クロムとルキナの欲張りハッピーセット
どうあがいてもこれ以上の文にできなかったので初投稿です。
文章力に自信のある兄貴姉貴達の追走をお待ちしています。
あいつ/あの人は、運命に呪われている。
俺の手を取るくせに、肝心な所で振り払う。
私が手を伸ばしても、届く事は決してない。
それでも俺/私は、運命に屈したりしない。
対ヴァルム帝国に向け、ペレジアとの会談に来た俺たち。
会談自体は問題なく進み、資金面での支援と船の手配を約束させたのは良かったが、付きの巫とやらが顔を見せた後からすっかりルフレが思い詰めてしまった。
…顔も名も同じ女が急に現れたんだ、無理もないだろう。
出発には遅いと言う事で屍島で一泊することになった夜、ふとルフレがいない事に気がついた。
夜風にでも当たりに行ったのか?
自分の身の上がわからない辛さは、俺には想像もつかない。
あまり思い詰めるな、くらいしかかける言葉が思い付かないがあんな状態のアイツを放って置けるほど俺は冷血漢でもない。
夜営地から少し離れた地点に、アイツはいた。
「ルフレ!おい、大丈夫か!?」
蹲る姿に慌てて駆け寄る。
「今、ファウダーが、あたしを、子供、だって……」
「ということは、ルフレに似ていたあの巫…お前たちは双子、ということか?」
「そうなら、つじつまが、合う…記憶無いほう、が、良かった…な」
とんでもない事実に、普段から想像もつかないくらい憔悴してしまったらしい。
苦しそうに話す姿に胸が痛む。
「気にすることはない!お前はお前だ。まずは休め、酷い顔色だぞ…」
支えた肩の震えを抑えるように抱きしめる。
そうだ、お前が誰の子供だろうと、俺の愛する女に変わりはない。
「クロム様、敵襲です。屍兵がこの夜営地を包囲しつつあります。」
「何?包囲だと?」
「な、んで。こんな、時に……!」
くそ、空気の読めない奴らめ。
「ぐ…包囲なら、指揮官がいる、ハズよ…どこか、全体を見渡せるよう、な……」
「ルフレ!今はいいから喋るな!ここは俺たちだけでなんとかする!」
一刻も早く休ませてやりたいが、コイツははいそうですかと大人しくしているようなヤツじゃない。
放っておけば戦闘に参加する事は目に見えている為、監視も兼ねて俺が背負う事にした。
こんな状態でも指揮を取る気なのが流石俺の半身だ、あとは休息を覚えてくれたら完璧なのだが。
幸い、屍兵との戦いに関しての俺たちの経験値は高い。
各々離れ過ぎないように距離を空け各個撃破していく。
妙な男が加勢に入ったこともあり、戦力の余裕も十分だった。
この慢心が、致命的だった。
「片付いたか。全員無事――」
言い切る前に、背中に衝撃が走った。
あまりにも唐突な出来事に反応できず、勢いのまま地を転がる。
なんだ、何が起きた!?ルフレはどうなった!?
「大丈夫ですかっ!ルフレさん!!!」
マルスの声で、やはりルフレの身に何か起こった事を悟る。
見れば背中で守っていたはずのルフレが血の海に沈んでいた。
敵の奇襲から、俺を庇って、刺されたのだ。
「ルフレッ!くそ、マルス!ルフレを頼むッ!」
現状を理解すると同時に、リズを呼ぶ為走り出した。
自分の無力に嘆いている場合ではない。手遅れになる前に、急がなければ!
