NPCとサンラクとのお話 短編集 作:あか丸様
「サンラクサン!!おはようですわ!」
「お、おう。エムル…ところで…何か視界真っ暗なんだが…」
半裸に覆面を被ったサンラクというプレイヤーの顔に白い毛玉、もといエムルが引っ付いている光景がそこにはあった。
「おい、エムル?」
「なんですわ?」
「いい加減離れてくれねぇか?」
「……嫌ですわ。もう少しサンラクサンを感じていたいですわ!」
サンラクは無言で顔に引っ付いた毛玉を剥がそうとする。
「……ッ!」
しかし剥がれる気配は無く、逆に更に強く引っ付くようになったような。
「おい!!いい加減離れや・が・れ!!」
「い・や!!で・す・わ!!!」
何だこのウサギ、ステータスをAGI中心に振ってきたとは言え、俺のSTRがこのウサギより劣っているとでも言うのか?!
1人と1匹がそんなことをしていると突然部屋の襖が勢いよく開く。
「…疑問 何をなさっているのでしょうか?」
部屋に入ってきた人物。それは征服人形であるサイナであった。
「おう、サイナ!良いところに!!コイツをとりあえず剥がしてくれ!」
「了解」
そしてサイナは契約者であるサンラクに歩み寄る。
「警告 個体名エムル。今すぐマイマスターから離れなさい。」
「離れませんわ!」
「ならば実力行使です」
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「ふぅ、やっと離れたか…。」
「マイマスター、お怪我は。どこか悪いところは。こちら消毒液です。」
「誰が病原菌ですわ?」
「回答 貴方です。マイマスターを汚さないで頂きたい。獣臭が移る。」
「よし、一回表出ろですわ。」
「これだから野蛮な下等生物は…。」
エムルとサイナの間にビリビリと電気が見えた、気がした。
あぁ、今日も平和だなぁー(棒)
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俺は一体、いつどこで何を間違ったのだろうか。
まさか、シャンフロがここまでギャルゲー要素があったのか……。ストーリーを進むにつれて実感していった。
クソッ!!本当にどこで間違えた?!ただ、ピザ留学にならないよう好感度を管理していただけなのに!
何で俺への好感度パラメーターが上限超えてんだ!!
ざけんじゃねぇよシャンフロという名のギャルゲー!!ピザ留学避けたら今度は好感度パラメーターの上限突破かよ!!
シャンフロをプレイする度にNPCのパラメーターが段々と上限無しに上がっていってる気がする。
別に好感度が高いことに対しては問題は無い。それに俺も一応男だ。NPCとはいえ誰もが夢見る美人に好かれるってのは悪い気はしない。ただ……
このままだとNPC全員、ディープスローター化とかも有り得るかもしれねぇ。
それだけはダメだ。絶対に。あんな奴が何人も居てみろ。この世は混沌と下ネタで埋め尽くされる。
って話が違う方向に飛んでいた。おのれディプスロ!
流石にNPCが下ネタを連呼する化け物に成り代わるとは思えないが、さっきエムルが俺に引っ付いていた時の表情。それはディープスローターの顔面と酷似するものがあった。
それにさっきの2人をみての通り、NPC同士で衝突し合っている。
考えたくもないが恋愛ゲーム特有のヤンデレルートなんて行った日には……いや、やめよう。これは想像すると寒気がする。
とにかく、今はどうすればディプスロルートを回避できるかを考えているというわけだ。
何処かの変態ネカマロリコンと違って俺はNPCはあくまでもNPCとしか思えない。
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「なぁ、エムル。とりあえず新大陸まで転移できるか?」
「はいな!」
「疑問 何故新大陸に?」
サンラクはエムルによって作られた転移門を潜りながら答える。
「まぁ、特に理由は無いが…強いて言うなら建造物が少なくて走りやすいとか、か?」
「?」
サンラクは転移門をくぐった後、クラウチングスタートの体勢を取って…
「……よーい、ドン!!!」
一気に加速しサイナやエムルから逃げるように走り去っていく。
「え、サンラクサン?!」
「理解不能」
うん、2人とはしばらく距離を置こう(物理的な)。
さらばエムル、サイナ。次会うときは好感度が低くなってる事を願う。