俺が《六花》で二つ名で呼ばれるのは間違っている。   作:萩月輝夜

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祭りの後って寂しくなるよな?

『さぁ、いよいよこのグラン・コロッセオもクライマックスの第三フェイズ!最後だけあってクリアは簡単!時間内に界龍第第七学園が誇るガーディアンを二体倒せば勝ちとなります!なお、前回のフェイズとは違いいくら攻撃が当たっても失格とはなりませんのでご安心ください!』

 

「それってつまり遠慮の無い攻撃が飛んでくるってことだよね?星露ったら…私が歌姫だってこと忘れていない?」

 

「まぁ公主が噛んでいる、と言うことはこれからが本番と言うことだろうね。ミス・リューネハイム。リタイアするかい?」

 

「あ、酷いこと言うのねアーネスト。そう思うよね蜂くん?」

 

「俺に振るなよ…でも確かに世界の歌姫に怪我を……いや、させられる…のか?」

 

疑問を浮かべるとシルヴィアが良い表情を俺に向けた。

完全に失言だったかもしれない。

 

「…ふーんそう言うこと言っちゃうんだ蜂くん?」

 

「…しまった俺に矛先が向いたぞ。」

 

俺達のやり取りに呆れたような表情を浮かべているフェアクロフ。

言われたその言葉に俺は苦笑せざる得なかった。

 

「本当に仲が良いな二人とも…まるで恋人同士のようだ。ミズ・エンフィールドに何か言われても擁護しないのでそのつもりで。」

 

「いやだから俺とシルヴィアは友達なだけですって…あれです、じゃれ合ってるだけですから。」

 

「私的には恋人でも良いんだけどなぁ…。」

 

「?なにか言ったかシルヴィア。」

 

「ううん!?なんでもないよ?(よかった聞かれてなかったみたい…。はぁ…蜂くんってニブチンの気があるよねぇ…これじゃクローディアや綺凛ちゃんも苦労する筈だよ。オーフェリアは…ちょっと違うかな?)」

 

「???」

 

(あの表情からするとミス・リューネハイムも満更…というか今の一言は明らかに…というか名護くんは完璧に分かっていない、これが”朴念人”と言う奴なのか。)

 

(なんか二人からバカにされてる気がしたが…まぁ良いか。)

 

二人から何やら言いたそうな表情をしていたが一旦無視することにした。

この第三フェイズに残ったのは俺、シルヴィア、フェアクロフ、イレーネ、虎峰の五名…十五人いた筈が五名にまで減ったのは戦い方を知らなかったか実力が足りなかったかのどちらかだろう。

その中の一人である虎峰が難しい表情をしているのをシルヴィアが声を掛けた。

 

「趙くん?唸ってどうしたの?」

 

「いや、すみません、少し嫌な予感が。」

 

憧れのシルヴィアに声を掛けられた虎峰だったがその表情は晴れていない。

 

「まぁその気持ちは何となく分かる気がするな…」

 

「分かってくれますか蜂也。」

 

あいつは自分が楽しければ良いと言う”愉快犯”だと思っているので…。

流石に人並みの感情を持ってくれていると良いんだがな。

 

『それでは界龍の守護神にご登場願いましょう!』

 

夜吹がそう宣言するとステージの中央付近が開いてそこから”ナニか”がせり上がってきたのを虎峰がそれを見た瞬間に頭を押さえ呆れと嘆きが入り混じった声でそう告げた。

 

「やっぱり白泰と黒胡だ…。」

 

現れたのは二体の巨人…と言っても先程の戦闘用強化外骨格とは違い機械式ではなく木彫りの工芸品…と言うかカンフー映画に出てくる木人のようなデザインであり顔に当たる部分は簡素な仮面を着けて目の部分は空洞で少し不気味であり胴体に取り付けられた両腕は本体よりも大きく今は地面に向けて垂れ下がっているが地面に着きそうなほど巨大だった。

