スカイランド最強の女剣士に助けられた結果!その背中を追い続け皆のヒーローになる事に憧れいずれ伝説の戦士プリキュアとなる少女の物語   作:カイトGT

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風邪に効く樹の根っこ・狼の群れ

 私は風邪になった時に父さんがとってきてくれた風邪に良く効く樹の根っこを探しに山へと向かいました。

 

 防寒着はしっかりと着込んでいますし、樹の根っこを見つける為のスコップと切りバサミもちゃんとバックに入れています!

 

 今日は少し雪のせいで視界が悪いですが、まあ大丈夫でしょう。

 

「この程度では引かない! それがヒーロー!」

 

 母さんの為にもいち早く目的の物を探さなくてはなりません!

 

 気合十分な中どんどん目的地へと進む私!

 

 しかし、特訓した後に母さんの看病をしていたので今はもう完全に深夜です。

 

 辺りが真っ暗になる中、私は火のスカイジュエルの灯りを頼りに進みました。

 

「...」

 

 先ほどまでは母さんを絶対に助けるぞ! と言う強い気持ちがあったせいか興奮していて良く周りが見えていませんでしたが、こうやって辺りが暗くなってくると少し不安に苛まれます。

 

(...ううん! こんな事くらいでヒーローは挫けません! 暗闇なんか怖くない!)

 

 私は灯りを振りながらどんどん山奥へと進みました。

 

 目的地へとたどり着いた頃には本当に灯り以外の物はほとんど見えないほどの深淵に染まっていてとても怖くなってきましたが、私は今までのような何もできない子供ではないのです!

 

(そう! 私はヒーロー! こんな事で怖がっていてはシャララ隊長に合わせる顔がありません!)

 

 ふんす! 鼻息を荒くしながらスコップを取り出します!

 

「さあ! 元気よく掘りましょう!」

 

 ザクザクザクとまずは雪をかいて土の表面を出しました。

 

 そのまま土を掘り続けて樹の根っこの所まで辿り着くと、既にくたくたになってしまいます。

 

「だいぶ疲れましたね...」

 

 これが実は大の大人でも疲れる作業な事は後になってお父さんから聞きました。

 

そんな事も知らずに私は全力で根っこを断ちバサミで必要な分だけ拝借すると、再び土を元に戻します。

 

「樹の根っこ少しだけ貰っていきますね。...昔は私を助けてくれてありがとうございます!」

 

私はその木に礼を言うと元来た道を戻り始めました。

 

✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎

 

 (やったやった! これでお母さんを元気にできる!)

 

 そう思った私は声を上げながら急いで家に戻ります。

 

「急いで戻らなくちゃ!」

 

 私がそうやって駆け出した時でした。

 

「グルル...!」

 

「...えっ?」

 

 よくみると周りに赤い瞳がいくつもあるではありませんか!

 

(この声...! まさか狼ですか!?)

 

 聞き覚えのある声に私はゴクリと息を飲みます。

 

 ですが慌ててはいません。

 

(大丈夫。私にはこの灯りがあります。狼は火を嫌うはずですからこれを振りまわしながら帰ればきっと襲われる事はありません!)

 

 私の予想通り狼達は唸りながらも襲っては来ませんでした。

 

 極度の緊張状態の中、私はゆっくりと歩みを進めます。

 

「はぁ...はぁ...」

 

 息をすれば白い息が出てしまうほどの寒さの中、私は一歩一歩進んでいると...!

 

 ガンっ!

 

「...あっ!」

 

 雪に隠れていた大きめの石につまずいてしまったのです!

 

 その瞬間に火のスカイジュエルが手から離れてしまい、雪の中に埋もれてしまいました!

 

「しまった!」

 

 それを好機だと思ったのか、狼達は一斉に私へと襲いかかってきます!

 

「くっ!」

 

 しかし私は慌てません。

 

「ヒーローたる者こう言う時ほど冷静に...です!」

 

 私は落ち着いて立ち上がりすぐさま身構えます!

 

「ガルルゥ!!!」

 

 と飛びかかってくる狼に対して私は渾身の正拳突きを繰り出す!

 

「...はぁ!」

 

 渾身のカウンター決めると「キャウン」と吹き飛ぶ狼。

 

(やった! やった! 私だって確実にヒーローに近づいているんです!)

 

 一度成功体験を得た私は狼達に拳を向けました。

 

「おいでなさい!」

 

 先ほどの経験から狼達は1匹ずつではなく、2匹同時に襲いかかってきます!

 

 しかし、それらも厳しい訓練のおかげである程度は見極められました。

 

(...見える! 見えます!)

 

 良い感じのタイミングでカウンターを決めて全ての攻撃を受け流していましたが...。

 

「はぁ...はぁ...」

 

 寒さと疲労と極限の緊張感でストレスが溜まり続けた幼い体は限界を迎えていました。

 

(体が思うように動きません...、しかし、それでも諦めないのがヒーロー!)

 

 今度は3匹同時に襲いかかってきましたが、私はそれをも反撃して返します!

 

「ゼェ...ゼェ...」

 

「グルル...!」

 

(まだ増える...の?)

 

 今度は4匹同時...、疲労しきった体では絶対に躱せません。

 

 私はゴクリと息を飲み込みながら狼達を睨みつけました。

 

「...」

 

「...キャウン!」

 

 私の威圧が効いたのか狼達はどこかへ走り去っていきました。

 

(...威圧でなんとかなりました)

 

 もう戦う力は残っていませんが、それでも戦う意志を見せる。

 

 それがヒーローですから...。

 

 私は疲れ切りながらもトボトボと山を降りるのでした。

 

 

 

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