シン・ザ・ソードマスターと呼ばれるまで戦ってみますかね ~炎帝ノ国の魔崩剣使い~   作:炎帝ノ国を箱推しします

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ちょっと執筆ペースが落ちてきたので初投稿です。




第08話:片手剣使いとちょっと相対未来からの評価

 

 

 

 さて、唐突な話であるが……

 NWOのサービス開始から半年ほど経過した昨今、トッププレイヤーや有名プレイヤーには、そろそろ明確なファンクラブのようなものが非公式にもできるようになってきた。

 一部の著名プレイヤー(例えば、某ラスボス少女など)はプレイ開始直後から応援スレッドが立ち上がっていたりしたそうだが、それらがより多くのプレイヤーに立ち、それがより顕在化している。

 

 具体例を挙げるならば、名実共にNo1プレイヤーである”集う聖剣”のペインはその王子様系の美麗なルックスも相まって多くの女性を魅了していたし(一説によれば、ペインのファンの9割が女性だという)、”炎帝ノ国”のミィはその溢れるカリスマで「NWOで最もカッコイイ女性プレイヤー」男女ともに人気(というより炎帝ノ国自体がミィの公式ファンクラブともいえる。何しろギルドシステム実装前より集団として存在していた)であった。

 

 ただ、その中で口のさがない者からは「地味」、「目立たない」、「華がない」と評されるトッププレイヤーもいる。

 その中の一人、あるいは代表格が前述の”炎帝ノ国”の「魔崩剣のシン」だ。

 

 魔崩剣のというユニーク武装をゲームでただ一人使いこなす(というか、この時点で普通の崩剣を含めてまともに使うプレイヤーは確認されてる限りシン一人だ)という特色はあっても、例えば、同じギルドのギルド長であるミィの派手なエフェクトの炎系魔法や膨大な火力に比べれば、正直、地味という評価も頷けなくはない。

 また、”炎帝ノ国”というギルドだけを見ても前述の真紅の衣のカリスマであるミィや、女性的な魅力に溢れたボディに扇情的な僧衣をまとった”聖女”ミザリーや、ショタ好きのお姉さまから絶大な人気を誇る”トラッパー”マルクスに比べれば、「整っているが、普通の気のいい兄ちゃん」に見えるシンは、ビジュアル的なアイコンや特色はない。

 

 そうであるが故か、シンは「玄人好みのプレイヤー」や「()()好みのプレイヤー」、ひねくれた者によれば「玄人やツウに思われたい人間が好むプレイヤー」という評価がされがちだ。

 だが、実際にその実力は本物であり、匿名を条件に聞き出した運営の一人によれば、

 

「例えミィよりも瞬間最大火力では劣っていたとしても、状況や環境、相手に関わらず、相性を超えてコンスタントにダメージを叩きだせるのはむしろシン」

 

 なのだそうだ。

 二つ名にもなってる魔崩剣ばかりに目が行ってしまうが、実は目のこなれた人間によると、「シンの本質的な強さはそこじゃない」という。

 実際、彼の強さは魔崩剣という今のところ彼にしか使えないピーキーな武装ではなく、「あらゆる状況や敵に対応できる戦術的な引き出しの多さとそれを有機的に使う柔軟性」であり、それの土台になっているのは、

 

「高いプレイヤースキルと、基本スキルやちょっと頑張れば誰でも取れる様な基礎的なスキルを組み合わせたビルドの旨さと的確な運用」

 

 であるらしい。

 それが培われたのは、NWOのサービス開始直後からの経験であるとされる。

 これはあくまで噂だが……シンには玄人、いわゆる「ギルドシステム導入前からいる古参プレイヤー」、特に魔法使いなどの後方職や生産系などの補助・支援職の女性プレイヤーに隠れファンや潜在的ファンがいると言われている。

 中には”集う聖剣”のフレデリカのように自ギルドのギルマス、ペインを差し置いて「シンのファン」を公言する猛者もいるようだ。

 

 これにはれっきとした理由があり、ギルドシステム導入前、つまりシンが”炎帝ノ国”に正式加入する前(本人によれば「気ままな根無し草」時代)に、正面戦闘が苦手な初心者プレイヤー、特にPKの標的になりやすいとされていたソロや少数の女性プレイヤーのフォローとして、即席パーティーを組み積極的にフォローしていた時期があるのだ。

 この時の初心者が、今となってはトッププレイヤーやランカーになっていたりするのだ。

 例えば、ミィ、ミザリー、フレデリカなどは、総じてこの時期に知己になったらしい。

 シン本人によれば、

 