 

それぞれ白い木人は両手に剣を1本づつと黒い木人は両手で巨大な矛を装備しており全身には不思議な紋様が刻まれている。

 

(恐らくあの木人を動かすためのプログラムみたいなものかあの紋様)

 

そんなことを思っているとイレーネが虎峰に質問し返答していた。

どうもあの二体の木人は先代の《万有天羅》が作り出した”仙具”と呼ばれたもので界龍の黄辰殿を守るための”番人”という立ち位置らしい。

しかし、その仙具は本来界龍の外へは持ち出しては行けない決まりになっているらしいが…トップがそれを破って持ち出してしまったことに虎峰は頭を抱えたのだろうと容易に想像がついてあの童女が楽しそうに笑っているのを幻視した気がした。

 

そんなこんなで第三フェイズの開始を夜吹が告げるが今までの刺客とは違い現れた向こう二体は動きが見られない。

俺もブレード型の煌式武装を展開と同時に《瞳》を使用し情報を獲得しようとするが置物の用に反応が無い。

全員が間合いと様子を確認しているようだがイレーネが埒が空かない、と拳をかち合わせ一歩踏み出したその瞬間だった。

 

「なっ…!?」

 

先ほどまで微動だにしなかった黒い木人…黒胡が想像もできない俊敏な動きで一気に間合いを詰めてきて手に持った矛でイレーネを薙ぎ払おうとした。

 

咄嗟にその一撃を回避するが黒胡は手に持った矛の石突をイレーネに叩き込んだ。

回避できずにまともに食らったイレーネは後方、防御障壁へぶち当たりずるずると崩れ落ちた。

 

「くそっ…がぁ…!」

 

「おいおい大丈夫かよ…。」

 

イレーネは口の端から血を垂れ流しながらふらふらと立ち上がる。

攻撃を受けてもなんとか無事だったのはあいつが頑丈だからだろうか分からないが今すぐに戦線に復帰するのは不可能だろう。

イレーネを一撃で戦闘不能にしたことと良い間合いを一瞬で詰められるスピードは驚異だが何よりも動作するための”気配”が感じられないのが厄介だった。

 

「(《瞳》で一瞬だけあの木人逹が動く瞬間に星辰力がチラリと輝いてみれるのが救いかも知れんが…)」…っ!」

 

そんなことを思っていると今度は白い木人が俺に向けて左手に握った剣を振り下ろしてきたのを確認し身を捻って回避したと思ったら次は右手に握った剣を横薙ぎに振るう。

俺はその攻撃をブレードで受け流し隙だらけになった胴体に向けて横一文字からの逆袈裟をお見舞いしたのだがダメージを受けているリアクションが見られないところを見ると木製ではあるがそこらの重厚な兵器よりも頑丈そうだ

どうしたもんか、と考えていると受け流した白泰はくるりと顔を向けて此方に再び剣を向けたが気配を感じ取ったので素早く横移動してその場でバク宙返りをすると虎峰が横から突っ込んできた。

 

虎峰と白泰が接敵したのを確認し俺はその場から距離を取る。

 

「破っ!」

 

白泰の巨体が吹っ飛んで追撃を仕掛ける。

瞬く間に白泰は虎峰の連続攻撃によって身動きが取れない状態になり最後には回し蹴りの一撃で後ろへ吹き飛ばし距離を取る。

 

「おおー、さすが趙くんは速い速い。」

 

同じく黒胡からの攻撃を難なく回避し大きく跳躍し俺の付近へ着地した。

 

「流石は《鳳凰星武祭》の優勝者…界龍の武術は星辰力をコントロールするのに長けている、ってのは聞いていたがこれほどとは思わなかったな。」

 

「あの加速は攻撃に転化されてるし、おっかないよね。」

 

「しかし、虎峰の攻撃並みの星脈世代ならとっくにダウンしててもおかしくない筈なんだが…一体どういう素材でできてんだ?」

 

