シン・ザ・ソードマスターと呼ばれるまで戦ってみますかね ~炎帝ノ国の魔崩剣使い~   作:炎帝ノ国を箱推しします

32 / 33
今回は久しぶりのイズ視点なので初投稿です。





第31話:片手剣使いと新装備三種盛り

 

 

 

(ふ~ん……これは中々)

 

 イズよ。

 今、シンくんから貰ったデータを元に、注文を受けた新しい武器が作成できるか吟味してるの。

 

「まあ、”炸裂クナイ”は、威力の過剰要求がなければ普通に作れそうね」

 

 結局、柄の部分を中空構造にして爆薬を仕込むだけだし。

 形は違うけど、”火車剣”っていう火薬を仕込んだ分厚い十字手裏剣は実際にあったみたいだから参考に使えるわね。

 考えられる一番の難点は、

 

(これは、使い捨てになるのよね)

 

 シンくんが多用するクナイは投げて命中すれば当然、耐久値や”鋭さ”は減るけど回収して再使用はできる。

 だけど、炸裂クナイは刺さった途端に爆発するから、

 

「シンくん、お財布大丈夫かしら?」

 

 間違いなく普通のクナイより割高になるわよ、これ?

 まあ、【クイックチェンジ】もってるし普通のクナイと必要に応じて使い分けると思うんだけど、

 

(まあ、それを補うための”コレ”かな?)

 

 次のアイデアノートには”ワイヤード・チャクラム”って書かれている。

 シンくん、たまに左手で鋼糸を使うけど、その先端には普通の分銅が付いている。

 基本的には武器として使うんじゃなくて、逃げる相手の足を絡め取って転ばせたり、あるいは木の枝とかに絡ませて立体機動もどきをやったりするけど、その分銅の代わりにPKがドロップしたチャクラム、日本語だと”円月輪”だったかしら?

 

 本来のチャクラムは投擲すると回転しながら飛んでいくけど、フィクションならともかく現実では、相手に当たっても当たらなくても手元に戻ってくることはない。それはNWOでもおんなじ扱いだ。

 だけど、シンくんのアイデアが面白いのはチャクラムの中心部に回転式の連結具で鋼糸と繋いで、”回転体としての投擲”と”手元に引き戻して再投擲”を両立させようとしているところ。

 

「やっぱり、元ネタってスパ○ボなのかしらね~」

 

 なんか、こんな武器出てこなかったっけ?

 まあ、これも作れなくはない。

 流石にボールベアリングとかのパーツがあるわけじゃないけど、回転部品自体には心当たりがあった。

 また、鋼糸もリール式なのも都合がいい。

 テンションがかかってるときは戻らないけど、テンションがなくなると巻き取られる感じの、掃除機の電源コードとかメジャーやコンベックスで見かけるタイプね。

 

(チャクラムだけじゃなくて、普通のクナイでも連結していけるんじゃないかしら?)

 

 

 

「最後はこれね」

 

 ”エンチャント・ウルミ”

 実は構造自体は難しくはない。

 いや、むしろワイヤード・チャクラムより簡単なくらいだ。

 

「要するに、柄の部分に魔法発動体を仕込んだ鞭剣(ウルミ)だものね」

 

 だけど、問題なのはウルミ本体の耐久度だ。

 シンくんの話だと、このウルミにはエンチャントを施して使うことが前提らしい。

 だけど、普通に考えると「相手に当てた時の耐久値と”鋭さ”の減少」と「付与魔法による耐久値と”鋭さ”の減少」の相乗効果で、刀身の寿命がかなり短い物になってしまう。

 実用的かと言われれば、多分、ギリギリで実戦で使えるレベル。ちょっと激しい戦いなら1回で武器としては使い物になら無くなってしまうと思う。

 

(だから、刀身部分を交換できるような構造にして欲しいっていうのはわかるんだけど)

 

 でも、これって対処方法的なやり方で、根本的には武器の完成度を上げるってことにはならない。

 もちろん、注文通りの物は作るけど、

 

「いっそ、ウルミをミスリルで作ること、提案してみようかしら?」

 

 私の生産職レベルだと、ミスリルはまだまだ扱いが難しい素材だ。

 正直に言えば、シンくんが発注してくれた”LMカットラス”の完成度は、私の実力よりも運の要素がかなり強かった。

 何というか、”偶然、凄い剣が出来た”って感じだ。

 そして、扱いの難しいレア素材であるミスリルで、それなりに高い鍛冶スキルを持っていても特殊な製法の為に作るのが難しいとされるウルミを作るのは冒険ではあるんだけど、

 

「挑戦しないで、何がゲームってことよね?」

 

 難易度から考えて、直ぐに結果が出ないことはわかりきってるけど、トライアル&エラーを恐れては良い仕事なんかできない。

 それは、リアルでもゲームでも一緒だ。

 ましてや、現実にダメージが入らないゲームで恐れる必要があるってことよ。

 

 さて、そんな決意も新たにしてるところで、

 

「こんばんわ、イズ」

 

「イズ、こんばんは」

 

 ミザリーとミィちゃんがやってきたわね。

 でも残念。

 ちょっとタイミングが遅かったわ。

 

 今日は家庭教師の日だったのかしら?

 

 

 

***

 

 

 

「シン、もうクエストいっちゃたんですか?」

 

「そういえば、今日は休講になったみたいだったわね~」

 

 それで昼間っからNWOに至ってことか。

 なんかシンくん、ゲーム廃人になりかけてない?

 

「まあ、新人さんもつれてるし、そんなに遅くはならないとは思うけど」

 

「えっ? 新人さんって……?」

 

 ミィちゃんはきょとんとするけど、

 

「パワーレベリングに付き合ってあげてたみたいね」

 

「ふ、ふ~ん」

 

「あらあら♪ 最初の頃のミィと同じですね?」

 

 ミザリー、貴女状況とミィちゃんの反応楽しんでるでしょ?

 今更ながらだけど、シンくんって結構……いいえ、これは言わぬが花よね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




シンの新装備を考察しながら、自分と向き合うイズさんとか、誰得?と聞かれたら俺得と答えますw

でも、愉悦なおねーさんって結構愉快なキャラだと思うんすよね~。
ミザリーとイズってなんか良い空気吸ってそうなコンビですw

お気に入り登録、ご感想、評価などをいただければ、嬉しいです。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。