俺が《六花》で二つ名で呼ばれるのは間違っている。   作:萩月輝夜

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覇凰決戦(頂を目指す者達)

鳳凰星武祭(フェネクス)決勝戦は俺と綺凛ちゃんのペアが勝ち上がった。

喝采を受けながら俺は壁際にもたれ掛かる綺凛ちゃんへ駆け寄った。

 

「綺凛ちゃん大丈夫?」

 

「お義兄さんすみません…大事なところでお役に立てず…。」

 

しょげるパートナーの頭を撫でると申し訳なさそうにしかし気持ち良さそうに目を細める。

 

「大丈夫。さぁさっさと治療して面倒くさい勝利者インタビューを終わらせようか?」

 

「はい…あぐっ…。」

 

「おっと…。」

 

「あ、お、お義兄さん…これはちょっとその…恥ずかしいです///」

 

立ち上がらせようとしたがまだ傷が痛むのか顔をしかめていたのを確認した俺は有無を言わさずに綺凛ちゃんを抱き抱える…所謂”お姫様抱っこ”の状態でステージを後にすることにした。

勿論直ぐ様《物質構成(マテリアライザー)》を使用し傷と痛みを綺麗さっぱり直した後で受けなくとも良い各報道社のインタビューを受け俺たちはクローディア待つ控え室に戻ろうとした…がその道中で三人の人影に遭遇した。

一番最初に見えた顔を見て俺は「うげっ」となったが。

 

「いやいやー。”蜂也”君決勝進出おめでとー。まさかうちの子達が敗北するとは思わなかったなー。」

 

「は、博士か…いや、アルディは大丈夫か?本気でやったせいでぶっ壊しちまったけど。」

 

「ん?君は自分の事よりもアルディの事を心配してくれるのかい?大丈夫。君がマナダイトを外して攻撃してくれたから大丈夫さ。今は私のラボで修繕中だよ。」

 

良かったわ…修復不能、とか言われたらどうしようと思ったけど。

 

「…俺が聞くのもあれだけど怒ってないのか?自分が作り出した傑作…いや子供みたいなものだろ?」

 

そう問いかけると博士は笑い出した。

 

「…??……ぷっ…あははは!君は本当に変わった人だね!」

 

「あ…?」

 

「いや、君だからアルディとリムシィの感情が豊かになったのかもとその理由が分かった気がするよ。」

 

「どういう意味だ?」

 

「なんでも。とりあえずありがとう《戦士王》。君のお陰でこの子達は学習できたから。…より人間に近い感情を獲得を…ね。」

 

どうしてお礼を言われるのかが理解できないが…まぁ怒っていないのならそれに越したことはないので…良いか。

そんなことを思っていると隣から二人分の視線があるのに気がついてそちらに顔を向けるとカミラとリムシィが居り…となんでかリムシィは俺を見てもじもじしている。なんだ?

 

「カミラにリムシィか…どうした?」

 

「君に…いや沙々宮紗夜に対する言葉を撤回したいと思ってね。」

 

「ああ。その事か…だとしたらそれは俺じゃなくてあの武装の所有者で沙々宮に直接言って」

 

「その事なら既に沙々宮紗夜に伝えたよ。私としてはかなり不本意なのだが…君が使ったあの煌式武装…あれは《獅子派》のわたしからしたら認めたくないものではあるが………現に《戦士王》君が私たちを下しているのだ百歩譲ってもその有用性を認めざるを得ないだろう。」

 

くれよ、といい掛けたところ既にその件は伝えているらしい。

だったら俺に言うなや、と思ったがまだ先があるようで要するに「悔しいけど実際に結果出てるから認めるわ!本当は嫌だけど!」という事を俺に伝えたかったらしい。

 

面倒くさいなこいつ…。

 

「あぁ…そうかい。…ってリムシィはどうした?お前はメンテナンスは良いのか?」

 

その隣にいるリムシィがこっちを見ていることに気がついた俺はカミラから視線を外しそちらに向けると露出度は相変わらず据え置きだがアルディの装備が戻ってきているのか下半身の装備は充実していた。

 

「名護蜂也…これをお返しいたします。」

 

そういってリムシィから渡されたのは綺麗に折り畳まれた俺の制服の上着だった。

 

「ん?ああ。そういえば試合中渡してたな。悪かったな男物の制服なんて渡して。捨ててくれても良かったのに。」

 

申請すれば新しいのが貰えるから別に捨てても良いのに。

と、思っていたがこの自立稼働の少女は律儀なようで。

 

「あ、いえ…その…そう言うわけには行きませんので///」

 

「そっか…」

 

そう言って俺はリムシィから制服を受けとり博士に向き直る。

 

「…ああそれと博士。」

 

「なんじゃらほい?」

 

すっとんきょうな返答をするエルネスタに苦笑しながらリムシィの改善点を要求した。

 

「リムシィのパーツをアルディに合体させるときもっと装甲の面積増やしてやれ。」

 

俺は別になんとも思わないがリムシィが恥ずかしがっていたし観客席の連中が彼女を見る目が下卑な視線があったのを俺は見逃さなかった。

そう伝えるとエルネスタは頭を掻いて苦笑した。

 

「あはは…ごめんねリムシィ。今度また試合に出る時までに改善しておくよ。」

 

「はい…マスター。そうして……いただけると…ありがたいです。」

 

なぜかリムシィは頬をうっすらと紅く染めている。

後なんで俺をチラチラ見るんだろうか?

