副題
現実のスタンロッド、スタンガンには人や動物を気絶させる様な威力はないが正当防衛が認められない様な状況での使用は傷害罪に問われるので注意しましょう。また、使用の際は五秒以上は通電させてから使用しましょう。
この情報が正しいかは皆様で調べて下さった方が確実かも。
作者も調べてます。
〜レッド視点〜
「!?」
レッドはドア付近から咄嗟に飛び退いて、ナイフ、ではなくスタンロッドを構えた。
「さて、だ。」
シトムベがドア枠から飛び降り、中途半端に開けられていたドアノブに左手を伸ばす。右手には武骨な十手が握られていた。
レッドがじりじりとシトムベに近づく、それにつれてシトムベの左手もドアノブに近づいてゆく。
チャリン
「!‥‥‥!?」
音に気を取られ、レッドは一瞬だけシトムベから視線を逸らす、
床には小さな青い石のようなものが嵌め込まれたコインが落ちていた。
そして___シトムベは
部屋からは立ち去ってはいなかった。
「‥‥‥偶然?」
レッドの警戒心が強まる。
何故今の一瞬でドアを閉めて逃げなかったのだろうか?
それだけでは無い、何故左手がドアに触れている?
レッドはこれ以上惑わされることは危険だと考え、シトムベとの距離を詰めた。
しかし、
「”birou“」
ビュオウ! バタン!
突風の様な音と共にドアが完全に開くと共にシトムベの体が押し出され、レッドから見て左側から後ろに回り込んだ。
「ッ!」
右手から繰り出された十手をスタンロッドで受け止める。
そのまま鍔迫り合う、がシトムベはスタンロッドを厚手のゴム手袋を着けた左手で掴んだ。
バチチチチチ......
「”kuwakinomata”‥‥俺の監視はもう終了していると聞いた。目的はなんだ?」
「お前の、尻尾だ!」
「ケルシーの予想通りか‥‥。」
いつの間にゴム手袋を、そんなことを考えながら蹴り飛ばし、スタンロッドをシトムベの首筋に押し付けようとするが、
「おっと、面倒だな」
十手で防がれ、そのまま弾かれる。
バチチチ......
場所を変えつつもう何度か振るうが、シトムベの露出は頭と手首、尻尾ぐらいしか無いので効果が薄い。
此処で諦めてはきっとケルシーに叱られ、シトムベには近づきづらくなるだろう。そうなれば獲物を追い求める所では無い。
しかし今のままではシトムベを仕留めるのは難しい、プロフィールによれば戦闘経験は無しとあったが、今となってはそれも怪しい。
結論、レッドは仕掛けることにした。
少しずつシトムベとの距離を詰めるがシトムベはレッドを中心に反時計回りに動きながら距離を取る。
牽制にナイフを投擲、シトムベは足を止めて障壁を展開した。
すぐに加速し、シトムベの目の前で急停止してから再度加速、背後に回り込んで攻撃、
「ッ!”拒め“!」
パチ......
