魔法少女がいく~TS魔法少女は運が悪いようです~   作:ココア@レネ

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お気に入り数がもう直ぐ? 1000達成出来そうで、ありがたい限りです。
何やかんやランキングにも残留出来ているので、このまま部屋の端の埃の様に、居残れたら嬉しいですね。


魔法少女はお勉強をする

 昨日ミカちゃんをボコボコにし、大きな鎌を持った魔法少女に天誅を下していたせいで寝不足だ。

 いや、ミカちゃんについては訓練だから仕方ない。うん。

 

『問題無く戦えたのは良かったね』

 

(そうだな。確か同じクラスに居た2人の喧嘩を仲裁した時と感覚は一緒だったな)

 

 燃費も相変わらず悪いが、出力は問題ない。

 いや、若干出力は上がっている気がするな。

 

 かなり眠いが、2日目から遅刻は体裁が悪いしさっさと準備しよう。

 

『そうそう、ハルナが寝てる時にジャンヌから連絡が入ってたよ』

 

 ――とうとう来てしまったか……1週間程連絡がなかったし忘れられたと思ってたんだがな……。

 

(内容はなんだ?)

 

 あの胡散臭い容姿だ。どうせろくでもない事だろう。

 

『兵庫で一般の人達の無料治療会をするから、手伝ってほしいって。日にちは4日後の土曜日だね』

 

 ……普通に良い人やん。

 

 用事があるわけでもないし、手伝っておくかな。

 借りは早めに返しておきたいし。

 

(問題無いから、適当に返しといて)

 

 アクマが来てからというもの、スマホや端末を弄る時間が減ったな。

 たまに来る楓さんやマリンからの連絡も適当に返してくれるから楽だし、俺では何を返せば良いか分からないからありがたい。

 

 何を返してるかは知らないから、そこが恐ろしいところだけどな……。

 

 適当にアクマと話してる内に準備も終わったので学園に向おう。

 因みに朝食はうどんと珈琲でした。

 アクマにはリンゴを剥いたのを渡しといた。

 

 学園は寮から歩いて行くことも出来るが、テレポーターでも向える。

 歩いた方が多少運動にもなるし、今日は歩いて行くとしよう。時間も余裕があるからな。

 

「うむ? 奇遇じゃの。今から学園に向かうのかえ?」

 

 昨日と言い、今日と言い、部屋から出たら会うとは珍しい偶然だ……偶然だよな?

 

「はい。歩いて向かう予定です」

「わらわも一緒に行っていいかえ? 他の2人は何時も遅刻ギリギリでの~、エルは早い時もあるんじゃが、茨姫はいつもいつも……」

 

 愚痴が始まったが苦労してるんだろうな……昨日爆笑されたことを、俺は忘れないから?

 チクチクと2人の駄目出しをする、ミカちゃんを伴って学園に向かう。

 

『おっ、昨日の東北支部の件がニュースに上がってるね』

 

 魔法少女が魔法少女を殺そうとしてたんだ。これで闇に葬られても困る。

 身元がバレない様に弓の魔法少女の端末を使って、楓さんに連絡は入れといたから大丈夫だとは思ってたけどな。

 

 昨日の大鎌の魔法少女が確か18歳だったか? そんな歳で殺人に忌避感がないのも、魔物を殺してる弊害なのかもな。

 魔物とはいえ、生き物だ。

 何かを殺すって事はそれだけで、精神は摩耗していく。

 

 それが若者なら。なおさらだ。

 

(どんな内容なんだ?)

 

『功名心による魔法少女の殺人未遂。まあ、余罪もあるだろうから、恐らく……ね?』

 

(別に濁さなくたって、分かってるから大丈夫だぞ?)

 

 そもそも魔法少女には、普通の法は適用されてないからな。

 力ある者には相応の(ノブレス・)責任が課せられる(オブリージュ)

 最近はそれもあやふやになっていたが、楓さんならしっかりと処罰してくれるだろう。

 

 魔法少女だけを悪者にする気は無いが、何時から狂ってしまったんだろうな……。

 

「…………む? イニーよ聞いておるのか?」

 

 おっと、少ししんみりとしてしまったな。

 適当な事を考えながら話を聞くのは慣れてるから問題ない。

 

「ええ、聞いてますよ。金曜日のテストの事でしょう? 私は問題無いですよ」

「自信満々な者ほど赤点をとるからの。茨姫なぞ、あんなお嬢様っぽいのに、毎回赤点なのじゃぞ?」

 

 見た目と点数は比例しないからな。魔法少女としての姿がお嬢様だったとしても、基本的に中身は普通の少女なはずだ。

 

 俺は男だから例外なのは、今は置いておこう。

 

「一応勉強はできるので大丈夫です。ミカちゃんは大丈夫なのですか?」

「うむ。先生からも問題ないと、言われておるから大丈夫じゃ」

 

