孤高と孤独。潰すというその真意とは。   作:しるゔぁ

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命を懸けたゲームだと忘れるべからず

 

第二ウェーブが始まりジャマトの数が増えていた。プレイヤーは各々ジャマトに攻撃してスコアを稼いでいく。

 

『ちょっと…あーもう!!』

 

数に押され攻撃が追いつかないナーゴ。背後に迫るジャマトに噛まれそうになる。が_______

 

『大丈夫?さっきは言い過ぎたよ。実は君のファンでさぁ!君のSPになるから一緒にスコアを稼ごう』

 

『なに、ダパーンくん、イケメンじゃん!』

 

ラウンジで祢音に噛み付いていたダパーンがナーゴを助けたのだ。

 

その様子を見ていた英寿は首を傾げる。

 

『奇遇だねギーツ。今同じこと思ったよ』

 

『愛らしい姿だな、ヴォルク』

 

『そりゃどうも』

 

狼姿で木の上から降りてくるナズナ。人間型に戻ってビーストバックルをセットする。

 

〈Set〉

 

『こいつの使い時だな』

 

〈Set〉

 

英寿は道長から取ったゾンビバックルを見せつけるようにセットする。

 

『変身』

 

『……変身』

 

〈ZOMBIE〉

 

〈BEAST〉

 

『ナーゴとダパーン追うんでしょう?乗りなよ、連れてってあげる』

 

『自ら足になるとはな。バッファがまた掴みかかってきそうだなっ!』

 

口ではそう言いながらもヴォルクに飛び乗るギーツ。ヴォルクの目的が分かっているかのように仮面の下はにやりとしていた。

 

『目的はなんだ』

 

『ゾンビの排除。ゾンビなら狩ったって問題ないでしょ』

 

『あぁ、そうだな。内側は俺に任せろ。コイツはしばらく借りるぞ』

 

ギーツを降ろした後、ギーツがゾンビバックルを指しながら言えば歩みを止める。

 

『…私のじゃないから』

 

振り返る事はなくそう返して走り出す。ギーツはヴォルクがナーゴを気に入っているのは薄々感じていた。

 

『狼は素直じゃないか…フッ…さて、スコア稼ぎだ』

 

ゾンビブレイカーを担ぎナーゴとダパーンのいる建物の中へと入っていく。

音のする部屋に向かえばダパーンがゾンビジャマトに囲まれるナーゴを見下ろしていた。

 

 

『世間知らずのお嬢様だなぁ!世の中の人間がみんなお前の為に存在していると思ったら大間違いだ!そのまま嚙まれてスーパーセレブゾンビにでもなってろ!』

 

『いやっ……!!』

 

〈ZOMBIESTRIKE〉

 

『目には目を。ゾンビにはゾンビを…ってな。見逃すなよ?このサプライズムーブを!』

 

『ギーツ…なんで…!!』

 

『離れてろ、すぐ片付ける』

 

ナーゴに離れる様に言えばゾンビブレイカーで斬りつけていく。

 

〈POISONCHARGE〉

 

『ふん…』

 

ゾンビブレイカーを匠に扱うギーツ。流石はデザグラ常連といったところだろう。

 

『いいところだったのに……!!邪魔するな!』

 

ダパーンに目を向ければマグナムシューターで攻撃されるが難無くかわす。

 

『そっちがその気なら…手加減はしない』

 

ギーツは通路へと向かいシューターの攻撃を華麗に避けながら外へとダパーンをおびき寄せていく。

 

残されたナーゴは変身が解かれ力なく膝から崩れ落ち、痛むのか肩を抑える。

 

『…………ッ』

 

〈BEAST CRASHER〉

 

先程までダパーンが立っていた周辺が一瞬で崩壊しヴォルクが姿を現す。

 

『……その様子じゃ嚙まれたね』

 

『………私…ここまで…かな…』

 

『さぁ…。それはナーゴ次第。デザイアグランプリは、諦めが悪い奴程勝ち残る。そういうゲーム』

 

『諦めが悪い…か…』

 

『外のゾンビはアタシが狩る予定だったけど…。あの調子じゃ全部持ってかれるな』

 

変身を解き、いつもより大きい狼型になりぐったりとする祢音を乗せて崩壊が進むその場から離れる。

 

その頃ギーツは_______

 

狭い路地で数体のジャマトを倒しフォームチェンジする。

 

〈REVOLVE ON〉

 

『さぁ、ハイライトだ!』

 

ジャマトを蹴り上げ、マグナムシューターのスコープを塞いだ間にダパーンの背後に廻り、ダパーンの振り向きざまに胸部を蹴り飛ばす。

 

『ぐぁっっっっ!?』

 

上手く入ったようで立ち上がれないダパーンにトドメを刺す様にバックルにひねる。

 

西洋型の墓石に囲まれ動きが封じられKanato Sumidaと刻まれた墓石がダパーンの前に現れる。

 

〈ZOMBIE STRIKE!!〉

 

力技に特化したゾンビフォームで蹴り上げられ反撃は不可能。変身が解除され、攻撃の勢いで転がる。

 

『血迷ったか?参加者を攻撃したら減点だぞ』

 

相変わらずギーツに噛み付くバッファ。ダパーンに攻撃しているのを見たのか最後のジャマトを片付け、変身を解きながら詰め寄ってくる。

 

『それはどうかな?』

 

スパイダーフォンで結果を見せれば道長は目を見開く。

 

『減点になってない…なんでだ…?』

 

『アイツはゾンビに嚙まれてる』

 

奏斗を指しながら英寿は言う。プレイヤー達の視線は奏斗に向けられ、左腕の嚙まれた跡にぎょっとする。

 

『何故わかった』

 

『ゾンビの集団がナーゴだけを狙ってダパーンを襲わなかった。ゾンビだと認識されていたからだ』

 

これでいいかとナズナに目を向ければ軽く頷く。

 

『自分が襲われないとわかっていてナーゴを道連れにしようとしたんだろ?』

 

『……人生なんて不公平だ…。どんなに努力したって不幸は向こうからやってくる。その日を境に俺の世界は終わった。どいつもこいつもメチャクチャにしてやりたかった』

 

『だったら…大好きなバスケができる世界ってデザイアカードに書けばよかったのに…!』

 

『もう…どうだっていいんだよッッッ!!!』

 

『そんなこと言うなよ!より良い世界にする為のデザイアグランプリだろ!?』

 

『それは違う。どんな世界を願うかは勝者の特権。人類が滅ぼうが、争いのない世界になろうが…何を願うかは自由なんだよ、タイクーン』

 

『そうだ。このゲームで正しいのは生きて勝ち抜く事。この国も争いの末に天下統一が果たされただろ?』

 

『…時代が違いますよ』

 

 

重苦しい空気の中、デザイアグランプリは改めて己の願いを叶える為の命懸けのゲームだと思い知らされ第2ウェーブが終了した。

 




ゲーム中に命を落とした者は、この世界から退場となる。
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