ようこそデータ至上主義の教室へ   作:あもう

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原作にないところなので書くのに凄く苦労しました。次の話から原作プロットにやっと入れます。


学校?何処でもいいわ。

どうも、ホワイトルームをこの度追放になりました。落ちこぼれ追放生です。あれから愛しの我が家に帰ると両親に真っ先に病院に連れて行かれた。何でもホワイトルームから帰ってきた子供達には次々と精神的な異常が見られるそうだ。まぁあんなプログラムしてりゃそりゃそうだろって感じ。

 

 

まぁそんなこんなで検査も無事異常無しで帰ってこれた俺はまず両親にむちゃむちゃ謝られた。まぁそりゃそうか。普通に考えてよく分からん施設に4歳のガキをぶち込んだ訳だし罪悪感みたいなものは多少あるんだろう。まぁ最高傑作になれなかった落胆もありそうな顔だが。

 

 

 

まぁ一先ず両親の事はいい。良くないけど置いておこう。それよりも何処の中学校に行きたいかと言われた。正直何処の中学校でもいいから高校は東京都高度育成高等学校がいいですと言ってみたが両親の反応は芳しく無かったので両親の力を借りるのは恐らく無理だろう。

 

 

東京都高度育成高等学校というのはちょっと特殊な学校である。ある特定の学校で推薦を貰った人間のみが受かる。端的に言うなら100%裏口入学である。そして問題なのは俺は現状のままでは推薦が貰えなくてそもそも入れないという訳だ。これが非常に問題である。ただまぁ転校先は当然推薦権のある学校に行く必要があるのは確定だろう。

 

 

中学校の原作キャラとの面識を持っておく事も考えたがやめておいた。バタフライエフェクトという言葉がある。蝶の羽の風程度でも台風だか竜巻だかが起きるみたいな話だ。それと同じでここで原作キャラに接すると何かしらの改編が起きるかもしれない。既に綾小路は俺の事を知ってるかもしれない時点で原作から少し乖離してしまったが、こればっかりは仕方ないだろう。

 

 

とはいえ東京都高度育成高等学校への推薦権を持つ学校なんてものは俺は当然知らない。真っ先に考えたのがハッキングだが国の運営している学校にハッキングする技術などホワイトルームを持ってしても無い。これからやるのかもしれなかったが俺には関係ない話だろう。

 

 

時点で考えられるのが理事長を脅す事だが正直俺みたいなガキが勝てる相手では間違えなく無い。従来の傾向として異世界転生者並びにそれに近いものは調子に乗るとすぐに死ぬと相場が決まっている。理事長を敵に回した時点でゲームオーバーな訳だしこの手はナシだろう。

 

 

他の方法は現状なんも閃きそうに無い。一応元ホワイトルーム生だからワンチャン坂柳理事長が入れてくれる可能性はあるが確率は低いし最後の保険程度の価値しかない。結局、俺は方法を閃かないまま両親に言い渡された転校の期日になってしまった。ちくせう……。

 

 

こうして俺は、豊田第一中学校という何処かも分からない中学校に通わさせられる事になってしまった。正直そんな所はどうでもいいのでさっさと転校出来る様に権利のある学校を探す必要がある。幸いにも豊田第一中学校はパソコンやスマホも持ち込み可能なようだ。ネットを使っての調査は学校でも出来そうだな。

 

ちなみに豊田第一中学校はマンモス校だ。確か人数は3学年合わせて2000人程。俺と同学年の2年生だけで16クラスもあるらしい。まぁそんな事はどうだっていい。どうせこんな中学校繋だしな。まさかたまたま入った中学校がたまたま推薦権を持ってるなんてあり得ると思えないしな。

 

 

取り敢えずハッキング技術を上げることに専念しよう。国主導の東京都高度育成高等学校は無理でもそこら辺の中学校なら何とかなるかもしれない。その為にもまずはハッキングの基本をある程度復習して取り掛かれる様にしよう。

 

 

