俺が《六花》で二つ名で呼ばれるのは間違っている。   作:萩月輝夜

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本編更新せずにこっちを投稿している…《魔法科》が行き詰まっているので気分転換に…。
許してほちぃ…。




華焔の魔女(お転婆姫)

序列三位の《蛇輪王(クエレベレ)》を打ち倒したことによって星導館学園の新序列三位となった蜂也は忙殺されていた。

陰謀術数とは別の意味でだが。

 

場所は変わって星導館学園の生徒会室にて。

 

この時代では珍しく…というかやはり重要な書類関係はやはり紙ベースで決済や申請が行われており学校の運営に際しては生徒会が行うことになるので今までは現状クローディア一人で行っていた…のだが。

 

「終わったぞ、これに判子押してくれ。」

 

「分かりましたわ。…蜂也あの書類は?」

 

「そこにある。判子だけ押しといてくれ。」

 

「早いですわね…。」

 

「まぁな…。」

 

はぁ…と溜め息をついてどうして書類仕事をさせられているのか今すぐにでも投げ出してやりたかったがそうすると

クローディア(こいつ)は愉快犯なくせして仕事はきっちり真面目にこなすという面倒くさいやつということが数日の付き合いで分かった。

それにこの《アスタリスク》の一学校、『星導館学園』の長ということもあり通常の学校運用の仕事が比じゃないくらいの量をけろっとした表情でやってのけるがこいつのおかしいところなのだ。

 

じゃあ、任せてサボれば良いんじゃないか?と思う諸君もいるだろう。

 

それは一度やってみれば分かるがこいつに仕事を放ってサボろうとしてドアノブを掛けると手を掛けていない方にいつの間にかクローディアが手を握っておりボソリと一言「行かないで下さい…」と。

 

表情は見えてはいないのだが明らかな妹ムーブを見せつけられてはお兄ちゃんとしては放っておくわけには行かないのである。

実際に俺は生来持つ《瞳》の力により他人の悪意を感じとることが出来るのでクローディアの行動は悪意無く本当に寂しがっていることだけは感じてしまうのが質が悪いのだ。

出会って数日か一週間程度の人間にこんなに好意を寄せることが俺にとっては疑いの対象になるのだから困ってしまうのだ。

 

俺はクローディアを「女の子」として見るのではなく「妹として」見ることにした。

そうするとスッキリするからな。以上をもって証明終了。

 

「以前に生徒会の仕事を手伝っていた…というか手伝わされていたからな。」

 

「だからそんなに手際がよかったんですね…正直蜂也が居てくれて助かります。」

 

そういってにっこりと微笑むクローディアに俺は苦笑いするしかなかった。

 

 

「私と勝負をしろ《戦士王》」

 

「え、何だよいきなり出会い頭に決闘申し込まれたんだけど…。」

 

生徒会室での仕事を終えて自室(冒頭の十二人(ページ・ワン)になった特権で寮の一人部屋に移動しクローディアと同じくワンルームに住むことになった)にクローディアと共に戻ろうとした夕方前に同じクラスの…ええと名前の長い少女にいきなり決闘を申し込まれた。

彼女に聞こえないように小声でとなりに居るクローディアに話しかける。

 

「なぁ、クローディア。この決闘少女だれ?」

 

「決闘少女、ではなく彼女は当校の序列六位ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルトですよ。またの名を『華焔の魔女(グリューエンローゼ)』です。」

 

長い…!名前が長いし二つ名も長い!

目の前の少女に目をやると確かにその強気な表情に裏付けされた実力と彼女の星辰力から見てとれることから恐らく話に聞いていた《魔女(ストレガ)》なのだろう。

しかし、かなり無理をしているような印象を受けたのは俺の気のせいなのだろうか。

 

「良いのではないですか?蜂也、お相手をしてあげては?」

 

そんなことを考えているとクローディアがそんな提案をしてくる。

 

「簡単に言ってくれるなよ…そもそも生徒会長が簡単に決闘を許しても良いのかよ。」

 

「切磋琢磨し合うのは良いことですから。」

 

