『底辺V-tuber』と『よく訓練されたリスナー達』VS『ステータスを持ち帰れるVRMMO』(再投稿)   作:不知火勇翔

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やっとゲームスタート。

 全てが手探りの中、僕達はできうる限りの準備をした。

 戦いが不得手な人には王城からくすねてきた槍を渡して5人1組のチームを組ませ、励まして未来に目を向けさせ、爆発する矢を持っている人には城壁に立ってもらい、現場の指揮ができそうな人達にリーダーを任せた。

 思いつく限りのあらゆる準備を整えた。

 その結果がコレだ。

「いや~、お前には何かがあるとは思っていたが、予想以上だったな」

 僕達は決意を固め、猪が攻めてくる方向とは逆の門から出て布陣した。そこまでは良かったが、ソコで『黒ずくめの男達』が殺戮を始めた。

「そう言えば、名前を名乗っていなかったな」

 さっきまで僕の隣で話していた男が、ゲスな笑いをしながら自己紹介をしてきた。

「『黒のロード』『ガリア』だ。よろしくな、サヤ」

 

 

コメント欄

〈はぁ?〉

〈わざわざサヤだけを残すとか〉

〈それが人間のやることかよ〉

〈ウソダドンドコドーン!!!〉

〈おい。ボケんな〉

 

 

 僕の首元には剣。黒ずくめの男『ガリア』が握っている剣が僕の首元に添えられていた。

 僕の周りには黒ずくめの男が複数いるのみ。残りは全員、奴らに殺されている。

「『煽動の才』、か。無能な連中をわざわざ仕立て上げるなんてご苦労なことだな」

「そう?」

 『自分の死』に関しての恐怖はあまり無いので、気楽に僕はガリアに対して質問した。・・・・・・嘘です。死ぬのは別に良いのだが、やっぱり怖いものは怖い。

「そうだろう?俺達に狩られた連中の表情を見たか?アレがお前の言う誇り高い日本人なのかぁ?」

 ゲラゲラと笑うガリア。コイツの一挙手一投足が僕には不快に感じた。

「そうだ。面白いことを教えてやろう。俺達はな、この世界の神様に依頼されて『こんなこと』をしてるんだよ」

 ・・・・・・ハッカーが依頼主ってことかな?

「いや俺も驚いたぜ。ロードにしてやるから、このイベント中に裏切れ。サヤという青髪の男の娘に地獄を見せてやれってな」

「・・・・・・はぁ?」

「笑えるだろ?このイベントの全てが、お前を苦しめるために仕立てられたことなんだよ!」

 

 

コメント欄

〈・・・・・・〉

〈・・・・・・〉

〈おい、誰か何か言えよ〉

〈初見です〉

〈・・・・・・〉

〈・・・・・・〉

 

 

 

 

「沙耶よ。お主、そんな無様な姿を晒して何をしておるのだ?」

 

 

 

 突然飛んできた、腹に響くような重低音の声。

 首に剣を当てられたまま横を見る、遠くの方から巨大な赤い猪が歩いて来るのが見えた。

「そんなことではルナ様が泣くぞ?ソナタを慕う民衆もじゃ。ソナタとともにあるその『終末武装』も格が落ちるというものじゃ」

 意味の分からないことを続けざまに言った大猪は、更に言葉を重ねてきた。

「ソナタはワシが、天が、そしてルナ様が認めた『勇者』なのじゃ。そんな小僧ごときに負けるでないわ戯け者」

 一歩一歩がズシンズシンと地震のような揺れを起こしながら歩む様はまさしく生態系の王者であり、その様は野生の恐ろしさを酷く体現していた。

「前を向け『勇者』サヤ。ソナタは何者にも負けないほどに強かった。ソナタは『世界の星』じゃった。ソナタは、今でもワシの希望なのじゃ」

☆☆

☆☆☆☆

☆☆☆☆☆☆

 気づいたら、全てが真っ白の空間にいた。

 明らかにショートクリョーイキか斬魂刀と対話しちゃう系の場所にいたため凄くワクワクしていると、背後から声が飛んできた。

「久し振りだね、サヤ」

 子供の声。それも、僕より幼い声。

 振り返ると、太陽の様に明るい笑顔をしている、小学生ぐらいの、ストレートに言うが『小僧』がいた。見るからにイタズラ小僧だアレ。頬に絆創膏貼ってるし。

「いやー転生したっていうのに、全然変わってないね!」

「転生?」

 さっきから意味不明すぎて話が読めないのだが。

「そ!転生!君には前世があるんだよ!それもトビッキリのやつがね!」

「えぇ・・・」

 前世とか言われても、何も覚えていないのだが。

「そりゃああのクソ神が記憶を消したからね!記憶を取り戻すのなら色々と手順を踏まないと!」

 そうっすか。とりあえず当然のように僕の心を読まないでもらえませんか?僕が下ネタの大好きなガキってバレちゃうので。

「君の過去ならもう知ってるよ。大変だったね」

「おい」

「でもコレカラの方が大変だよ。

 楽しいことや辛いことが何十倍何百倍になって飛んでくるからさ」

「・・・・・・」

「サヤ。今の沙耶に1つ聞いて良い?

 今も貧乳は好き?」

☆☆

☆☆☆☆

☆☆☆☆☆☆

「『終末武装』」

 僕の腰にあった、あれだけ雑に扱っていた『棒きれ』から光が弾け飛んだ。同時に視界が青く染まり、なんだか時間が30倍くらいに引き伸ばされた感覚がした。

「っ!?」

 光で何かを悟ったみたいだが、もう遅い。

 僕はゆっくりと腰にある剣を抜くと、スッと立ってガリアの首を斬り飛ばした。

 初めての人殺しは、ゲームだからかそこまで抵抗は無かった。慣れている気すらした。

「な!?」「ワッツ!?」

 何かのアクションをしようとしているみたいだが、全てが遅い。

 1,2,3,4人。これで全員か・・・あぅ。

 

 

コメント欄

〈サヤ!?〉

〈気絶!?〉

〈絶命!?〉

〈今回!サヤ、死す!デュエルスタンバイ!〉

〈今回w〉

 

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