王都リ・エスティーゼにあるロ・レンテ城、モモン一行はアダマンタイト級冒険者チーム〈蒼の薔薇〉とラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ殿下と共に豪華ではあるが派手過ぎない部屋で窓の近くに置かれた丸テーブルに座っていた。
座ってないのはナーベと〈蒼の薔薇〉ではガガーランとティアとティナ、王女殿下の斜め後ろに目を輝かせて此方を見てる短い金髪で眉は太く吊り上がった三白眼の純白の全身鎧を装備した男で名をクライムと言うそうだ。
「突然で申し訳ないです。モモンさん」
「ふふふっ、ラキュースが突然お茶会を開きたいだなんて」
「ハッハハハ、まあ、犬に嚙まれたと思って我慢してくれや」
「これはチャンス、アダマンタイト級冒険者チーム〈蒼の薔薇〉やラナー王女と話し合える機会はそうそう無い」
「うんうん、その通り」
「……ふん」
「ハハハ、お手柔らかに頼みますよ」
冒険者モモンの活動中に、レエブン侯からデーモンが出たので護衛を依頼され王都に早めに来た所、〈蒼の薔薇〉と出会い話があると言われて、レエブン侯からの話では護衛依頼は夕方からだから余裕があったので、こうして王城まで連れて来られたのだった。
デーモンの一件は、デミウルゴスの計画だな。日時から考えると既に1日か2日は経過しているな、その後の音沙汰が無い事を考えると王国側が尻込みして犯罪組織〈八本指〉に対して強く言えないか誤魔化されているかだろう。
どこの世界に自分の倉庫を見せる犯罪組織がいるっていうんだ?それなら、お前の犯罪組織を滅ぼすと言われた方が清々するだろう。
さて〈蒼の薔薇〉や王女殿下の話ってのは何だ?犯罪組織〈八本指〉絡みだろうな。
〈蒼の薔薇〉は王都リ・エスティーゼの冒険者組合を拠点に活動している、女性メンバーのみのアダマンタイト級冒険者チームである。
色々と噂に名高いチームで個性的だそうだ。
ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラは、リーダーの神官戦士で魅力的な美貌をしており、金髪で、緑色の瞳やピンクの唇は健康そうな色をしていて、ユニコーンの装飾が施された鎧を着ている。異名は「蒼薔薇」だ。
貴族の家の生まれだそうで、ニニャは嫌悪感を露わにしているがモモンに気を使って何も言わずに目の前の紅茶を飲んでいた。
ラキュースは、今は申し訳なさそうにしているのが分かる。
「それでですね、モモンさん。犯罪組織〈八本指〉というのを御存知でしょうか?」
「ええ、最近知りました。王国で悪事を働いている組織だそうですね」
「おお、それでよ。俺たち〈蒼の薔薇〉と組んでぶっ潰そうぜ」
ガガーランがモモンに誘いを掛けた。
ガガーランは、〈蒼の薔薇〉の戦士で、巨石を思わせるような大柄な体躯で短く刈り上げられた金髪の髪、鍛錬に鍛錬を重ねた筋肉の太さで首も腕や脚も丸太のように太い。胸は鍛え上げられて、とても女性の胸とは思えない大胸筋の盛り上がりだった。異名は「謎多し可憐なる戦士」で何と自称だそうだ。
「今なら将来、優秀になる予定の忍もいる。しかも二人も、お得!」
「実にお得、是非とも協力して犯罪組織〈八本指〉を倒そう!」
ティアとティナの双子忍者がそう言った。話を聞くと3つ子だそうで別の場所で働いているとの事。
髪はオレンジに近い金色。ティアが青のバンダナに全身にぴったり密着するような服装で服の模様が青、胸部を覆う金属板に手甲に足甲が付いている。ティナが赤のバンダナで服の模様が赤だ。
異名は「影に潜めし双殺」だそうだ。
忍者か、という事は前提職を修めてると考えると高レベルだなと考えて、念の為に死の宝珠に無詠唱で《メッセージ/伝言》で聞いてみると
(モモン様、死の宝珠です。ニンジャやサムライなどの職業は専門の訓練を積むことで会得できます。モモン様の仰る高レベルの者では無いかと、念の為に別れ際にニニャに握手してもらって、その時に無詠唱化した《パーフェクト・ロアー/完全なる伝承》を使いレベルを確認してもらいます)