 

「お義兄さん…ううっ…またですか?」

 

「?…いてっ。な、なんで綺凛ちゃんは俺の脇腹を摘まむの?」

 

「知りませんっ…」

 

「まさか《戦士王》は自立機動のリムシィにもモテるとは…いやーすごいね。」

 

いやいや、俺の視線がイヤらしいとかという類いだろ…って俺は美少女ロボットは好きだけど性的に見てるとかそう言うのじゃないからね?

 

俺がリムシィの態度に怪訝に思っていると綺凛ちゃんが俺の脇腹を摘まんでいた。

君たち本当にその抗議活動好きだなおい。俺の脇腹は無限プチプチじゃあないんだけどね?それに最後何を言ったのかが聞き取れなかった…うーん。

と、まぁそんな会話を行いつつ俺は博士とカミラとの連絡先を交換することになった。

俺が行き詰まっている研究を博士に見せたら興味を示してくれたようで。

 

「え、なにこれ!面白そう!今度アルルカントに来て良く見せてよ!」

 

と言われたので今度アルルカントにお邪魔しようと思う。

が…勝手に他学園に向かって良いものなのか…後でクローディアに確認しておくとしよう。

 

◆ ◆ ◆

 

まぁ当然ながらユリスと天霧はいない。

控え室に戻るとクローディアに賛辞を貰い何時ものように俺が中央に座り左右にクローディアと綺凛ちゃんが座る。

 

「おめでとうございますお二人とも。勝ち抜くと信じていました。」

 

当然、と言わんばかりにクローディアが俺の腕に腕を絡ませてくる…ってやめろ暑いから…って言おうとしたら綺凛ちゃんも同じようなことをしてくる。

ほら見ろ悪いこと真似しちゃったじゃないか。

 

「ああ。」

 

「わたしは途中で戦えなくなってしまって…ごめんなさいお義兄さん。」

 

しょんぼりする綺凛ちゃんの頭を撫でながらフォローする。

 

「アルディ自体がでかい純星煌式武装みたいなもんだし…そもそもにおいて相性が悪いからさ。仕方ない。」

 

そもそもにおいて綺凛ちゃんの装備は煌式武装ではなく通常の日本刀だ。

それでも星辰力で強化されているので並みの煌式武装では太刀打ちできないだろうがアルディ本体に搭載されているマナダイト…そして合体したことで制御したウルム=マナダイト…それこそ純星煌式武装でなければ。

 

「ですけど…。」

 

「終わったことにこだわっても仕方ないでしょ。今は決勝…天霧達の対策をするのが生産的だ。」

 

此処までいくとウルム=マナダイトをどっかから仕入れて綺凛ちゃんの専用の純星煌式武装作成できないか考えておくか…。

《千羽斬》も名刀なのだが…渡り合うにはな…。

 

「はい…お義兄さん。そうですね。」

 

綺凛ちゃんにそう告げると自分でもそう思ったのか納得して頷いた。

会話を交わしてクローディアが作ったクッキーを頬張りながら紅茶を飲んでいるとふと声を掛けられた。

 

「そう言えば蜂也。先程運営委員会から先の試合で使っていた技を極力使用するのはやめて欲しい…と。」

 

「ああ。やっぱりか。」

 

勝利者インタビューで記者に『先程の技は?』という質問があった後に「企業秘密です」と答えた。

アルディを両断するという少しショッキングな光景に”それを通常の自立稼働兵器ではない星脈世代を容易に殺傷できるのでは?”という考えに至ったらしい。

まぁ、『壊劫の天撃』はあれでも出力押さえてた方なんだけどな…。

どうも俺に直接いうのではなくクローディア経由で伝えてきたらしい。

 

『ついやりすぎてしまった。反省はしていない。』

 

(黙ってろ。)

 

と《グラム》が突如としてPOPしやがったので黙って貰った。

まぁ、恐らく本気だすと後ろにいた観客席も巻き込んで融解する恐れがあったからこいつなりに手加減はしたんだろう。恐らく。

《影技・二煉神威》も上手く決まってくれてよかったが。

 

「まぁ、あれは確かに人に対して使うのは憚られるでしょうね。」

 