その発言に俺は諦めるしかなかった。

俺とクローディアの会話が終わるまで律儀に待ってくれていたユリスは思っているよりも高飛車なお姫様では無いようだ。

 

「話は終わったか?それでは…」

 

ユリスは制服の胸に飾られた星導館学園の校章『赤蓮』に手を翳す。

 

「不撓証したる赤蓮の名の元に、我ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルトは汝名護蜂也への決闘を申請する!」

 

宣言と同時に俺の校章も紅く発光する。

気がつくと周囲に人が集まっているのを確認して頭痛を覚えた。

見世物にされるのは性に合わない。

 

「私が勝てば貴様の序列を貰おう。」

 

一方的な要求に思わず笑いが出そうになったが此処で笑うと変質者の烙印を捺されそうになるだろうと思い自重。

 

 

「俺が勝てば何をしてくれるんだ?まさか要求するだけじゃないよな?決闘って言うのは双方失うものを取りこぼさないようにするためのシステムだろ?お前は何を賭けるんだ?」

 

俺がそういってユリスに一瞥すると顔を紅くして体を両手で抱いていた。

 

「う、噂は本当だったのだな《戦士王》!!」

 

「は?」

 

「特待生で入学したときからクローディアと一緒に居るのはあいつの弱みを握ってぼ、暴虐の限りを尽くしているんだろう!わ、私もお前の愛奴隷にするつもりなのか!?」

 

「愛どれ…!」

 

「へっ…?」

 

困惑する俺と『愛奴隷』と聞いたクローディアは顔を真っ赤にしていた。

ユリスが言った一文が集まってきていた野次馬達をざわつかせた。

 

「愛奴隷…」

 

「そんな生徒会長が《戦士王》にそんなことをされているなんて…」

 

「鬼畜眼鏡…」

 

ざわざわ…とざわついてきた野次馬達にハッとなった俺は冷静に物事に対処するべく殺気を飛ばして黙らせる。

そして目の前に居る頭がピンク色(髪色もだが)のお姫様にたいしてクローディアの仲を訂正した。

 

「お姫様が『愛奴隷』なんて言葉をつかうんじゃねぇよ…そもそも俺がこいつと一緒に居るのは仕事を手伝っているだけだ。こいつとの関係は仕事だけでそれ以上でもそれ以下でもない…って何でお前不満そうなの?」

 

ユリスへ訂正の言葉を告げているとクローディアが不満げな表情(頬を膨らませている)しかし、その表情は一変していつもの表情に変わり俺の発言を肯定した。

 

「そうですよユリス。蜂也とは仕事の付き合いですからエリスが想像しているような関係はないですよ?そんな裏もとれていない情報を信じるとは…お子さまですね。」

 

「だ、誰がお子さまだ!き、貴様は一体私に何を望む!」

 

お子さま扱いされたリースフェルトは逆ギレして俺に指を突きつけてくる。

おい指を人に向けるなって教わらなかったのかよ。

若干の呆れを含みつつユリスに対する決闘における要求を告げる。

 

「俺が勝ったら…そうだな昼飯一回奢ってくれ。高いやつ。」

 

「ほ、本当にそれで良いのか?」

 

「それ以外に何があるんだよ…。」

 

その事をユリスに言うと顔を真っ赤にして咳払いして気を取り直した。

 

「んん!!さて、準備はいいか?」

 

「はぁ…」

 

俺は手に持った純星煌式武装(オーガルクス)の発動体を起動させると万応素が集約・固定されて刺々しい金黄色の身の丈以上の大剣が姿を現す。

 

それを見たユリスも腰につけたホルダーから発動体を取りだし起動させる。

その刀身は俺の持つ武装よりも細く光のレイピアだった。

細剣を優雅に構えながら、ユリスの瞳が俺を射貫く。

 

溜め息をつきながら無造作に大剣を構えながら宣言する。

 

「我、名護蜂也は汝ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルトの決闘申請を受諾する。」

 

俺は受諾の証しとして胸についた校章が紅く輝いた。

 

◆ ◆ ◆

 

「咲き誇れ!《鋭槍の白炎花(ロンギフローリム)》!!」

 

