-Double Archive-   作:幸田市

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やっと書き終わったよ…

いつの間にブルアカさんサードアニバ行っちゃったよ…

まだ全然石ないぞこの野郎どうしてくれるんだ。



てか百花繚乱良すぎてヤバかった。えりーととナグサパイセンの為に石貯めますうん。
(およそ数日後になくなる予定)


第十五話「Sに願いを/また、逢いましょう」

 「…その声…もしかして先生!?」

 

 「先生さ、ホントに解決策なんてあるの?」

 

 黒見と小鳥遊。互いに反応こそ違うも、その声に不安の色が見え隠れしていた。無理もない、あの七囚人の一人を追い詰める程の相手ならば、確実に逃げる方が得策である。そんな相手に対応策なぞ、今の彼女たちでは信じることが出来なかった。

 

 「あぁ、だが確実とは言えない。やってみないと分からないが、価値はある。」

 

 一か八か…勝てる保障もなければ、むしろ戦況を不利にする可能性もある。この事実は、二人の心に重くのしかかる。

 

 「…駄目よ、それだったら逃げた方がマシじゃない。」

 

 「それは厳しい。こっちが追われる以上、奴のスピードじゃあっという間だ。」

 

 黒見の考えを、ぴしゃりと告げた一言で否定を示す。戦ってみて分かった事だが、どうやらこの怪物はこの場で逃がす、なんて考えを持ち合わせていることはない。まるで憎しみしか存在しない人形と戦っている感覚が、今も自身の身体にのっぺりと刻まれている。

 

 「隙を作って逃げるのも難しいかな。」

 ふと、小鳥遊はそんなことを言い出した。

 

 「…背中を見せたら、今度こそ終わりでしてよ。」

 ワカモはその一言で、彼女の案に否定を示した。だが、意外にも彼は乗り気であった。

 

 「…時間程度は作るさ。」

 

 目線を生徒からドーパントへ向けながら、マスクの下でドヤ顔を決めた。生徒を巻き込まんと、未だ立ち上がる諦めの悪い男。彼が考えるに隙を作る自体は、自身の作戦で容易に可能だと判断しており、苦戦を強いられるものの、自身一人で戦いを終わらせることも出来る。そう信じることが、生徒の為だと。

 

 『決まった…これは僕というハードボイルドそのものに感動し、なんてすばらしい人なのだろうと…』

 

 だが、途端にいつもの調子を取り戻した先生に鼓舞されたのか、皆やつれ気味の顔が消え、色を取り戻した。彼女たちからすれば、こんな状況にも関わらず意外と余裕そうな彼の存在は、一握りの希望に近い物であった。

 

 「…っぷ、何それ先生。」

 

 「まぁ、先生がかっこつけたがりなのは、この数時間でよくわかったし…ブフッ!」

 

 「わ、わたくしはどんなあなたさまでも愛せる自信があります!」

 

 二人は笑い、一人は宣言。どうやら、カッコいいと考える人間はだれ一人いないらしい。

 

 「…帰っていいかな。」

 どうしてここぞという時に決まらないのか、所詮クォーターボイルドには知る由もない事であった。ハイドは既にお手上げなので、沈黙を続けるのが良いと判断した。

 

 「けど、先生は無理しなくても大丈夫。」

 「…?」

 ワカモは首を傾げた。先生が守ってくれると言ってくれたのに、その恩を無駄にしてしまうのではないか。ならばこの女狐(小鳥遊 ホシノ)に、先生の偉大さを小一時間分からせなければならない。だが、それが杞憂と感じたのは後だった。なぜなら

 

 「先生を守るのは、私たち(アビドス)の役目だからね。」

 

 目の前で宣戦布告をされたのだ、絶対に負けてやるものか。先生を守るのは未来永劫ワカモの役目、絶対のルールを犯す者に慈悲など無い。再び彼女のエンジンに火が付く、これを止められるのは先生くらいなものである。彼女は小鳥遊を見ながら語る。

 