クローディアがティーカップに口から離しそう告げた。

 

「別に俺が《壊劫の天撃》を使わなくとも良いだろ。天霧達ががっちがちに防御が固いわけでもないしあれは完全なオーバーキルになるし。それこそ剣技と俺の魔法で事足りる。」

 

「お義兄さんは魔法と剣技、遠近兼ね備えていますからね…正直試合で当たりたくないです…。」

 

「それは同感です。」

 

「酷くないか?」

 

「本当の事なのだから仕方ないでしょう?」

「本当の事なのだから仕方ないです。」

 

「同時にいうなよ…。」

 

『それは我も思う。』

 

黙ってろお前は…。

 

っと二人から同時にそう言われてしまいそういう総評なのかと若干傷ついた。

まぁ敵対するなんて百歩譲ってもあり得ないが…。

そもそもあれを天霧が使わせてくれる隙を見せてくれれるとは思えないしユリスも同様だろうしな。

そんなところで二人をどう相手取るかを綺凛ちゃんと相談しながらクローディアが俺にくっついてくる。

暑いからやめい。

…てかあれだなフローラを誘拐を指示したのはレヴォルフ黒学園の生徒会長だっけか?

とりあえず試合が終わったら”釘を刺しておくとしよう”。

一先ず今日はもう疲れた…とりあえずクローディアにフローラ誘拐の張本人である《黒猫機関》の構成員を《次元解放》のポータルから叩き出し《拘束魔法》で身動きを取れないようにして彼女を通じて夜吹を呼び出し預けることにした。

夜吹本人は驚いていた。

俺が《黒猫機関》の諜報員を此方が無傷で生きて捕らえていることに「あり得ねぇ」という表情を浮かべていたがこの程度の実力ならどうとでもなるしな。

クローディアとも相談してこいつを使ってディルクを脅してやろうと思う。

俺がなんのリアクションを取らないのは大間違いだと。…まぁ試合が全部終わった後にだが。

ディルクの対応次第では…だな。星猟隊に突き出しても良いし金品をせしめて開発資金にでもするか。

 

◆ ◆ ◆

 

日付は変わって翌日。

ついに鳳凰星武祭(フェネクス)決勝戦が始まろうとしていた。

 

「んじゃまぁ行こっか綺凛ちゃん。」

 

「はい。お義兄さん。」

 

立ち上がり体を伸ばすと同時に綺凛ちゃんも立ち上がり立て掛けていた《千羽斬》を腰に差し俺は《壊劫の魔剣》を腰のホルダーに入れる。

 

「ではお二人とも…わたしは表立って贔屓して応援は出来ませんが…頑張ってくださいね。」

 

「ああ。」

 

「はいっ。」

 

「蜂也は少し残ってくださいますか?綺凛さんは先にステージへ。」

 

「え?あ、はい…お義兄さん。先に向かってますのでそれでは…。」

 

クローディアからの声援を受けて《鳳凰星武祭》決勝戦へ向かい控え室のドアを開いてステージへ向かうことにした。

しかし、二人でステージへ向かおうとするとクローディアに呼び止められた。

ん?なんだ?

同時に怪訝な表情を浮かべるパートナーだったが素直に頷き部屋を出て扉が閉められた。

 

「呼び止めて一体どうしたよ。」

 

俺は振り返る。

そこには近くまで来ていたクローディアの顔があった。

先程まで微笑を浮かべていた表情ではなく真剣な面持ちだ。

 

「あの…近いんですけど?」

 

「蜂也は相手が誰であろうが手加減はしませんよね?」

 

確認をするようなクローディアの問いかけに眉をひそめたが俺は数度考えた後にリースフェルトのことだろうと思いに行き当たり返答した。

 

「それこそ相手にとって失礼だろ。こっちは必死の思いで試合に臨んでるのに相手から舐めプされたら俺なら全力で相手を叩き潰す。」

 

「……。」

 

「それになクローディア。アイツはお嬢様だが戦う意味を理解してる。そんなアイツに俺が手を抜いて試合なんかしたら一発で分かるしそれこそ俺の無条件敗北だっつーの。」

 

渋い顔を浮かべているであろう俺の顔を見たクローディアは息を吐いて苦笑した。

 

「ふぅ…あなたの考察力には舌を巻かさせれますね。言いたいことを言い当てられるとは思いませんでした。ええ。」

 

どうやらリースフェルトの事で合っていたらしい。

俺の解釈違いじゃなくて助かったわ…。

普段通りの顔つきに戻ったクローディアからお馴染みのフレーズが来た。

 

「わたしの蜂也なのですから。完全勝利をお願いしますね?」

 

「知り合いに対する手加減は要らないのか?」

 

「それは今蜂也が否定したではありませんか?…ですがユリスと天霧君、彼らは当学園始まって以来強者だと思います。…気を付けてください。」

 