ユリスが細剣をタクトのように振るうとその起動に沿って巨大な青白い炎が槍のように顕現し、さながらテッポウユリのような形状がロケットのような軌道で蜂也に襲いかかる。

 

「…。」

 

「なっ!?」

 

深く腰を落とし地面を蹴りつける同時に炎を切り捨てて爆炎が広がりその炎の中を悠々と歩いてくる姿は恐怖すら覚えるだろう。

 

「うっそ…あの攻撃を受けてびくともしてないの…?」

 

「伊達に《戦士王》って言われてないな…てか雰囲気かわってねぇか」

 

「なんか、《戦士王》が手加減しているように見えるんだけど…」

 

「くっ…」

 

蜂也は手加減をしているわけではない。現在彼は相対しているユリスの実力を測るために『一定の本気』を出して戦ってはいるが野次馬達からは手を抜いているように思われているのは仕方がなかった。

 

しかし、現在優位に立っているのはユリスであり様々な攻撃を休みなく与え続けており先程からその場からか動けずに防戦一方なのだが決着がつきそうになくその事はユリスが一番感じ取っていた。

 

《戦士王》を接近させてはならない、と警鐘を鳴らしていた。

 

ユリスが手に持っている細剣はあくまで接近された際に使用する緊急用の武装だ。

自分が優勢に攻撃を与え続けているが本当に効いているのかも怪しいものだった。

こちらの攻撃を捌ききる蜂也はまるで得体の知れない者を相手取っているように感じた。

攻撃を捌ききられた一瞬の隙をついてこちらへ話しかけてくる。

 

「これが”貴女”の実力ではあるまい?」

 

その発言を受けてユリスが納得がいかないばかりか自分の矜持(プライド)が傷つけられた事と正体を確かめるべくユリスは星辰力を集中し後先を考えずに大技を繰り出した。

 

「っ…!咲き誇れ《六弁の爆焔花(アマリリス)》!!」

 

今度こそ仕留める、と決意しユリスの目の前に巨大な火球が出現するとギャラリーがざわついた。

 

「やべぇ!大技だ!」

 

「逃げろ逃げろ!!」

 

「じょ、冗談じゃない!!」

 

巻き込まれて怪我をしても自己責任である。ギャラリーが慌てて距離をとるが《戦士王》の背後…等直線上にクローディアがいるが動く気配はなくそんなものは知らぬと、瞬時に最適な軌道を脳内で計算し火球を放った。

しかし、蜂也は避ける動作をとらずにただユリスを見据えて居るだけだ。

更にその行動にユリスの火種に油を注いだ。

 

エリスはグッと拳を握り命令した。

 

「爆ぜろ!!」

 

「…。」

 

蜂也の眼前で火球が爆ぜた。

完全に逃れることは不可能だ。

星脈世代と言えどもこの至近距離で攻撃を受ければ動くことは出来ないだろう。

 

「《絶対零度(アブソリュート・ゼロ)》」

 

この会場に居る誰もが聞き取れないほどの声量で左手を翳し魔法の起動式が展開する。

 

その結果、吹き荒れる筈の焔で埋め尽くされる筈だった炎燐は氷の結晶へと変化しその炎の花弁はその形のまま氷の花弁へと変化した。

 

「なっ…!?」

 

突然の雪の花弁へと変化した《六弁の爆焔花(アマリリス)》の変わりようにユリスは驚くしかなかった。

その隙を突いて蜂也は《縮地》を使用しエリスに接近する。

既に懐に入られていた。信じられない速度で星辰力の影響も感じられなかった。

 

「こ、このっ!!」

 

反射的に手に持ったレイピアで迎撃しようとするが既に遅かった。

 

「…」

 

「くっ…」

 

レイピアを持った手首を優しく掴まれて向けることはできない。

壊劫の魔剣(ベルヴェルク=グラム)》の切っ先がユリスの喉元に突き立てられていた。

ユリスを見る蜂也の表情は無機質なもので感情が乗っていなかった。

喉元に向けた切っ先を少し離して軽く振るうとユリスの校章が真っ二つに別たれた。

 

