副題
コルセットの原型は9ー13世紀に存在されたとされ、その用途は腰椎保護具や体幹固定具とされているようで、女性向けの装身具に転用された経緯は明らかにはなっていない
シトムベの設定(主に外見など)が後出しになりつつあるので
一章が終わったらプロファイル出す予定です。
6/8 内容の加筆
6/13副題として前書きに話タイトルを書くことに変更
______その尻尾のコルセット、何のためにつけてんだ?
思いも寄らない質問にフリーズする。
理由は単純、コルセットをつけていたことを忘れていた。
___これをつけ始めたのはいつからで、何のためだったか?何のためか?質問に求められているのはそれだ、ええとあれは確か______
「おーい?聞こえてんのか?」
「! 申し訳ない‥‥‥。説明の前にコレを取らせてください。取った方がわかりやすいので。」
思考に入り込み過ぎていたようだ。
「構わないけどよ、一人で取れるのか、コルセット?」
「ええ、いつも一人で着脱していますから。」
そう言って尻尾のコルセットを取り、ひとまとめにしておいた
「お前、その尻尾は‥‥‥。」
そう言いつつカルテを探し出すガヴィル___鉱石病を疑われているようだ。
「いわゆる先祖返りや突然変異のようですね。あ、この黒い毛並みは代々そうだったようなのでほぼ関係は無いかと。」
「言われてみればここまで黒い毛並みも珍しいな。ああ、あったあった、入職時のメディカル検査の結果はっと‥‥‥。何々・・・源石融合率0%に血液中原石密度0,08u/Lか、確かに鉱石病じゃないな‥‥‥そのコルセットどう言う構造なんだ?」
「ああ、好きに見てもらっても良いですよ、どうぞ‥‥‥尻尾が複数本あるのは珍しいですからね、治療中にも関わらず触りたがる子供達が多いわ、その上邪魔になるので普段はコルセットで邪魔にならないようにしています。」
治療後でも■ュマ■以外に絶対触らせないがな。
コルセットを弄りながらガヴィルが聞いてきた。
「そういやスズランの尻尾をガン見してたって報告がフォリニックからあったんだが、なんか関係あんのか?」
スズラン‥‥‥?ああ、あの尻尾の数が俺より多いヴァルポの少女のことだろうか?それなら‥‥‥。
「おそらく、私の尻尾の本数ですら手入れが大変なのに、あの本数だとどれほどの労力を強いられるのかと考えていた時でしょうか?三日程前なら心当たりがあります。」
「あー確かにそんぐらいだったけな?報告があったのは」
「その後、なんかすごい形相でフォリニックさんがこちらの方を向いていましたのでてっきりサボっていると思われたのかと思ってすぐにその場を立ち去ったんですよね。」
あの時は怖かった、別に思い当たる要素がなかったから特に。
「そりゃ余計に怪しまれたな。」
アッハッハッハッ‥‥‥、そう笑うガヴィル。正直
「彼女___スズランからは何か苦言はありましたか?」
「いんや、特に聞いてはいないが?気付いてないか不快に思われなかったかのどっちかじゃないか?まぁ、フォリニックにはアタシから伝えておくからそこまで心配すんなって。」
「あの日以降ちょっと近づきにくいので私からもお願いします。」
素直に頭を下げる。
こういった場合は第三者を通すか肉体言語による説得ぐらいしか取れる手段を知らない。当然だが後者はもっての他、そもそも勝てないだろう。まだ土台さえも築きあげていない信用が無くなる。
正直、この件にほとんど関係のなかった彼女から話を持ちかけられて本当に良かったと思う。
「別に構わないぜ。それはそれとして事故でもスズランの尻尾に触ったら過激派にシメられかねないからそこは気を付けろよ?」
あの娘、カルト教団の教祖か御神体か何かですか?
「え、なにそれこわい。」
危うく本音と建前が逆になるところだった。
ふと視界に置き時計が目に入る。
あ、そろそろ掃除場所に行った方がいいな。
今から行っても余裕はあるが向こうもそうとはかぎらないからな。
「‥‥‥実はカララクの仕事の一部を肩代わりすることになりまして。できればここらで切り上げたいのですが?」
「ん?そうか、じゃあ個人的に聞いておきたいんだが‥‥。お前、その黒い歯は染めてんのか?」
「はい、虫歯対策でお歯黒を使っています。」
マスクを取って歯を見せる。
お歯黒には虫歯の予防、進行を抑制する作用の他に知覚を鈍麻させる作用がある。
当然ながら虫歯になった際に自分での治療は難しい。
その対策も兼ねている。
虫除け___もとい魔除けの意味合いもあるが
「ああ、アカフラにいた時も歯を染めている奴がいたからな。ちょっと気になったんだ。」
「そうでしたか。他には何かありませんか?」
「いや、もうないぞ。用事の方を済ませに行ってくれて構わないぜ」
これ以上無いならそれに越したことはない。
すぐにカララクと合流しよう。
「では失礼します。」
席を立ち、ドアノブに指をかけたが、
「おい待て!
