シン・ザ・ソードマスターと呼ばれるまで戦ってみますかね ~炎帝ノ国の魔崩剣使い~   作:炎帝ノ国を箱推しします

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今回から新章になるので初投稿です。

どうやら、シンにも新しい出会いがあるようですよ?





第2章 Meet The Newcomers
第12話:片手剣使いとさよなら、そして時々偽ゴブスレ?


 

 

 

 それは、俺ことシンがミザリーと合流してから更に1週間ほど経った頃……

 

「シン、私達しばらく分かれて行動した方が良いと思う」

 

「はい?」

 

 宿屋でそう切り出してきたミィに、俺はそう返すしかなかった。

 

 

 

***

 

 

 

「シンが強いのはわかりきってるの。でも、私もミザリーもシンに無自覚に頼り切っちゃって……シンありきのプレイになってると思うんだ」

 

 まあ、ミィの言わんとすることはわかる。

 

「だが、魔法職二人パーティーってのは、きつくないか?」

 

「シンが鍛えてくれたお陰で、私もある程度は前衛ができるようになったし、それに何というか……ミザリーは頑丈だし」

 

「胸部装甲の厚さには自信がりますよぉ。えっへん♪」

 

 ぶるんと揺らさんで良いから。あとミィ、ハイライト消しながら自分の胸をペタペタ触らんでよろしい。

 

(だが、確かにミィはセンスの良い速射型のスペルキャスターで、ミザリーはちょっとしたタンク役もできるヒーラーになったな)

 

 片手にメイスワンド、片手に杖剣で戦うミィの姿は、近距離戦でもなかなかにサマになってるのは事実だ。

 それに魔法使いにしてはVITもHPも高い。

 ミザリーは、回復魔法だけでなく何気に光属性の攻撃魔法が強いしな。

 意外なことに、スタッフの扱いも上手い。

 いや、魔法発動体としてだけじゃなく、打撃武器としても使える店売りランク最上の”ミスリルスタッフ”を使ってるせいもあるが、棒術使いとしてもなかなかに上手い。

 確か、【杖術の心得】みたいな格闘スキルもとってたはずだ。

 

(一応は、いけるか……)

 

 サービス開始直後の一部はしゃぎ過ぎなプレイヤーが起こしたPKラッシュも落ち着き、大分治安も安定してきている。

 

(それに”依存”みたいな関係になるのも、不健全だからな)

 

 パワーレベリングみたいな寄生プレイは、初心者だから許されるのであって、ある程度自立できるならやるべきじゃない。

 

「わかった。じゃあ、俺はしばらくソロで活動するよ。だが、困ったことがあったらいつでも連絡入れろよ? 悪質プレーヤーが0になったって訳じゃないんだから」

 

 過保護と言いたければ言え。

 ゲームは所詮、娯楽。楽しいに越したことはない。

 

「今までありがとう。シン」

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、このゲームで初めて組んだパーティーの解消に、一抹の寂しさを感じないと言ったら噓になるな。

 何時の間にか、ミィと一緒にいるのが当たり前になってたし。

 ミザリーはって? 大学でほぼ毎日顔を会わせてるが?

 

 それはそれとして、気ままな一人旅で”NWOって世界”を見て回るのも悪くはないな。

 そもそも、俺のゲームを始めた目的は、リアルじゃできない「まだ見ぬ強者と出会い、死合うこと」だ。

 考えてみりゃあゲーム始まって以来、ずっと年下の女の子の面倒を見てたって方が、むしろ俺らしくないってもんだ。

 

 ああいうのもまた、育てる楽しみって奴なのかね?

 最初は右も左もわからぬゲーム初心者、それが日々強くなって僅かな時間で背中を預けられるまでになったのは、正直、痛快だった。

 

 だが、そいつもおしまい。

 

(自分で立てるなら、自分の歩く道くらい選べんだろ)

 

 まあ、美沙里……ミザリーもついてるんだしな。

 

「さて、俺は俺のゲームを楽しむとしますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*****************************************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおぉぉぉーーーっ!!?」

 

「ちょっと、”クロム”なんで私達、いきなりゴブリンの群れに囲まれてるのよっ!?」

 

「知らん! 誰かがトレインしてきたのを、押し付けられたのかもなっ!!」

 

 

 

 いや、何でこうなるよ。

 というか、ミィやミザリーと別れたその日のうちに”()()”かい。

 いやさ、なんかモンスターの群れにスキル【挑発】っぽいのをかけて引っ張って(トレイン)る奴がいるなーと思って、少し不穏な空気感じて追尾したら、この様だよ。

 俺は徐に【CALL】ボタンを押し、運営(管理者)に「トレインによるモンスターPKの現場を目撃」の報告を、トレインしたモンスターを押し付ける決定的瞬間を収めた動画付きで送った。

