『デザイアグランプリ第二回戦ゾンビサバイバルゲームを始めます。現在ゾンビジャマトが郊外にちらついています』
二回戦は3回に分けて出現するゾンビジャマトを倒すスコア制のゲーム。ゲーム終了と同時にスコア最下位のプレイヤーは確実に脱落する椅子取りゲーム方式だった。
『ゾンビジャマトはプレイヤーに噛み付いてきます。ゾンビに感染しない様気をつけてください』
注意事項に恐る恐る手を上げる桜井景和。
『あ…あの…ゾンビに感染って…まさか…』
『いずれゾンビになりますのでご注意を』
無表情のツムリの解答にさらにビビリ出す。
そんな景和を他所に英寿は宝探しゲームで手に入れたバックルを手に取りどう攻略するかを考え始める。後ろから見ていた道長は歩み寄り挑発する。
『ハズレバックルで怖気づいたか』
『はっ…まさか。俺と勝負するか?俺が勝てばお前のバックルをもらう』
『俺が勝てばお前のバックル全部もらう』
睨み合う英寿と道長。そんな二人を見ながらナズナはため息をつく。
『また変な勝負始めて…知らないよ』
『それではミッションスタートです!』
ツムリの声とともにジャマーエリアに転送される。
一斉に変身してジャマトに向かっていく最中ナズナは変身せず周囲に意識を集中させる。
『何してる、出遅れるぞ』
『……』
『おい…ナズナ…』
ピクリと動く狼の耳は何かを捉えたようで、閉じられた瞳が開く。
『なるほど…。道長、第一ウェーブはギーツと勝負するんだよね?手は貸さないよ?』
〈Set〉
『変身』
〈BEAST〉
バックルが効果を発揮してナズナは仮面ライダーヴォルクに変身して走り去って行く。
『ッチ…』
少し予定と違う事に舌打ちしながらゾンビブレイカーを振り回す。
ヴォルクはというと。
『楽勝でしょ、こんなの』
ジャマトがサークル状に出現する事を知ったナズナはジャマトの匂いを辿り群れ状態のジャマトを一気に狩り取っていく。
〈BEASTCRASHER〉
ビーストフォームの前足は建物でも巨大な岩でも簡単に粉々に粉砕する攻撃力がある。ポーンジャマトに含まれるジャマトは大体は一撃で消滅するが、ジャマトだけじゃなく周囲の物まで一緒に粉砕してまうのがデメリット。
『……森林伐採砂漠化の元…』
独り言を言いながらもジャマトも木も一緒に倒していく。
『………?』
ジャマトを粉砕していれば視線を感じ手を止める。その方向を見れば遠くにジャマトが集っているのが見える。
『あの位置…ダパーンがいた場所……あーあ…油断したな。可哀想に』
棒読みの心配を口にするが助ける事はなくジャマトを探しに動こうとするが、大量の水が溜まっていく音が耳に入る。
『今度は何…』
音の方に向かってみればギーツとナーゴの匂いが鼻を掠める。さらに先に進めば水道管理の建物が出てくる。が、出入り口のドアがカタカタと揺れていた。その横の窓を見ればどんどん溜まっていく水。中でジャマトがぐるぐると回っていた。
『なるほど…、ウォーターバックルでここまで…。レイズウォーターを水道管に刺すとか…。外部供給が無いと使い道殆ど無いんじゃ…』
バックルの効果を考えていればドアがさらにガタガタと激しく揺れ出し遂に破壊される。壊れる直前にその建物の屋上に飛び上がり水をかぶることはなかった。が_______
『……なにやってんの…』
『ケホッ…ケホッ……』
大量の水と一緒にナーゴが流れてきたのだ。
『一緒にやっつけてたのに……巻き込まれて…』
『一緒に……ギーツが…。このゲームは共闘戦じゃないんだから。利用されて巻き込まれて、落ち込んで。良かったじゃん。死んでなくて』
『そんな風に言わなくても…』
『生きてるなら何回でもやり直せる。利用された恨み、ギーツに返してやればいい』
『……ふふ、そうだね!絶対仕返ししてやろ〜!』
気を取り直してジャマトの頭をハンマーで叩き出すナーゴ。それをしばらく眺め、少し過去を思い出す。
『……まだ…やり返してない…』
_______「あっ…ちょっと…」
_______「うま…最初に食えば良かったじゃん」
_______「美味しいのは最後に食べる派……」
_______「おぉー怖い怖い!!」
『……透…』
ゾンビに咬まれたプレイヤーは例外無くゾンビ化が始まる。感染したプレイヤーに咬まれるとそれもまた感染する。