しまった。
〜そして数分後〜
「‥‥‥本当にここら辺でいいんだよな?」
現在カララクのいるはずの部屋より少し離れた廊下にいるシトムベ、だがその言葉からは困惑の意味が含まれていた。
それもそのはず、
「だからカララク!調合を行う時はくれぐれも‥‥‥。」
「いや、だからね?フォリニック、僕はちゃんと換気をしているんだって‥‥‥。」
言い争い____ほぼフォリニックが捲し立てている様だ____が聞こえるからである。大方カララクが元凶だが仕事が進まないのでシトムベは止めに入りたい。しかしもう一方はフォリニック___ここ数日睨みを効かせて来る彼女は出来ることなら関わりたくない相手だ。
二人とも(カララクも基本的には)真面目なタイプなのでサボる様な事は無いだろう。
だがこの状況はどうだろうか?二人は廊下に出ている。
つまり、
「仕事が終わって時間が少し余ったのだろう。」
そう解釈して立ち去ろうとしたシトムベであったが、
「おーい、帰らないでシトムベ!ごめん!掃除まだ始めてないんだ。」
カララクに見つかった。
「は?」
掃除が始まってないのはどういう事だ、そう言わんばかりの低い声がシトムベの喉から出てきた。
「いやー掃除を手伝ってくれる人が彼女でさ、ちょっと前にやらかした事でお小言をね。」
「そんな言い訳より時間はあるのか?」
カララクの任務開始時間までもう余裕がない事を指摘するシトムベ。
「あ、やべ。」
顔が青くなるカララク、そして気にした様子もなく続けるシトムベ。
「夕食の後で聞くだけ聞いてやる。今は急g「ありがとー、夕飯も奢るねー。」チッ!」
「ああ、ちょっと!」
カララクは脱兎の如くスピードで立ち去った。
シトムベは舌打ちした。
フォリニックは二人の会話について来れなかった。
「「‥‥‥‥。」」
「で、フォリニックさんは何故此処に?」
何も起きなかったかの様に話しかけるシトムベ。
「‥‥! 本当はケルシー先生が担当だったのですが、私がうっかりしていたせいでケルシー先生はお休みになってしまわれたので。」
一瞬呆然とした顔になったフォリニックだったがすぐにシトムベの質問に答えた。
「うっかり?もしかしてだが冷蔵庫に入っていたという酒は‥‥‥。」
「ええ、そうなんです。ブレイズ氏から没収したものなのですが、メモを貼り忘れてしまって‥‥‥。」
「なんというか‥‥その‥‥いや、最早何も言うまい。今は掃除、それが全てです。」
なんとも言えない顔から真面目な顔に戻るシトムベ。
「ですね‥‥‥。」
そうして二人は部屋に向かい出す。
「しかし、わざわざケルシー先生が掃除に来る予定だったというのはどういうことでしょうか?」
ふと、疑問を口に出すシトムベ。
「私もよく知らないのですが‥‥‥なんでも、貴方用の診療室を用意するためだとか。」
ドアを開けつつシトムベの方を向いて答えるフォリニック。
「おや、それはありがたいでs‥‥‥いやなんだこれ」
微笑から一転真顔に戻るシトムベ、そこには‥‥‥、
「ドクター!!本当にあの人は‥‥‥!」
赤紫色の補給箱が乱雑に積み上がっていた。
それも部屋を埋め尽くす程に。
ドアを開けてもなだれ込んでこなくて本当に良かったと思うレベルで。
しかも試しに幾つかの箱をフォリニックと共に部屋の外で開けてみると中身は入っているものとそうでないものまで混ざっている。
「‥‥‥‥。」
そっとドアを閉じる、見なかったことにするためでは無くなだれを起こさないために。
ドアには張り紙が貼ってあった。
『補給物資一時保管室3』
「「‥‥‥‥‥。」」
これ以上の酷さかもしれない部屋が最低でも後二つは存在すると言う事実には今は気づかなかったことにする二人であった。
タイトルをつけ終えた後、コルセットの原型の誕生は紀元前1600年前という説を発見しました。
どの時代にも腰痛に悩まされる人間はいるのですね。
シトムベの現在公開されている身体的特徴
・お歯黒
・他の黒いヴァルポより黒い毛並み
・複数本の尻尾
補足
ケルシーは酒とは気づかずに何杯も飲んでいて医療部の他のメンバーに指摘されて始めて気付いたといった経緯でした。