている。

 

 「先生トイレ行くって言ったんでしょ!?なら大人しく帰ってくるでしょ…」

 

 「確かにねぇ…私も一瞬そう思ったけどさ」

 

 彼女らはわざわざ、リボルギャリーから降りて山中で用を足しているであろう教師を見つける事にした。だが、その途中で坂から滑り落ちた黒見を追いかけた。結果、彼女らは迷子の人となってしまった。

 

 ミイラ取りがミイラになると形容すべきか…それとも別の言葉で表せばよいのか…そんな野暮な事を考えてしまいそうになる小鳥遊は、そっと思考の窓を閉じた。

 

 刹那

 

 「…!?こんな近くで爆発?」

 

 「今度は何ぃ!?」

 

 けたたましい爆発音に惹かれ、音のする方角へ向かう二人。目的地は北西にあると判断した小鳥遊は、スイッチを切り替え告げる。

 

 「取り合えず行こう、セリカちゃん」

 

 方角を指差し彼女にそう告げると、無言のまま頷いた。それを了解と捉えた以降、二人の間に私語は消えた。完全なる戦闘モード、もはや二人の意思疎通は心が勝手に行うので、ただ流れに乗ればよいだけだ。

 

 疾走する理性(身体)、内なる本能を抑え来るべき脅威を察知する。おそらく現れるのはヤツしかいないだろう、それは理解できる。だが先ほどまでの鋼鉄に対し、今度は必ず対策を立ててくるのは戦いの基礎だ。先ほどまでの戦法は一切効かないのは周知の事実と表しても当然だろう。

 

 小鳥遊は模索する、ヤツに不完全な敗北を与える前に勝てる…最強の手札を。

 

―ショットガンによる一撃は、絶対に対応策を持っている。

 

―拳によるインファイト…論外だ、硬い外皮でかえってダメージを受ける。

 

―セリカとの連携による攻撃…それは彼女に相応の負担がかかってしまう。だが、現実的な案だ。

 

―シールドによる叩きつけ…あり得るかもしれない。効かないのならすぐさま防衛に転じれるというのも魅力的だ。

 

 チャンスはまだ、残っている。

それだけで彼女の心に、一滴の安心が生まれた。まだこれからだという自信を胸に、爆心地に到着すると…

 

 

 「…え?」

 

 「…何よ…アレ。」

 

 そこには、面妖に光り輝く一等星がいた。

 

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 「…中々にやりますねぇ、あの怪物は。」

 

 序盤は、圧倒的な性能差でワカモが押した。やはりドーパントといえど、スペックに限界があると言うべきか…激昂状態にあった彼女の気圧に無意識の恐怖が喚き、前へ攻めることが困難となった。それにより、これが人同士ならば確実に勝てる勝負ではあった。

 

 だが、それくらいでへばっているなら、この怪物はキヴォトスで脅威にすらならない。やはりメモリブレイクをしない限り、メモリからのエネルギーは途切れない利点が功を奏し、次第にワカモは押され始めてしまった。ワカモクラスになると、このキヴォトスでも相手取れる者など数える程度しかいない。なので、彼女の戦闘はほぼ短期決戦になってしまう。

 

 だが、逆を言えば「長期戦をほとんどしていない」という意味でもある。だからこそ、体力バランスも乱れやすく…結果的に防戦となってしまっていた。

 

 しかし、弱音を吐くつもりも…負けるビジョンも彼女には存在しなかった。当たり前だ、愛する人が後ろにいる以上後退などしない。そもそもそんな事を考えることがない。むしろ、コレをどうやったら潰せるかどうかとしか考えていない。

 

 だが、手札がないのも事実。何とか打開策を見出そうとしている中で、ピンク髪と黒猫を見た。彼女らはあの光にただ戦慄しており、正直焼石に水程度なのかもしれない。だが、先生の安否がかかっている以上、猫の手も借りたいのだ。意識を呼び覚ませるため、自身の愛銃「真紅の厄災」を上に空打ちする。

 

 狙い通り、二人は意識を戻しワカモの方へ目線を向ける。

 

 「本当は私一人であの御方に褒めてほしかったのですが…仕方ありません。」

 

 「…そ、素直じゃないヤツ。」

 

 「…ッ!今からでも消し炭に出来ますが?」

 

 「まぁまぁ二人とも落ち着いて。今私たちが倒さなきゃいけないヤツは、アレでしょアレ。」

 

 全員の目線が、ドーパントへと集結する。彼女らは散々煮え湯を飲まされた挙句、反撃も出来ない事にフラストレーションが溜まっている頃だ。そろそろ反撃しても誰も怒る人間なぞ誰もいない。そう、反撃しても誰も文句を言う人間はいない。

 

 勝利条件がある。それには、生徒の力だけではなく、他の要因も存在する。それは

 

 『…駄目です先生ッ!もう体力だって…』

 

 アロナの声は、既に届かない。

 

 立ち上がる、魂。

 

 

 『目前の生徒たちにばっかり、良い格好させてたまるか。』

 彼は愚かであった。このまま寝ていれば、これ以上傷つくこともないというのに。自身のリスクヘッジすら管理出来ない愚か者に、教師を務める資格はあるのだろうか。

 

 

 「…あるね。とっておきの…」

 

 

 

 

 何度だって立ち上がる。そのたびに魂が砕けようとも、いつか見たあの日を繰り返さないため。自分自身の誓約として、彼は

 

 

 「とっておきの…作戦ってやつがさ。」

 

 地獄を進むと、そう決めたのだから。

 

 

 

 

 




ハイド『とかっこつけた癖して、またボコボコだったら笑っちゃうぞ。』

先生「やめろそういうヤツ、ちょっと不安なんだから」

アロナ『はぁ…うちの先生はどうしてこう…肝心な時残念なんでしょうか』

先生「何が残念だ!何が!」
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