 「では、どちらがアレを仕留めるか…勝負と行きましょう。」

 

 「いや、話聞いてたッ!?ちゃちゃっとやるだけやって逃げるって決まったじゃない!?」

 

 黒見は至極まっとうな事をワカモに吐き出す。どうやら、それは少し思っていたのか、目が少し泳いだ事は誰も知らない。だが、こういってしまった以上、先生の前でブレッブレの姿を見せたくないので、更に燃料を燃やす事にした。

 

 「うへぇ…ワカモちゃんは血気盛んだねぇ。おじさんついてけないよぉ。」

 

 「あら、暁のホルスともあろう人が逃げ腰だなんて…仲間との仲良しごっこで鈍ったのではなくて?」

 

 「…へぇ」

 

 空気が凍る。あの小鳥遊からは想像も付かない雰囲気を纏わせる。仮面越しに伝わる冷気が、背筋から伝わる。先ほどまでの空気から逆転、今にも争いが始まりそうなほどの険悪さだった。

 

 「ま…まぁとりあえず、ちゃっちゃとアイツを片付けようぜ。」

 

 先生の一言で場は一旦収まったものの、何がきっかけでブレーキが利かなくなるか、これ以上心労が増えないよう、これが終わった後、出来るだけ小鳥遊をワカモに合わせないようにしようと決心した先生だった。

 

 

 

 

 

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 「…」

 

 沈黙、奴はこの間にも一切動かなかった。これだけ隙がある会話の中であるにもだ。まるで、わざわざ待っていたのか、それとも他の目的を成し遂げようとしたのか。いずれにせよ、気味の悪さは拭えない。

 

 「…」

 

 もしかすれば、アレに「使用者」がいないのか。だとすれば、辻褄が合う要素は多い…だがしかし、あの戦闘時に感じた「生きた動き」は何なのか。

 

 『本当に謎だ…まるで人形相手に戦っている気分だった。』

 

 ふと、ハイドがそんなつぶやきを残す。…人形?

 

 『なぁ、もしかしてアイツ、操られてたりしないか?」

 

 …なるほど、その仮説が正しければあの動きの奇妙さも理解できる。無駄のない動きなのも、アレが操られているっていう理由があれば説明がつく。だが、それが事実だと仮定した場合、考察しなければいけない事象がある。

 

 誰が、何のためにこんな事をしているかだ。

 

 『…まだ未確定情報も多い以上、ここで考えるのも不毛だぞ。』

 

 「…」

 

 ドーパントも、流石に我慢しきれなかったのだろう。奴はぬるっと首をあげたかと思えば、焼け付くような視線をこちらに向けている。そろそろ茶番も終わらせるとしよう。

 

 「みんな!円陣だ!隣のヤツの背中を守るようにッ!」

 

 実在するタキオンかの様に、一気に間合いを詰めてきたアレ。背中を見せた瞬間、恐らくこの作戦は失敗するという判断を下し、確実に背中を取られないようにする。右隣にワカモ、左に小鳥遊、後ろには黒見という陣形を取る。だが、まだ足りない。

 

 「…」

 

 迫る怪物、まだ

 

 『3』

 

 焦りを隠せないのか、小鳥遊の息が詰まる。

 

 『2』

 

 澱んだ殺気に当てられたのか、黒見の震えた息が聞こえる。

 

 『1』

 

 ワカモの前に、閃光がギラギラ輝く…その時だ。

 

 「今ッ!」

 

 すると、僕以外の3人は自身の銃を銃身が焼き付けるまで打ち続ける。恐らく隠れたドーパント、逃げた先は…

 

 「…ッ!」

 

 ()()()()()()

 

 避けきれない一閃、勝負は決まったも同然、後は後始末をすればいいだけの事であった。ゆっくりと見えるその拳、ただ運命を待ち続ける廃人かのように、静かな時を待った。

 

 「…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「()()()()()()()

 

 そう、全ては計算通り。

 

 『かんぺき~ってやつだな』

 