『あくまでエゴ。ただでさえ比率の低い女性プレイヤーを減らしたくなかっただけだ。女性プレイヤーが減っていくオンライン一般ゲームは、衰退が早くて長続きしないって聞いたことがあるし、せっかくだからNWOを長く楽しみたい』

 

 とのことだ。

 そして同時に、この時期にシンは護衛役として数多くのPKを返り討ち(一種のPKK)により、多くのスキルと経験、対人戦術を獲得したと言われている。

 

 いずれにせよ、圧倒的な攻撃力などは確認できない(実は、隠し玉としてその手の攻撃を保有している可能性は否定できないが)為、ありがちな「プレイヤー最強論争」に名が出てくる事は少ないが、シンはNWOというゲーム世界において「いぶし銀の魅力」を持つ強者である事は否定できないだろう。

 

 

 

           ”NWO-NOW ○月○日配信号 プレイヤーコラム”より抜粋、一部改変

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「女連れて森林デートとは、いい御身分じゃねぇか」

 

 後ろでミィが「ひっ!?」と小さく息を飲むのが聞こえた。まぁ、PKに初めて遭遇した女の子としちゃあ、普通の反応だろう。

 

(ざっと5人ってとこか)

 

「ミィ、よーく見ておけ。ネットゲーマーってのは嫉妬深いのが多い。それこそ、嫉妬で人を襲う理由にする程度に」

 

「あんだとっ!?」

 

 なんか凄んでいるが、

 

”グサッ”

 

「ぐはっ!?」

 

 俺は返答の代わりに懐に飛び込みどてっぱら、あんまり防御力の高くなさそうなレザーアーマーの”継ぎ目”に切っ先を突っ込んだ。

 

「女連れが妬ましいからって一々絡むな。鬱陶しい」

 

 そのまま剣を切り上げる。突き+斬撃のダメージだな。

 クリティカルになったってのもあるが、どうやらVITやHPをあまりあげてなかったらしく、そのままポリゴンとなって消えた。

 

 SKILL

【アーマースルー】を取得しました。

 

 おっ、こりゃラッキー。

 なるほど、ダメージが出やすい甲冑や甲虫系モンスターとかの「硬い部分の継ぎ目」に何度か攻撃したら得られるスキルね。

 一定確率で相手の防御を無視したダメージが入るスキルってのは、運頼みになるが便利だな。5%だけど、クリティカル率が上がるのもありがたい。

 俺は振り向かずに二人目にクナイを投擲し、それが不意打ち気味に入りひるんだすきに突きを放つ。

 

 今の片手剣だと斬撃より突きの方が威力は低いが、その分、モーションと耐久値の減りが小さくて済む。

 

「お、女の方を先に狙えっ!」

 

「ミィ! 遠慮なく燃やしちまえっ!」

 

 俺がバックラーでの殴打でトドメをさしながら叫ぶと、

 

「わ、わかった!」

 

「魔法を撃つ暇なんて、ぎゃっ!?」

 

 おーお、良い発射速度と威力な事で。

 至近距離から火球を食らったPK野郎は、そのまま消し炭……ではなくポリゴンになって消えた。

 

「えいえいえいっ!」

 

 ミィはワンドを両手で握りなら、初心者らしくとにかく乱射。

 その弾幕みたいなスペルキャストを避けきれずに1人が巻き込まれて焼失。

 AGIや回避スキルを上げてないからそうなるんだっつーの。

 実際、こっちにも流れ弾が飛んできてるが、俺は普通に避けてるし。

 

「んで……残るのはお前ひとりだけど、どうする?」

 

 啞然としてるシーフっぽい残り一名に声をかけると、

 

 SKILL

【挑発】を取得しました。

 

 いや、なんでさ。

 ネタか?

 

”DASH!”

 

 PKシーフは、AGIに任せてまさに脱兎のように逃げ出そうとするが……

 

「逃がさねぇよ」

 

 俺は分銅付きの鋼糸を加速しきる前に投擲、脚に絡みつかせてそのまま引きずり倒す。【鋼糸の心得】様々だな。

 そして、間髪入れずに背中を踏み付け、

 

「ぐぎゃっ!?」

 

「次からは喧嘩売る相手を選べや」

 

 人間相手では攻撃が通れば最もダメージ判定が出る急所、頭に刃を突き降ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




需要ないかもしれないけど……カリスマメッキ(笑)する前、初心者時代のポンコツ初期型ミィを想像するとかなり楽しかったりw


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