…陸八魔アルゆ゛る゛さ゛ん゛!!
ps.Wで一番好きなシーンは初回翔太郎のジョーカーをクルッて回すとこ
(細かすぎて伝わらない)
「…ん、着いたよ。」
「お、ここか。」
『まぁ…なんていうか…砂すごいな。』
砂狼と一緒にアビドス高等学校に到着した。だが、ところどころ砂に浸食されている。この街は、そこらかしこに砂がある。僕が倒れかけた住宅街、道路、ビルの周り。言いだしたらキリがない。
極めつけは、道中の高台で見たアビドスの景色である。
…何を言っているかさっぱりだと思うが、よく聞いていただきたい。
街が砂に覆われていたのだ。
あまりにも衝撃的な光景だったので、思わずバッドショットで写真を撮ってしまった。
他にも珍妙な光景が多く、様々な場所を撮ってしまった。…途中、砂漠でロボットみたいなやつが写ってしまったものがあるが、一体何だったのだろうか。
そうして寄り道を繰り返した後、ようやく辿りついた目的地。
「アビドス高等学校」は、白を基調に窓ガラスがびっしり張り付く校舎、右手には体育館とプールといった、多くの人がイメージする「学校」である。
ただ、普通の学校と違う点が二つある。一つは、先ほど述べた砂の存在。二つ目は「人気がない」という事だ。僕が知っている学校というのは、どんな時間であっても、何かしらの生活音が聞こえる場所であった。しかし、ここはあまりにも生活音が聞こえない。これではまるで、廃校寸前の学校みたいなものだ。
生徒の手前、そんな事を言うつもりはないが。
「…じゃあ行こう。」
「ちょっと待ってくれ砂狼。」
「…?」
「…もう、歩けない。」
『オイ!大丈夫か!』
先ほどの移動までで、エネルギーを使い果たしてしまった。電源が切れたかのように、前にドサっと倒れる。
『写真とってはしゃぎすぎたんだろ…』
…仕方ない、最終兵器を使うか。
「砂狼様、少しお願いがあるんですが。」
「…何かな」
「ここからは、僕をおぶっていただけませんか。」
「…」
砂狼は、僕をジト目で見ていた。
別に興奮もしないので、なるべく早めに回収してくれると嬉しいのだが…あれ、なんか砂狼さん。
どんどん離れてる気がするんですが…顔が熱を吸収した地面にあたって痛いんですよ。
「え、まさか砂狼様。僕を見捨てるなんて事するわけないですよね。」
「…」
「…嘘でしょ。」
「…」
「…」
「骨は拾っておくよ」
「ちょ、僕先生よ!死にかけだよ!?
え…まさか本当にするつもりじゃあないよね。」
「…嘘だよ、先生の反応面白かったから。」
砂狼はそういいながら、僕の事をおぶった。
「…あー良かった。
でも先生はおもちゃじゃないんだようん」
砂狼はぼーっと僕の方を見た。
…何か考えごとでもしているのだろうか。
「…わかった、先生をおもちゃにはしないよ。」
納得してくれたのか、彼女はそういった。
「…そっか、ありがとう。」
「…シロコでいいよ。」
「…わかったよ、シロコ。」
これ以上、僕らは話すこともなく。校舎の中へと入っていった。
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「…ただいま。」
「…おかえり、シロコせんぱ…い!?
えっ!?おぶってる人だれ!?」
「わー!シロコちゃんが大人を拉致しちゃいました!」
「え!?拉致!?
…シロコ先輩がついに犯罪に手を…」
「…ぐへっ」
「「「ひっ!」」」
なんかちょっと声出しただけで悲鳴が上がった。…なんでやねん。
シロコは、目的地に着いた途端に僕を急に下ろした。正直扱いひどいと思う。
「…大丈夫、生きてるし大人だから。私たちの学校に用があるんだって。」
「えっ?ゾンビとかじゃないですよね…」
赤い眼鏡をかけている子がそういった。泣きそうだ。
「拉致したんじゃなくて、お客さん?」
そうです、僕はお客さんです。
この扱いに抗議します。
「…そうみたい?」
「…なんでそこ自信ないのシロコ!」
ついつい立ち上がって喋ってしまった。
まずい、体力が死にかけている。だが、ここで終わらせるわけにはいかない。
元気よく挨拶していい印象を持たせなければ!