と《メッセージ/伝言》で返ってきた。
ふむ、現地の者は前提職を無視して高レベル職を獲得できるのか嫌なことだ。
アンデッドに有利な職業とかもユグドラシルには、あったし対アンデッド最高の魔法職「ホリー・バニッシャー」には十分に気を付けないといけないな。
「……」
無言で両腕を組んで偉そうに座っているのはイビルアイだ。
顔を完全に覆う事が出来る、額に朱の宝石を埋め込んだ仮面を被り、少女のようにも年寄りのようにも聞こえる聞き取りづらい声が仮面から聞こえた。体躯は少女のように思える華奢さだ。
赤いローブを身に纏い軽装を身に付けている。異名は「極大級魔法詠唱者」だ。
第五位階までの魔法が使えるそうで、戦闘メイドなら倒せる恐るべき相手だ。
死の宝珠が無詠唱で《メッセージ/伝言》をモモンに掛けて来たので聞いてみると。
(モモン様、死の宝珠です。このイビルアイは、私の直感ではアンデッドと思われます。恐らく人に近いヴァンパイアか不死の魔術師でしょう。気を付けた方が宜しいかと)
ほう、アンデッドか、ならいざとなったらアンデッド支配で支配できるかもしれないな。
まあ〈蒼の薔薇〉とは友好的な関係を築きたいからしないけどな。
第5位階って事はレベルは29~35くらいか。
しかし、此の子は機嫌悪そうだな。俺が何かしたか?
「どうでしょうか、モモンさん。ラキュース達と協力して犯罪組織〈八本指〉と戦ってもらえませんか?」
ラナー殿下が上目遣いでモモンにお願いしてきた。
ラナーは、リ・エスティーゼ王国第三王女であり「黄金」と呼ばれる美しい姫だ。
黄金の髪は長く後ろに艶やかに流れており、唇は微笑を浮かべた桜の花の如くで、色素は薄いが健康的な色合いをしている。深みのある青の瞳はブルーサファイアを思わせ、柔らかい色を湛えている。
〈蒼の薔薇〉のラキュースの美しさを「生命の輝き」と呼ぶならラナーの美しさは「宝石の輝き」に例えられるだろう。
だが、このような上辺だけの美しさは全て演技だと分かっている。
デミウルゴスからの報告で今後の騒動に1枚も2枚も噛んでいるのだそうだ。モモンの正体までは掴んでないようだが、どうでるか?
はー、なんだか女性不信に成りそうだな。これが演技だとか、いかにも私は悲劇の王女様ですって感じがよく出てるよ。感心するよ。
斜め後ろにいるクライムを愛してて執着心が凄いって報告もあったな。
ラナー王女の事を死の宝珠に無詠唱化した《メッセージ/伝言》で相談してみると答えが返って来た。
(モモン様、死の宝珠です。ラナーは、デミウルゴス様の報告通りに演技しているものと見られます。体が貧弱すぎる気がしますね。
職業レベルで何か希少な職業、例えばジーニアスやレジェンダリーを取っているのかも知れません。別れ際にニニャに握手してもらって魔法を使ってもらいましょう)
(その職業レベルのジーニアスやレジェンダリーについて詳しく教えてくれ)
(希少職業ジーニアスは、いわば天才という物でジーニアスの効果でジーニアスのレベルを魔法使いにできたり戦士にできたり何にでも成れたりします。希少職業追加効果レジェンダリーは、永き実戦の果てに会得した効果で例えばファイター(レジェンダリー)とファイター(一般)では上昇するステータスやスキル増大分に差が出ます。元々戦士の才能を持っていればファイター(レジェンダリー)と同じ効果のファイター(ジーニアス)を持つ者もいます)
(ふむ、という事は我々も実戦を積めば例えばネクロマンサー(レジェンダリー)に成るかもしれないという事か、しかし職業ジーニアスはユグドラシルでは無かったぞ、そんなインチキぽっい職業。なんだ魔法使いにも戦士にも何にでも成れるって、この世界の事を知れば知るほど考える事が多くなるな)
だいぶ皆を待たせてしまったようだ。そろそろ返事をしないといけないな。
