オーバーロードと死の宝珠   作:NEBUSOKU

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アゼルリシア山脈の山頂

 アゼルリシア山脈とはリ・エスティーゼ王国とバハルス帝国の間に位置し、国土を分けている境界線たる山脈で極寒の山々の北側は海に接し、南端にはトブの大森林が位置していた。

 山の麓では高い木が茂っており、森林限界により徐々に低い木に変わっていく様を山に登り見ている分には楽しめたが、いつまでも楽しんでは居れず、空からペリュトン、ハルピュイア、イツマデ、ギガントイーグルが襲い掛かるのを魔術師達に遠距離攻撃で倒して貰いつつ雪山を進んでいた。

 雪山を歩く新雪を踏む音が響きわたる中、モモン一行は、古地図を見ながら周辺を探索していたが、ドワーフの国への入口が見付けられず迷っていた。

 

「地図があるから大丈夫だと高を括っていたが、……駄目だな、これは」

『地図では夏の山の地肌が出てる時に目印と成る岩などが書かれていますね。このように雪山では目印も消え、迷ってしまうのは仕方ありません』

「モモンさん、何か知っている人を探して見るのはどうでしょう?もしかしたらドワーフの国への入口も知っているかもしれないですし」

「寒いでござるな。早く温まりたいでござる」

「文句を言わない。まったく此の魔獣が」

「んー、寒いのか、私は人形だから分かんないや!」

 

 モモンが愚痴ると死の宝珠が慰め、ニニャが意見を出して来た。

 ハムスケが寒さに文句を言ったり、ナーベが其れを窘めたり、ソアはあっけらかんとして寒くないとか言ってる。

 

 はぁ、まずいな。

 まさか、此処までグダグダに道中が迷いまくるとは思わなかった。

 仕方ない、道中では使うまいと決めていた切り札を切るか。

 

「ニニャの意見は一理あるな、採用だ。この周辺を探して喋れる奴を探そう。出て来い、セキフとハンゾウ達。この周辺を1時間探し、喋れる奴が居ないか、何かないか探してこい」

「御意、畏まりました」

 

 セキフと此の前呼び出したハンゾウ達がモモンの影から飛び出し、片膝を地面に付けて大きく頷いた後、様々な方角に散って行った。

 モモンは、ハンゾウ達を呼び出して命令した後、近場の岩に腰掛け、ハンゾウ達や他の者達を傭兵として召喚したのを思い出していた。

 ナザリックに居た頃にハンゾウ達の召喚は、死の宝珠がアインズに進言していた。

 

『此の前の戦の勝利でナザリックに余裕ができたのではないでしょうか。偵察用にハンゾウの召喚の御金をアルベド様に頼んでみては如何でしょうか?』

「しかし、冒険の為の召喚費用だろう?この冒険の旅は、いわば私の娯楽目的だぞ。そんな物に御金を出してくれっていうのは可笑しいだろうに」

『ハンゾウは偵察の他にも働けます。セキフに話を聞いてみましたが馬車を操ったり、天幕を建てられたり、生存技術を生かした野生動物を使った料理などができるそうです。どうやらモンスターレベルで得られた忍びという知識からできるようになったそうです』

「ポケットマネーで召喚しようか悩んでいたが、其処まで有用だとはな。……料理スキルが無くても料理ができるのか」

『はい、セキフは、ナザリックの様々な上昇効果のある特殊な材料を使わないという縛りは有りますが、料理できるそうです。アインズ様も以前に料理できないと言われてましたが、もしかしたら料理できるのでは無いでしょうか?』

「ふむ、料理できるか実験の必要があるな。まあハンゾウ達が其処まで役に立つなら召喚費用はアルベドに頼んでおこう。断られても仕方ないから、あまり期待するなよ」

 

 というような遣り取りがあり、アルベドはアインズの心配を他所に属国の復興とナザリックの利用状況等の調整から無理なく出せる金額を即座に弾き出して莫大な召喚費用を用立てたのだった。

 アルベドがアインズに御金をインベントリに渡す際に、アインズの手を握りしめながら。

 

「御金の工面をするのは妻の役目ですから、此れからも困ったことがあれば言ってください」

「いや、妻じゃないだろ、まあ困ったことがあれば言おう」

 