そんなこんなで転校当日になった。クラスはGクラスらしい。ゴキブリクラスだと思うとなんか悲しくなって来た。勝手に一人で変な事を考え、傷ついていると、教室に着いた。幸いにもタイミングとしては入学初日。加えてマンモス校なので転校生が一人紛れ込んでても気付かないだろう。俺は目立たない様に俺は目立たないように息を潜めることにした。なおステルスヒッキーとは一切の関係がないものとする。

 

 

俺が寝たフリと言う名のステルス状態に入って10分。ガラガラと扉を開く音がする。入ってきたのはスーツ姿のもじゃもじゃアフロの筋肉質な男だった。言っちゃ悪いがアホ面だ。まぁ誰が担任でもいい。このまま新入生の集まりに生じて転校してきた俺が目立たなければ良い。俺は分かってるよなこいつと言わんばかりの視線を飛ばしておく。

 

 

すると彼は俺のアイコンタクトに気付いたのか目配せをしてくる。生徒の気持ちが分かってるいい教師だな。

 

 

「はい皆さん。私が皆さんの担任の鴨志田です。今日から入学式ですがその前に転校生の紹介をします。それでは前に出てきて自己紹介をね、してください。」

 

 

そう言って鴨志田はこちらをガン見してくる。それに釣られて周りの生徒もコチラへと目線を向ける。鴨志田は生徒の気持ちなんてなんも分からないクソみたいな教師だった。そっちの意味の目配せでは無い。意思疎通を小学校からやり直して来て欲しいものだ。

 

 

さて、こうなってしまった以上仕方ない。最早こうなっては逃げ場等無いが、自己紹介で成功して友達を作ってしまうと授業をバックれて東京都高度育成高等学校に入れなくなってしまう。なのでここは自己紹介をわざと失敗する必要がある。そして幸いにも、俺は失敗した自己紹介の教科書のようなものを知っている。

 

 

「と、虎園…翔です。その……得意なことは特にありませんが……皆と仲良くなれるように、頑張りますので、よろしくお願いします。」

 

 

教室からはなんとも言い難い空気が流れる。先程言っていた失敗した自己紹介の教科書というのは原作主人公である綾小路清隆の事である。勿論ホワイトルームのカリキュラムに自己紹介の成功の仕方何てものは無い。実は綾小路はホワイトルームでやった事以外何も出来ないんじゃないか説が浮上した瞬間だった。

 

 

「自己紹介ありがとう。それじゃあ今から連絡事項を伝えるからよく聞いとくんだぞ。」

 

 

気まずい空気を察したのか鴨志田が連絡事項を伝えだしたが、俺は無視してハッキング技術を磨くのだった。

 

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入学してから約半年が過ぎた。あれから俺に話しかけてくる奴もたまにいたが、冷たく会話を切って話しかけるなオーラを出したら大半の人間が話しかけてこなくなったのでそのままハッキング技術の向上に務めている。毎日パソコンと向き合う生活だ。当然だが、人と会話せずずっとパソコンと格闘しているので周りの奴らからは嫌われ、無視する事がルールの様になっていた。たった一人を除いては。

 

「虎園くんいつもパソコンで何してるの?」

 

そう言って彼女、天宮さんはパソコンの中身を覗こうとするので俺は慌ててパソコンの蓋を閉める。

 

「別になんでもいいだろ。」

 

天宮さんというのはクラス、いやおそらく学年で一番皆から好かれているマドンナって奴だろう。下の名前は知らない。なんか腹黒そうな気がするがまあどうせこれから関わる事も無い相手だろう。

 

「いやいや、私気になるな?」

 

彼女も負けじとコチラとの距離を詰めてこようとするが正直いい加減諦めて欲しい。ここはセクハラをして撃退するか。

 

「エッチなやつだ。分かったらどっかに行くんだな。」

 

いくら人と会話するタイプと言っても相手は中学生の女の子、この手の男子を片っ端からきもいきもいという時期だろう。その後もなんか言っていたが俺は面倒くさいので寝たフリをして対話を拒否する姿勢を見せておいた。

 

これで……関わ……って……来ない…だ…ろ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけんじゃねぇぞ!このクソアマ!!」