先ほどから虎峰が鋭く重い一撃を連打している筈だが打ち込まれている白泰は壊れる様子が見られない。

一体どんな素材で作成されているのか、俺の《瞳》では普通の木材らしいのだが…。

 

(材質は普通の頑丈な密度の濃い木材…を特殊な術式、恐らくは星仙術を使ってるんだろうが…分からんな。)

 

観察しているとシルヴィアが動き出す。

 

「ふふっ。これは私も本気を出さないと不味いかも…って言っても歌えないのはちょーっとしんどいなぁ。」

 

「俺も《魔法》が使用できないのはキツいな…俺にはまだまだな剣術しかねーし。」

 

シルヴィアがそこらの面子に見劣りしないのはその実力が能力有りの戦闘に頼ったものではなく確かな戦闘技術と身体スペックが基本に有ることが大きいからだろう。

 

「ふふっ。蜂くんはそう言うけど戦闘技術で言ったら私とほとんど変わらないと思うけど?それに星露も言ってたけど”ナニか隠してそう”だし?」

 

「…ノーコメントでお願いします。」

 

そう返答するとイタズラな笑みを浮かべるシルヴィア。

本当にかわいいなこの歌姫。

 

「ふふっ。いつか話してくれると嬉しいかな?…まぁでもないものねだりしても仕方がないか。今あるものでどうにかしないとね。」

 

そう言ってシルヴィアは握ったブレードの光刃が一気に膨れ上がる。

 

「初めて使う煌式武装で流星闘技かよ…すげぇな。」

 

「ふふん、流石に序列一位の看板を背負ってるしこのくらいは出来ないと。」

 

隣でこれだけの技を見せてくれている少女がいるというのに男の俺がなにもしない、というのは流石に俺自身の小さいながらも確かに有る”男のプライド”とやらに火が着いたを確認し俺は”いつも通りの構え”を取る。

 

「お。やる気だね蜂くん。それじゃあ手伝ってくれる?」

 

「あいよ。仰せのままに歌姫様?」

 

シルヴィアは返事の代わりにウインクをして見せた。

それが合図となり先にシルヴィアは駆け出し一人で黒胡の相手取っていたフェアクロフと入れ替わるように矛を受け止めた。

 

「おや加勢に来てくれたとは有りがたい。」

 

穏やかそうにそう言ったフェアクロフは防戦を徹底していたのだろう、しかし彼の額には汗ひとつ掻いていないのは異常に見えた。

 

「《聖騎士》様は様子見?やる気がないのなら帰っても良いよ?」

 

「辛辣だな…そう言うわけには行かない。女性に任せて自分は高みの見物…となれば僕は《白慮の魔剣(レイ=グラムス)》に見離されてしまう。」

 

俺はその会話を聞きながら武器をフェアクロフが武器を構える前に純粋な身体技能である《縮地》を使い黒胡の間合いに飛び込み連続攻撃を浴びせると同時にブレードにキャパが越えない程度の星辰力を込めてブレード型は一時的に”大剣”へ変化した。

 

「……っ!!」

 

「おや。」

 

まるで別々の型が一つの攻撃に見える連続攻撃を浴びせると流石に黒胡の体躯がぐらついた。

 

しかし、その攻撃でダウンするほど仙具、というのは脆くないらしい。

ぐらついたその隙を狙いシルヴィアは動き出しており前のめりになった黒胡の胴体へ剣閃が煌めいた。

 

「本当に、堅いな、もう!!」

 

シルヴィアが愚痴るのを聞きながら俺は素早く相手が反応するよりも先に背後に回り込み一撃、二撃…と叩き込むが決定打を与えられていないのは明白だった。

 

「堅すぎだろ!?」

 

「…それでは、これではどうかな?」

 

いつのまにか高く飛んでいたフェアクロフが黒胡の仮面の根本に刃を突き立てている。

シルヴィア同様に刃が通常のものよりも光輝いているのは流星闘技を発動しているからだろう。

 