「ああ。…んじゃまぁ行ってくる。」

 

「ふふっ…行ってらっしゃい。あ、キスでもしましょうか?」

 

俺にさらに近づき腕を首に回してきた。

軽くいなして離れた。

 

「やめい。あと男が勘違いするようなことをすんな。アホなことしてないで…遅れるから。んじゃまぁ…行ってくるわ。」

 

「行ってらっしゃい蜂也。」

 

見送られ控え室のドアを開き外へ出る。

それじゃ知り合いが見てるし…本気でやらせて貰おうかな。

 

◆ ◆ ◆

 

「綺凛ちゃん待たせた。」

 

「いいえ大丈夫です。」

 

薄暗い通路を二人並んで進むが会話がない。…まぁ当然と言えば当然か。

ふと表情が固くなっている綺凛ちゃんへ声を掛けた。

既にクローディア達とのやり取りを終えてステージへ向かっている。

此処を通るのも今回で最後だな。

 

「……。」

 

「準決勝の時に比べて落ち着いてるね綺凛ちゃん。」

 

無言からの突然の声掛けに驚いたようだ。

声が少し上ずっている。

 

「え、あ、はい…その…」

 

「?」

 

頭に疑問符を浮かべていると少し困惑した表情で返答した。

 

「もう少しでわたしの…お父さんを助け出せるんだ…ってなりまして。その…実感が少し沸かなくてですね…。」

 

「ああ。そういうことね。」

 

大好きな父親を助け出せる…夢想だったかもしれない願い事が今その小さな手に掴むことが出来るかもしれない…ということに実感が持てていないらしい。

まぁそれもそうか。

綺凛ちゃんも実力はこの六花の中では上澄みも上澄みだが全てを圧倒するか?といわれたらNoだからな。

だからこそ綺凛ちゃんには俺が必要だったわけですね(それは言いすぎだ。)

困惑した顔を浮かべる綺凛ちゃんの頭に手を置いて撫でながら告げる。

 

「綺凛ちゃん。準決勝の時も言ったと思うけどどっちが勝つか何てのはまだ分からないぞ?決勝で当たるユリスと天霧は俺達が当たる中で誰よりも強いだろうしな。」

 

お馴染みとなった綺凛ちゃんの頭を撫でるのももう日課とかしている自分が恐ろしくなるがやられている本人が気持ち良さそうにしてるから…大丈夫か?

これで”後で訴えます”!といわれた日には俺引き込もって死ぬしかなくなる。

特に綺凛ちゃんみたいな良い子にそんなことを言われた日にはな?

 

「~~~~♪はふぅ。………はっ!…は、はいお義兄さん。」

 

気持ち良さそうに目を細めていた綺凛ちゃんだったが今は試合前ということに気がついたのかはっとして表情を整えていたがさっきまでのこわばっていた表情はなくなりいつものような柔らかな表情へと戻っていた。

だからこそ告げる。

 

「俺と綺凛ちゃんのペアは最強だからな…勝つのは俺達だ。緊張は解れたみたいだな…さぁ、お父さんを助けにいこう。」

 

「はいっ。」

 

困惑した表情から決意に満ちた表情に変わり俺と並んで歩き出しステージへ続くゲートへ向かい光の中へ進んでいく。

光を抜けた先にある光景は今か今かと興奮冷めやらぬ観客席にいる聴衆達。

視線を正面へ向けると同タイミングでユリスと天霧が現れた。

その瞬間に観客達の歓声が大きくなる。

同時に解説席から実況がコールされる。

 

『さぁ!両ゲートより西からは星導館学園の名護蜂也選手と刀藤綺凛選手、東ゲートより天霧綾斗とユリス=アレクシア・フォン・リースフェルト選手の入場です!二週間にわたった選手達の熱き熱き戦いが繰り広げられてきた鳳凰星武祭(フェニクス)もこの一戦をもって終わりとなるラストバトル!決勝戦でございます!』

 

『いやぁー両者ともに星導館学園所属の生徒選手で決勝戦を向かえることになるとは思いませんでしたが非常に楽しみッスねぇー。』

 

実況席のコメントに同意するように観客席の声が大きくなった気がした。

歓声とステージを照らす光が俺達に衝撃として叩きつけている。

俺達が歩みを始めると向こう側の天霧達も歩き始める。

 

定位置に立ち立ち止まる。

俺達の視線の先には天霧とリースフェルト。

リースフェルト(華焔の魔女)が口を開いた。

 

「やはり案の定お前達が勝ち残ってきたか蜂也。まぁお前達が負けるなどと微塵も思っていなかったが。」

 

その物言いに隣にいた天霧(叢雲)が苦笑している。

 

「『決勝戦は副会長達と闘いたい』っていってたのはユリスじゃないか。それに刀藤さんが負傷したときに一番心配してたのはユリスだっただろう?」

 

