深夜を過ぎ、王都の数少ない《コンティニュアル・ライト/永続光》が掛かった街灯の下で両者は、互いに武器を構え、モモンが魔皇ヤルダバオトに声を掛けた。
「魔皇ヤルダバオト、戦えば両者ともに只では済まないだろう。此処は悪魔像を諦めて引いてくれないか?」
「出会って早々だな。別れるのも辛い所です。転移は阻止させて頂きます。スキル〈ディメンジョナル・ロック/次元封鎖〉。……漆黒の戦士、それはできない相談です。最早我々は戦うほか無いのだよ。ある程度の強さを見せて貰わないと引けないな」
魔皇ヤルダバオトのスキル〈ディメンジョナル・ロック/次元封鎖〉によって、周囲一帯の転移魔法を封じられ逃げ出すことはできなくなった。
竜の背中に乗ったイビルアイは、その事を感じ取ったのか歯噛みしている。
レベル60を超える〈幻想竜〉やレベル80を超えるセキフに召喚した〈ナイトリッチ〉がいる〈蒼の薔薇〉一行とモモンの仲間達は、武装乙女達と戦っても負けることは無いだろう。
セキフやモモン一行は、既に此の戦いが茶番だと知っているが真剣に戦う事で限界を知ると言う目的もあることを知っている。
此処は、武装乙女達もとい戦闘メイドがどれだけ戦闘の連携が取れているか後で〈動画〉を見るのが楽しみだ。
死の宝珠にモモンは無詠唱化かつ持続時間延長化をした《ウォリアーレベルアップⅤ/戦士職段位上昇Ⅴ》を掛けてもらい、戦士系上昇の指輪と合わせ戦士系レベルが10上昇したモモンの体が軽くなったような気がした。
モモン自身も自らに無詠唱で《パーフェクト・ウォリアー/完璧なる戦士》を唱え、魔力回復が阻害されるものの魔法系のステータスが戦士系のステータスに置き換わり、力が湧いて出て来るようだ。
「そうか、私の名はモモンだ。……行くぞ、スキル〈太陽の爆発〉」
モモンの双大剣に炎が付与され、炎の双大剣を魔皇ヤルダバオトに突き付けると魔皇ヤルダバオトの足元を中心に攻撃範囲を示す真紅の円が浮かび上がった。
「くっ、武装乙女達は急いで私から離れ敵を攻撃するのだ」
「まだまだ、喰らえ〈インフェルノ/真紅の槍〉!」
「スキル〈悪魔の諸相:煉獄の衣〉!」
モモンが片手の大剣を地面に突き刺し、燃え盛る真紅の投槍を中空の闇から取り出して魔皇ヤルダバオトに投げつけ、魔皇ヤルダバオトの足元の真紅の円から星空を焼け焦がさんと燃え盛る火柱が立ち昇ったのは、ほぼ同時だった。
周囲の倉庫が燃え盛り、瓦礫に火が付き辺りは炎が渦巻いている。
だが魔皇ヤルダバオトは自らの体に豪炎を纏わせ、燃え盛る火柱の中を悠々と歩いて奥義(スキル)を唱えた。
「スキル〈悪魔の諸相:おぞましき肉体強化〉、スキル〈悪魔の諸相:鋭利な断爪〉、スキル〈悪魔の諸相:豪魔の巨腕〉、スキル〈悪魔の諸相:八肢の迅速〉」
モモンは片手の大剣を宙に投げ中空の闇から氷のように青く輝き魔法文字が刻まれた歪んだ手形のような形の武器を取り出し叫ぶ。
「くそっ。炎への耐性か。ならば〈フロスト・ペイン・ツー/凍牙の苦痛Ⅱ〉!」
「それは、いったい。先程の槍もそうでしたが」
魔皇ヤルダバオトの腕が巨大化して爪が刺剣のように伸び、筋肉で満ち溢れ体が膨れ上がり、腰の辺りから八肢の大蜘蛛の足のようなものが現れ地面に爪先を突き刺し、その八肢の脚を持ってモモンに接近し、モモンの頭上の3つの黒曜石の剣が飛び込んで来たのを砕き、巨大な腕の鋭利な爪で体を引き裂こうとした。
モモンは大剣で爪を捌き、〈フロスト・ペイン・ツー/凍牙の苦痛Ⅱ〉の真なる力を解放する。
「〈アイシー・バースト/氷結爆散〉!」
武器〈凍牙の苦痛Ⅱ〉の周囲の気温が下がり辺りを靄が包む、地面から氷の剣山が現れ魔皇ヤルダバオトの体を氷山が変形して貫き、スキル〈悪魔の諸相:煉獄の衣〉で得た力が失われてしまった。