 いくらNWOがPK容認のゲームだと言っても、「意図的にモンスターをトレインしての押し付け」は立派なルール違反の迷惑行為だ。

 

 特にNWOでは、モンスターがプレイヤーをキルした場合、実はアイテムドロップは起きない。必然的にモンスターPKを行ったプレイヤーがドロップアイテムを手にすることもなければ、経験値になることもない。つまり、誰も得をしない。

 要するに、「純粋に”悪意を持ってプレイヤーを害することを目的”」とした()()()()()()とみなされる。

 

(標的にされたのは、大盾使いと……後ろの女は、生産職か?)

 

 なんかそれっぽい恰好をしてるし。

 おそらく、盾の男が護衛役を引き受けたってとこなんだろう。

 

(そして、尾行していた臭いモンスターPK野郎に狙われたと)

 

 見覚えのない連中だし、悪質プレイ報告の最低限の義務は果たしたから放置でもいいんだが……

 

「まあ、”義を見てせざるは勇無きなり”とも言うしな」

 

 

 

「ぎゃひっ!?」

 

 俺はコソコソ隠れて様子をうかがっていたモンスターPK野郎を背中から串刺しにして、即座に刃を跳ね上げる。

 俺のスキル【軽勁】はこういう時、便利だ。

 【隠蔽】や【気配遮断】のようなスニーキング系やアサシン系のスキルとは違い、【軽勁】は”身軽さ”、「見た目の総重量を減らす」スキルになり、回避やスキル【跳躍】に影響がある。

 また、「総質量を減らす」副次効果で足音とかもかなり小さくなるのだ。

 

 つまり、今みたいに森の中みたいな紛れる遮蔽物が多い環境で、装備を鳴らさないように気を付ければ、こうして「素早く静かに背後に回り込む」ことも難しくない。

 

 それにこのPK野郎、囲まれてあたふたしてる二人を興奮した様子で眺めていたので周囲を警戒しておらず、余計に簡単だった。

 刺突からの斬撃、今の俺の攻撃力だとプレイヤー相手ならどんな雑魚でもニ撃は入れないと安心できない。

 正直、まだまだ力が足りない。

 

 [SKILL]

【追刃】を取得しました。

 

【追刃】

効果:武器での攻撃が成功した時にその攻撃の三分の一の威力の追撃が発生(ただし、防具による攻撃はこれに含まれない)

獲得条件:二連撃で500体以上倒す。

 

 おーお、こりゃタイミングの良いことで。

 そういやモンスターもプレイヤーも最低ニ撃は入れるクセついてるからな。

 

(おっと、なんかドロップしてるな……って、これ”鞭剣(ウルミ)”じゃん!)

 

 かなり高価な片手の長剣なんだが……あのトレインPK、まともに使えたのか?

 リアルでは当然、NWOでも扱いの難しい武器なんだが。

 片手剣のスキルだけじゃなくて、DEX(器用さ)も相応にないとまともに振れない奴。

 

(とりあえず、もらっとこ)

 

 扱いは難しいし、突けない、攻撃を受けられないとまんま使い勝手は「刃の切れ味を持った鞭」なんだが、間合いが長く、動きや太刀筋は変則的。その特性から「斬撃ダメージを与えながら相手を拘束できる」なんて、他の剣にはまずできないトリッキーな使い方ができるのが面白い。

 ただ、普通の剣より耐久値が低く、叩き壊される事はない(ただし、鈍器で跳ね飛ばされる)が下手に刀剣類に合わされると叩き切られる場合がある。

 まっ、それはともかく……

 

「助太刀すんぜ。お二人さん」

 

「なっ!?」

 

「ゴブリンスレ○ヤー……?」

 

「いや、なんでだよ」

 

 兜はかぶっちゃいねーだろ?

 幼馴染じゃないけど、牛乳女なら心当たりあるけどさ。

 

 とりあえず、俺は手近なゴブリンに唐竹割+切り上げをかました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、ミィやミザリーとはしばしの別れ。
こうして、シンの一人旅(ソロプレイ)がはじまりはじまり~……となる予定でしたが、別れたその日のうちにトラブルに巻き込まれるというw

そして、原作とは違い、まだ第1回イベントの告知すら出るずっと前に出会ってしまいましたね~。
シンとクロム、イズ。
何やら愉快なことになりそうです。



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