NPCとサンラクとのお話 短編集 作:あか丸様
サンラクが走り出そうとした時、上空から近づいてくる影。
その影は次第に大きくなり、勢いそのままにサンラクに向かって飛んでくる。
「ん?何か近付いてきてね?」
「え?なにあれ」
「マイマスター、受け止めてください。」
サンラクはその言葉を無視してその影を華麗に躱す。
土煙が舞う。その煙から現れたのは、サイナであった。そしてその頭にはエムルが乗っている。
「いてて……。やっと見つけましたわ!」
「否定 お前は何もしていない」
2人はサンラクを見つめる。そしてその背中におぶられたウィンプを睨みつける。
「浮気ですわ?!そこはアタシの場所ですわ!」
「警告 個体名ウィンプ、今すぐそこから離れなさい。」
ウィンプは2人の反応を見て一瞬、ぽかんと口を開けていた。そして状況が呑み込めたのか2人の言葉に答えをだす。
答えは却下。2人をみてべーッと馬鹿にするように舌を出し、笑う。
「「なっ?!」」
そんなやり取りを何処か遠い目で見ているサンラク。
そして2人の視線がウィンプからサンラクへと変わる。
「マイマスター、先程の事と今の状況も含めてマスターとはじっくり話したいことがあります。」
「アタシもですわ。」
2人はニコニコと笑っているようだが、何処か目が笑っていない。
それを感じとったサンラクは。
クラウチングスタートの体勢を………
「させませんわ。」
「2度も同じ手を使うとは重大なインテリジェンスの欠落がみられますね。」
クラウチングスタートの体勢を取るサンラクの体をガシッと2人の手が掴む。
もはや2人の顔はニコニコしすぎて怖いぐらいまでいっていた。
しかし、サンラクは予めこうなることを予想していた。
「はっ、残念だったな!!それはウツロウミカガミのデコイだ!!」
2人が触れていたサンラクがポーっと歪み始める。
「じゃッ!」
そして一瞬にしてサンラクが消える。
「なっ?!、やられましたわ!!」
「流石マイマスター。」
「関心してる場合ですわ?!」
「いえ、個体名エムル。当機は既にマスターが行く場所は分かっています。」
「えっ!本当ですわ?!」
「無問題 あの爬虫類はマイマスターの背中に乗ってどこに行く、もとい何処へ帰るでしょうか。」
「あぁ!!海蛇の林檎ですわ!!」
2人は視線を合わせてクックックッと笑いあっていた。
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サンラクが海蛇の林檎に向かっている途中、後ろから声がかかる。
「ねぇ、サンラク。」
「ん?」
「その…お願いがあるんだけど、」
ウィンプが少し気まずそうに話す。
「んだよ、改まって」
「……今日みたいに、また今度……付き合ってくれない…?」
「なんだ、そんな事か?…」
まぁ、面倒ではあるが暇なときや今日みたいなときは付き合ってやらんでもない。と思う。
「……ダメ、かしら?」
「別に構わねーよ。だが、俺にだって予定がある。日にもよるが暇だったりしたら今日みたいに手伝ってやるよ」
「ほ、本当?!じゃ、じゃなくて…何よ、偉そうに。」
ウィンプはそう言ってフイッと顔を逸らす。
キャラがブレブレだぞ。ウィンプ。
てか今日はウィンプの様子が何かとおかしい。性格変わったか?はて、前はこんな感じだったか?
まぁ、気のせいだろ。
用があるとき以外は特に海蛇の林檎には行かねぇし、ウィンプともいつも話してる訳じゃないからな。
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そしてウィンプを抱えたサンラクは海蛇の林檎に着く。
ドアを開けカランカランという音が鳴る。
「……」
サンラクがドアを開け、中で見た光景。そこには禍々しい赤い炎を後ろに纏ったニコニコの顔で仁王立ちしているサイナとエムルの姿。
「し、失礼しました〜」
「
「そうですわ」^ ^
サンラクがゆっくりとドアを閉めようとするとピタッとドアが止まり、ギチギチと音を立てまるで万力の力がドアにかかっているのかと思うぐらいドアが悲鳴を上げていた。
「クソッタレ!ここは戦略的撤退をッ!!」
サンラクがまたもや逃げようとした瞬間、あるスキル名が聞こえた。
「
世界が減速する。
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俺は目が覚めたらロープでぐるぐる巻きの青虫状態であった。
サンラクは一瞬状況が理解できなかったが、一瞬の間に聞いた言葉から答えを弾き出した。
そして俺は為す術なく海蛇の林檎へと運ばれていった。
多分この話は後1話か2話ぐらいで終わりそうです。