辺りで燃え盛っていた瓦礫や倉庫は、急激な温度低下と地面から現れた氷山にて忽ちの内に鎮火してしまい燻って黒煙を吐き出すだけとなった。
中空の闇へと〈凍牙の苦痛Ⅱ〉を戻し、モモンが宙から落下して手元に戻った大剣を装備しなおして魔皇ヤルダバオトを伺う。
もはや魔皇ヤルダバオトの体からは炎が立ち消えたが、自らに突き刺さった氷山を片手で払うと氷が砕け、まるでモモンを称賛するようにヤルダバオトは片手を胸に当て頭を下げた。
「素晴らしい。まさか、あんな武器を持っているとは、このヤルダバオト、感服致しました」
「世辞は止せ、でどうする、まだやるか」
「もちろんです。貴方は手強そうだ。だが貴方の同僚は同じレベルでは無い、だからこんな事も起こるのです。……《ヘルファイヤーウォール/獄炎の壁》」
魔皇ヤルダバオトが、おもむろに〈蒼の薔薇〉一行の方に振りむいて魔法を使おうとした。
まずい、ここで魔法を使われると〈蒼の薔薇〉一行のレベル的に死んでしまう恐れが高い、事前にニニャが召喚した〈ナイトリッチ〉に防御型支援魔法を掛けてもらったが何処まで持つか。
モモンは〈蒼の薔薇〉一行の前に急行すべく武技を使った。
「〈武技・閃光走破〉!、……〈武技・無敵要塞〉!」
《獄炎の壁》の黒炎が、モモンの〈武技・無敵要塞〉によって双大剣を交差してラキュースの前で防がれるが、それでも直撃を防げたに過ぎない。
《獄炎の壁》は、黒炎を任意の位置に発生させ外傷を与えずにダメージを与える魔法なのだから、魔法の起点を〈武技・無敵要塞〉で潰してもダメージは発生する。
炎の残滓が武装乙女達と戦っていた〈蒼の薔薇〉のラキュースさんやガガーランさんや双子忍者に襲い掛かった。
《獄炎の壁》の残滓が〈蒼の薔薇〉一行を焼き尽くさんばかりに燃えたが、モモンが急いで霊薬を〈蒼の薔薇〉一行に振りかける事で何とか急場を凌ぎ助かった。
だが《獄炎の壁》は黒炎により体をしばらく焼き尽くす魔法、今もジリジリと其の身を焼いている筈なので霊薬をラキュースさんに数本ほど渡し、こっそりと声を掛ける。
「この霊薬を使って下さい。まだ体を炎の熱で焼かれて辛いでしょうが、しばらく耐えれば大丈夫です」
「こ、こんな高価な物を?赤い霊薬なんて見たことも無いです。此処まで効き目に違いがあるとは」
「これは、とある遺跡で見つけた物です。冒険者が使わなければ勿体ないでしょう。ラキュースさん、魔皇ヤルダバオトは奥義(スキル)を使い己の傲慢さを表す為か此方にゆっくりと歩いています。私が魔皇ヤルダバオトに武技を使い隙を作るのでラキュースさんが止めに〈ダークブレードメガインパクト/暗黒刃超弩級衝撃波〉を放ってください」
「何をコソコソと話している?あの程度の炎で瀕死になるのに何故実力差があるのに組まれているのですか?不思議で成りません」
近づいた魔皇ヤルダバオトにイビルアイが魔法抵抗難度強化と魔法最強化した《クリスタルランス/水晶騎士槍》を、ニニャが魔法抵抗難度強化した《ローカル・ディスインテグレイト/局所分解》、ナーベが《ファイアボール/火球》、ソアが〈幻想竜〉に指示して雷のブレスを浴びせたが、多くの魔法は魔皇ヤルダバオトに届く前の中空で掻き消え、雷のブレスも魔皇ヤルダバオトは両手を広げて受け入れた。
「我が名は魔皇ヤルダバオト。何故魔法が此の私に効くと思ったのかは知りませんが、無知は罪とという事ですね。竜の吐息は、ほんの少し擽ったかったですよ」
「何、そんな馬鹿な。無効化能力だと!」
イビルアイは、竜の背の上で魔法を無効化された事に驚き、声を上げた。
うむうむ戦いに、はったりは付き物だ。