「なっ!?ば、馬鹿者…!此処で言うことではないだろうに!」

 

顔を真っ赤にして天霧に食って掛かるリースフェルト。

 

「うん。いつもと同じだわ。もっと気を張ってるかと思ってたが…杞憂だったみたいだ。」

 

「ふふっ、そうですね。」

 

その光景を見つつ俺と綺凛ちゃんは顔を見合わせて笑った。

 

向こうが俺達と闘いたいと望んでいるならば尚更リースフェルトの事情を知っているとは言え手加減はしない。

互いの望みはあれど此処に立った時点で強さを求めている一人の戦士となるのだろう。

…俺もまさか”つえーやつと闘いてぇ!”となるとは思わなかったけどな?

 

「いくか」

 

「はいっ」

 

ホルダーから壊劫の魔剣(ベルヴェルク=グラム)の発動体を取り出し握り刀身を励起させ綺凛ちゃんも《千羽斬》を抜刀し構える。

それを見たリースフェルトと天霧が頷き互いの獲物を発動させる。

天霧は黒炉の魔剣(セル=ベレスタ)を構えると実況と観客席が沸き立った。

 

『名護選手と天霧選手互いの純星煌式武装展開しました!”金”と”黒”!数多の強者を屠ってきた魔剣です!おや?前試合の時よりも輝きが増しているような感じさえ見て取れます!まるで共鳴でもしてるかのようだ!』

 

俺と天霧の互いの獲物が共鳴するかの如く紫電と低い唸りを上げている。

その最中《グラム》が語り掛けてきた。

 

(セレスタの奴…随分と気合いが入っているようだな。)

(まじか…。)

(向こうは斬る気満々のようだが…果たして我を斬ることが出来るかな?)

(お前も楽しみにしてんじゃねーかよ…。)

(当然だ。及第点だったのがアルディ殿達だけだったからな。)

 

脳内での会話を繰り広げていると解説は続く。

 

『互いに純星煌式武装としては破格の威力を持つ魔剣ですからねー黒炉の魔剣(セル=ベレスタ)は気まぐれな一振であることは知られていますし壊劫の魔剣(ベルヴェルク=グラム)に関しましても手にしたものを病院送り…または死亡させるという曰く付きの魔剣ッスから』

 

『流石は”四色の魔剣”と言われるだけの事はありますねー…っとそうこうしているうちにも開始時間が迫って参りました!さぁさぁ皆様泣いても笑ってもこれが最後鳳凰星武祭(フェネクス)最後の試合です!果たして頂点に立つべきに相応しいペアはどちらなのか!?』

 

興奮しっぱなしの解説の声を聞きながら向こうがどういう戦法で攻めてくるのかを頭で描いているとステージ上部に投影された掲示板の時計が正午を示す。

 

鳳凰星武祭(フェニクス)決勝戦、試合開始(バトルスタート)!」

 

校章が試合開始の合図を告げると共にお馴染みとなった《禁獄の力》を天霧は解放した。

《壊劫の魔剣》から声が響く。

 

(よし、主よ我が憑依して…。)

(いや。今回は俺が動く。)

(するぞ…ってなに!?)

(今日は留守番してろ。)

(な、なんだと…!?)

 

困惑する《グラム》を尻目に力を解放しトップスピードで駆け出し向かう天霧の姿があった。

そして本来ならば後方支援している筈のリースフェルトが追随している。

駆け出し目指す視線の先は ー俺だった。ー

 

『おおっと!?これは天霧・リースフェルトペア、同時に駆け出した!狙いは名護選手のようです!』

 

『どちらを一方狙うのは定石ですが後衛であるリースフェルト選手が前に出てくるのは珍しいッスねー。何かの作戦なんでしょうか?』

 

俺と綺凛ちゃん、どちらを狙うかと言えばそれはまぁ綺凛ちゃんではなく俺になるだろうな。

単純に俺の戦闘力が面倒くさいのだろう相手にとっては。

…って昨日二人から「相手にしたくない」と言われていたのを思い出しまぁそうだよなと納得した。

 

「行くよユリス!」

 

「ああ!」

 

向こうも出し惜しみはしないらしい。

 

「天霧辰明流剣術中伝ー”九牙太刀(くがたち)”!!」

 

九つの斬撃が俺を襲う。

中伝ということだが普通に奥義の部類だろと思うが…。

そんなことを思いつつ対抗するために《壊劫の魔剣》で《連鶴》で弾こうとしたそのときだった。

 

「咲き誇れ!九輪の舞焔花(プリムローズ)!!」

 

直後俺の側面で猛烈な熱が俺へ襲いかかる。

意識外からの攻撃は俺も虚を突かれた。

 

「うぉぉぉぉぉ!?」

 