 

 

寝たフリをするだけだった俺の思惑とは別に、そのまま俺は夢の国へと旅立ってしまったようだ。ネズミが蔓延る金の国とは勿論無関係である。

 

 

それにしてもなんか今クソアマとか聞こえた気がする。まぁ多分気の所為だろう。誰かが喧嘩してるのかもしれないが俺の邪魔さえしなければ心底どうでもいい。俺はそのまま眠たい目を擦りながらパソコンを操作する事にした。

 

「あんたのせいで寧ちゃんがどんだけ傷ついたか分かってんの?ふざけんじゃないわよ!」

 

 

そのまま俺はどっかで起きている口論を無視してパソコンを操作していく。新しいハッキングのアプローチの仕方は既に思い付いている。昨日徹夜で作ったやけに長ったらしい関数を瞬時に解読するプログラムを使えば入れるはずだ。俺はキーボードを恐ろしい勢いで入力していく。

 

 

「何とか言いなさいよ!このビッチ!」

 

 

ビンゴだ。やはりあの長ったらしい関数さえ解読を早めればなんの問題も無くそこら辺の中学校ならハッキング可能らしい。。流石に国主導の東京都高度育成高等学校には入れないだろうが。忘れないうちに入り方だけ保存をしてしまおう。

 

 

「気持ちわりぃんだよ!このブス!」

 

俺が保存ボタンを押そうとした矢先に誰かが突き飛ばしたのか女の子が俺の机の方向へと飛ばされる。そしてその衝撃でパソコンは飛んでいき、窓から落下してしまった。恐らく修復不可能だろう。なんてことしやがるんだコイツら。

 

 

「クソ女突き飛ばしたら根暗野郎のパソコンもぶっ壊れたぜ!ざまぁ見やがれ。」

 

 

そう言ってジャイアンみたいな見た目の男が憂さ晴らしに成功したような顔をしている。それよりも俺が奇跡的に昨日徹夜してたら何とか作れた自動関数解読ソフトがコイツらのせいで保存出来ずに消えてしまった。東京都高度育成高等学校に行くためのおそらくは唯一の方法。それも二度と同じソフトを作れやしないだろう。

 

 

なんか物凄く腹が立って頭に血がのぼってきた。こんな何処の馬の骨かもしれんやつに俺の東京都高度育成高等学校への道を何が悲しくて閉ざされなければいけないのだろうか。てかそのクソ女と呼ばれてる奴が何をやらかしたのかは知らないが俺は無関係だろう。とばっちりだ。

 

 

「おい何とか言えよ!クソ女に根暗野郎!」

 

ジャイアン風の男がさらに挑発をしてくる。他のクラスメイト達もジャイアン風の男と同じ意見なのかクソ女と言われてた女の子以外はみんな敵の様だ。本当なら落ち着くべき所なのだろうがもうダメだ。俺の心は限界だ。

 

 

「うるせぇんだよジャイアン顔のクソ野郎が!人の努力をテメェみたいな無能がぶち壊しやがって!ぶち殺すぞ!」

 

俺が怒鳴り散らすと舐め腐っているのかジャイアン顔の男は挑発するような笑みを浮かべている。

 

「やれるもんならやってみろよ。陰キャ風情がよ。俺は柔道全国9位だぞ!!お前なんかとは格が違グワァホッ!!」

 

売り言葉に買い言葉と言うべきなんだろうか。相手のやれるもんならやってみろを聞いた時点で俺はジャイアン風の男の鳩尾に全力で拳をねじ込んだ。なんかゴチャゴチャ御託を言ってたが無視だ無視。

 

 

「お前!榊原が喋ってる最中に殴るなんて卑怯だぞ!」

 

横にいたスネ夫風の男に言われるが卑怯でもなんでも最後に俺が勝ってさえ入ればそれでいいのだが。こいつらはやっぱりやっぱりバカみたいだ。

 

 

「うるせぇな。死ねよ。」

 

 

そのまま俺はスネ夫風の男の顔面を殴り飛ばす。

 