魔皇ヤルダバオトもといデミウルゴスは、魔法無効化能力を持っているが特定ダメージ以下を無効化するタイプでダメージが大きければ低位階でもダメージが通る筈なのだ。
まあ低位階を使う魔法使いは低レベルなのでダメージ量が低く無効化されてしまうがな。
「さて行きますよ。これで動きを止めさせて貰います。スキル〈ジュデッカの凍結〉」
「ぐっ、ラキュースさん危ない」
モモンは、スキル〈ジュデッカの凍結〉の目標のラキュースを急いで庇う事で引き受けた。
現在、相手を凍りつかせ対象のみの時間を停止させるスキル〈ジュデッカの凍結〉の効果を防ぐ装備を外しているモモンは青白い氷に体を凍り付かせ動けなくなった。
「おやおや、このような小物を庇うとは思いませんでした。何故でしょうね」
「くっ、お前が言うな。……モモンさんは私を庇って」
その時、モモンを覆う氷に罅が入りガタガタと揺れ始め、魔皇ヤルダバオトは、吃驚したかのような顔を浮かべスキル〈悪魔の諸相:鋭利な断爪〉で得た刺剣の如く成った爪をモモンの氷像に突き立てた。
ラキュースは驚き、しかし魔皇ヤルダバオトに〈浮遊する剣群〉を射出するが、それをヤルダバオトは、そちらを見もせずに〈浮遊する剣群〉を片手で叩き落し、もう片方の手で氷像の中のモモンを何度も貫いている。
モモンを覆う氷が砕け、モモンはスキル〈悪魔の諸相:鋭利な断爪〉で生えた爪による連続攻撃を双大剣で受け止め続けつつ頭を振った。
あ、痛たたた。レベルでスキル〈ジュデッカの凍結〉を解いたが、その間に魔皇ヤルダバオトに攻撃を何回か受けてしまったな。
ふー、まだ頭がぼんやりするが、まだ体力に余裕は有るし魔皇ヤルダバオトには有効打を与えられていないから強力な武技を御見舞させてもらおうか、その前に目くらましだ。
「〈武技・地震脚〉、喰らえアルゲス!」
モモンは、〈武技・地震脚〉を唱えて片脚を地面に叩きつけて、周囲に対する振動で敵味方諸共よろけさせた。
〈武技・地震脚〉という低位武技を使ったのは此れなら味方を巻き込んでも、よろけるだけで済むからで、そして中空から黄金で彩られた煌びやかな金細工の施された〈アルゲス・ハンマー/アルゲスの大槌〉を取り出し、よろけて身動きが取れない魔皇ヤルダバオトのスキル〈悪魔の諸相:八肢の迅速〉で生み出した大蜘蛛の脚に「アルゲス」の言葉と共に叩きつけると落雷が落ちたかのように稲妻が迸り脚が数本纏めて粉々になり脚の破片が吹き飛んでいく。
中空の闇へと〈アルゲスの大槌〉を戻し、モモンは地面に突き刺した双大剣を抜き取り装備し直した。
魔皇ヤルダバオトは、すぐさまスキル〈悪魔の諸相:八肢の迅速〉を解除して態勢を立て直そうとしたがモモンがそれを許さない。
「〈武技・星光連撃〉!」
モモンが双大剣を一振りするとマントが広がり、闇の中から剣閃が幾つもの星の光のように見え魔皇ヤルダバオトを切り刻もうとした。
「スキル〈悪魔の諸相:触腕の翼〉。ハハハ、その武技は強力そうですが、当たればの話で攻撃範囲から体をずらせば良いのです。」
魔皇ヤルダバオトはスキル〈悪魔の諸相:触腕の翼〉で、背中から鋭利で平たく薄い触手のような羽を生やし、空中へと〈武技・星光連撃〉の攻撃範囲から遠ざかり、そして空中から羽の一部をモモン達と〈蒼の薔薇〉一行の前線で戦う者達へとバラまいた。
落ちてくる鋭利で平たく薄い触手のような羽の一部から身を守ろうとするラキュース達をモモンは、〈武技・星光連撃〉を中断して双大剣を回転させて弾いて守ったのだった。
「無傷で何よりです。ラキュースさん」
「ありがとうございます。モモンさん。……あぁ、肩に羽の一部が。大丈夫ですか」
「この程度、何も問題ありませんよ」
モモンは肩に突き刺さり動き続ける触手のような羽の一部を無造作に引っこ抜き投げ捨てた。
