この連載小説ではオムニバス形式になっています。この連載小説では実際に存在した怪奇現象を元にストーリーを再構築して投稿していますが、偶にオリジナルのものが登場する事があります。ご了承下さい。
さて、ここからが本題です。この小説の取り上げる内容上、非常にグロテスクで生々しく、時に扇情的だったり哀愁的な表現を含む場合があります。これなどの表現が苦手な方はすぐにこの小説を読むことを中止してください。
又、参考動画や参考記事などがある場合は後書きに動画のリンクを貼り付けます。
私の屋敷の大広間に、多くの人々が集まってくる…
申し遅れました、私は稗田家当主にして九代目阿礼乙女、稗田阿求と申します。稗田家は幻想郷について記録を残し続け、それを代々語り続けて参りました。突然ですが、私は外来の書物の中に「怪談」というものがあることに興味を抱き、詳しく調べてみました…最近のものから、この「幻想郷」が外界から断絶されるより前の時代のものまで…
全てに共通することは、そう「怨恨」なのです。特に多かったのは「無念の死」「被虐的な過去」など…人によって様々です…人の心とは、脆弱なものです。人が生きるためには「希望の光」が必要なんです。それを失うと、人は簡単に死に急ごうとする。もしそれが「他人による」ものだったりすると、その人は大きく2つの選択を取ろうとします。1つは「その人の命を奪って、自らの怒りを悲しみを祓う」そしてもう一つは「自ら命を絶って、苦しみから解放される」ということ。でも、それが確実に叶うとは限りません…
実際に、怪奇現象を起こす幽霊の類は必ず「重い過去」を抱えています。「恋人を殺された」「虐待を受けて死んだ」とか…それが「人間に対する恨みと怒り」に変わり、危害を加える存在「怨霊」となって人に危害を加える…そしていつの日か人々の記憶に焼き付くようになり、人々を怖がらせるためのお話「怪談」となるのです…
私はそんな「人の過去」を交えた、怖くもあり人間の薄汚さまで考えさせられる「怪談」に興味を持ったのです…非常に有名なのは「10枚の皿」というものですね…このお話で怨霊となった女性「お菊」は、注意を怠った結果奉公先の家宝であった「10枚の皿」の内の1枚を割ってしまい、主人によって首を切られて井戸に乱雑に捨てられてしまいました。それをお菊の魂は恨み、主人の前に「怨霊」として現れたのです…
この様に、人に危害を加えたりする「怨霊」は必ず「怨恨」を抱えているのです…私はこう考えます。「怪談」とは、その怨霊達の過去を理解し文書にまとめて、慰撫して成仏させることが目的…所謂「人間の反省」として語り継ぐことが本来の目的であると考えています…
さて、今からする話は私が今まで読んできた怪談の内容をまとめてきたもの…これを聞き、貴方が彼らの安らかなる成仏を経験できるように、彼らを慰撫するように、「人間の本質」について考えてみて下さい…
さぁ、ある程度の人が集まったところで始めましょう「稗田阿求の怪奇話」を…