孤高と孤独。潰すというその真意とは。   作:しるゔぁ

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ビーストバックル

 

アイテムを手に入れたプレイヤーはラウンジに集まっていた。ギーツ事浮世英寿は勿論のこと、バッファ事吾妻道長に初参加者が何名か。

 

道長は壁にうっかかり、ドアの方を見ては逸らしを繰り返し落ち着かない様子だった。

 

『相棒が来なくて不安か?バッファ』

 

『うるさい。ナズナは第一ゲームで落ちるほど弱くない。お前こそそのはずれバックルでどう勝つもりだ?』

 

『勝つさ。お前より経験があるからな』

 

『ふん…』

 

カウンターに座る英寿を睨みつけていればドアが開く。

 

『なんつー顔してんの、道長』

 

『ナズナ…!遅かったな』

 

『まぁね。思ったより欲しいのが出なくて苦戦したけど粘った会があったよ』

 

自信有りげな顔して取り出したのはビーストバックル。ビーストモードでの戦闘になる為扱いが難しくかなりの上級者向けバックル。使えるのは英寿とナズナぐらいしか居ないとコンサルジュのギロリが言っていた。

 

『流石だな』

 

『ん。で、お土産。手出して』

 

『は?……ふん…そういうことか。道理で誰も持ってないわけだ』

 

満更でもない顔でゾンビバックルを道長の手に乗せる。

 

『一番最初に手に入れた。あの女にたかっていたジャマトが持ってた。案外人助けもいいかもね』

 

先程助けた女性改鞍馬祢音を見ながら言う。

 

『はっ…流石だ。貰うぞ』

 

『もとよりそのつもり。コーヒーでも飲む?』

 

『あぁ』

 

カウンターのタブレット端末を操作しながら何にしようかと見ていれば鞍馬祢音に声をかけられる。

 

『あっ…あの!さっきはありがとうございました!』

 

『だから助けたつもりは無い。助けてくれたと思うなら今回だけだと思うこと。この先誰かが助けてくれるなんて思わないことね。デザグラを甘く見てれば必ず死ぬ』

 

祢音を見る事なくタブレットを操作すれば途端に練習着に早変わりしギロリにタブレットを返す。

 

『アイスコーヒーのブラックといつもの』

 

『かしこまりました』

 

スパイダーフォンで残ったプレイヤーの情報に目を向ける。祢音は少し悲しそうにうつむく。

 

『…悪い事は言わない。自分の願いを優先したほうがいい』

 

『お待たせいたしました。アイスコーヒーのブラックとフローズングリーンティにホイップ追加でございます』

 

『ありがとう』

 

『今回もビーストバックルですか。吾妻様とのコンビネーション期待しております』

 

『勝手にしてれば…』

 

ソファーに座る道長の元に向かう道中引っ掛けようと足を出したものがいた。

 

『……。幼稚だね、ダパーン』

 

『…ッチ』

 

引っかからなかった事に苛つくのか舌打ちだけして何事も無かったかのように顔を背ける。

 

『はい。アイスブラック』

 

『あぁ。お前いつもそれだな』

 

『これが一番美味しいから。これ飲んだらバックル慣らしてくる』

 

『付き合う』

 

『助かる』

 

会話に周囲は困惑するが当の本人達はいつも通りなのか飲み物を飲み干していく。

 

『ごちそうさま』

 

ギロリにトレーを渡しラウンジから出る。

 

『なぁ、あの二人ってなんなんだ…?』

 

プレイヤーの一人黄金屋が英寿に答えを求める。

 

『あいつらはずっとあんな感じだ。面白い事にあれで恋仲らしい』

 

『『『えっ!?』』』

 

英寿の放った言葉に全員が更に困惑する。

 

 

_______

 

『あれメニューに載ってないだろ』

 

『私専用特別メニュー』

 

『適当な事言うな…』




ビーストバックルを初めて使用する者には試練が与えられる。姿が他のライダーとは異なる為に変形に伴う痛みが生じ耐えきれない者が殆どである。それを乗り越えた時大きな力となるアイテムである。
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