正面からは斬撃、上下左右の死角外からは炎のチャクラムが飛びかかる。

攻撃が当たる………とはならずに俺はその攻撃を体に染み付いた《壊劫の魔剣》一閃振るって消し飛ばし正面から来る

《九牙太刀》を《連鶴》をもって全て弾き返した。

リースフェルトの攻撃を弾く際に技の威力が上がっているのか若干押された掛けたのは俺が訓練《応集法》をしっかりとやっているようだ。コントロールもしっかりしているのか一切の乱れがなく嫌らしい部分を突いてくる。

…教えない方がよかったかもしれん。

と後悔をしているとその隙を突いて天霧が続けて攻撃を仕掛ける。

 

「天霧辰明流剣術初段”貳蛟龍(ふたつみづち)”」

 

十字の剣閃が俺の校章を切り裂く。

二人で俺を真っ先に潰そうと言うのは理に叶っていた。

迫る斬撃と炎の戦弾が迫る。

 

ーがそれは叶わなかった。ー

 

「わたしもいることをお忘れなくっ。」

 

天霧の剣閃が俺へ到達する前に綺凛ちゃんが割って入り《千羽斬》で刃を合わせないように手首部分をピンポイントで狙って弾き飛ばし体勢を崩されたところで《連鶴》を叩き込む。

その勢いによって後方へ下がらり防御せざるを得ない天霧。

 

(綺凛ちゃんはリースフェルトを頼むわ。)

(畏まりましたっ!)

 

アイコンタクトを飛ばして攻める立ち位置を変える。

俺が天霧に、綺凛ちゃんがリースフェルトに向かう。

 

「咲き誇れ、赤円の灼斬花(リビングストンデイジー)!!」

 

「なっ…!?くぅ…!」

 

その斬撃が天霧に到達する前に地面より舞い上がった炎が吹き上がり、渦を巻くようにして炎の戦輪が出現する。

その数は”四十”。灼熱の戦輪が綺凛ちゃんを襲う。

前に見た時よりもサイズが小さいのは威力よりも優先しているからだろう。

しかし、到達する前に片手で綺凛ちゃんの腰を抱き止め《壊劫の魔剣》を地面に突き刺し《音声入力式CAD》を発動させ片手を翳すと炎の戦輪を《重力爆散》を予測到達空間へ二つ展開し全て叩き落とし砕け散る。

まる電気蚊取り器に飛び込み散る小虫のようだ。

 

「俺達を仕留めたいならその倍以上の数を持ってくるんだなリースフェルト…ふっ!!」

 

「なんだとっ…!?くっ…!」

 

狙いは俺から倒そうという魂胆だったらしいが既にそれは崩され乱戦状態になっておりリースフェルトの技を破壊し素早く綺凛ちゃんを手放して地面を踏みしめる。

俺に数十あった炎の戦輪が一瞬で破壊されたのが予想外だったのか本気で驚いた表情を浮かべている。

踏みしめた瞬間に地面に刺さっていた《壊劫の魔剣》を浮かせ手に取り自己加速術式で天霧に斬りかかる。

 

黄金色の剣閃が到達しようとしたがそれは阻止された。

 

「天霧辰明流剣術中伝、”十昆薊”(とびあざみ)

 

体ごと剣を大きく回転させて薙ぎ払い、さらに剣を逆手に持ち替え、もう一回転薙ぎ払いの二連撃を叩き込まれ斬撃の軌道が逸らされる。

 

「ちっ…!」

 

一撃目はリースフェルトを狙った斬撃は軌道を逸らされ二撃目が俺の校章を狙う。

俺は体を逸らし二撃目の斬撃を回避しその場で回転し《壊劫の魔剣》を振るい天霧の《黒炉の魔剣》と衝突する。

 

「っ!!」

「くぅっ!!」

 

《金》と《黒》の魔剣がぶつかり合った瞬間にステージ上に突風が吹き荒れる。

《連鶴》と《天霧辰明流》の斬撃がぶつかり合う。

 

「ーーーーーーっ!!」

 

「はぁああっ!!」

 

数度に渡る剣撃の応酬を目を捕らえることも出来ない。

俺は天霧の太刀筋を捉えるので精一杯だ。

 

『早い…早すぎます!名護選手と天霧選手の剣撃の応酬…早すぎて今この映像をお届けしている高性能なカメラでさえ捉えることが出来ません!…ってどうなってるんですかこれ!?』

 

『いやー、早すぎて引くッスね。』

 

実況席のあんまりの実況にえぇ…?となったが今は目の前の天霧に集中しなくてはならない。

 

(早すぎんだろ…っ!)

 

数度ガキャンッ!と音がステージ上で鳴り響き魔剣同士が鍔迫り合いをするが状況が変化した。

 

(抜ける…っ!)

