サンタクロム復刻!サンタクロム復刻!!
出てくるカス女→愉悦部コンビ・忠犬
同族嫌悪→同担拒否に修正しました
ぱん、ぱぱん!そんな小さな破裂音と、火薬の匂い。
広間のドアを開けるなり俺を出迎えたそれらに思わず身構える、が。
「クロム!めりくり〜!」
「めりくりです!クロムさん!」
そんな能天気な声に肩の力が抜ける。
「ルフレ?どうしたんだその格好……めりくり?」
「異界の貴方とエクラに教えてもらったの!冬祭りの挨拶なんですって!」
「赤い服で着飾るのが習わしなんですよ!どうですか?似合ってますか?」
ぐいぐいと距離を詰めてくるルフレ達は、確かにあの『赤い服の俺達』と似たような装いだ。
いつものローブは赤い生地と白いファーのものに変わり、ローブの下もいつもの上下ではなく赤いワンピースを着用している。
俺たちのいた世界では無かった祭りということで舞い上がっているのだろう。輝かんばかりの笑顔を見せる二人に、つられて頬が綻ぶ。
「ね、ね!可愛いでしょ?2号ちゃんと相談して決めたんだ〜!クロムの分も勿論あるのよ!」
「サイズも確認済みなので大丈夫だと思います!偉いです?褒めてくれます?」
「異界の貴方は俺に赤は似合わない〜なんて言ってたけど、たまにはいいんじゃない?さあさあどうぞ!」
「もちろんお着替え手伝いますよ!」
「は?2号のクセに何抜け駆けしようとしてるワケ……?」
「知らない衣装にクロムさんのお時間取らせるなんて勿体無いなってだけですけど……?」
「落ち着け二人とも。足を踏むんじゃない、胸ぐらを掴むのもやめろ。着替えてくるから」
先程まで仲良く肩を並べていたのに、あっという間に睨み合いを始める二人。……二人とも同じ『ルフレ』の筈なのになぜか仲が悪い。本人達曰く『同担拒否』?らしいが、先ほどのように仲良く話していることもある。
「お手伝いは」
「いらん」
「そ、そんなあ!」
「やーいフラれてやんのぉ!」
「こら!煽るんじゃない!いいか、くれぐれも喧嘩するんじゃあないぞ」
「「はあい!!!」」
綺麗に揃う返事。仲がいいんだか悪いんだか、イマイチよくわからん。
押し付けられた衣装を持って、自室としてあてがわれた部屋に戻る。早めに戻らないとまた喧嘩しかねんからな。急いで着替えを……
そう思いつつドアを開ければ、『ルフレ』と目が合った。
「あッ……ぇと…………、……。」
すぐに逸らされる目。姿こそ先程まで広間にいたルフレ達と変わらないが、あまりにも違う反応。
「……俺の部屋で、何をしているんだ?」
「その……アタシ…………部屋を、間違えた、みたい。」
あまり刺激しないよう話しかけるが、それだけ言って脱兎の如く逃げ出す『ルフレ』。
──今、この地には俺と同じ世界から3人のルフレが招かれている。
一人目は俺と共に招かれたルフレ。
二人目は邪竜を討滅した後の、俺達より少し先の未来から来たルフレ。
そして……邪竜として俺たちに立ち塞がった、ルフレ。
俺達は覚醒の儀を執り行う為に虹の降る山へ向かう直前、此処へ招かれた。
だからここまで従順に従おうとする理由がわからないし、敵意でも憎悪でもなく恐怖の感情を向けられる理由もわからない。
何か知っているらしいエクラには『クロムは知らない方がいい』と突っぱねられてしまった。
今走り去って行ったルフレとは、あまり話を出来ていない。
近付いても『屍王』の陰に隠れてしまうので会話をするどころか顔を見ることも難しい状態だ。
元の世界でのギムレーの振る舞いとあまりにもかけ離れた姿は、敗北の結果ルフレとしての意識が表面化しているからだと俺は睨んでいる。
この国で肩を並べている間は、仲間。
本来は殺し合う間柄でも、ある程度の交流くらいは必要だろうと思っているのだが……上手くいかないな。
それに──思うところがない訳ではないが、彼女との交流は俺たちの世界でギムレーを殺すための手掛かりになるかもしれない。
……祝祭の日に考えることではないか、さっさと着替えてルフレ達の元へ戻ろう。あまり放置するとまた喧嘩を始めるからな。
着替えようとして、ベッドサイドの上に見覚えのないプレゼント箱があることに気が付いた。
リボンが少しヨレているソレには──Dearクロム.とだけ書かれたメッセージカードが添えられていた。
新年?知らんな……着物のクロムを実装してから明けてくれ。
p.s.敗北者√のおまけをR-18にあげてます。直接的な単語があるだけでぬるま湯ですが……。