邪教徒の平穏な日常   作:kohet(旧名コヘヘ)

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技術者としての妥協点(仕事)

今際望はコンピュータエンジニアである。

 

優秀な技術者であり、具体的にはコンピュータ82、電気工学47、電気修理70、物理学58という技能値がそれを証明している。

 

だが、日々の祈りや研究を最優先している望は、定職につかずに他所からの依頼等で稼いでいる。

 

最近は友人の黄泉尊からの依頼で『ワールドオブファイター』というリアル志向のARゲームの開発に関わっていた。

 

 

その日、ゲームの機体、本格的な戦闘機を模した操縦席で望は動作を確認していた。

 

他にもテストプレイヤーが何人かおり、ゲーム内では戦闘機による空中線が繰り広げられていた。

 

 

「…ぬるいわ!」

望は三機目を撃墜して言った。望は操縦(戦闘機)28あり、実践経験もあった。

 

エースパイロットには及ばないが多少の心得があり、ゲームとはいえ素人よりは強かった。

 

操縦技能の初期値は1であるが、運転(自動車)の初期値は20である。望の操縦技能は凡人以上プロ未満という感じだ。

 

だが、常人以上の聞き耳や目星、心理学、コンピュータ技能でゲーム内での立ち回りを上乗せしている。

 

航空自衛隊等の本職を連れてきたらゲームで負ける可能性が高いが勝つ可能性もある程度には補正があった。

 

 

だが、調子に乗っている望の背後を取るプレイヤーがいた。

 

このままでは撃ち落とされることになる。

 

 

「エンジン切って、機体が落ちてから仕切り直し…っと」

 

望は強制的にエンジンを停止させることで背後のプレイヤーを撒くことにした。

 

これが実践ならエンジントラブル等の危険性があり非常に危険な行為だが、ゲームだから問題ないと判断した。

 

ゲームシステムにも関与している望は制作側の判定基準を知っている。その卑劣な裏技で背後の背後を取り、四機目を撃ち落とした。

 

 

 

最終的に望はDEX13ということもあり、対応速度の関係で敗北してしまった。

 

ゲームである以上、慣れたプレイヤーが勝つ可能性もある。

 

操縦経験があればそこそこの優勢を取れるが、ゲームではDEX(器用さ)や芸術(ゲーム操作)等が操縦技能を上回ることもあった。

 

望は信仰する神シュブ=ニグラスに心の中で謝罪し、テストプレイヤーとして参加した上での改善点をレポートに記述していた。

 

「修正する点はいくつかありますが、ゲームとしては丁度よい感じになりましたね」

望の背後から友人であり今回の依頼者、黄泉尊が声をかけてきた。

医師免許を持つ技術者兼社長という中々狂っているハイスペックな友人だった。

 

「本格的過ぎてもプレイヤーが集まらないのなら…まぁ良いのでは?」

望は商業で考えるのならば妥協することも大切だと考えている友人の内心を察して言った。

望はリアル志向なのでもう少し手を加えたいが予算や商業展開もあるのも納得できた。

望の経理48はプロジェクトの予算等を含めた全体を把握するのに十分な技能値だった。

 

「僕も歴史的に見て直したいところはあるけど、全体で見るとそれなり以上だとは思うんだ」

 

尊の歴史71は一部修正を加えたいと本音を吐露していた。

 

戦闘機を美少女化し商業化することや歴史的な戦果等総合的な部分の修正を加えたいと思うが、それなり以上が完成している以上は広報等に支障が出てしまう。

 

「物を創るという点で妥協しない心は大事だが、全体を俯瞰しないといけないのは大変だな」

 

望は心理学77で察した尊の妥協したくない本心に惜しいものを感じつつ同情していった。

 

 

 

その日、望はシュブ=ニグラスへの祈りの儀式でスーパーで買った鶏胸肉を捧げ物にした。

「…量が多いから良いってわけではないのだけれども」

 

かの神の娘、仮の器である豊穣実は望の儀式に関して聞こえないように呟いた。

 

なお、その日の夕食はチキンカレーだった。神が信者へ供物を分け与えてくれた判定らしい。

 

実はもはやツッコまないが、この男が本当に信仰心カンストしているのかを疑う所業であった。

 

チキンカレーは美味しかった。

 

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登場人物(6版基準)

黄泉尊(年齢不詳)

INT17 APP16 SIZ15 SAN84 他秘密

聞き耳、目星、精神分析、説得、図書館、母国語、目星が90台ある歴戦の探索者。

 

過去にあったバス型タイムマシーンの事件で尊と出会った。

なお、操縦技能は初期値である。心理学初期値ということもあり、望がシュブ=ニグラスの狂信者とは気がついていない。

望とは関係ないところでハスターとクトゥグアの召喚を阻止したことがある。

コルヴァスの剣というクトゥルフ神話世界では珍しい攻撃特化のアーティファクトを所持している。

1マジックポイント消費で3d6+DBの炎を纏う剣であり、何もせずとも触れるだけで可燃物を発火させる。物理攻撃が効かない神話生物以外ではライター代わりに使うことが多い。

普段の戦闘はバールで戦う。バール(1d8+DB)の技能値が79もある。

初めての神話体験以来バールで戦い続けている。耐久値25であり、現在のは2代目バール。

初代は戦国時代の武士と殺りあった際に耐久値が限界になった。かけがえのない戦友として家に飾ってある。

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