 

怯んだ瞬間に体勢を整え技の準備を始める。

 

「くっ!」

 

「(押し込むっ!)悪いが此方の方が出力は上だっ!」

 

《壊劫の魔剣》をより一層励起させ出力を上げて押し込む。

鍔迫り合いの均衡が崩れ天霧が後ろへと押し込まれてついには大きく弾く。

 

(影技・二練神威…!)

 

隙だらけの胴体へ袈裟懸けから素早く切り上げの逆袈裟を見舞う神速の二連撃をぶつける。

決まったか?と思ったがそう簡単には行かない。

 

「咲き誇れ!鋭槍の白炎花(ロンギフローラム)!!」

 

槍のような火炎の花が間に割って入り校章を狙った一撃は強化されたリースフェルトの技によって文字通り横槍を入れられてしまった。

 

「綺凛ちゃんが押さえられなかったか…。」

 

「すみませんお義兄さん…。」

 

リースフェルトとやりあっていた綺凛ちゃんだったが抜かれてしまった。

こちらへ駆け寄り申し訳ない顔をしたが相手はあの華焔の魔女(グリューエンローゼ)だからな…仕方がない。

と言うよりもリースフェルトが此方の予想より強くなっているようだ。

 

「大丈夫だよ…さて…。」

 

援護により天霧に後退されてしまい結果として仕切り直しになってしまった…が。

どう対応しようかと考えていると天霧達も作戦会議をしているようだ。

やはり天霧とリースフェルトのペアは強い。

両者ともに叶えたい願い…まぁ天霧に至ってはリースフェルトの為に闘いたい、と思っているからだろうが…。

相性で言うのならば天霧に綺凛ちゃんを差し向けたいけどそれは装備の都合上不可能であることは明白で此方は通常の日本刀で《黒炉の魔剣》は純星煌式武装…《全てを切り裂く》という逸話がある上でどんなに技量があったとしても厳しいだろうしな。

 

と、なると俺が天霧とぶつかるしかないわけで…と思ったが俺は《グラム》が言っていたことを思い出しピンと来た。

 

『……………はっ…!?』

 

ある種の天恵だと思った。

直ぐ様《壊劫の魔剣》へ声を掛ける。

 

『グラム。』

 

(ん?どうした主よ。)

 

『ちょっと頼みたいことがあんだけどさ…。』

 

事情を《グラム》に説明する。脳内でだけど。事情を説明するとこの純星煌式武装はいつものような威厳のある声で二つ返事で了承を出した。

 

『俺が言うのもなんだけど本当に良いのか?』

 

(構わぬ。我が主に慕う綺凛殿が悪い子な訳がなかろう。)

 

『……意外だな。』

 

(む?)

 

『てっきり俺以外には塩対応なのかと思ったが…。』

 

(何を言っている。主が嫌いな相手なら嫌うが主が懇意の相手を嫌う理由はなかろう。)

 

俺が《グラム》に対するイメージを告げると笑われた。

 

『お前もしかして俺の事好きすぎないか?』

 

(我の力を引き出すのは主しかおらぬし使われる気もない。手放す気もないゆえ。)

 

『流石にそれはキモい。』

 

(…我は泣いても良いだろうか?泣くぞ?)

 

『…絶対に勝つぞ。』

 

(……応っ!!)

 

そんな脳内会話を切り上げ”とある秘策の為に作業して調整しながら息を整えている綺凛ちゃんに声を掛ける。

 

「綺凛ちゃん。」

 

「はい、お義兄さんどうしました?」

 

「ちょっと耳を貸して。」

 

俺がそういうと素直に綺麗ちゃんがこちらに近づいて耳を貸してくれる。

 

「は、はい…く、くすぐったいです。」

 

「………。………。というのなんだけど。」

 

「……?……ふぇええっ!?」

 

耳元でこの状況を打破するための”秘策”を告げると綺凛ちゃんは驚いた表情を浮かべていた。

まぁ当然だろうが…一番驚くのは天霧達かもしれんが…まぁ実績と心理威圧を与えられるから有益だな。

そろそろ向こうの作戦会議も終わるだろうし手早く準備を進めよう。

 

◆ ◆ ◆

 

鳳凰星武祭《フェニクス》の決勝戦はまさに頂上決戦と言われるのに相応しいものだった。

剣撃と多才な技の応酬に観客は大いに沸かせた。

しかし当の本人達は目の前の対戦相手とぶつかりどう対応しようかと策略を巡らせるのに必死であった。

特に鍛えている筈の綾斗とユリスは息が上がっており疲労度数も高い。

 

「はぁ…はぁ…流石は副会長…ユリスに援護されてなかったら危なかったよ。ありがとう。」

 

「はぁ…当初の予定では蜂也を早期撃破する予定だったのが…はぁ…わたしの見立てが甘かったか…。」

 