 

「な、なんで俺たちが殴られなきゃいけねぇんだよ!あのクソ女が俺たちの秘密をブログに書きまくったのが悪いんだろ!?なんで榊原や青木が殴られなきゃ行けねぇんだよ。」

 

 

のび太みたいな丸メガネをかけた奴がメガネを上にあげながら言ってくる。いちいち動作のムカつく野郎だ。

 

 

「知らねぇよ。だいたいテメェらが勝手に秘密を話した自業自得じゃねぇか。俺に八つ当たりすんじゃねぇぞカス!テメェらみたいなゴミが俺の夢とパソコンはぶち壊すしテメェら不快なんだよ!!」

 

 

それだけ言い残して俺はのび太風の男の顔を蹴り飛ばす。その際にメガネのレンズが粉々に砕け落ちた音がしたが、偶然なのかコイツらの心が折れた音に聞こえた。まぁ俺には関係無いので全員意識が無くなるまでぶっ飛ばすとしよう。

 

 

その後も我慢の限界が来た俺はその場でジャイアン風の男と一緒に笑っていたヤツを殴ったり蹴飛ばしたりして意識を無意識に着実に刈り取っていった。

 

「落ち着きなさい、虎園君。何があったんですか!?」

 

 

どうやら先生が到着したらしいが無視だ無視。俺の夢をぶち壊しやがったクソ野郎があとまだ5人も残っていやがるんだから。俺は残りの五人のうちの一人の顔面を蹴飛ばしながら来た先生を確認する。年老いた女の先生なのでなんの問題も無いだろう。俺を止める力は無いはずだ。

 

 

「誰か!男のガタイのいい先生を連れてきて!」

 

 

それから暫く意識の無くなった奴も含めて殴り飛ばしているとガタイのいい男の先生が6人ぐらい来て、俺はそのまま指導室に連れていかれた。

 

 

 

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「それで、なんであんな事をしたんだ。」

 

 

場所は変わって生徒指導室。俺が殴り飛ばした奴らは皆等しく病院送りになったらしい。自業自得である。そして俺は何故そんな事をしたのか今担任の鴨志田先生に問い詰められている。こちらも自業自得である。

 

 

「皆で寄って集って一人の女の子を虐めるとか人として許せませんでしたので。」

 

 

 

大嘘である。虐められてた女の子の名前すら知らない。ただパソコンぶっ壊されて東京都高度育成高等学校への行く道が途絶えた腹いせに全員ぶん殴っただけなのだが当然そんな事言えるはずもない。誰だか知らないがあの女の子にはせいぜい立派な隠れ蓑になってもらおう。

 

 

 

「天宮の事か。天宮がブログで他のクラスメイト達の愚痴や秘密を暴露していた事は知っているな?先生は天宮にも責任はあると思うんだ。」

 

 

なんだか櫛田みたいなことをしている人が居たものだ。とはいえその人は心底どうでもいいが俺が意味も分からず他人を殴り飛ばしたキチガイになるのを防ぐのにこれ以上良い方法は思い付かない。

 

 

「そうかもしれませんが、だからといってやっていい事と行けないことがあるのでは?責任という話ならば天宮さんに秘密を話したり、ストレスを貯めさせた周りにもあると思うんですけど……。」

 

まぁ詳しい事情は知らないがどうせ櫛田と似たようなもんだろ。多少齟齬が内容にあってもこの年なんだし何とかなるでしょ(鼻ほじ)。

 

 

「虎園、お前普段は周りに興味無いように見えて実はそこまで見ていたのか……。お前の言う通りだ。天宮にこのクラスは救われ続けていた面はあったと思ってる。それにお前のやった行動で天宮も救われた部分はあると思うんだ。やり方は悪かったけどな。」

 

 

「何が言いたいんですか?」

 

 

 

「まぁつまりだ。これから色んな大人とかに文句を言われるだろうがその気持ちは間違ってないんだ。大事にしておけよ。」

 

 

「…はい。」

 