「勝者、名護蜂也!!」

 

勝者が告げられギャラリーが沸き立つがエリスは地面に膝を折って崩れ落ちるように座り込んだ。

 

「私の完敗か…。」

 

ユリスから離れて蜂也は発動体をしまうと先程の決闘で賭けていたものを再確認させるために話しかける。

 

「お前の敗けだからな…ちゃんと昼飯奢って貰うぞ。」

 

「ああ、良いだろう。」

 

勝負に負けたとは言えユリスの表情は晴れやかなものだった。

 

◆ ◆ ◆

 

後日。

 

「おい、蜂也。私はお前には奢ると言ったがなぜクローディアが一緒に居るのだ!?お前は関係ないだろう!」

 

「あら、蜂也は私の蜂也なのですから彼が勝てば私も自動的に…」

 

「そんなわけあるか!」

 

「食堂で騒ぐなよお前ら…あーリースフェルト。こいつの分は俺が出すから気にするな。」

 

「ぐっ、それはそれでお前に負けた気分になるから受け入れたくないのだが…しかし…。」

 

約束通りにリースフェルトに昼飯を奢って貰うために食堂に来ていたのだが当然と言わんばかりに俺のとなりには基本的にクローディアが居るので一緒に昼飯を食うことになり、その『昼飯を奢って貰う』と言う権利にクローディアが集ってきていたのだ。

まぁ、俺が出すから良いんだがそれだとリースフェルトが納得がいっていないらしく面倒だなと少し思ったがこいつは真面目な奴なのだ、と再認識させられた。

ふと思ったことなのだがクローディアとリースフェルトが中々に気安い関係だと思う。

その事について聞いてみた。

どうやら、というかはやはりと言うべきかリースフェルトはリーゼルタニア王国の第一王女らしく国に居た頃から企業統合財体の幹部である両親を持つクローディアとはなにやら一言では表せない関係性のようだ。

リースフェルトにとってはクローディアは敵のような存在かもしれない。

リーゼルタニアは企業統合財体から傀儡にさせられているようだしな。

 

「まぁ…腐れ縁だな。」

 

「あら、腐れ縁だなんて。」

 

「へぇ…」

 

リースフェルトの発言には含みがあるように思えたので合えての追求はしなかった。

丁度昼飯も出来上がった様だったのでその事は置いておくとして戴きながら雑談し始めた。

 

リースフェルトは甘口カレー、クローディアはジェノベーゼ、俺は奢りの幕の内御膳を戴きながらリースフェルトの質問に…と言うか俺が質問に答えていた。

 

「ところで何故クローディアと一緒にいるのだ?正直この女は腹黒すぎて…弱みでも握られてるのか?」

 

「俺どんな鬼畜だと思われてんの?俺がこいつと一緒に居るのは一人にしておくとハムスターみたいに一人でずっと頭の中でぐるぐるし始めるからだよ。」

 

「どういうことだ?」

 

「こいつはなんでも出来ちまって面倒くさい仕事も知らず内にどんどん溜め込んじまうからな表情は笑顔だけど俺は他人の表情を読み取るのが得意だからな、辛そうにしてるのはすぐに分かる。こいつが辛そうにしてると俺の精神衛生上よろしくないからだな。っと顔を紅くしてどうしたリースフェルト。カレーが辛かったか?」

 

目の前のリースフェルトが顔を紅くしてクローディアを見ている。

クローディアはいつも通りの表情をしているように見える、が。

 

「…クローディア、蜂也は普段からこんな感じなのか?」

 

リースフェルトがクローディアにどういった意味で問いかけたのか分からないが問いかけられた本人は1拍置いて答えた。

 

「…ええ//」

 

「お前も大変だな…そうだ、蜂也お前に聞きたいことがあったのだ」

 

「どうした?」

 

何かを察したリースフェルトがこちらを見て溜め息をついていたのは理解が出来なかった。

そして何かを思い出したかのように真面目にこちらを見据えている。

 

「それより蜂也は《魔術師(ダンテ)》だったと…それでこの学園に特待生として入学してきたのか?」

 

