シン・ザ・ソードマスターと呼ばれるまで戦ってみますかね ~炎帝ノ国の魔崩剣使い~ 作:炎帝ノ国を箱推しします
ハァイ♪
マルゼン……じゃなかった”イズ”よ。
【NWO】では、生産職をやってるわ。
まあ、リアルの経験……いわゆるプレイヤースキルを活かすためにね。
一応、これでも駆け出しだけどデザイナーなのよ?
ちなみにリアルでの名前は……まあ、それはどうでもいっか。
ヒントをあげると、名前のイニシャルが”IS”になるからイズって名乗ってるは。
インフィニットストラト○じゃないわよ?
(いや~、それにしても良い出会いをしたもんね♪ 流石、わたし! 引きが強いわ~)
大盾使いの”クロム”とも十分に良い出会いだとは思うけど、
(シン君は棚から牡丹餅というか瓢箪から駒というか……)
「多分だけど、NWOの中でもトップクラスのプレイヤーじゃないかしら?」
何というか、圧倒的ではないけど滅茶苦茶強いっていうか……
クロムもかなり強い方だとは思うけど、防御力はあっても攻撃の決定打に欠けるのよ。
なので、モンスタートレインは例外にしても、
(モンスターが群れでたむろしてる様な採掘地には行けなかったのよね~)
まさか、「死ぬとは思うけど護衛して♡」なんて言えないし。
「でも、シン君が雇われてくれるなら、その問題は問題じゃなくなる」
モンスター討伐はシン君が率先してやってくれるって言うし、クロムも私の護衛に専念できるなら、生存率も上がると思うのよ。
契約内容は至ってシンプル。
私、クロム、シン君の三人で即席パーティーを組んで、ゲットしたお宝は分かりやすく山分けで、綺麗に三等分。
ただし、ゴールドと換金アイテムは各自持ち帰りだけど、素材は私が買取って形になるわ。
そして、買取代金はすぐに支払うんじゃなくて……
(証文だけ発行して、制作費に充当してくれれば良い、か……それにしても、)
「シン君は変わった注文するわね?」
*****************************************
「イズ、工房を開いたとして……今、どのくらいの物を作れる?」
「一応、【鍛冶の心得】はXまで行ってるけど、いきなり”最高性能の装備一式を作ってくれ”っていうのは無理ね」
今の私のDEXとINTだと、あんまり無茶なオーダーは受けられないかな?
無理に作っても素材を無駄にするだけだと思うし。
まあ、それでもNPCの店売りのよりは高性能な装備を作れる自信はあるわよ?
シン君は少し考えてから、
「装備のメンテナンス、既存品の装備のカスタム、刀剣のオーダーメイドはどうだ?」
「具体的には?」
「メンテ頼みたいのは、まずはコレかな?」
そうインベントリから取り出したのは、
「あら? もしかして、”
あるのは知ってはいたけど、現物を見るのは初めてだわ。
「いや、実はイズたちにモンスターPK仕掛けた奴が持ってた
「OK。整備はそれね? カスタムは?」
「今使ってるレガース付ブーツなんだが、トゥスパイク、二―スパイク、ヒールメタルを取り付けて欲しい」
つまり、つま先と膝に刺突効果のある金属製の突起をつけて、踵に鈍器として使える金属カップを嵌め込むっと。
「もうちょっと具体的に聞いていいかしら? 望む理由とか」
「このレガースとブーツは、打撃判定が入る”武器として使える防具”なんだが判定が、脛、膝、つま先、足の甲、後は足裏全体での踏み付けだけなんだ。俺は蹴りで踵を多用するからヒールで確実に打撃ダメージ判定を入れたい。つま先と膝のスパイクは打撃だけじゃなくて、刺突効果を足技にも入れておきたいって感じだ」
やりたいことがはっきりしているのは良いわね。
「でも、重くなるわよ? おそらく上手くカスタムしてもAGIに悪影響が出ると思う」
「それは問題ない。どうしても、まずいと思ったら次に入るポイントをAGI振り分けるさ」
「結構。じゃあ、お待ちかねのオーダーメイドは?」
するとシン君はすらりと腰に差した剣を抜いて、
「メインはカットラス?」
刃渡りは、60㎝ちょうどくらいかしら?