障壁がシトムベの周囲にまで広がり、防がれる。展開速度が速い。
シトムベが此方に身体を向けるが離脱、頃合いだ。
___プシュー
シトムベの背後___つまりレッドが回り込む寸前に止まった場所___には導火線___既に火が付いている___のついた円筒が置かれ、煙を吐き出していた。
「スモークか!?」
シトムベが障壁の内側でアーツを起動しようとするがアーツは発動せず、既に展開されていた障壁も崩れていく。
特殊なスモーク___おいそれと使えない様なものでもあるが、使用期限が近いものをクロージャに安く売って貰った___は吸い込んだ人物のアーツを一時的にではあるが阻害する。最初のような高速移動による逃走とシトムベの視界はこれで封じ込められる。
相手が何処にいるか分からない以上、下手に動くわけにもいかないが、動けば足音で居場所が分かり、動かなくともレッドの嗅覚で居場所は充分絞り込める。先程の障壁もスモークで封じ込めたので寸前で気づかれてもこちらの攻撃は防ぐのは困難となる。
残念ながらドアが開いているためスモークは漏れているシトムベの視界が晴れるまで三分程しか時間がない。その間にシトムベがドアから逃げられる可能性も捨てきれないのでレッドは更に確実さを増すためにその場所までへと静かに移動した。
〜シトムベ視点〜
「ようやく姿を現してくれたか」
ようやく、とシトムベは言ったが実際はギリギリだった。レッドはいつ、何処で監視しているかは分からず、安全地帯も自室には確実に入ってこないことだけしか分からなかった。
それ故に___レッドへの対策を仕込むのはN番号室に入ってからの数十秒間、それも簡易的なものに限られた。
シトムベにとってこの重量の仕込みを持ち運ぶこと自体はアーツを利用すれば造作もなかった。
日々の消耗品を買う上で材料を少しずつ買い求めて部屋で加工、調節を行えば時間は掛かること以外に難点も無かった。
部屋に関しては殆どの部屋の位置を把握済みのシトムベにとって選ぶ条件は主に3つだった。
一つ、適度に人気が無いこと。
二つ、そこに用事があるとレッドに思わせられる場所であること。
三つ、充分な広さがあること
問題は隠れる場所だった。ロドス艦内の大抵の部屋はスライド式であり、ドアの裏に隠れることは難しい。部屋の中に何が有るか分からない、当然何も無いかもしれない以上、
ドアがある以上どの様な部屋にもあるはずのものを利用した。
ドア枠の上___正確には上の空間を利用した。
天井が低く、空間が無い場合は積みの可能性もあったがそこは抜かり無くメールを介して先程の休憩時にケルシーに問い合わせた。
__________________________
From 410mube
To KLC-Calcite
件名:赤 説得 相談 至急
Q,レッドを誘い込んで説得したいです。隠れる場所としてドア枠の上の空間を利用しようと考えています。いずれの部屋が利用可能でしょうか。どれでもなければ見送ります。
複数ある場合は番号の小さい部屋を選びます。
1,N番号室
2,S番号室
3,X番号室
4,R番号室
p.s.レッドの身長は私より高いか低いかもできれば教えてもらえるとありがたいです。
__________________________
ちなみに返信はこうである。
__________________________
From KLC-Calcite
To 410mube
件名:re 赤 説得 相談 至急
A,all
それはそれとして後でレッドを連れて私の元に来なさい。
p.s.レッドは君より10cmほど背が高い、接近戦時の参考までに。
__________________________
つまり→ レッド:162cm
10cm差→シトムベ:152cm(推定)
いずれにせよ150cm台である。
メールを確認してシトムベはなんとも言えない悲しみに包まれた。
閑話休題
レッドが後ろに飛び退き武器を取り出す。
右手に十手を持ち、攻撃に備え、左手をドアノブに近づけすぐに開け閉めができるようにした。
少しずつレッドが近づいてくると共に左手をドアノブに近づける。
___視線を逸らすべきだ。
右手からコインを落とす。
チャリン
視線が逸れたので左手を移動させるが、
「‥‥‥偶然?」
___プラン変更、しくじった。
目線をレッドから外すわけにもいかず、ドアに手を付けてしまった。
仕方ないのでアーツを起動する。透明な障壁を展開してガイドレールとセイルを製成、仕掛けてきた時に回り込む。
___開放
「”birou“」
ビュオウ! バタン!
突風が吹いてドアが閉まる。
セイルで風を受け、ガイドレールに沿って進んで回り込む。
着地の反動で踏み込みながら左手にゴム手袋を装着、右手の十手で牽制に一撃、ドアから目を逸らす。
十手が防がれるがそのまま鍔迫り合い、ついでにスタンロッドを掴んで拮抗状態に移行してアーツを起動しながら話掛ける。
バチチチチチ......