この人も悪い教師では無いのかもしれない。でも別に俺は特にその天宮さんとやらを助ける気は微塵も無かったので心には響かなかった。ごめんね鴨志田君。

 

 

 

「ただなぁ……今回の一件を聞いている以上君の事を受け入れてくれる高校は限られてると思う。私から良ければだがある高校を推薦したいんだが。」

 

 

「取り敢えず聞いてから考えます。」

 

 

正直推薦して貰って悪いが行かなきゃ行けない高校は既に決まっている。ワンチャンだろうとなんだろうと受けなきゃ確率は0。ホワイトルームにいた事を知っている説に全力で縋り付くしか無い。

 

 

「あぁ、それでその高校と言うのはな。東京にある東京都高度育成高等学校って所なんだが。」

 

 

 

「へ?」

 

へ?

 

 

「東京都高度育成高等学校って言ってな。入ったら3年間外部と連絡が取れなくなるんだけど、その代わり就職先は文字通り何処でも行ける。今回の件なんかあってないようなものになるぞ。これパンフレットな。」

 

「……マジかよ。」

 

まさかこの学校が東京都高度育成高等学校への推薦を行っている学校だとは夢にも思わなかった。正直人生で2度起こるか起こらないぐらいの奇跡だろう。あほ面とか言ってすいませんでした鴨志田先生一生着いていきます。

 

 

「それで……どうだ?良ければ目指さないか。」

 

 

「はい。目指してみます。」

 

 

こうして俺は、無事東京都高度育成高等学校へのチケットを奇跡的に手に入れる事が出来たのだった。ハッキング技術なんて無かった、いいね?

 

 

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「ふぅ……。」

 

 

 

俺、鴨志田はクラスメイト全員が病院を一ヶ月以内に退院出来る事を医者から電話で告げられてホッと安堵のため息を思わず着いた。幸いにも今回の件はクラスの面々にも責任がある。とはいえ学級崩壊は免れないだろう。流石にクラスの中に全員を病院送りにしたヤツとクラスメイトの秘密という秘密をブログに書いて暴露したヤツがいる以上仕方の無い事である。

 

 

「虎園翔と天宮桔梗か……。」

 

 

全てにおいてハイスペックであるもののクラスメイトのほぼ全員を病院送りにしたという過去がこれから足を引っ張るであろう虎園翔。

 

 

そしてストレスに耐え兼ねて、本当の事かは分からないがクラスメイトの秘密を誰でも閲覧出来るネット上のブログに書き残した天宮桔梗……噂では今回の件で娘に失望した父親と娘の事を優先したい母親とで離婚の話が出てるらしいのでもしかしたら櫛田桔梗になるかもしれないが。

 

 

何はともあれ彼ら二人は一旦学校からも隔離して、学校に箝口令を敷いた上で、厳密に対処する必要があるだろう。また、彼らの将来の為にもここで対応を誤ってはならない。その為にも国の推薦権を使って虎園翔を東京都高度育成高等学校へと行かせたのだから。

 

 

「失礼します。鴨志田先生。」

 

俺がそんなもの思いにふけてると天宮が扉を開けて入って来た。天宮も虎園のように東京都高度育成高等学校に行かせるべきだろうか。流石にここら辺の高校に通わせると虐め問題に発展しかねない。とはいえ天宮が虎園の事をどう思っているか分からない。ここは多少のリスクを背負ってでも天宮に聞くべきだろうか。

 

 

「天宮、来たか。まず今回の件だが学校の上層部との話し合いで今回の件は箝口令を敷いて内側だけで揉み消す事にした。……と言ってもおそらくは揉み消せないだろうがな。」

 

 

まぁこればっかしは仕方無いだろう。噂というのはどうしてもどこかしらから漏れ出てしまうものなのだから。

 

 

「はい……。」

 

 

今回の件は流石の天宮も凹んでいるようだ。天宮もまだ14の子供だ。無理も無いだろう。寧ろあれだけ落ち着いていた虎園の精神力を評価したい所だ。精神年齢がふた周りほど高いと見ていいだろう。

 