「それよりも無事のようで安心しました」
モモンの安心させるような笑みと言葉に、ラキュースは思わず顔が熱くなってしまい真っ赤な顔を見られたくないと顔を背けてしまった。
モモンは兜を割られ英雄然とした顔を晒しているが、此れは幻術《パーフェクト・イリュージョン/完全幻覚》の効果で相手にとって相応しい顔が演出されるので、ラキュースに対して効果覿面な顔の表情を見せたに過ぎないのだった。
「お見事です。彼女達を無傷で守り切るとは。この魔皇ヤルダバオト、心より称賛を送りたいと思っております」
「世辞は、いらん。まだ戦うのか?」
「勿論です。では本気で参ります」
「そうか、掛かって来い。魔皇ヤルダバオト!〈武技・武器魔法付与:現断〉、〈武技・双剣魔空斬〉!」
魔皇ヤルダバオトは、ひらりと〈武技・双剣魔空斬〉で付与された〈現断〉の剣閃が飛び交うのを交わす。
このままでは駄目だ、当たらない、その時にモモンは新たな武技が閃き即座に繰り出した。
「〈武技・流星連撃〉!!」
モモンが武技を唱え双大剣を一振りした後、魔皇ヤルダバオトに〈現断〉が付与された剣閃が流星雨の如く飛び交い、あまりの剣閃の数に避けきれずに魔皇ヤルダバオトの体を傷つけ、スキル〈悪魔の諸相:触腕の翼〉の翼も斬り飛ばされ地面へと落下した。
〈武技・流星連撃〉とは〈武技・双剣魔空斬〉と〈武技・星光連撃〉を前提とした武技で双剣による一撃を振るう刹那に、周囲の敵に数え切れないほどの斬撃を飛ばす神速の武技。
天空を駆ける流星雨の如く剣撃が連続で飛ぶ武技だ。
だが〈武技・星光連撃〉の弱点も受け継いでおり、攻撃がばらける命中率の低い剣撃が飛ぶという弱点があるが、魔皇ヤルダバオトとの距離は近く乱れ撃ちでも効果があった。
「今です。ラキュースさん、大技を叩き込む絶好の機会です」
「いくわ、モモンさん。超技!、〈ダークブレードメガインパクト/暗黒刃超弩級衝撃波〉!!」
魔皇ヤルダバオトは、体を切り刻まれ動きが鈍った所を〈ダークブレードメガインパクト/暗黒刃超弩級衝撃波〉の巻き起こす無属性エネルギーの大爆発に吹き飛ばされ瓦礫に突っ込み姿が見えなくなった。
その時、王都全体が揺れる大地震が起こった。
瓦礫が盛大に吹き飛び魔皇が現れた、ラキュース達は先程までと全く違う、まるで別人のような余りの存在感に体に在りもしない重さを感じて、その違いに茫然となってしまった。
憤怒を湛える恐ろしい顔つきで牙があり、鱗のある巨体で太い豪腕には鋭い爪を備えた燃え上がる拳、蛇のように長い尻尾の先とバサリと広がる翼に炎を纏っているのが分かった。
「私の真の姿を見せる事に成るとはな。モモンよ、お前は強い」
「お前もな」
「提案があるのだが、此の辺りで引こう。勝負は此れ位にしようではないか」
「ふざけるな」
「ああ、いいだろう」
イビルアイが魔皇ヤルダバオトの提案に否を唱えたが、モモンは此れを肯定した。
そもそも魔皇ヤルダバオトを倒さなくても撃退でも構わないとレエブン候からの依頼であるし、常識的に考えて変身して存在感を増した敵に啖呵を切れるのが凄いよ。
まあ、存在感を増したというよりは、デミウルゴスが指輪で存在感を消していたというのが正解なんだがな。
デミウルゴスがスキル〈魔将召喚〉で召喚した魔将の演技力は中々じゃないか、魔皇らしさが良く出てる。
しかし王都に地震が起きたら時間切れか、やはり戦士の恰好で戦うのは無理があったな、魔法が碌に使え無いしな。
骸骨の魔法使いの格好で双大剣を持ち、杖に持ち換えたりして戦うのが一番強いだろうな。
「……ふん、モモンがこのような頭の悪い女を何故連れて来たのか見当も付かないな。少し考えれば分かるんじゃないか、悪魔の群れが何時でも王都全域を襲えるよう待機させていることにな」