「ん?ああ…。」

 

正直《魔術師(ダンテ)》ではなく魔法師だと訂正したかったがクローディア以外に知られるわけにはいかないのでリースフェルトには悪いが勘違いして貰うことにした。

その事を告げるとリースフェルトはばつが悪そうにしていた。

 

「《魔術師(ダンテ)》でありながら接近戦を得意として星辰力を攻撃に転換できるのはそれは訓練でどうにかなるものなのだろうか?蜂也はどう思う?」

 

「…そうだな。」

 

正直この質問には苦笑いを浮かべたかった。

俺が使用しているのはリースフェルト達が使用している技能とは異なる。

体に取り込む万応素を応用し変換して俺は魔法の起動式を展開させたり副次作用で身体技能をあげているだけに過ぎない。

攻撃に転用しているように見えているのは万応素を想子に変換、魔法力によって先日の戦闘で見せたリースフェルトのような攻撃をして見せただけだ。

はっきり言って俺のコメントは参考にならないのだが興味津々で、と言うよりも貪欲に勝利を目指すために俺に聞いてきているのを見て少しだけだがアドバイスをした。

 

「無意識に防御よりも攻撃の方に意識を割いているんだろ。人ってのは瞬間的にはひとつの事しか処理できないからな…だが、瞬間的に『同時に』そこを理解できれば身体強化しながら苦手な接近戦もこなせるだろ。そこまでの地力はリースフェルトにはありそうだしな。」

 

「そうか…」

 

「ああ。」

 

「は、蜂也、恥を承知で頼みたい。」

 

「なんだ改まって…。」

 

「私の《魔女(ストレガ)》の力を鍛えてくれないか?」

 

「…どうしてそうなった?」

 

「お前が言ったのではないか『同時にそこを理解できれば苦手な接近戦をこなせる』と私の戦闘スタイルでは圧倒的な火力で接近させないようにするのが主体なのだが今回のお前との決闘で接近戦も出来るように訓練せねばと分からせられてしまってな…頼む!」

 

「お、おい…なんで人がいる場所で頼み込むんだよお前は。」

 

そのやり取りを見て食堂の生徒がこちらをみてなんだ?となっていた。これは非常に不味い。

となりにいるクローディアをみると頷いた。良い笑顔で。

 

「良いのではないですか?ユリス…華焔の魔女(グリューエンローゼ)の実力が上がってくれるのは星導館学園的にはよい結果になりそうですし。蜂也が師事についてくれたら私的にも安心なのですが。」

 

「それはこのお転婆姫様の手綱を握るって意味か?」

 

「そこまでは言っていませんが…まぁ似たようなものですね。」

 

「お前な…。」

 

「だ、誰がお転婆姫だ!こほん!そ、それで受けてくれるのか?」

 

テーブルにつく二人の美少女の双貌がこちらを見ており、方や笑顔で、もう一方は「受けるよな?受けろよ?」と脅しを掛けてくる始末で一般の男ならば嬉しいのだろうが性格を知っている身からすると頭痛しかなかった。

 

 

「わーったよ…引き受けるからそんなに睨むな。」

 

「ほ、本当か?」

 

目の前にいるリースフェルトも願いがあって此処に来ているわけだからな…。

 

「ただし、練習の時間は俺が指定させて貰う。土日は論外として…」

 

「ダメなのか?」

 

「アホか、貴重な休みを訓練に使うバカがどこにいるんだよ。」

 

「普通、その貴重な休みを使って特訓するのが普通なのでは…?」

 

なんで見返りもないモノに貴重な休みを使わなきゃならんのだ。

そうすると必然的に時間が空いているときになる。

 

「授業がない金曜日にならアリーナを《冒頭の十二人》の特権を使って訓練だな。良いか?リースフェルト。」

 

「むぅ…仕方がない。分かった、よろしく頼む蜂也。」

 

「なんで不満げなんだよお前は…。」

 

頼まれているのは俺なのだが上から目線なのはご愛敬か、お姫様だしな。

 

その光景を見ていたクローディアがクスリ、と笑い見てみた。

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