御母様と御父様を、破滅の未来を救う為に過去へ遡ってきた。
こんな人の身に余る奇跡を授けてくださったナーガ様のためにも、私に着いてきてくれると言ってくれたみんなの為にも、私は、挫けるわけにはいかない。
エメリナ様の暗殺を止めた夜。
城内のことはどうしても御父様の協力が不可欠だと判断した私は、御母様が話してくださった記憶をもとにイーリス城へ潜り込んだ。
暗殺者を退け、御父様に褒められた。嬉しかった。
御母様も褒めてくれようとしたけど、私はわかりやすく拒絶した。
あの人との接触は最低限に。そう、決めていたから。
聡明なあの人なら、少し話をしただけで全て看破してしまう。そんな気がして。
御母様は優しい人なので、きっと私を助けてくれる。
御母様に優しくされたら、きっと私は縋ってしまう。
未来で、あの絶望の世界での唯一の拠り所で、私の一番弱い部分。
今の私が、捨て去らなくてはいけないものだ。
屍島へ御父様達が向かったと聞いて慌てて追いかける。
ちょうど敵の将を打ち倒した頃到着した私は、御父様が御母様を背負う姿に幼い頃の自分の姿を重ねてしまった。
あんな風に御母様の背中で眠っていたことがあったな。なんて。
ほら、そんな感傷に浸っていたせいで、二人の背後に現れた屍兵の姿を認識するのが遅れてしまった。
誰より早く御母様が動いて、御父様を前へ蹴り飛ばす。
反動でそのまま屍兵の方へ、構え切る前の剣へぶつかりに行く御母様。
相手の初動を潰せ、と御母様に教わっていたのに。
動けない御母様に代わり屍兵を切り捨てる。
慌てて御母様の様子を確認すれば、腹部に剣が刺さっている!
「大丈夫ですかっ!ルフレさん!!!」
意識も落ちているらしく、反応がない。
まずい、まずい、このままでは!
せっかく戦える私になったのに、また置いていかれてしまう!
「ルフレッ!くそ、マルス!ルフレを頼むッ!」
遅れて状況を理解した御父様が、血相を変えて走っていく。
御母様の傷がこれ以上広がらないよう、剣に触れないように抱き起こす。
本当はあまり一緒にいたくない。せっかく固めた決意が崩れ落ちてしまいそうだから。
でも、そんなことを言っている場合じゃない。
御父様が早く戻ってきてくれることを祈り、声をかけ続ける。
決して御母様と呼ばないよう、「ルフレさん」と呼び続けていたら目があって。
「……、ルキナ?」
そこが、限界だった。
「ゔぇえええん!おがあさま!!おかあざまあああ!!!」
冷静な私は、瞳に浮かぶ聖痕に反応しただけだと訴えるが、もう止められない。
私が自分の娘だなんてわかる訳ないって知っていても、それでも。
同じ声で名前を呼ばれてしまっただけで、簡単に折れてしまった。
知らない女が子供みたいにみっともなく泣き喚くなんて迷惑だろうに、そんな私をお母さまが撫でてくれた。
愛おしむように、慈しむように。訳もわからないまま撫でるその手の懐かしさに、お父さまが戻ってくるまで私は泣き続けた。
Q.ルフレが何したって言うんですか?
A.もう一人の自分(黒幕)と結託して進行形で仲間を見世物にしています。
Q.ルフレよく耐えたね?
A.敵の構えが完成する前に武器を身体で止めたので耐え。
Q.クロムまだ大丈夫そうだけど?
A.作者の中のクロム像だとまだ折れなかった。折れて欲しいのに。絶対折るからな。
Q.初動を潰せって元現代人の癖に物騒では?
A.カードゲーマーには必須の心構えです。
Q.ルキナ御母様御母様言い過ぎじゃない?
A.クロムとの直接の思い出は5歳頃までしか無いです。
育てたのも戦いの心構えを説いたのもイッチ。
(剣術はクロムの見様見真似がイッチ経由でルキナに伝わっています。)
じゃあ御父様より御母様だよなぁ!?
※ルキナの「御父様、御母様」「お父さま、お母さま」は仕様です。
覚悟ガンギマリの姿が前者、折れたのが後者。
合わせて過去のルキナ独白も修正します。