ゲヘナ1年生の連邦捜査部活動   作:watazakana

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物語ならこれで終わるけど

さて。あの事件から、粛々と事後処理が行われます。

 

まずは美食研究会の皆さん。食堂を爆破したとして、風紀委員会からきっちり処罰されました。今は拘束期間中ですが、暴れ散らかしたというのにいまだにラーメンを食べることができていないため、もうじき脱出するでしょうね。

 

風紀委員会の皆さんは何も変わらずです。まるで何もなかったかのように粛々と活動しています。

 

アビドスの皆さんは、連邦生徒会に正式な委員会として認められる運びとなりました。連邦生徒会の保護を得られる、立派な学校及び生徒会となったようです。もちろん、それで借金がチャラになるわけではないので、これからもきっちり9億を返していかなければならないのは……厳しいところですね。

 

 

カイザーコーポレーション、およびカイザーPMCの重役であった理事のアイツは、児童誘拐未遂で逮捕。カイザーローンのブラックマーケットとの闇取引は白日の元に晒され、連邦生徒会の強制捜査が入ったそうです。ニュースで見た時はスカッとしましたね、やっぱ善行は気持ちがいいですねえ!!

 

先生は、相変わらず方々巡って問題の解決をしています。あれから名声はキヴォトスの間に知られることになり、様々な生徒から多くの依頼を受けているようです。

 

さて。私はシャーレの部活動報告として、イロハ先輩と空崎先輩に活動報告書を提出しなければなりません。しかも明日までに。連邦生徒会とは別に『万魔殿』と風紀委員会にまで報告義務があるとは、キツすぎます。しかもテンプレートが全部違う!!書き方がわからない!!誰か助けて。しかし誰も助けてはくれない……わかってます、シャーレ専業だなんて物好きは私だけ……こうして教室に居残りして報告書だなんて、私だけ……

 

「進捗はいかがですか」

「げぇっ、イロハ先輩!」

「そんな化け物と出会したみたいな……全く」

 

イロハ先輩は山と言わんばかりの書類を私の隣の机にドンっと置いて、読書を始めます。

 

「あの……イロハ先輩?」

「マコト先輩からあなたの監視を命じられまして……。めんどくさいので、ここでサボります」

「その書類は……?」

「既に終わったものですが……ここでダラダラ読書しているとバレたら面倒なので」

 

ダミーを使って、ということらしいです。かしこい。しかし、イロハ先輩に見られたくないですねこの紙、書き方がわからないから白紙って……ヒイヒイ言って完成させた連邦生徒会宛の報告書でも先生の手伝い込みでまとめるのに3日かかったのに……無茶すぎ……

 

「……書き方、わかりませんか」

「うっ……」

「はぁ……締め切りが守れなかった時、怒られるの私ですからね。書き方くらいなら教えます」

「えっ、良いんですか!?」

「ここで私が手伝っておいた方が、私の書類整理の時間を短縮できます」

「あ、はい……」

「それに、あなたが万魔殿に入った時、何かと私が楽できそうなので」

 

善意ではなかったし、正直にも程のある回答でした。ですよね。でも望外の棚ぼたで、私の心に一筋の光明が差しました。ありがとう神様、神は居る……

 

「良いですか、まず、『万魔殿』の書式ですが……」

 

----

 

先生は、あの時話した「黒服」の言葉に、若干の引っ掛かりを覚えていた。先生は、『大人のカード』の副作用なんかは些細なものだと思っている。しかし、生徒のこと。有馬ウレイのことについて、黒服から一言二言言われたのだ。

 

 

 

 

「朱に交われば赤くなる……あなたの助手には気をつけた方がいいかもしれません。子供とは純粋な存在です。簡単に大人の影響を受けてしまいます。生徒のためなら、自分の身をも顧みない、そんな大人を側で見続けていると、いつか身に余るものを背負ってしまうかもしれませんね。クク…クックック……私としては、神秘に対する過負荷について非常に興味深いものとはなりますが……しかし、先生はそうではないのでしょう?クックックックック……」

 

 

 

言わんとしていることは、わかる。先生の真似をして、潰れてしまうということを示唆しているのだということは。

 

先生は、その言葉を鵜呑みにはしない。だがもし、ウレイの身に余ることを、ウレイが背負おうというのなら……いや、そうならないためにも、先生はついているべきだ。

 

先生がやることは変わらない。先生は全ての生徒の味方────

 

ふと、先生がシッテムの箱に目をやると、シャーレに対するティーパーティーのお茶会招待状が、メールボックスから先生を覗いていた。

 

 

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