邪教徒の平穏な日常   作:kohet(旧名コヘヘ)

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邪教徒のありふれた休日

とある女子校近辺で発生した変死体事件から1ヶ月半が経過した。

 

今際望は安静にしつつ自宅でこなせる仕事をしていた。

 

望は狂信者かつマッドサイエンティストである。己の体調は万全にしなれけばならない。

 

シュブ=ニグラスの信者は集団を形成しない傾向にあるが、望のような異端の極みみたいな存在は尚更である。

 

望は最近できた年の離れた友人のような人達(一条昌宗、アーベル・ホルツマン)から仕事を請け負っていた。

 

望のコンピュータ82、電子工学53、英語73等の技能は自身を売り込むには十分過ぎた。

 

望の研究や祈りの時間は欠かさず、安静に仕事ができる環境にあった。

 

友人である黄泉尊の依頼は基本的に大型案件なのでしばらくは無理と断っている。

 

POW35(黒子さんが土産に1追加でくれた)の望は安静にしつつ人並み以上の仕事量と収入が増え、ヘレナへの借金時よりもメンタルが安定していた。

 

なお、ヘレナとのいざこざのせいで女子高生のことはすっかり忘れていた。

 

 

STR16、CON14と殆ど回復したある日、望は運動ついでに街の散策をしていた。

 

研究に没頭している望は無意味な外出は稀だったりする。

 

同居人であり一応神でもある豊穣実は最近どこかに行くことが多い。

 

黒子さんとの関係が気になりはするが、気分を害されても困るので落ち着いたら聞くつもりであった。

 

 

そんな望は街の北通り308番地にあからさまに手入れがされていない、カビ臭い雑然とした古本屋を発見した。

 

『キングスポートユーズド』と書かれた怪しい本屋、望は好奇心で何となく入ってみることにした。

 

 

店内は、明日にでも潰れそうなくらい寂れていた。というか望には潰れていないのが不思議であった。

 

店主と思われる30代後半と思われる男性は客を珍しそうに一瞥し、そのまま手に持つ本へ視線を戻した。

 

望が本に目星をすると、ピガフェッタの『コンゴ王国史』ラテン語の原書だった。

 

望の記憶が確かならば1598年にイタリアで出版されたものだ。

 

望は雑然とした古本屋のオカルトコーナーへ行ってみることにした。ガチの魔導書があるかもしれないと思った。

 

 

図書館85の半分で成功した望は『グラーキ黙示録』と書かれた本を発見した。

 

2巻と9巻しかないようであり、おそらく海賊版と思われた。

 

だが、斜め読みした望は正気度1減った。そして、本物の魔導書であると確信した。

 

2巻『グラーキの従者及び緑の崩壊』、9巻『異次元、ヴェールをはぎ取るものダオロス…』とあった。

 

9巻はこれまでの扱いが雑過ぎたのかかすれて読みにくい部分が多かった。だが、異次元に関する記述が先日の事件と重なったのでまとめて買うことにした。

 

そして、本命の2巻の内容はアンデッドに関することが記載されており、内容は復活の呪文の変形であるとのことだった。

 

死者蘇生ではなく破壊ということだが、望の研究と少し重なるため興味を惹かれた。

 

流石に2巻と9巻だけ買うのも変なので適当な本も買うことにした。

 

ホルト船長という人物の手記や都市伝説等の一般的なオカルト本を手に会計へ向かった。

 

散歩ついでの買い物にしてはかなりの額になったが、望は良い場所を見つけたと思い帰ることにした。

 

 

 

研究に関係しそうな書籍を手に入れて機嫌良かった望は自宅の近くにいる女子高生を見てややテンションが落ちた。

 

最近仕事を貰っているアーベルの娘、かつて無人島でであった少女リサ・ホルツマンが物陰から望の研究所兼自宅を伺っていた。

 

…親バカのような感じがする彼と下手しなくとも一悶着ありそうで望は未来が暗くなった。

 

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書店『キングスポートユーズド』

アメリカのキングスポートに暮らしていた日系アメリカ人が第二次大戦時に日本人強制収容所に入れられた経緯から来日し、建てた店。

大体海賊版やマイナー本ばかりで売れていないが、臨時収入が別にあり本業が副業というか道楽と化している。

 

購入した本

・グラーキ黙示録の海賊版(英語)

全9巻中2巻と9巻しかない。クトゥルフ神話1、正気度喪失1。

緑の崩壊とナイハーゴの葬送歌は読解できるが、9巻の内容は術の途中経過である平面の五芒星が読み取れる程度。

 

ホルト船長の航海日誌(一部)

東南アジアで学んだ魔術が記載されている。オカルトで成功し、クトゥルフ神話技能があれば『自己保護の創造』の呪文を判読できる。全部あれば魂の罠等の記載もある。クトゥルフ神話0、正気度喪失0/1

 

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登場人物紹介

リサ・ホルツマン(17歳)

STR15 DEX14 INT15 CON14

APP17 POW19 SIZ15 EDU12

サバイバル70 マーシャルアーツ60 天文学50 ドイツ語60他

通常の無人島ならば数ヶ月サバイバルできる技能を持つ女子高生。

親バカ(過保護ではない)な父親から英才教育を受けており、年齢+6のEDUよりも高く技能も多い。

戦闘技能だけみれば望より強い。目星、聞き耳も高く父の行動から察して標的(今際望)を見つけるのは時間の問題だった。

地味にファザコン気味であり、年上の男性が好みだが基本的に話が合わない。

そして、無人島で望とはかなり馬が合っていた。故にアーベルは会わせたくないと思っていた。

 

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