 ちなみに料理実験をする際にアルベドやアインズ当番の一般メイドにも付き合って貰った結果、アインズとアルベドとアインズ当番の一般メイドも上昇効果のない材料なら料理中に呆けて焦がす事なく、無事に簡単な家庭料理ができて、調理した食事を食事当番の一般メイドに憑依することで食べてみたが、特別な材料を使ってないので素晴らしい美味しさという訳ではない筈だが、皆でワイワイ楽しく作った料理のせいか其の分、素朴な美味しさを感じて、アルベドやアインズ当番の一般メイドと完食したのだった。

 

 モモンが召喚と楽しかった料理実験について思いを馳せていると、セキフと御供に付けたハンゾウ達が此方に現れ膝を付き、モモンに報告しに来た。

 

「此方の方角に暫く行った所に〈フロスト・ジャイアント/霜の巨人〉達の集落があります。話が通じるかは不明ですが、言葉を話しているのは確認済みなので後は、モモン様の交渉次第ではないかと思われます」

「フロスト・ジャイアントか雪崩を操る巨人だった筈。ふむ雪山を楽しむために皆には、わざと冷気耐性のアイテムを外して貰っていたが付けないといけないな。後、雪崩に巻き込まれて呼吸が出来なくなるとレベル差を無視して死亡判定が発動するだろうから水中呼吸の指輪だな。水中呼吸と冷気耐性の指輪を配るので皆は付けるのだ。ハムスケは水中呼吸の腕輪は尻尾に付けて、冷気耐性のスカーフを付けなさい」

「おおー、ありがたいでござる。寒さを感じなくなったでござるよ」

「はぁー、雪山の冒険を楽しみたいからアンデッドの冷気耐性を切っていたのに入れておくか。ニニャ、霜の巨人が友好的とは限らない、あらかじめ対抗魔法を唱えておくようにしなさい」

「はい、モモンさん。どの魔法を唱えておきましょうか?」

「そうだな……」

 

 モモン達一行は、モモンの周辺の様々な方角にハンゾウ達が展開し索敵をして貰い、セキフがモモン達一行を先導して、しばらく雪山を歩いて行くとフロスト・ジャイアント達の集落が見える山の尾根に着き、そこからフロスト・ジャイアント達の様子を眺めていた。

 

「どうやら、フロスト・ジャイアント達の他にも番犬代わりの鱗の色は青白い〈フロスト・ドラゴン/霜の竜〉が何匹か飼われているのが見えるな。確か青白い鱗の場合は若い竜で、成長するに従って霜が降りたような白色の鱗になる筈だ。フロスト・ドラゴンは、冷気に対する完全耐性を持っているが、弱点は炎だ。吐くブレスは冷気属性で成長に従って強力になっていくが、今の我々は完全な冷気耐性を有しているから大丈夫だな。だが口から吐くブレスで目を眩ませるかもしれないので其処は注意すべきだろう。やはりフロスト・ジャイアントの操る雪崩攻撃が一番注意するべきかな、巻き込まれると山を滑り落ちて何処を怪我するかも分からないし、パーティーと離れてしまうのが一番の問題だ。雪崩攻撃の時は手を大きく振り上げる筈だから其の時は直撃を避けるように動くか攻撃で中断させると良いだろう。さて、では話し合いに行くか、まず私が話しかけよう。お前達は私の後ろで待機だ。セキフとハンゾウ達は此処で待機、戦いで尾根に撤退する場合には迫る追手に対して攻撃を頼んだぞ」

「御意、お気をつけ下さい」

 

 モモン一行が尾根を下り、フロスト・ジャイアント達の集落に近づいて行く。

 フロスト・ジャイアント達の集落は、原始的な集落で獣の皮を継いで大きな布にした物を屋根にして様々な住居群を作り、集落の中央の巨大な岩には顔料で原始宗教的な模様が描かれていた。

 帝国で買った拡声器のマジックアイテムを使い、モモンはフロスト・ジャイアント達に話しかけた。

 

「フロスト・ジャイアントの君達。私はアインズ・ウール・ゴウン魔導国の使者で、名はモモンと言う。聞きたい事があるのだが……」

 