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 さて、先ほどまで僕を追い詰めていたこのドーパント。多くの手数に狙いを付けない速度、しまいには多少脳が回るようなので、一歩上を行った対応を取られてしまう。だが、ここに来てワンチャンに持ち込める可能性が出てきた。それは「生徒」達にあった。それも複数人だ。

 

 僕がさっきまでの戦闘の中で、唯一試していない物があった。それは「銃弾」だ、とは言っても効かなければ意味がないと思ってはいたが、ハイドの仮説で全てが変わった。

 

 『もしかして、アイツ銃弾効くんじゃね?』と。

 

 根拠はある、先ほどの拳の一撃をわざわざ「避けて」攻撃してきたという点だ。あの程度の攻撃であれば、わざわざ避ける必要がない。どれだけガイアメモリでの身体強化をしたとして、強化前のドーパントであれば余裕で受けられたはずだった。これらを考え、防御面の低下と考えられるのは自明の理だった。そしてそれは銃弾が効く可能性も十分にある踏み、この勝負に賭けたのだ。

 

 致命傷を受けやすい背中を守りながら、銃弾で「生徒に触れられない」状況を作りだした上で、僕にしか行けない状況を作り出す。そこを一気に叩く算段だ。多分ワカモに色々と言われる事も察していたので、敢えて言わないようにしていた。だが、この場で最もあの状態のヤツと戦ったのは自分しかいない上、銃の扱いは決して上手い人間ではないので、この役目を担う事になった。

 

 自分の身体に、一撃が入ると察知。構えを取り、迎撃態勢に入る。

 

 

 「…」

 

 やはり、予想通り僕へ向かってくるのを確信したのは、既に奴の身体を両腕で捕まえた瞬間であった。

 

 『やっぱり早い!』

 

 だが、それでも捕まえた自信の能力に驚きを隠せない。そして、反撃へと転向したのは、自我を取り戻したその後だった。

 

 『Fool! MAXIMUM DRIVE!!!』

 

 直ぐに打てるよう、あらかじめマキシマムスロットに装填されていたメモリから、記憶のエネルギーが両足と両腕に集まる。

 

 「どらッッッしャァい!

 

 「ライダー…クラッシュ!」

 

 

 まぁまぁ重い身体を持ち上げながらジャンプ、そのままブリッジをしながら脳天をぶつける大技。要は「ジャーマンスープレックス」を奴に放ったことで、ドーパントは衝撃に耐え切れず爆発!

 

 

 「ふぃー、決まったぜ。」

 

 

 

 

 「…えぇ」

 

 そこでプロレス技かよ…と言いたそうな黒見は無視するものとする。

 

 

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 「なんとか終わったねー、先生。」

 

 小鳥遊は、この一件を無事に終わらせることが出来た事にそっと胸を下ろす。どうやら、彼女的には無事、大団円を迎えられたようだ。

 

 「あ…あぁ、痛ぇ…」

 

 一方、先生である僕は、できもしないプロレス技を無茶してやった事がたたり頭が痛い。どうしてこんな無茶をしてしまったのか…バカも休み休みしたいものだ。

 

 『自分で言うのかソレ』

 

 「…大丈夫?」

 

 自分のあまりの反応に、急に頭を撫でてきた小鳥遊。あれ、この子お母さん?

 

 『なわけ無いでしょ』

 

 言うなハイド、それを聞いてしまったら情けなさで死んでしまう。さて、茶番も終わりにして、さっさとヴァルキューレを呼ぶとするか。

 

 「えーと、スタッグフォンは…あれどこだっけ」

 

 激戦に次ぐ激戦だ、衝撃で落ちてしまう可能性もあると踏み、色んな場所をさがしているものの、どこにもなかった。

 

 「あり?無いなぁ」

 

 しばらく探していると、何か言いたいことがある顔で、黒見が近づいてきた。

 

 「先生!そういえば、なんで私の場所が分かったのよ。」

 

 「…あ、そっか。」

 

 スタッグフォン、黒見の元に送ったままだった。

 