「お断りします。我々はレエブン侯から今日の夕方に護衛依頼を受けています。ですから〈蒼の薔薇〉と組んで犯罪組織〈八本指〉と戦う事はできません。そもそも何故、今頃になって〈八本指〉と戦うのですか?もっと早くから王国が一丸となって戦えば良かったのでは?今回ラナー王女からお話という事は、王国でなく王女からの依頼ですが王国は〈八本指〉と戦う気が無いのではないですか?」
ラナー王女は、顔を伏せた後に覚悟を決めたように顔を上げて沈痛な面持ちで声を出した。
「はい、犯罪組織〈八本指〉と王国は裏で結びついており、とても王国が〈八本指〉に対して大きく出れません。例え先日にデーモンがパレード中に犯罪組織〈八本指〉が隠した宝物を3日後の夕方までに渡せと言われても、王国側では嘘だ誤魔化しだと会議で紛糾して〈八本指〉に対して攻撃ができない様で情けない限りです。ですが私は違います。犯罪組織〈八本指〉に対して〈蒼の薔薇〉の皆さんの力を借りて攻撃を仕掛けます」
「そうですか。私達は参加できませんが応援しています」
「残念だわ。私達〈蒼の薔薇〉で何とかするしかないわね」
モモンは話が終わったと思ったが、ラナー王女に言い忘れていたことがあったのを思い出した。
「ああ、そうだ。ラナー王女、貴方は此のままだと男性にモテませんよ」
「えっ!」
なんか一瞬凄い顔したな。演技の達人でも咄嗟の時には素が出るか。
「貴方ぐらいの年頃なら気になる男性もいるでしょう。ですが、いくら美貌を身に付けていても体が貧弱では駄目です。例えば男性が女性を守る為にモンスターと戦っている時に、男性と共に戦う助力の為の筋力と体力、いざとなったら男性と共に逃げ出せる脚力をせめて女性普通冒険者並みに持たれては如何でしょうか?」
「そうなの?クライム」
「え、あ、あの体を鍛えるのは健康にも良いです。ですがラナー様は別に鍛えられなくても私が御守りするので大丈夫です」
「うーん?」
「鍛えるのならクライム君と朝一緒に準備運動の後に軽く城壁の内側を走って、城の練兵場で訓練用の剣でも振って筋力をつけるのを御勧めします。まあ他に良い案があればそれでも良いですが」
「……クライムと朝一緒に、分かりました。クライム、朝日が昇ったら起こしに来てちょうだい。一緒に走るわよ」
「はい、わかりました」
ふふふ、クライム君と一緒にという点で喰いついて来たか可愛い所もある物だ。まあ、これで健康的になって存分にナザリックの為に働いてもらおうか。
そろそろ城から出るかと思っていた時にクライムが此方を見て頼み込んできた。
「あのっ、アダマンタイト級冒険者のモモン様にお願いがあります。私はラナー王女の為にもっと強く成りたいのです。何か助言を頂けないでしょうか?」
「強くですか。それなら実戦を何度も経験するのが良いでしょう。我々、冒険者はモンスターを通して実戦を何度も繰り返す事で強くなります。お城の兵士達のように訓練だけでは得られない力を手に入れられますよ。そうですよね、ラキュースさん」
「ええ、そうね。冒険者として外でモンスターと戦ってると自分が強くなるのを感じるわ」
「それは、〈効率的なれべるあっぷ〉というのだ。モンスターと戦い勝てば、その力の一部が魂に加わるのよ」
とイビルアイが訳知り顔で、人差し指をピンと立てて実戦的な訓練について語っていた。
まあ、間違ってはいないな。
「くっ、しかし私は王女を守るために王都から出られません。何か他に強くなる方法は無いでしょうか?」
「それなら城の練兵場まで行きましょう。私が貴方と戦い、そこで強くなる他ありません。ただし夕方にはレエブン侯の元に行くので1時間だけですが宜しいですか?」
「はい、アダマンタイト級冒険者のモモン様と剣を交わせるなんて、とても光栄です」
城の練兵場まで行く事となり、ラナー王女や〈蒼の薔薇〉も戦うのを見てみたいと言うのでゾロゾロと皆で行く事になった。