 フロスト・ジャイアントは、青白い肌に白い髭や髪をして下半身に獣の皮を継いだ布を巻きつけている。

 巨人の群れは、モモンを見つけたと同時に笑みを浮かべ、巨人用の弓矢を取り出し矢を放って来た。

 どうやら小さな喋る獲物にしか見えてないようで、モモンの言葉を無視して襲って来たのだ。

 巨人の矢は、まるで丸太の如く轟音と共にモモンに突き刺さるかに思えたが、モモン一行を包む薄い膜に阻まれ、その弾道を捻じ曲げられ元の場所へと戻っていく、弓を撃った巨人達の頭や胴体や腕に次々に突き刺さり巨人達は泣き叫んで痛みに転げまわっている。

 

「ふむ、ニニャの魔法《ウォール・オブ・カウンターフロムアローズ/矢返しの障壁》が上手い事決まったようだな」

 

 番犬代わりの首輪を付けられた年若いフロスト・ドラゴン達が霜の吐息を吐くが、冷気耐性を万全にしたモモン達には煙幕ぐらいの効果しかない。

 モモンとハムスケは《矢返しの障壁》を抜け、霜の吐息によってできた氷片の霧を潜り、霜の吐息を吐いた年若いフロスト・ドラゴンに武技を唱え、次々に切り裂いていく。

 

「とう、〈武技・超斬撃〉でござるよ」

「〈武技・武器魔法付与:朱の新星〉、〈武技・双剣魔空斬〉」

 

 ハムスケの〈武技・超斬撃〉は、鱗の尾で年若いフロスト・ドラゴンの目を含めた顔を切り裂き、モモンが〈武技・双剣魔空斬〉によって剣に付与した炎が宙を舞い、他のフロスト・ドラゴン2体の右前脚と胴体を斬り飛ばした途端、激しく燃え盛り、胴体を焼かれた竜は黒焦げになり、其の身を雪原に大きな音と共に倒れ、右前脚を切り裂かれた竜は、右前脚が炭化して叫び声を上げた時に炭化した脚が崩れてしまった。

 

「新しい武技を閃いたでござる。いくでござる、〈武技・回転斬撃〉でござるよ」

 

 ハムスケは武技を浴びて斬られたフロスト・ドラゴン達に突っ込み、駄目押しで回転しつつ長い鱗の生えた尾で狼狽えた竜達に一撃を加え、モモンの所まで早速戻っていた。

 

「ふぅー、竜相手に武技で戦うのは疲れるでござるな。でも確かに竜に武技で傷がついた。某も成長しているでござるよ」

「いくら竜が動揺しているとはいえ、一人で突っ込むなハムスケ。さて……」

 

 魔術師組が下がった近接戦闘組に代わり、魔法による炎の弾幕を張り、傷ついたフロスト・ジャイアント達やフロスト・ドラゴン達は次々に焼かれて悶え苦しんでいる。

 大きく腕を振り上げ雪崩を起こそうとしたフロスト・ジャイアントの顔に火力が集中して、巨人の奥義(スキル)は中断してしまい、あっと言う間にフロスト・ジャイアントの頭が炭化して倒れる。

 モモンは、片腕を上げて魔術師組の炎の弾幕を制止させ、中空から拡声器のマジックアイテムを取り出し、もう一度フロスト・ジャイアントに話しかけた。

 

「あー、これで此方の強さが分かったと思う。フロスト・ジャイアントの君達。私はアインズ・ウール・ゴウン魔導国の使者だ。ドワーフの国の事で聞きたい事があるのだが詳しい者は居ないか?」

 

 焦げたフロスト・ジャイアント達は恐ろしい者を見るかのように怯えていたが、やがてにやりと笑い山頂を指さしながら言うのだった。

 

「物知りの奴が山頂にいる。知りたいなら山頂に行くと良い」

「ありがとう、行ってみるよ。あと死体は此方で回収させて貰うが構わないな」

「……好きにしろ」

 

 ナザリックから《転移門》が開き、次々に持てる筈のない竜と巨人の死体がシャルティアに軽々と運ばれていくのを生き残ったフロスト・ジャイアント達とフロスト・ドラゴン達は、驚嘆の声を漏らしつつ見守っていた。

 

 高レベルは物理法則を超える、どう考えても作用反作用で持てない筈の巨大な武器が持てたり、人間が巨人を片手で振り回せてしまうのがユグドラシルでは常識だった。

 まあゲームの仕様がどのくらい生かされているのかは長い研究が必要だろう。

 さて巨人達がにやりと笑いつつ山頂を勧めるという事は、何らかの罠か強敵の可能性が高いな、まあレベルによって低レベルの罠は意味をなさないし、此処は屋外だ。

 まあ、まともな罠はないだろう、それなら敵か、ニニャに山頂に上がる前に、もう一度補助魔法を掛けて貰うか。

 