 そう言えばプリーアイズ先生もマリンとミカちゃんと、長い名前の魔法少女は赤点を取ってないって言ってたな。

 

 普通の学校と違ってこっちは魔物との戦闘訓練が主体だからな。

 個人的には魔法少女には全員普通の学校ではなく、専用の学校に通ってもらいたいが、強要は出来ないからな。

 

 その結果、悪い大人に利用される魔法少女が増えたとしてもだ。

 昔は人権やなんだよりも平和を目指していたから問題なかったが、最近は魔物の被害らしい被害も少ないからな。

 

 平和ボケで、利権や金を求めるようになってしまったのだろう。

 

 その後も他愛もない話をしてると、直ぐに学園に着く。

 隣なので直ぐに着くのは当たり前か……。

 

 一応学園に着いたのでフードは脱いでおく。

 広がる視界に違和感を感じるが、仕方無い。

 

「うぬ~。やはりその眼は慣れんの~」

「眼……ですか?」

 

 そう言えば俺がフードを脱ぐとみんな変な視線を向けてくるんだよな。俺の眼に何かあるのか?

 

「その濁った眼を見ると、心がざわつくのじゃ。今の世でも、そこまで酷い眼をしている者はそうはおるまい」

 

(えっ? 俺ってそんな酷い眼をしてるの?)

 

 一応身嗜みのために毎朝鏡を見ているが、全く気にならなかったぞ。

 

『まあ、史郎だった頃から酷い眼をしてたからね。ハルナになってからは更に酷いけど』

 

 うーん、気にしてなかったがそうなのか……。

 だからって俺にはどうしようも出来ないから、治しようがないんだよな。

 

 原因は……思い浮かぶには思い浮かぶが、下手に思い出そうとすると狂いそうになるので、忘れてしまおう。

 

「そうですか……気にしないでいただけると幸いです」

 

 こればっかりは言い訳も思い浮かばないので、誤魔化すしかない。

 恐らくこの眼が輝きを取り戻すことは、一生ないだろう。

 

「そうか……うむ、分かったのじゃ。じゃが何かあれば相談するのじゃぞ? わらわの方が年上なのじゃからの」

 

『マリンといい、タケミカヅチといい、良い魔法少女は良い子だよねー』

 

 全くだ。ミカちゃんやマリンみたいなのが居るから、俺も頑張ろうと思える。

 逆に大鎌の魔法少女や北関東支部の2人はどうにかならんものか……。

 

 大鎌の魔法少女とは2度と会うことはないだろうけどな。

 

 ただ、年下に年上みたいな事を言われると、少々複雑な気持ちだな……。

 

 教室に入ると既に3人来ており、その中の1人は勿論マリンだ。

 一言挨拶してから教室に入り、時間になるまではアクマと話を……。

 

「おはようイニー」

 

 チッ、マリンが話しかけてきたか。

 

「おはようございます」

「昨日ミカと沼沼に、行ったんだって?」

 

 おや? 何か雰囲気がおかしいような……。

 

「はい。偶然会ったので、御一緒しました」

「ふーん、そうなのね。良かったら今日私と沼沼に行かない?」

 

 2日連続で同じ店に行くのは味気ないが……仕方ない。

 

「いいですよ」

「そう、ならまた放課後にね」

 

 妙な雰囲気なマリンが席を離れて教室を出て行く。

 あの~、もう直ぐ時間ですよ?

 

 数分したらプリーアイズ先生と共にマリンが教室に帰って来た。

 一体何だったんだろうか?

 

「えー、今日は昨日と同じなのですが、イニーさんはタラゴンさんから常識を教えて下さいと言われてるので、座学になります。

 他に受けたい人が居るなら、残っていただいても大丈夫です」

 

 常識って……これでも社会人として生きていたんだぞ? 今更何を覚えろと言うのだ。

 いや恐らく魔法少女としての常識だと思うけど、そこまで常識が無いだろうか?

 

 なお、誰も教室には残ってくれなかったです。

 

「では、座学を始めます。先ずはですが、”始まりの日”については知っていますか?」

 

 各国が合同で新エネルギーの開発をしてた時に起きた事故のことだろ?

 それぐらいは知っている。

 

 なので、それらしいことを答える。

 

「大丈夫そうですね。でしたら、魔物についてはどれ位知ってますか?」

 

 E~SS級までとそれ以上は測定不可(イレギュラー)って括りだったけな。

 E~Cはコストの面で結界無しで討伐。

 B~Aは一般魔法使い用の結界内での討伐。

 

 S以上はランカーが出るか出ないかで結界の質が変わる。

 この前のM・D・Wの時に普通の結界だったら、俺の魔法かM・D・Wの自爆の際に結界が壊れていただろう。

 

 まあ、あれは例外中の例外だから仕方ないか。

 後は姿ではなく、魔力量で階級が決められてたり位かな。

 妖精達が居た並行世界から此方の世界に出現してるのは妖精の証言で分かっているが、その目的や、どうやって魔物が生まれているのかは未だに分かっていない。

 