 無事、彼女からスタッグフォンを受け取り、ヴァルキューレに連絡を取ることになった。

 

 『もしもし』

 

 『先生、またトラブルですか。』

 

 『またって何よまたって』

 

 こういった電話の際、いつも対応してくれる子が今回も担当することになっていた。何故か知らんが、僕の事をトラブルメーカー的な扱いを受けている気がする。

 

 『まぁ、ドーパント騒ぎの犯人いるから連行してくれって事よ。』

 

 『…はぁ、またですか。先生は好かれていますね、何にとは言いませんが』

 

 『切ってもいいかな』

 

 この子は僕の事を煽って楽しいのか、こっちは絶賛萎えているというのに。

 

 『とりあえず、今位置情報送るね。』

 

 『…うわっ、今からアビドス地区行くんですか?』

 

 『君失礼過ぎない?』

 

 

 言いたいことは分からなくないけどさ、流石に私情入りすぎでしょ。そうして、彼女たちも自身の仕事にため息をつきながらも、無事拘束の為に動きだしてくれるようだ。やっと肩の荷が下りたのでそっと吐息を吐く。

 

 「もう、こんな時間か。」

 

 スパイダーショックのデジタル時計を見ながらそう呟いた。時刻は午前二時、普段ならば書類仕事に追われている時だ。久しぶりに運動も出来たからか、少し気分が良いのは内緒だ。

 

 「よし…さっさとお顔を拝見させてもらうとしますか。」

 

 そうして倒れている使用者の顔を覗き込んだ。

 

 「…見ない顔だ、もしかして忘れちゃってる訳ないよね。」

 

 一応あった事ないか確認の為、一応手帳で確認するとしよう。確か右ぽっけに閉まっておいたんだけど…よし、あった。

 

 「いや、まだ会ってない子だ。」

 

 『これは初対面からアレですね、先生。』

 

 いやそりゃ確かにさ、うん。言わないでくれアロナ。彼女は一体どこ所属の子なのだろうか、淡い青髪の子…聞き覚えがなさすぎるぞ。まるで彼女に関する情報がない、まるで最初からどこにも所属がないと思わせるくらい、彼女に対して思い当たる節がなかった。ただ単に僕の情報不足だけだった可能性もなくはないけど…

 

 

 

 「せんせ~、何してるの?」

 

 「あ、小鳥遊。この子知ってるかい?まだ僕が会った事のない生徒だったもんでさ。」

 

 ちょうどいい所に彼女がやってきたので、一応彼女の知り合いかどうかを聞いてみる事にした。この近辺に住んでいたのなら、もっとも先輩である小鳥遊に聞くのがよいと思った。そんな、ふとした理由だった。

 

 

 「

 

 彼女の驚愕に満ちた顔を見るのは、今が初めてだった。あの戦場にいた時より、より鋭利に尖る目線。獲物を狩る大鷲なんぞ陳腐な表現では出来ない。今の彼女を形容するならば、まさしく「怪物」。その場にいる存在全てを焼き払う業火。冷徹な激情を滾らせる存在へとなり果てていた。

 

 「…」

 

 目を離す事すらできなかった。きっと、(自分)はついぞ忘れる事の出来ない「瞳」が、何度も脳に焼き付く。一度忘れたなら、二度。三度忘れたのなら、その四倍。自分が魅入るのも無理はなかった。その目を認めないというのは、どこかの誰かを忘れてしまうような…そんな気がした。だからきっと、()は執着しているのかもしれない。その目に。

 

 だれかを忘れたくない、そんな誰もが持っている「当たり前」を。きっと自分は捨てられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -誰か、来る-

 

 

 「…ッ!小鳥遊ッ!」

 

 何を感じたのか分からない。だがおそらく本能と呼ぶべきナニカによって、彼女を自身の方に寄せ守れた。衝撃波によって生まれた砂埃が止んだ先に、最早誰もいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ユメ…先輩?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アビドス第三章やった~もう死ぬは
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