シン・ザ・ソードマスターと呼ばれるまで戦ってみますかね ~炎帝ノ国の魔崩剣使い~   作:炎帝ノ国を箱推しします

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フレデリカ視点が入るので初投稿です。

そして、再び原作キャラ(♂)が登場です。




第32話:片手剣使いとアサシン? ニンジャ?

 

 

 

「何というか、怖いというよりむしろ幻想的ね?」

 

 フレデリカだよ~。

 シンとやってきたのは”北の森”にある墓地エリア。

 ホラーエリアっていうより、洋風の……そう、ネズミの国のホーンテッドマンシ○ンとかに近いノリかな?

 ホラー自体は別に苦手でも得意でもないけど、「突然出てきてびっくりさせる系」があんまり好きじゃない私としては、こういう路線は好ましい。

 なんか、怖さより綺麗って感じ。

 確かにゾンビとかもいるけど、なんかあっちでまとまってダンスとかしてるし……あれ? この絵面、どこかで見たことあるような?

 

「ヲイヲイ。夜の墓場でデートかよ? まあ、シチュエーション的にはありっちゃありなんだろうが」

 

 ってエンカウントして声をかけてくる何というか、ニンジャ? アサシン? 

 そんな感じの浅黒い肌にツンツンヘアーの男の人。

 

「そこまで色気があるもんじゃないんだが……」

 

 むっ、そう言われるとなんか面白くないなー。

 わたしは、シンの腕にギュッと抱きついて、

 

「きゃー、こわーい」

 

「あー、デートじゃないのはわかったわ」

 

「あざとい」

 

 浅黒い人はともかく、シン酷くない?

 

「そっちは一人ってことは……【超加速】のクエストか?」

 

「なるほど。ってことは、そっちもか」

 

 シンが頷くと浅黒い人は親指である方向を指差して、

 

「”例の小屋”はあっちだぜ? 情報通り地下室もあった。ただし、AGIが足りてなきゃ地下室自体に入れないっぽいな」

 

 ふむふむ。

 イベント発生条件があると。

 

「情報、感謝。えっと……」

 

「”ドレッド”だ。まあ、見ての通り短剣使いだな」

 

「シンだ。片手剣使いだ」

 

「フレデリカで~す♪ 見ての通り魔法使いよ」

 

 ここは負けじと自己主張しておこう。

 すると浅黒い人改めドレッドは、シンをまじまじと見て、

 

「お前さん、もしかして”()()()()()の自由騎士”か?」

 

 うわっ。

 ドレッド、わたしがシンと初対面の時、あえてオミットした情報をモロに言っちゃったわ。

 シンはそれを聞くなり、眉間のあたりをトントンと叩いて、

 

「二つほど聞きたいことがある。一つは”自由騎士”なんてふざけた呼び名、どこまで広がってんだ? 二つ、誰が女(たら)しだ。誰が」

 

 

 

***

 

 

 

 シンだ。

 俺はついさっきエンカウントしたばかりのアサシン風のプレイヤー、”ドレッド”から中々に衝撃的な発言を受けた。

 俺が想定していたより、ずっと”自由騎士”の呼び名が広がってる可能性があるという事。

 もう一つは、

 

「誰が女誑しだ。誰が」

 

 こちとら誑せるほど女性プレイヤーに知り合いはいねぇっての。

 

「いや、実際に女連れで墓場に来てるの、こうして目の前で見てるしな」

 

 くっ……ドレッド、意外と切れ味のいい返しを。

 

「言っておくが、俺の女性プレイヤーでフレンド登録したのは、」

 

 フレデリカの頭を軽く撫でながら、

 

「コイツでまだ四人目だ。流石に誑し呼ばわりは心外だぜ?」

 

 ミィ、ミザリー、イズ、そしてフレデリカだ。

 ところで、なんでフレデリカは、頭撫でられながら「むふー♪」と満足気というかドヤ顔なんだ?

 てっきり、「鬱陶しい」とか手を跳ね除けられると思ったんだが。

 

「まあ、確かに多いとは言わんが……」

 

 とりあえず、解っていただけたのならそれで良いか。

 それはそうとして、

 

「ところで、スキルは取れたのか?」

 

「まあな。早速、試してみたくはあるんだが……」

 

 ドレッドは、短剣の柄に手をかけようとしたが、

 

「やめだ。今、お前とやるのは得策じゃない。勘、だがな」

 

 と手を止める。

 なるほど。勘が鋭いタイプか。

 

「確かに墓地(ここ)()り合えば、死んだところで埋葬の手間は省けるし、上手くすればアンデッドの仲間入りができるかもしれないが……流石に野暮ってもんだろ?」

 

 ドレッドを見据えながら視界の端にフレデリカ。

 

「ちげぇねぇや。今夜は【超加速】を手に入れただけで満足しておくか」

 

「俺も気分じゃないし、そうしてくれると助かる。それとドレッド……お前、かなりの強者だろ?」

 

「……さあな」

 

「どうせ死合うなら、もっと別の機会がいいな」

 

 だって勿体無いだろ?

 どうせなら、万全な状態で派手にやりたい。

 すると、ドレッドは”ヒュ~イ♪”と上機嫌に口笛を吹いて、

 

「嬉しい誤算だぜ。お前ってただの女誑しじゃなくて、存外に”()()()()”なのな?」

 

 バトルジャンキーとでも言いたいらしいな。

 正解だが。

 

「否定も肯定もせんよ。その結論に至ったのも勘か?」

 

 するとドレッドは自分の胸を親指で差し、

 

(それ)を疑ったら、俺はおしまいだぜ?」

 

 

 

***

 

 

 

 その後、何事もなくドレッドは闇夜に消えていった。

 それにしても、

 

「食えない奴……ああいうの”曲者(クセモノ)”って言うんだろうな」

 

「ドレッドだっけ? シンがそう思うほど強かったの?」

 

 不思議そうに聞いてくるフレデリカに、俺は頷いた。

 

「ああ。ドレッドは間違いなく強者だよ。今殺り合ったら、勝率は良いとこ五分かそれ以下だろうな」

 

 それこそ、これも俺の勘だけどな。

 まあ、いずれにせよ……

 

「楽しみは増えたかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、早くもドレッド登場ですね~。

原作でドレッドはサリーに【超加速】のクエストを教えていましたが、その前日譚的なエピソードであり、この世界ではここでフレデリカとドレッドが初体面となります。

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