「…こほん。
シャーレ探偵事務所から来た先生です。依頼を解決するべくここに来ました!
これからよろしく!」
「「「…えぇ!?」」」
彼女たちの反応は三者三様。ぱぁ、と顔色を明るくしたふわふわしている子、驚きを隠せず目を見開いたまま止まっているメガネっ子、「…ホントにコイツ?」と言わんばかりの目を向けてくるネコミミ少女。あまりの目つきに背骨がまっすぐになってしまう、今すぐ墓に入るくらい体力はないがやるしかない。
「本当にあの「シャーレ」から!?」
「わあ☆支援要請が受理されたのですね!良かったですね、アヤネちゃん!」
「はい!これで弾薬や補給品の援助が受けられます。
早速、ホシノ先輩にも知らせてあげないと…」
ふわふわしている子、メガネっ子、ネコミミ少女は驚き半分嬉しさ半分、と言った様子だ。まぁなんであれ、生徒たちにこうして喜ばれることは悪くない。まだホシノという子が来てないようなので、もうひと踏ん張り頑張ることにしよう。
「委員長は隣で寝てるから、私が起こしてくる!」
ネコミミ少女はそういいながら、先ほどシロコと共に通ったドアへ向かって走り出した。
…そういえば、まだ名前を聞いてなかった。アイスブレイクついでに聞いてみるとしよう。
「そういえば、君たちの名前を聞いてなかったね。
教えてもらってもいいかな。」
「…そういえばそうでしたね。ごめんなさい、少し浮かれちゃってて…
私はアビドス高等学校一年生の
「私も同じく、二年の
よろしくお願いしますね~先生。」
「よろしくね、奥空、十六夜。」
メガネっ子こと奥空、ふわふわしている十六夜。一人はハキハキと、もう片方はふわふわとしている挨拶だった。
ネコミミ少女を待っている間、椅子に座って待とうと考えたその時。
"ドカァァァァァァァァン!"
「「「「「…ッ!」」」」」
と、すさまじいほど大きい炸裂音が鳴り響いた。いきなりお出迎えとは…どうやら僕に安息できる場所は無いらしい。
何があったのか、室内についている窓に目を向ける。
すると
「ひゃーっははははは!」
「攻撃だ!奴らはすでに弾薬の補給を絶たれている!襲撃せよ!」
門付近でヘルメットとサングラスをしている軍団がいた。
彼女たちは以前、ミレニアムの敷地内で騒ぎを起こしたドーパントの変身者と似た装備をしている。おそらく、あの子と同じ「カタカタヘルメット団」なのだろう。
「わわっ!?武装集団が学校に接近しています!カタカタヘルメット団のようです!」
「アイツら…性懲りもなく!」
奥空とシロコが苦渋をなめた表情で奴らを見ている。シロコの発言から察するに、手紙に記されていた「地域の暴力組織」というのは彼女たちで間違いない。
「ホシノ先輩を連れてきたよ!先輩!寝ぼけてないで起きて!」
「むにゃ…まだ起きる時間じゃないよ~。」
ネコミミ少女が戻ってきた。
彼女はピンク髪の小柄な少女、ホシノという子を必死に起こそうと右手で左肩を揺らしている。
もう片方の腕には白黒のスコープ付きアサルトライフルを持っているので、あとはホシノさえ起きれば準備完了というわけだ。
「ホシノ先輩!ヘルメット団が襲撃を!こちらにいるのはシャーレの先生です!」
「ありゃ~そりゃ大変だね…あ、先生?おじさんは
「あぁ、よろしくね。」
奥空から今現在の状況と僕の説明を受けた後、ホシノこと小鳥遊は僕に目を向け答えた。
「…」
「…ん、どうかしたの先生。」
「…あ、いやなんでもないよ。」
何故かはわからないが、僕は小鳥遊の目を無意識に追ってしまった。彼女と出会ったばかりなのに、その目に惹かれてしまった。鮮やかな黄色と青のオッドアイ、だがそこが重要ではない。あの鮮やかな瞳に移る、濁ったモノ。ソレにどこか安心すら覚える自分がいる、あの日々を思い出せる。新しいものだらけの世界で唯一存在する安心できるモノ、なぜ彼女が持っているのかはわからない。だが、彼女がどのような人生を歩んでいるのか、なんとなくわかった気がした。
「…ホシノ先輩?」
「…何でもないよ、セリカちゃん。パパーっとやっつけてお昼寝しよ~」