 モモン一行は、フロスト・ジャイアントの一人を道案内に山頂へと向かった。

 山頂には白い革製の幾つもの天幕が重なり巨大な天幕となった巨人達の神殿か城塞のような物があり、此処に物知りがいるのだろう。

 門番に一際でかいフロスト・ジャイアントが道案内の巨人と話して通して貰う。

 

「へへへっ、此方になります。付いて来てください」

 

 巨大な天幕では何匹かの大蛇のように細い身の年若いフロスト・ドラゴン達が寝そべり、フロスト・ジャイアント達が壁際に胡坐をかいてたりしている大きな空間を抜け、フロスト・ジャイアント達の王が沢山の皮で作られた座布団もどきに座って、大きなフロスト・ドラゴンを肘掛けの代わりに使って待って居た。

 案内役の巨人は案内の仕事は終わりだと壁際の端に膝まづき、フロスト・ジャイアント達の王がモモンに問いかけた。

 

「お前達か、集落で暴れまわり力を示したのは、で此処まで来て何か知りたいそうだな言ってみろ」

「私はアインズ・ウール・ゴウン魔導国の使者のモモンだ。ドワーフの国の事で聞きたい事があるのだが教えてもらえないか?例えばドワーフの国の入口が何処にあるかとか」

「ふむ、知っている者は居るか?」

 

 王が廻りのフロスト・ジャイアント達に問いかけると、一人の巨人が声を上げた。

 

「はい、長老ならドワーフ国について詳しいかと、入口についても教えられるでしょう」

「おおっ、それは是非とも教えて下さい。我々は此の辺りの場所に疎くて迷ってしまい困っていたのです」

「ふむ、だが只で教える訳にもいかん。我らと戦えば教えてやろうではないか」

 

 どうやら力が主体の部族のようで集落で暴れていたのは不問になったが、此処でも自分達と剣を交えて力を見せつけろと言ってきた。

 集落の連中も獲物を狩ろうって事でなく力試しだったのか、いきなり弓を撃つなよ、まず話し合いだろう。

 勝てば教えてやろうとは言ってないので接戦を演じれば良いのかもしれないが、アインズ・ウール・ゴウン魔導国の使者でもあるから力を示さねばいけない。

 

「何人だ。俺達は、此処に居る全員を相手にしても戦いには負けない」

 

 王は、こめかみに血管を浮かび上がらせて憤怒の表情で怒鳴りながら言い放つ。

 

「貴様!我らを愚弄するか、いいだろう戦える者全員と戦って貰おうじゃないか。今より一時のあと、門番を審判に山頂の広場で戦うぞ。後で泣き言を言うなよ!」

 

 山頂に建てられた天幕を抜けると広場があり、そこでは木等の植物でできた鎧を身に纏って準備を終えようとしているフロスト・ジャイアント達がいる。

 いわばウッドアーマーか、あらかじめ雪を擦り込んでいるようだから火にも多少の耐性はあるとみていい。

 既に鎧を身に付けているモモン一行は魔法の打ち合わせを終え、後はフロスト・ジャイアント達の準備が終わるのを待つだけだ。

 

「少々、戦うには早いが両者共に準備ができたようだ。戦おうではないか。審判説明してやれ」

 

 門番を兼ねた審判がその大きな青白い肌を漲らせ、両者によく聞こえるように大声で説明する。

 

「戦う時間は1時間、審判である私が始めと言った時からだ。武器は真剣や棍棒を用い、相手が気絶したら追撃は無しだ。山頂から転げ落ちた者、降参した者、意識が無く審判が声を掛けても返事が無い者は死亡判定だ。全員死亡判定を貰ったら、その隊は負けとなる。この戦いは死ぬこともあると両者が認めたものとする。では、……始め!」

 

 始めの合図と共に、青白い鱗を持つ大蛇に似たフロスト・ドラゴン達が2手に分かれ襲い掛り、フロスト・ジャイアント達は鎧に包まれた体ごと目一杯捻りながら大弓を弾き絞り、霜の巨人王は巨大な斧を大きく地面に叩きつけながら武技を唱え雪崩を巻き起こした。