城の練兵場は、城壁に大きく囲まれている地面が広がっていて、端には刃を落としたブロードソードや槍が樽に入れられた屋根のみの小屋がある。
そこではガゼフ率いる戦士団が訓練を行っており、ラナー王女と〈蒼の薔薇〉が来たので慌てて訓練を中止しようとしたがラナー王女に訓練を続けて下さいと言われ訓練に戻っていった。
どうやらガゼフも見物に来たようでラナー王女や〈蒼の薔薇〉と屋根のみの小屋の下で話し合っているのが見えた。
モモンが練兵場の片隅で訓練用の2本の刃を落としたグレートソードを持ち、クライムも訓練用の刃を落としたブロードソードと小型の盾を持って立っていた。
「さて、そろそろ立ち合いましょう。最初は、ゆっくりと動き、ブロードソードを相手に当てる寸前で止めて下さい」
クライムは、ゆっくりとブロードソードを上段からモモンに当てようとしたがモモンの左手のグレートソードに阻まれて、右手のグレートソードを首に当てられ降参した。
「では、次は同じ動きで小盾を上手く使ってください。両者共に普通に全力で動きブロードソードを相手に当てる寸前で止めて下さい」
次は凄まじい動きでブロードソードをモモンに叩き落され、片方のグレートソードを首に当てられ降参したのだった。
「クライム君は、どうやら剣を使った後の盾の動きが苦手のようだね。両方の手の動きを頭で理解し体で覚えるんだ。剣で私を斬り小盾で私の大剣を受け流すのを考えながらやってごらん。次はもう一度ゆっくりと同じ動きで両者共に動くよ」
「はい!」
クライムは上段からゆっくりと剣を振り下ろした。
振り下ろした剣をモモンのグレートソードで受け流され、空を斬ったクライムのブロードソードは地面へとぶつかる。
ゆっくりとモモンのグレートソードが首に当たろうとするがゆっくりと上げた小盾で防御して受け流した。
「上手い、よくできたね。今度は最初は同じ動きで両者共に全力で動くよ、武技の使用も有りで行こう。剣は当たる寸前で止めて下さい」
クライムは全身の力を込めブロードソードを振り下ろす。
「〈武技・斬撃〉!」
「〈武技・パリィ〉」
だが武技を唱えたモモンのグレートソードがクライムのブロードソードを受け流しクライムはバランスを崩した、だが不利な姿勢を戻しつつモモンのもう片方のグレートソードが首を狙って来るのを小盾で、なんとか受け流した。
モモンが受け流された勢いのまま、一回転して剣先が地面を擦るような非常に低い軌道で双大剣を横からクライムの足目がけて振りぬこうとしていた。
双大剣に足を斬られては堪らないと下がろうとしたクライムだったが、モモンはクライムが下がる速度に倍する速度で踏み込んで斬りつけた。
それをクライムはブロードソードを地面に突き刺して、双大剣と激突しブロードソードが折れると思われた瞬間、双大剣がブロードソードを擦りつつ跳ね上がりクライムの首を狙ったのだ。
クライムは片方の大剣を自らの小盾で受け流し、もう片方の大剣は体を傾けて躱したのだった。
その後、クライムとモモンは剣を交えながら受け流して避けてを繰り返して、モモンの大剣が何度か体に当たる寸前に止められ訓練を終えた。
クライムは額から汗を噴き出し両手両膝を地面に付けて休んでいるようだ。
モモンは、実際には兜で見えないが涼しい顔でもしているように訓練用の2本の刃を落としたグレートソードを何度も振り下ろしたり斬り上げたりしている。
「さて、クライム君。強くなる何かを掴めたかな?」
クライムは、震える足でなんとか立ちつつ答えた。
「いえ、小盾の使い方は分かったのですが、……もう少しで何か掴めそうなのですが分かりません。モモン様に訓練を付けて頂いたのに申し訳ありません」
「……そうか。かなり厳しいが短期間で何らかの効果がありそうな訓練があるが。クライム君は受けるかね、死の危険もある訓練だが」
「どの程度の死の危険なのでしょうか?」