「うおっ…すげぇ」

 

「あ、こら!良いとこ取りはずるいぞ!」

 

一度距離を取ったシルヴィアがそう非難すると、同じように黒胡から距離を取ったフェアクロフは真顔のまま小さく首を振る。

 

「しかし、そう上手くは行かないようだ。」

 

「え…?」

 

「まじか。」

 

『だが!だがしかし!ガーディアンは止まりません!なんと言う頑丈さでしょうか?』

 

俺逹三人の連続攻撃に実況席の解説が観客逹を囃し立てているようだがそんなことを気にしている暇はない。

吹っ飛ばした筈の黒胡が何事もなかったかのようにむくり、と立ち上がり再び矛先を此方へ向ける。

 

「弱点だと思って目の部分を狙ったんだがそうでもないらしい。どういう仕組みになっているのか見当もつかないが吸い込まれるようでまるで手応えがなかった。」

 

「なんじゃそりゃ…。」

 

「うーん…だとしたらさっきみたいに首の可動域を狙うとか?でも通じなさそうだし…うわわっ!」

 

「うおっ!?」

 

「どうやら作戦会議をさせてくれる程甘くないようだね。」

 

会話に集中していたせいで挙動ゼロで動く黒胡の素早い動きに反応できず近くにいたシルヴィア、俺、フェアクロフと矛先が襲いかかるが紙一重で回避し距離を取る。

 

「黙らせるなら吹っ飛ばすしかないか…」

 

「お、解決策を持っている感じかな蜂くん?」

 

シルヴィアは今度は向けられた矛先をブレードでそらし黒胡の胴体を軽く蹴りあげ後ろへステップを決める。

フェアクロフは回避して胴体にブレードで切り付けるが決定打を与えられていないのは一目瞭然、反撃する黒胡の矛を此方もいなして後ろへ跳躍し俺たちは再び並んだ。

 

並んだ俺たちに矛を構える黒胡。

 

「その口ぶりなら方法があるようだが…出来るのかい?」

 

”出来るのかい”は「本当に出来るのか?」と言う意味と「壊劫の魔剣ありき、とは言わないでくれよ?」という疑問

と若干の嘲りが入っている気がしたが俺が使える”壊劫の魔剣以外”での破格の攻撃力を持つ技がある。

…ただ、タイミングがシビアなので成功するかは微妙だがな。

 

「…やれますよ。」

 

しかし、そう言われて俺は少しムスっとするととなりにいるシルヴィアが小さな微笑を浮かべていた。

 

「くすっ…。」

 

「シルヴィアはなんで笑った?」

 

「ううん?なんでもないよ?意外に蜂くんって男の子なんだなーって。」

 

「バカにしてんじゃねーか…まぁそろそろ終わらせたいしな…最近武器に頼りっぱなしだし良い機会だ。少し感覚を取り戻させて貰うとしますか。」

 

ブレード型の煌式武装を仕舞い黒胡目掛けて縮地で飛び込むと当然ながら迎撃が発生し矛先が俺に触れる。

 

瞬間。

反射的に矛先を拳で弾き飛ばしカウンターの要領間合いに入り込んで拳を握りしめ胴体に叩き込む。

拳に集約された”想子”…ではなく”星辰力”が練られた拳…《破戒・白虎乃型》が炸裂した。

 

瞬間。

 

空気が破裂する音が響き渡る。

木人の胴体が木っ端微塵に吹き飛んで飛ばされた黒胡はついぞ起き上がること無く倒れ込んだまま動かなくなってしまったのだった。

 

(まぁ…こんなもんかな。)

 

「なっ…!?」

 

「うそ…?」

 

「ほう…?」

 

「マジかよ名護?」

 

それぞれがそれぞれの反応を見せていたが一番の驚きを見せていたのは虎峰だろう。

自分達の先代が作り出した仙具を一撃で破壊した場面に遭遇してしまったのだから。

 