「”kuwakinomata”‥‥俺の監視はもう終了していると聞いた。目的はなんだ?」
「お前の、尻尾だ!」
腹を蹴られ、後ろに下がるが目的は聞けた、
「ケルシーの予想通りか‥‥。」
そう考えながら首筋にスタンロッドを喰らいそうになる。
___ゴム手袋越しでも問題無く発動出来たということは‥‥‥。
「おっと、面倒だな」
あのスタンロッドの出力は相当に高い筈だ、
そう結論付けて十手で弾く。
バチチチ......
アーツを使う暇も無く連撃に襲われるが露出は少ないのでダメージは薄い。
___何処を落とし所にするべきか?
少しずつレッドが距離を詰めてくるがレッドを中心に反時計回りに動きながら距離を取る。
___投げナイフに何か薬剤が仕込まれていないか足を止めて障壁を展開して確認、何も無さそうなので牽制か陽動‥‥!?
レッドが加速して、目の前で視界から消えたので咄嗟に障壁を周囲に展開。
「ッ!”拒め“!」
パチ......
攻撃を防げたがレッドはすぐに離脱した。それよりも視界の端に一瞬映った物体は一体、急いで振り向くと、
___プシュー
「スモークか!?」
毒ガスの可能性を警戒して障壁の内側に新しく別の性質の障壁を展開しようとするが発動せず、それどころか既に展開されていた障壁も崩れていく。
___アーツを阻害する作用か?アーツが起動しない。
スモークの缶を調べながらシトムベは周囲を警戒する。どうやらアーツの阻害以外にはただの煙幕としての効果しか無い様だ。
偶然か扉が開いているのでスモークは早めに薄まるだろう。レッドが何処に居るか分からないが入り口付近が特に危険だろう、そう考えたシトムベは敢えて近づくことにした。
___スタンロッドはもう使い物にならない筈、打撃は後頭部と首、喉を集中して守りそれ以外は諦めるしか無いだろう。あとは___
目を閉じてスモークの缶を入り口へ投げ、耳を澄ませる。
音は___僅かにだが聴こえてきた。
___ドアの周辺、おそらく上にいる、か。
気配は殺さずにそのまま歩く。勝負は一瞬で決まるだろう。
あくびを手で抑えながら進む。
そして、
___ガキィンッ!
シトムベ:歯医者/警戒
戦闘経験はろくに無いので無しと書いた歯医者。
アーツは優秀〜卓越。
尻尾の手触りは次回以降にでも
十手:耐久性に重きを置いたシンプルな護身道具‥‥‥というだけではなくアーツロッド。
コイン:反射物の正体であり触媒の一つ。
一般的なアーツは大体使えるが医療系等には適性が無い。
障壁:汎用性が高い一般的なアーツ。シトムベが好んで使用する。応用してガイドレールやセイルとして利用。更なる応用として十手などに纏わせることで疑似的な刀身を形成出来る。
??:触媒を必要とするほぼ固有のアーツ。
応用範囲がとても広いが使用中の触媒に違いが殆ど無いため間違えると大変なことになる。
応用としてアイテムボックスの様な使い道があり、左手に一瞬でゴム手袋を装着したのもそれによるもの。しかし重量感だけはそのまま___重くはないが持っているだけで疲れてくる、カバンに入れても同様___だったり同時に取り出せるものには限りがあるなど複数の制約、制限があるため使い勝手は悪く、収納して持ち歩くものは軽量のものに制限している。この章中に全てでは無いが解説は入れたい。
??:シトムベが隠しているアーツ
感情が引き金で発動する殺傷性の高いアーツ
ある種の呪い。
現在封印中
レッド:しっぽウルフハンター/やる気
ナイフではなくスタンロッドを使ったのは尻尾を傷つけないため。動けなくしてモフモフを取り戻す為だった。
スタンロッド:相手を殺せない任務で使うために支給されたが殴って気絶させた方が早い、音がうるさいので隠密に向いていない、などの理由でほぼ無用の長物と化していたがメンテナンスはしっかりしていたのでヨシ!
の筈だが‥‥‥?