 妖精が隠蔽している可能性もあるが、この世界が滅びた場合、妖精達も道連れになるので、隠蔽した所で得は無い。

 今は資源として討伐している状態だな。

 

「大丈夫そうですね。後は魔物の核が妖精側で買い取ってたり、電気や熱と言った物とは別のエネルギー元として使われてたりですね」

 

 ふむふむ。魔物が現れるというアクシデントは起きたが、新しいエネルギーの取得には成功してるんだよな。

 そのエネルギー開発してた施設や人は、最初の被害に遭って全員死んだけど。

 

「後は……魔法少女の始まりについては知ってますか?」 

 

 魔法少女……魔力に適合し、特殊な能力を得た女性の総称。

 一時期は年齢に合わせて、魔女とか戦乙女とか名称の変更するって話しも出たみたいだけど、色々と騒がれた結果、何歳だろうが魔法少女の名称に統一されたってニュースを昔見たな。

 

 最年小で6歳から魔法少女になり、今のところの最高齢は32歳だったけな?

 

 能力の減衰は早くて20歳程から始まり、30歳を迎える頃にはほとんどの魔法少女が能力を失ったり、後輩に託したりしている。

 

 32歳は本物の化け物と言って良いだろう。

 現役で他国のランカーやってるし。

 

 プリーアイズ先生が確か28歳だったかな?

 その歳で21位に居るのも普通に凄い話だ。

 

 後は……能力の強さか……。

 

 俺もそうだが、魔法少女の能力は全体的にムラがある。

 弱い魔法少女はとことん弱いし、強い魔法少女はどんどん強くなっていく。

 魔法少女の強さの要因は諸説あるが、一番は心だろうな。

 

 正直言って俺は魔法少女が嫌いだ。

 それは俺の第二形態の強さの、要因になっているだろう。

 まあ、なので第一形態の能力が何故魔法なのかは分からない。

 

 しかも攻撃に限って言えば制約は殆ど無く、なんなら回復魔法すら高い練度で使える。

 ここら辺もしっかりと調べた方が良いのかも知れないが……調べようがないからな。

 

 話がそれてしまったが、纏めれば魔力に適応した女性の総称が魔法少女であり、最初に魔法少女になった者が殆ど少女だったからその名称が定着した。

 その後すぐに現れた妖精もそこに便乗したしな。

 

「……で、大丈夫ですか?」

「うーん一応あってはいるんですよね。後は妖精界や妖精局と魔法局の話とかもありますが、知らなくても問題無いですからね。

 結局教える事が無かったですね……」

 

 まあ、アクマに聞けば大体応えてくれるからな。

 何か周りにかわいそうな目で見られることが多い気がするが、こちとら脳内辞書を常に装備しているからな?

 

「一応常識については問題ないと報告はしておきましょう。今日一日教える予定でしたが、午前中で終わってしまいましたね。何か知りたいこととがありますか?」

 

 殆どの事はアクマに聞けば答えてくれるからな……聞かないと教えてくれないのが玉に瑕だがな。

 なので、知りたいこと……あったな。

 

「魔法少女ジャンヌさんについて何か知ってますか?」

「ジャンヌさんですか? 沢山の人を癒している聖女と呼ばれている魔法少女ですよね?

 話したことは無いので、あんまり知らないんですよね……」

 

 うーんと首を傾げながらプリーアイズ先生だが、首を傾げる度に翼がパタパタと動くのがすごく気になる。

 先日事故を装って触ってみたが、結構フワフワしてて良い触り心地だった。

 ついつい目で追ってしまうんだよな……。

 

「ああ! そう言えば、今週の土曜日に珍しく日本で無料治療会をやるって告知してましたね。

 良かったら見学しに行ってみてはどうですか?」

 

 見学どころか、手伝いしてくれって誘われてるんだよな……。

 まあ言わなくても良いだろう。

 

「分かりました。時間があったら行ってみようと思います」

「友達の話になりますが、気さくな良い方みたいですよ? そう言えば、イニーさんも回復魔法が使えるんでしたよね。なるほどなるほど」

 

 勝手に納得して頷いてくれるのは良いのだが、変な勘違いとかしてないよな?

 もう直ぐ昼飯の時間になるし、下手な事は言わないでおこう。

 

『午後はどうするの? 昨日みたいに爆睡するの?』

 

(いや、杖のこともあるし、図書室? 館? に行ってみようと思う)

 

 あくまでも、学園に居るのは杖が無いのと、住む場所が無いからだ。

 何時までも杖が無いのは困るので、何かの役に立つかもしれない情報は仕入れておきたい。

 

『どうにかしないと、A級やS級と戦うのは厳しいからね~。早くどうにかしないとね』

 

(せかさなくても、どうにか……なると良いな)

 

 今日の昼飯は唐揚げ定食だな。

 

 昼食の時間を告げる鐘が鳴り、俺は教室を後にした。

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