『なんと名護選手がガーディアンの一人を一撃で倒してしまいました!一体今の攻撃はなんだったのでしょう!?拳打を当てたように見えましたが…今のは流星闘技なのでしょうか!?』

 

俺はこの試合が終わるまで苦笑いを浮かべ残る一体である白泰はフェアクロフの剣術によって地に伏してゲームセットしたのだった。

 

…ものすごく虎峰が此方を興味津々に見てるんだけど。

 

◆ ◆ ◆

 

「くふふ…やはり蜂也は面白いのう!まさか仙具を一撃で破壊するとはな!」

 

大会を一望できるVIPルームにてその様子を見ていた星露はその見た目通りのはしゃぎ様だった。

言っていることは物騒だが。

 

「やはりと言うか未だ本気を出していないように見える…が、獅鷲星武祭ではそうも言っておられんだろうな。」

 

結果として今回の大会で八幡の隠された力を一端だが目の当たりにしてニヤニヤが止まらない星露。

 

「本当に惜しい…儂が勝負を仕掛け界龍に引き抜いてしまおうかのう…じゃが流石に虎峰に叱られるのう…しかし、先程の蜂也の技…あれは見たこともない型じゃのう…うむむ興味深い!」

 

星露のその表情は一瞬だけだったがその見た目以上の見た目に見えたかもしれないがそれを指摘できる者はこの場には誰もいなかった。

その呟きを今回の大会を優勝し表彰台で微妙な表情を浮かべている少年に星露は嬉しそうな表情を向けていた。

 

◆ ◆ ◆

 

「まずったな…咄嗟とは言え『白虎乃型』を使う羽目になるとは…その後虎峰にめっちゃ問いただされたし。」

 

結果として《グラン・コロッセオ》の優勝者は俺になり賞金をいただくことになったのが最後で俺が黒胡に掌底を叩き込み一撃で倒したことで虎峰にめっちゃ問いただされたのだ。

 

(「どうやって仙具を一撃で壊したのですか!?」とか「今の技は一体…!?」とか聞かれたけど適当に体術、ってごまかしたけどあれは絶対納得してないよな…?)

 

興奮気味に俺に質問をして来たが…シルヴィアが割って入らなかったらずっとあのままだったのは流石に勘弁してほしい…その後にシルヴィアが振り向いた瞬間にウインクしてたからこれは借りを作りましたね…間違いない。

 

その後閉会式を行い最後まで残った選手には賞金…かなりの額が出ており特にイレーネはホクホク顔をしていたのは覚えている。

フェアクロフやシルヴィア、虎峰は受け取らなかったが俺は参加料、ということで受け取りかなり懐が潤っている状態だ。

 

先ほどの試合でフェアクロフもシルヴィアも俺の使った体術について興味を持っていたが深く追求する気はないようで会場を後にした。

 

その後シルヴィアは急遽仕事が入ってしまったらしく

 

「ごめんね蜂くん。抜けられないお仕事が…ごめんまた今度ね?それと獅鷲星武祭(グリプス)での活躍期待してるからね。バイバイ!」

 

そう言って足早に迎えに来たマネージャーさんの元へ駆けていった。

世界の歌姫にそこまで期待されたのならがんばるしかねぇか…と思ったが今回の星武祭(フェスタ)はクローディアの”望み”が掛かってる。

言われるまでもなく優勝するつもりだ。

 

獅鷲星武祭(グリプス)》まであと数ヵ月、いやもう数ヵ月なのだろう日数は迫っていた。

 

「……。」

シルヴィアを見届けた後に俺の歩みは星導館へ向けられる。

 

事故で流れ着いたこの世界、俺は何時になったらもとの場所へ戻れるのか…検討も付かないが今は自分の研究と知り合いの望みを叶えるべく奔走するのみだ、と自分に言い聞かせた。

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