元々近接戦闘が得意でないユリスだったが綺凛を押さえるためになれない近接戦を行っていたのもあって息が上がっている。

序列一位の《疾風刃雷》に食らいつけている時点で可笑しいのだがそこは割愛する。

 

「あの副会長が相手なら僕たちが同時に攻めて来ることも分かっていたんだろうね…。(まさか”識”の境地を発動しているのに回避が出来ないのは正直狂ってるとしか言えないですよ副会長…。)」

 

実際に蜂也の攻撃を回避するために”識”の境地と呼ばれる天霧辰明流の技を発動させていた。

ユリスとのペアの際にこれを有効活用し決勝戦まで勝ち残ってきた節がある。

今回の作戦で二対一の状況を作り出し早々に蜂也を倒してしまおうと言う作戦だった…のだがそれは早々に頓挫することになる。

蜂也と綺凛の《刀藤流剣術》の”連鶴”には対処しきれていない。(蜂也のは未完成、という話だったが綾斗の反射速度に迫る、いやそれ以上の速度の剣閃がありユリスの援護がなければ校章を割られていた。)

それに先ほど『天霧辰明流剣術中伝、”十昆薊”(とびあざみ)』を弾いた”識”の境地を持っても捉えきれなかった《影技・二煉神威》はユリスの援護がなければ意識消失にまで持っていかれてたに違いない。

だからこそこの作戦はユリスとの連携が必須になるものだったが…。

 

「恐らく速攻で倒す策はもう封じられてるから各個撃破…になるのかな?」

 

バレている以上速攻撃破は意味を成さなくなった。

苦笑混じりにユリスに視線を向けると勝ち気な笑顔を浮かべるユリス。

向こうの方が有利とは言え戦意は衰えてはいないようだ。

 

「ああ。遠距離型のわたしに《戦士王》を押さえろ…とは無茶を言ってくれる。」

 

「僕が刀藤さんの相手をしないと行けないからね…刀藤さんの装備は普通の日本刀…僕の《黒炉の魔剣》と相性が悪いから必然的にそうなっちゃう…かな?」

 

只の日本刀に純星煌式武装である《黒炉の魔剣》と打ち合える筈がないのだ。

現に先ほど蜂也の援護の際に刀の柄を使って発動体本体を押さえていたから綺凛もそれを分かっていたのだろう。

 

「だが蜂也は《魔術師》でもあるからな…気がついたときには遠距離からの攻撃…何て言うのも容易く行ってくる…先程の私の『赤円の灼斬花(リビングストンデイジー)』が容易く潰されるとは思わなかったがな…あいつは空間に作用する重力制御の能力がある…厄介だな。」

 

「それって本戦で見せた《覇潰の血鎌(グラヴィシーズ)》みたいな能力ってことか…。」

 

「それにあのとき見せた”アレ”をまだ見ていない…私の炎を凍らせたあの技を。」

 

”アレ”といわれた綾斗は直ぐ様理解した。

ユリスの大技である《六弁の爆焔花(アマリリス)》を凍らせたあの技の事だ。

 

「動画で見せて貰ったけど…本当に副会長で規格外だね…。」

 

「蜂也を尊敬はしているがいかんせん言動がな…まぁ…敬意を払う相手ではあるがな。」

 

ユリスのその言動を聞いて吹き出しそうになるがそんなことをするとパートナーが不機嫌になるのは目に見えるので綾斗は自重した。

作戦の方向性…つまりは二対二で闘いつつフォローに入る、という何時もの作戦を行うことにした。

 

「さて綾斗準備は良いか?畳み掛けるぞ。」

 

「了解…!」

 

体がぶつかりそうな距離で闘いつつお互いの存在感を綾斗の”識”の境地で関知しながらユリスの援護や綾斗が援護に入ることは理に叶っていた。

《戦士王》と《疾風刃雷》は強敵であるし生半可な攻撃では全てが防がれてしまう。

全力で向かわなければ敗北は目に見えていた。

 

準備を整え正面を見据え武器を構える。

同時に蜂也達も武器を構えて再戦の準備をしていた。

綾斗達の作戦会議を待ってくれていたのか蜂也達も作戦会議をしていたのか分からなかったが不意を突く、ということはなかった。

 

「なあっ!?」

 

「ええっ…!?」

 

『おおっと!?』

 

『これは…驚きッスねぇー。』

 

…が、ある意味で目の前で攻撃以外で不意を突かれた綾斗とユリス。

その目の前に現れた光景とは。

 

ーそれは。あり得ないものだったからだ。ー

 

「……。」

 

”《壊劫の魔剣》が蜂也ではなく綺凛がそれを手に持ちその暴力的な大剣のような刀身が精練な日本刀サイズに変化している”その姿が綾斗とユリス、そして観客席に実況席は度肝を抜かれている。

 

ざわつく周りに反応するように《壊劫の魔剣》がバチり、と紫電を散らした。

 

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