「今のところはな。これを元に強度や刃厚を落とさず、重量をなるべく落として10㎝ほど長いカットラスを作ってほしい。具体的には、刃渡り二尺三寸五分(71.3㎝)くらいで」
あれ? その長さの表し方って……
「日本刀によくある長さよね? 確か」
「ああ。俺の愛刀、無銘の居合刀の長ささ。やっぱり、刃渡りだけでもリアルで使い慣れたサイズにした方が扱いやすい」
「う~ん……やろうと思えば、打刀も作れるわよ?」
そこまで傑作ってわけじゃないけど、鍛冶の練習がてらに日本刀も作ったことあるし。
「いや、NWOの日本刀は設定できる耐久値の上限値がな……」
「ああ。なるほど」
そういえば、NWOではリアルの強度っていうより同じ素材と長さなら、一般的に刃幅(刃から峰までの縦の幅)と刃厚(刃の厚み)で耐久値が決まるのよね~。まあ、形状や種類も多少は関係してるけど、
(日本刀は、どっちも上限値が薄いから)
その分、鋭くて刺突も斬撃も強いけど。
「俺としては、鋭さよりも”武人の蛮用”に耐えられる頑丈な剣の方がありがたいんよ」
「そういうことなら……でも、重さを抑えたいならちょっとはレア素材を使った方が良いかな?」
「それなら
それはそれは願ってもない♪
「Goodよ♪ シン君」
これはなんだか、面白い仕事ができそうな予感がするわね♪
「後は
多少は軽く作れたとしても刀身が伸びれば、前へとバランス変わるもんね~。
細かいところを調整するなら、ポメルは交換式にして微調整できるようにした方が良いわね。
(今後、剣を使う場合の良いテストケースになるだろうし)
「なるほど。シン君はポメルでぶっ叩くみたいな戦い方もするっと」
「使える物は、何でも使う主義でね」
その考え方は嫌いじゃないわね。
「あとできるなら、鞘も抜刀ができるような、鞘走りができるような形状にできるか? できるなら、いざという時助かるかな」
居合刀持ってるって言ってたもんね。
洋剣とかでやる人は少ないだろうけど、出来ればできるに越したことはないって感じかな?
「ん? 作った後にちょっと調整する必要あるけど、作ること自体は難しくはないわよ」
「なら、それも一緒に頼もうかな」
「毎度あり~♪」
なんか、まだ開店前なのに上客ゲットできるなんて幸先いいわね♪
*****************************************
翌日、某大学のカフェテリア
「えっ? 私たちとパーティー解消したその日のうちにMPKの現場に遭遇? そして、襲われてたプレーヤーの人たちと即席パーティーねぇ」
ミザリー、ではなく美沙里と昼飯食ってたら互いの近況報告と相成った。
まあ、ゲーム内のメッセでいつでもやり取りできるが、別にリアルでほぼ毎日顔を合わせるのだから、あえてメッセを使う必要もないだろう。
それはいいんだが、
「もしかして、
「……言うなよ」
なんとなく自分でもそんな気がしてきてるんだからさ。
「それにしても、プレイヤーショップかぁ。もし、開店したら教えてね? 私もカスタムしたい装備とか作ってほしいアイテムもあるから」
そりゃNPCショップも万能じゃないからな。
「わかった。ミィにも伝えといてくれ」
「はぁーい。そういえばね、”ペイン”さんって凄いプレイヤーさんがちょっとした話題になってるの知ってる?」
「へぇ……そんな奴、いるんだ」
「あとね、そのペインさんの装備がなんか凄いらしいの。誰も見たこともないらしくて、かなりのレアドロップなんじゃないかって」
という訳で、イズからシンのファーストインプレッションって感じです。
軽度ではあるけど、イズって自分の欲求と趣味に忠実な愉悦主義者の片鱗あるよな~とw
少なくともこのシリーズでは、クロムだけでなくシンとも長い付き合いになりそうな?
実際、原作開始前のこの時期から様々な「原作と異なる繋がり」が構築されるせいで、話は可笑しな方向へ転がってゆく予定です。
どこまで続けられるか分かりませんが、楽しみにしていただければと。
お気に入り登録やご感想など頂けたら、とても励みになります。
よろしくお願いいたします。