「今日は……暑いねえ……」
お昼時、この暑さに虹夏は気怠そうな声でポツリと溢した
「このままじゃ溶けてしまう……」
リョウが虹夏によりかかりながら言う
「暑苦しい!くっつかないで!」
虹夏はリョウを引き剥がそうとする
「も、もう……ダメです……」
ひとりは既に溶け始めている
「ひとりちゃん!?しっかりして!」
喜多は自分で使っていたハンディファンをひとりに使って少しでも溶けないようにしている
「どこか涼める場所は…」
虹夏は周りを見る
「サイゼリ○ある!あそこにしよ!」
「いらっしゃいませ、4名様でしょうか?」
「はい」
「かしこまりました、お席へご案内します」
「注文の仕方はご存知でしょうか?」
「大丈夫です」
「す、涼しい」
「た、助かりました……」
陰キャコンビは涼しい場所に入ったことでようやく元に戻ったようだ
「とりあえずドリンクバーと……みんなは何にする?」
虹夏は注文用紙に記入しながら聞く
「わたし、みんなでピザをシェアしたいんですけど〜どれがいいですか?」
喜多はメニューを開きながらみんなに聞く
「私はマルゲリータピザかな」
「バッファローの方で」
「わ、私は……ソーセージがいいです」
見事に三人ともバラバラである
「じゃあ……誰も同じやつじゃなかったので野菜ときのこのピザにしますね」
喜多は小首をかしげながらピザを決める
「結束力全然なーい!」
「私はコーンクリームスープとミラノ風ドリアにするよ!」
「イカスミパスタ、それとジェラート&フォッカだ」
「小エビのサラダと野菜ときのこのピザにするわ」
「え、えっとイタリアンハンバーグとライスで……」
「みんな、ドリンクバーなににする?」
虹夏はみんなに聞く
「あ、オレンジジュースでいいですか」
「冷コ」
「わ、私ついていきます……」
「ありがとね、ぼっちちゃん」
「私もオレンジジュースでリョウがアイスコーヒーで」
「あっ虹夏ちゃん、喜多ちゃんの分は私持ちます…」
「今日はしっかり気が利くね、ぼっちちゃん」
少し驚いた様子で虹夏は言う
「えへへ…」
ひとりはデレデレと笑う
「せっかくだし、間違い探しやる?」
虹夏はメニュー立てから間違い探しを取り出しながら聞く
「任せろ、下北沢の間違い探し名人は私のことだ」
リョウはカッコつけながら言う
「キャー!流石リョウ先輩!カッコいい!」
喜多は相変わらずリョウを手放しで褒める
「適当なこと言わないの!」
調子に乗るリョウに虹夏はツッコむ
(ふたりともやってる私なら全部わかってみんなにチヤホヤされるチャンス!)
ひとりは内心強気に間違い探しを始める
しばらく探すのに没頭する結束バンドだが
「中々全部見つからないね…」
「私の目を持ってしても見つからないか……」
「意外と難しいのね…」
(み、見つからない!なんで!?ここで見つけてチヤホヤされるつもりだったのに!)
「おまたせしましたー」
「一旦切りにしてご飯にしよっか」
虹夏が音頭を取る
「「「「いただきます」」」」
「き、喜多ちゃん……お腹足ります?」
ひとりは心配そうに声をかける
「?ええ全然平気よ?」
喜多は相変わらずイソスタ写真を撮りながら答える
「リョウ……デザートまで頼んでお金は?」
虹夏がまたかという顔をしながら聞いた
「え?虹夏がここのお金全額持ってくれるんじゃないの?」
リョウは何言ってるのって顔で問い返す
「「「「ごちそうさまでした」」」」
「これで間違い探しほとんど分かったし、ふたりにいい顔できます!」
ひとりはうへへ笑いながら電車に乗った
江ノ島に行ったんですが、しらす丼の話を……
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