「私が殺気を放つので、殺気に耐える訓練だよ。クライム君が恐怖に打ち勝ってでも守りたい者が居るなら大丈夫じゃないか?ですが時に人は恐怖に負けて死んでしまう事があるので、死の危険がある訓練だと言っている訳だ」
もう少しで何か掴めそうなら武技を会得できそうなんだが、訓練じゃあ簡単には武技を獲得できないか。
ラナー王女や〈蒼の薔薇〉にガゼフまで見物してるから、モモンの訓練でクライム君には何らかの武技を獲得して欲しかったんだが仕方ない。
ここはクライム君に強制的に成長してもらおう。
スキル〈絶望のオーラI〉で恐怖に打ち勝てば成長できる筈だ。もしも恐怖に負けて心臓麻痺とかで倒れても小学生時代に救命処置は習ったし、失敗しても蘇生の短杖を使えば良い。
まあ、逃げ出した時はクライム君は残念だが強くなれないと言えば良いさ。
「モモン様、お願いします」
「行きますよ、武器を構えて下さい。……スキル〈絶望のオーラI〉」
練兵場の訓練していた戦士団達が恐怖でモモンを中心として逃げるように距離を取った。
ガゼフは顔を顰め、〈蒼の薔薇〉の面々は武器を抜いて構えている。ラナー王女は頭を横に振って此方を見ないようにして恐怖に耐えているようだ。
至近距離に居るクライム君は、スキル発動で白目を向き気絶しそうだったが、何とか持ち直して涙を浮かべながら剣を構えて此方を見ている。
ほう、逃げ出さないで剣を構えているか。感心、感心。
さて、もう一押し。武技を唱えた後に双大剣を振って立っていられるかな?
「……死ぬが良い、〈武技・双剣斬撃〉!」
モモンの双大剣が風切り音と共に大きく振り下ろされ、クライムを3枚に下ろそうと肩に斬りかかった。
クライムは冷汗が目に入ったが目を逸らさず此方を見続けて震える剣を構えている。
クライムの肩の外側へモモンの大剣が流れ、地面に激突し轟音を発したのだった。
スキル〈絶望のオーラI〉の発動を止め、クライム君に声を掛けた。
「おめでとう、恐怖に打ち勝ったな。剣も構えたままだね、合格だ」
「いえ、打ち勝てたのは守るべき人が居たからです。居なければ逃げ出していたでしょう。これで強く成れたのでしょうか?」
「少なくとも此れ以上の恐怖は無いだろうから恐怖に対して冷静に対処は出来るだろう。ただ恐怖というのは危険信号だから無視するのも良くないよ。上手く付き合う事だな」
「はい、ありがとうございます」
クライム君の元へ、ラナー王女や〈蒼の薔薇〉にガゼフが集まって労いの言葉を掛けている。
モモンにもガゼフは話しかけてきたが答えるとアインズと同一人物だとバレると困るので、無詠唱化した《メッセージ/伝言》でニニャに連絡を取り、代わりに「訓練で疲れていますので御遠慮ください」や「レエブン侯との約束があるので無理です」とか答えてもらった。
すまない。ガゼフと話すと色々ボロが出そうなんだ。……今度何か考えないとな。
さてと夕方からはレエブン侯の護衛依頼か。デーモンが出たのが昨日らしいから後2日後の夜か、レエブン侯に犯罪組織〈八本指〉と戦って欲しいとか別口で依頼とかされると、デミウルゴスの計画に支障が出るから非常に困るんだよな。
モモンは訓練用の双大剣を訓練用武器置き場の樽に突っ込み、モモン一行はレエブン侯との待ち合わせ場所である王都の最高級宿屋に向かう為に皆と握手して別れを告げたのだった。
・希少職業追加効果レジェンダリー
オリジナル設定
永き実戦の果てに会得した効果、レジェンダリーとは伝説という意味です。
例えばファイター(レジェンダリー)とファイター(一般)では上昇するステータスやスキル増大分に差が出ます。
元々戦士の才能を持っていればファイター(レジェンダリー)と同じ効果のファイター(ジーニアス)を持つ者もいます。
伝説的な武芸者や魔法使いが持つ事があります。
・〈武技・パリィ〉
オリジナル武技
敵の攻撃を受け流して隙を作らせる武技。
適した盾(小盾等)や武器(パリングダガー等)ならより効果が高くなる。
モモンは、これを大剣でやっているので効果が若干落ちる。