シン・ザ・ソードマスターと呼ばれるまで戦ってみますかね ~炎帝ノ国の魔崩剣使い~ 作:炎帝ノ国を箱推しします
シン、ミィ、ミザリーのプレイ基本方針が何となく定まってきてる感じかな~と。
「シン、シンは何か買うの?」
ミザリーが会計している間、冷やかし半分にアイテム物色をしてるとミィが、そんな風に声をかけてきた。
「とりあえず、消耗品の補充はせんとな」
代表的なのはMP、HPポーション。
「ミザリーが回復役目指すなら、むしろHPポーション減らして、MPポーション増量しておくか。ミィとミザリーの生命線だし」
「えっと、私も出すよ?」
俺はミィの頭にポンと手を置き、
「年下が気にすんな。お前さんは、自分の装備整えとけって」
ミィはリアルじゃ女子高生だしな。これでも一応、大人のメンツってのがある。
(さて、なんか新装備とか出てるかね~)
俺は商品ウィンドウを物色してると、
「おっ、”杖剣”か。こいつは面白い」
”杖剣”ってのは、一番短いくらいのワンドの底部にヒルト(鍔)を取付つけ、諸刃の刃を差し込んだ武器だ。
魔法発動体であるワンドと短剣の複合武器と考えて間違いない。
分類上は片手剣になってるはずで、実際に見た目も「柄の長いロングダガー」っぽい。柄と刃の長さはどっちも同じくらいで30㎝ほどだ。
実は、ワンドやスタッフのような魔法発動体がなくても、初級の魔法くらいなら撃てる。
例えば、ウィンドカッター、ファイアボール、ウォーターボールなんかの攻撃魔法、ヒールなんかの初級回復魔法がそうだ。
だが、中級以上の魔法を使おうと思ったら、やはり魔法発動体は必須となってくる。
中級魔法以上は、初級より高い要求INT値に加え、魔法発動体の使用が発動条件になってる物が多いのだ。
加えて、初級魔法においても魔法発動体の恩恵はある。持ってない素の状態に比べて、装備により性能はピンキリだが「威力・射程・効果の向上、消費MPの減少」がある。発動体を使わない魔法(必然的に中級以下の魔法)の射程は存外に短く、総じて弓の有効射程以下だ。
実際、俺と同じ片手剣使いでも、片手剣とワンドを装備し器用に戦う「ソーサルナイト」じみたプレイヤーもいるようだし。
(これ、刃部分交換できるのか……)
刃の部分はありふれたダガーと同程度の性能だが、ソードブレイカーの刃に交換できれば、割と使い道あるんじゃないか?
例えば、刃受けながら攻撃魔法を回避不能の至近距離からかませそうだし。
「”杖剣”? 買うの?」
「ああ。ミザリーが回復役やるってんなら、俺のMPリソースも攻撃魔法に回しても良いかなって」
今まで、俺のMPはほぼ”ヒール”のみに使っていたが、ヒーラー同伴なら攻撃手段に回しても良いだろう。
ただ、俺のMPもINTも、相手に魔法で有効打を与えられるほどじゃない。
そこで杖剣、ソードブレイカー機能つけたワンドで底上げしようって意図だ。
「ああ。ついでにミィにも買ってやろうか? そんな高い装備じゃねーし」
ダガーとしてもワンドとしても、最低限の性能って感じだから、こんなもんだろう。
「えっ!? いいよいいよっ! これ以上、払ってもらうのは流石に……」
「良いから大人しくおごられておけ。ミィが持ってるワンド、メイス機能付き物理攻撃属性は打撃だろ? 相手によっては物理攻撃は刺突や斬撃の方が効果が高いことも多い」
例えば、スケルトンやら甲殻なんかの「硬いが脆い」を持つ相手なら打撃武器が有効だが、逆にぶよぶよした表皮や柔らかい肉を持つ相手なら刺突や斬撃の方がダメージを出しやすい。
「それに、でもダガーの使い方とかわからないし」
「そのあたりは手ほどきしてやるよ」
「うふふっ♪ ミィに随分優しいわね? もしかして、女子高生とか好きなのかしら?」
と後ろから抱き着いてきたのは、会計を終えたミザリーだ。
「んな訳あるかい。パーティーの総合力強化は、この手のゲームの鉄板じゃないのか?」
それにゲームだろうと実戦だろうと出来ることと手数と手札は、多ければ多い方が良い。戦術オプションの選択肢はあるに限る。
ついでに言えば、ミザリーのからかいに付き合ってやる義理もないしな。
「後は……今のバックラー下取りに出して、”スラッシュバックラー”に買い替えるか」
「”スラッシュバックラー”ってなに? 盾なのはわかるけど」
聞きなれない単語に首を傾げるミィに、
「円盾の前半分の縁が研いであって、盾の横なぎや打ち下ろしなんかで簡易的な刃物として使えるバックラーさ。言ってしまえば重くて鈍ら、その分頑丈。鉈や斧みたいに重さでかち割るとか叩き割るって使い方になる」
俺の持ってるスキル【シールドアタック】は、盾の表面(特に分厚い中央)でぶん殴った時に効果を発揮する。
だが、実戦では振り下ろしなどで盾の縁で攻撃するケースもままある。
スラッシュバックラーは、その際にスキル効果のない「鈍器として打撃属性攻撃力」に加えて、斬撃効果追加と微々たる攻撃力増加がある。
俺は、STRを優先的に上げてはいるが、相手を一撃で屠るような一発逆転を狙える攻撃力はない。
例えば、ミィの上位火焔系攻撃魔法などに比べれば、明らかに決定打に欠ける。
なので、「チマチマ削る」戦い方を極めるべく、少しでも与ダメージリソースは増やしておくに越したことはない。
他にも投擲専門の刃物のクナイも毒を塗布できるタイプにアップグレードしてるし。
(ああ、そういや攻撃魔法のスクロール、忘れずに買っておかんと)
こりゃミザリーのレベリングついでに資金集めしないとな。
課金も無限にできるって訳じゃないし。
原作に比べ、心持ち強化される……される予定の三人です。
勿論、原作開始時の装備は手に入れてないので、全体的に力不足ですが、この時点で「何となく出来る事が増えている」感じで。
次回あたりから、オリチャートの新章突入になるかな?
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