アフターストーリー
「お前……それ……!」
わいわいと賑わう屋台跡の隅で、今しがた姉妹に連絡を取ろうと携帯を取り出した五月に風太郎は声をかけた。
「……? どうかしましたか?」
「いや……お前もそれまだ持ってたんだな」
「ふふっ、驚きました?」
少し古くなって色褪せた「ずっと友達」と書かれたプリクラの写真を嬉しそうに見つめながら五月は答えた。
「てっきりあの言い方だったらもう捨てちまったもんだと……」
「捨てるわけないじゃないですか。これは私にとっても、大切な思い出の一つなんですよ?」
照れる様子もなく、まっすぐとそう言い切る五月に、風太郎が恥ずかしくなってしまって慌てて目を逸らした。
「面と向かって言われると……恥ずい」
「あなたが言っていたことですよ?」
「確かにそうだが……!」
照れる風太郎。優しく微笑んでいた五月が表情を揶揄うような、いたずらっぽい笑みに変えて一歩風太郎に近づいた。
「『ずっと』友達じゃなかったですね」
「な、何をいきなり!!」
恥ずかしさが爆発して、夕陽さながらに顔を朱色に染めた風太郎を見て「えへへ」と幸せそうに五月は笑った。
竹林ルート短編
「俺、実はお前の事が好きだったんだよ」
成人式の日に開かれた同窓会。
慣れない酒に当てられたせいか、つい初恋の相手にそう言ってしまった。
「え…?」
いきなりの告白に相手は固まり、周りの話し声も止まった。
すぐに我に帰り、すっと酔いが覚めていく。
しまった、、、やってしまった。相手の顔を直視できない。
あの日、修学旅行の日、傷つくくらいならばと思いを伝えないでいようとあの頃に決めていたのに。
流れで参加した同窓会は俺をあの頃の日々を思い出させてしまった。
「もう、いきなり何〜? 恥ずかしいんだけどぉ」
「ブヘェ!!」
自分で言った事が恥ずかしくなり前髪をいじる風太郎の肩を竹林はドンッと勢いよく叩きながら笑う。
竹林自身も恥ずかしかったのか、酒をグイッともう一口飲んで、より一層顔を赤らめながら風太郎の耳元で囁いた。
「私は"今も"、好きだよ?」
酒のせいか、より一層2人の頬は赤く染まった様に見えた。
もしかしたらこんな未来も編
年末に家族で大掃除中、棚を整理していると昔付き合っていた彼女との写真が出てきた。写真に写る若く、初々しい2人。
ただただ懐かしい。
その小さな光沢紙を見るとすぐにあの時を思い出す。ここも行った。あそこも行った。こんな事もあったな。
また2人で行きたいな……そんな事を考えていると同意を求めるように「なあ?竹林……」と元カノの名前が声に出た。
しまった!と口を塞ぐがもう遅い。すぐ後ろで掃除をしていた妻が振りながら口を開いた。
「もう、何言ってるの風太郎(笑」
「今は私も、『上杉』でしょ?」