「王都を、人質に……」
「イビルアイさん、奴の言葉が本当なら王都が危険です。嘘でもあの存在感を増した強大な悪魔と戦えば王都の被害がどこまで広がるのか予想も出来ません。此処は勝負を預けて撤退して貰いましょう」
魔皇ヤルダバオトの廻りにマントや服がボロボロに成った武装乙女達が集まる。
武装乙女達もとい戦闘メイドは手酷くやられたようで〈蒼の薔薇〉一行を特に〈幻想竜〉やセキフを睨んでいるようだ。
どうやら戦闘メイド達に連携の訓練も入れた方が良さそうだな、そうすれば格上との戦いでも此処までボロボロには成らないだろう。
「では、これで撤収させて貰おう。残念だ、悪魔像を回収するという目的も果たせないのは」
そう言うと魔皇ヤルダバオトと廻りの武装乙女達を白い光が包み転移していた。
倉庫街を囲んでいた〈ゲヘナの炎〉が解除され、瓦礫が転がる街の青空に朝日が昇り始める。
「行ったな」
「わぁーははは、やったー、勝ったー」
「あの存在感の魔皇ヤルダバオトを撃退できただなんて夢のようです。モモンさん、やりましたね」
イビルアイさんが喜びも露わに、モモンのマントに飛び付いている。
ラキュースさんがモモンに話をして、イビルアイを困った子を見るような目で見ている。
「すまないが離れてくれませんか、イビルアイさん」
「はーい、照れなくてもー」
「おーい、生きてるかー」
「もう、イビルアイたら。モモンさんには、やる事があるでしょう」
ガガーランさんが皆に重篤な怪我が無いか声を掛けて確かめているようで、ラキュースさんはイビルアイさんを窘めていた。
セキフは元のモモンの影に潜り込み息を潜めて、他の冒険者達から身を隠している。
手酷くやられた冒険者達や衛兵達が悪魔や魔神が居なくなった事で集まり始めた。
「……みんな。モモン様、皆に勝利を」
「恥ずかしいな」
「此れは最も武功を上げた者がしなくてはならない事ですよ」
「はぁ、そうか、するべきだな。……うぉぉぉぉー!!」
「モモン様の勝利だ!」
モモンは大剣を片手で高く掲げ、雄たけびを上げ自らの勝利を誇示した。
イビルアイは皆に解りやすく声を上げ、勝利を宣伝していた。
周囲の冒険者達や衛兵達から歓声や喜びの声が上がり、辺りは喧騒に包まれたのだった。
・〈動画〉
オリジナルアイテム
動画が取れるアイテム、消耗品。
課金アイテムだが、とても安い。
ナザリック対1500人迎撃戦の動画が上がっていたことからアイテム又は魔法があるとしました。
・〈フロスト・ペイン・ツー/凍牙の苦痛Ⅱ〉
オリジナルアイテム
死の宝珠やソアやパンドラの研究によって生まれた武器。
武器の性能を発揮する為に〈アイシー・バースト/氷結爆散〉と叫べば地面から強力な氷山が現れて変形して敵を貫ける、当たりどころが良ければ衝撃で敵の火炎耐性上昇効果を無効及び全ての耐性を若干下げる事ができる。
もはやリザートマンが持っていた元の武器〈フロスト・ペイン/凍牙の苦痛〉の性能を遥かに超える性能と成っている。
回数制限有り。
・〈アルゲス・ハンマー/アルゲスの大槌〉
オリジナルアイテム
「アルゲス」の掛け声で瞬間的に槌の打撃部分に大電流が流れる黄金で彩られた金細工が施された魔法の大槌。
回数制限有り。
「アルゲス」とはギリシャ神話に登場する、一つ目巨人の三兄弟の一人で「落雷」を意味するという。
・〈武技・流星連撃〉
オリジナル武技、前提:〈武技・双剣魔空斬〉、〈武技・星光連撃〉
〈武技・双剣魔空斬〉と〈武技・星光連撃〉を前提とした武技で双剣による一撃を振るう刹那に、周囲の敵に数え切れないほどの斬撃を飛ばす神速の武技。
天空を駆ける流星雨の如く剣撃が連続で飛ぶ武技だ。
攻撃がばらける命中率の低い剣撃が飛ぶという弱点がある。