「それでだ天宮、お前のこれからの選択肢は二つある。地元の高校に行くか。それとも国が主導する、東京都高度育成高等学校に行くかだ。」

 

 

天宮は虎園とは違い精神的な強さや回復力は高くない。本人が悔いのない結論を選ぶべきだろう。特に今はご両親のもんだいでも心労をかけているだろうしな。

 

 

「虎園君は……どちらを選びましたか?」

 

ここで虎園の名前が出てくるか。やはり天宮に取っても今回の一件は虎園を心から頼りに出来る一件だと感じたのだろう。事前に虎園がクラスメイト達を病院送りにした話はあっちの担当をしていた保健の先生がしてくれたはずだがこの感じだと伝わっているのだろう。

 

「虎園は東京都高度育成高等学校へと行く道を選んだぞ。天宮もそうするなら先生の方から色々手配しておこう。」

 

「ありがとうございます。」

 

その後も俺は天宮のメンタルケアをして、そのまま1時間後ぐらいに天宮を帰宅させた。

 

 

とはいえ問題がある。うちの中学の推薦枠は本来は2枠なのだが東京都高度育成高等学校への志望者は「3名」いる。国には何とか無理を言って今年の推薦枠だけ増やしてもらおう。推薦権はあの学校の敷地内にあるものの筈だ。学校内にあるものならば「なんでも」買えるルールは俺が卒業した後も未だに変わっていないだろう。

 

 

恐らく彼らはDクラス送りになるだろう。だが彼らならきっと何とかしてAクラスに上がれるはずだ。俺はそう思いながら、同じクラスで戦ってきた戦友に電話をかける。相手はたまたま手が空いていたのかツーコールですぐに電話が繋がった。

 

 

「もしもし真島、頼みがあるんだがいいか?」

 

 

共にAクラスをめざした旧友の真島。今となってはもうほぼ会うことは出来ないがそれでも学生の頃から変わらず俺たちは仲良くやっている。

 

 

「どうした鴨志田。」

 

「実はうちの中学からの推薦を3枠に増やしてくれないか?金は後で振り込むからよ。」

 

それを聞いた瞬間電話先からため息が聞こえる。面倒事を押し付けた俺への当てつけだろうか。

 

 

「……分かった。上には掛け合っておく。時間が無いから要件がそれだけならもう切るぞ。」

 

「あぁ、助かった。」

 

それだけ言い残すと真島は電話を切った。余程忙しいのだろう。俺はそのまま2人の書類を固め、今回の件の対応する案の持って会議へと向かう。

 

 

 

だが俺は後に知ることになる。この時の俺は、後の東京都高度育成高等学校初の偉業を成し遂げる人間を入れる英断だったと。そして、彼らが実力至上主義の教室で起こす奇跡を。




高度育成高等学校学生データベース
トラゾノ ウィング
名前 虎園 翔
クラス 1年D組
部活動 無所属
誕生日 10月19日

学力 A
知性 A
判断力 B+
身体能力 A-
協調性 C+

──面接官からのコメント──

筆記試験では全生徒の中で三位を記録し、体力試験でもAクラス相応の能力を持ち合わせてるとの結果が確認出来た。
また、やや冷静さは欠けるものの、本年度の面接試験でもBクラス相応をの結果を出しており、一見した限りでは問題の無い生徒のように思える。
小学校の資料は無いが、中学校の資料では2年の後半から学校を休んで居る時期があった事を確認した。
しかしながら別途資料における事実を憂慮し、、Dクラスに配属する事を決定する。


──担任のコメント──
現段階ではなんの問題も無く、学校生活を過ごしています。

人気投票的なの、Dクラスで好きなのは?

  • 綾小路清隆
  • 平田洋介
  • 軽井沢恵
  • 松下千秋
  • 堀北鈴音
  • 高円寺六助
  • 山内春樹
  • 須藤健
  • 佐倉愛里
  • 篠原さつき
  • 池寛治
  • 外村秀雄
  • 佐藤麻耶
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  • 長谷部波瑠加
  • 幸村輝彦
  • 小野寺かや乃
  • 王美雨
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