「…すぐに出るよ、先生のおかげで弾薬と補給品は十分。」
「はーい、みんなで出撃ですね☆」
シロコと十六夜の一声で、彼女たちは「カタカタヘルメット団」がいる外へ向かった。
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「…カタカタヘルメット団残党、郊外エリアに撤退中。私たちの勝利です!」
「わあ☆私たち、勝ちました!」
僕たちは、校舎の外にいたヘルメット団と交戦。結果としては勝利、無事ヘルメット団を追い払う事が出来た。
「皆さん、お疲れ様です!学校へ帰還してください!」
「いやーまさか勝っちゃうなんてね。」
「勝っちゃうなんてね…じゃありませんよホシノ先輩…。
勝たないと学校が不良のアジトになっちゃうじゃないですか…」
「これが大人の力…
すごい量の資源と装備、それに戦闘の指揮まで。大人ってすごい。」
「いやぁーシロコ、これでわかったでしょ。
僕がどれほどハードボイルドな男なのか。」
「…黙秘」
「…そこは嘘でも言ってくれよ。」
「…自分でそんなこと言うのね…」
「そりゃそうでしょネコミミ少女。」
「…ネコミミ少女って何よ、私には
このナルシスト!」
ライン越えたなこの野郎、僕は黒見を睨みながら
「あ゛!?誰がナルシストじゃ!」
黒見は僕にひるまず睨み返す。
「まぁまぁ二人とも落ち着いて、ね☆」
黒見と僕、双方の喧嘩を止めたのはノノミであった。
「ま、まぁ…気を取り直して。
ようこそアビドス対策委員会へ!
道中や戦闘でご覧になった通り、わが校は現在危機にさらされています…
そのため「シャーレ」に支援を要請し、先生がいらしてくれたことで、その危機を乗り越えることが出来ました。」
奥空がそう言った後、今度はこの「アビドス対策委員会」についてを話し始めた。
「そもそも、対策委員会というのはこのアビドスをよみがえらせるために有志が集った部活です。」
「うんうん!全校生徒で構成される、校内唯一の部活なんです!
…とはいっても、全校生徒は私たち5人だけなんですけどね。」
「…他の生徒は転校したり、学校を退学したりして町を出ていった。
学校がこのありさまだから、学園都市の住民もほとんどいなくなってさっきみたいなやつらに学校を襲われている始末なの。」
「そうなんだよ~、補給品も底をついてたからさすがに覚悟したね。なかなかいいタイミングに現れてくれたよ、先生。」
奥空、十六夜、シロコ、小鳥遊の順でこの学校の現状を説明してくれたが…正直、積み一歩手前の状況で普通に笑えない。治安が悪いうえに人もいないんじゃ、誰もここに入学しようなんてするはずがないだろう。
『いや、それだけじゃない。
この学校、おそらく借金を抱えている可能性がある。』
…まじか。だがたしかに考えると、ハイドが言った仮説は一考の余地がある。今までの学園もそうだったが、この都市では学園が国家のようなシステムで成り立っている。学園がその区域内の政策を決める代わり、賠償金や復興資金もその学園が出す。
アビドスも学校であったからにはこの都市では「国家」となる。なのでその区域内で起こった災害の費用もアビドス高等学校が出すのだ。このような広い地形で大規模な災害が起こってしまえば、どんな国家だろうと資金が吹っ飛ぶのは自明の理だ。
『さらにいえば、こんな砂漠ばかりの土地なんざ誰もいらない。残るのは闇金みたいな常識外れの利子を出す所ぐらいだ。』
まぁ、思いつく限りそんな感じか。
「…こんな消耗戦、いつまで続ければいけないんでしょうか…
ヘルメット団以外にもたくさん問題を抱えているのに…。」
奥空はそんな事を嘆いた。
…彼女たちに、何かできる事はないか。自分の脳をできる限り働かせようと、思考を再稼働させようとする。
だが
「…というわけで、ちょっと計画を練ってみたんだー。」
それよりも先に、小鳥遊がとても面白い提案をした。
「こっちから奴らに襲撃しちゃうってのは、どうかな?」
次回
第七話「Sに願いを/突撃」