孤高と孤独。潰すというその真意とは。   作:しるゔぁ

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命を懸けたリアリティーショー、始まる。

 

『…道長』

 

 

学生の頃、お互い一人で過ごす様な一匹狼だった二人を引き合わせた共通の友人、今井透をこのデザイアグランプリで失っていた。

 

『こんなゲームさっさと終わらせよ』

 

『あぁ。言われるまでもない』

 

二人とも叶えたい理想は同じ。それを阻むのが不敗神話を築き上げているギーツだった。

 

『よ、お二人さん』

 

『ギーツ…』

 

『仲いいな。ま、今回も勝つのは俺だけど』

 

手で狐を作りニヤリと笑う。ナズナは気にも止めないものの道長はそれに噛み付く。

 

『勝つのは俺だ、ギーツ』

 

『ま、頑張れよ』

 

道長の肩を軽く叩き、楽しませろよと言わんばかりの口ぶりに道長の怒りは更に増す。

 

『落ち着きなよ道長。キツネに挑発されるのも毎度のことでしょ』

 

『…ッチ』

 

暫くすれば選ばれたプレイヤー達が神殿に集まっていた。初参加のプレイヤーはどこだ、と言うように周りを見渡していた。

 

『うわ、お……おち、るっ……セーフ…』

 

転送された場所が悪く落ち掛けるプレイヤーまでいる。それだけプレイヤーが多いと言う事。

 

皆さん!!

 

『こんにちは!私はゲームナビゲーターのツムリです。ようこそ!デザイアグランプリへ!今私達の世界はジャマトの脅威に晒されています』

 

神殿の真ん中に突然姿を表し淡々とデザイアグランプリの説明をするツムリ。今回が初めてじゃない道長とナズナ。聞き流すようにゲームが始まるのを待つ。

 

『それでは皆さん。お手元のデザイアカードにに願いをお書きください』

 

手元に現れるカードとペン。迷うことなく願いを書いていく。

 

【俺とナズナが仮面ライダーをぶっ潰す力を手に入れた世界】

【道長と私が全てをぶっ潰す力を手に入れた世界】

 

字体が変換され願いが約束される。道長はギーツに目をやればカードを見ながらニヤつくギーツに怒りを覚える。

 

『勝つのは俺だ…!』

 

握りしめたペンが軋む。何故それ程までギーツを憎むのかナズナにはいまいち理解できていない。

 

透が消えたあの日、道長は何を見たのか未だに話してはくれない。ただ、透が自分の腕の中から消えた、と。デザイアグランプリに参加を始めてから何となく状況は浮かび上がっては来ているもののそれがギーツを憎む理由なのかは分からない。

 

 

『それではデザイアグランプリを開催します!運命の最初のミッションは宝探しゲーム!ジャマトに取られた宝箱を取り返しアイテムをゲットしてください!』

 

プレイヤーは森の中に転送される。初見者殺しとはこの事で、現れるジャマトに逃げ惑う。経験者はジャマトを攻撃してボックスを手にしていく。

 

ナズナも経験者の一人であり女性参加者にたかるジャマトを蹴り飛ばす。

 

『あ…ありがとう…』

 

『別に。助けたつもりはない。これが目当てなだけ』

 

ナズナの手にはアイテムボックス。開ければゾンビバックルが入っていた。目当ての物とは違うが自分が手に入れたとなれば他に渡ることは無い。少し笑みをこぼしながらバックルをしまう。

 

『君も頑張りなよ。理想の世界を叶えるには勝つしかない』

 

『で、でも…』

 

『戦う気がないならリタイアしなよ。死ぬより忘れたほうがましだし目障り』

 

ナズナは女性プレイヤーをその場に残し次のバックルを探しに向かった。




バックルはいくつ所有しても構わない。またそれを他人に譲渡する事はプレイヤー同士の同意があれば違反にはならない。
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