 

「〈武技・雪崩波〉!」

 

 このままでは雪崩に巻き込まれ、モモン一行は山を転がり落ちて失格だ。

 モモンは咄嗟に直線状に襲い掛かる雪崩に武技をぶつけ、敵の雪崩攻撃の威力を落とす。

 

「〈武技・炎滅撃波〉!」

 

 武技を唱え、炎を付与した双大剣を地面に叩きつけると、地面に炎が広がり直線状の炎の波紋となり、大半の雪崩を溶かしつくす。

 

「殿~。申し訳ないでござる。某、雪崩に巻き込まれ……て……」

 

 どうやら前線に出ていたハムスケは雪崩に巻き込まれ山頂を滑り落ちて行く、山から落ちた程度でどうにかなる装備は渡していない、雪崩の圧力で落ちてしまったが時間は掛かるが戻って来るだろう。

 まあ山頂から落ちたせいで死亡判定をハムスケは貰ってしまった訳だが。

 雪崩から守った魔術師組のニニャとナーベとソアは、次々に打ち合わせた魔法を唱える。

 

「《ナパーム/焼夷》」

「《インセンディエリ・クラウド/焼夷の雲》」

「《サモン・グレート・ファイアサラマンダー/偉大なる火蜥蜴の召喚》!」

 

 ニニャと死の宝珠が協力して第7位階魔法の《ナパーム/焼夷》で後ろで大弓を引いていたフロスト・ジャイアント達の足元から火柱が天空めがけて立ち上がり、何人か吹き飛び、吹き飛ばないまでも大弓を引けず、巨人達は両手で体に付いた火を消している。

 2手に分かれ、強襲をかけて来たフロスト・ドラゴン達がナーベの唱えた第8位階魔法の《インセンディエリ・クラウド/焼夷の雲》に突っ込み体を焼かれ、体を焦がしながら悲鳴を上げつつ元の場所に戻っていく。

 ソアが広場を半分覆いつくすような燃え盛る炎を纏わりつかした巨大な火蜥蜴を呼び出している。

 レベル60を超える〈グレート・ファイアサラマンダー/偉大なる火蜥蜴〉をフロスト・ジャイアント達とフロスト・ドラゴン達が怯え見上げる中、〈偉大なる火蜥蜴〉は、巨大な顔を巨人達に向けて口を開き、炎系に特化した為に身に付けた第10位階魔法の《ストリーム・オブ・ラヴァ/大溶岩流》を吐きつけた。

 熱く煮え滾る溶岩流がフロスト・ジャイアント達とフロスト・ドラゴン達を巻き込み、溶かしつくし骨にしていく、溶岩流を避けた者もいたが〈偉大なる火蜥蜴〉の体当たりで山頂から転げ落ちて行った。

 残るは、霜の巨人王ただ一人。

 

「どうする降参するか?」

「否!最後まで戦うぞ!おらぁ、〈武技・決闘宣言〉、〈武技・肉体向上〉、〈武技・白竜斬撃〉!」

 

 モモンの注意が、ただ一人残った霜の巨人王に引き付けられる。

 霜の巨人王の霜の降りた巨大な斧の大振りな一撃を、モモンは華麗に避け、霜の巨人王の足元に潜り込み武技を放つ。

 

「でかい体では避けれまい。〈武技・巨神十字斬〉!」

 

 モモンは上段の構えから天空の雲ごと霜の巨人王の右肩を割り、そのまま霜の巨人王の体を断ち割り大地を切り裂き、双大剣を大きく広げ交差して連続で巨大斬撃を繰り出した。

 空間を歪ませ切り裂き、十字の形を描く様に巨大斬撃によって、霜の巨人王の体を斬り飛ばしていた。

 霜の巨人王の切り分けられた肉の落ちる音が鳴り、雪原は血に染まり、先程の魔法で焦げて地肌が出ている所もある。

 

「さて、これで決着はついたな。審判」

「こ、これは、あまりにも酷い。モ、モモン殿のし、勝利です」

 

 腰を抜かしたフロスト・ジャイアントの審判は半ば泣きながらモモン一行の勝利を宣言した。

 

 まあ此れで圧倒的な勝利を見せつけたな、アインズ・ウール・ゴウン魔導国の使者として十分な成果だ。

 霜の巨人王が降参しなかったので倒したが、此処はアインズ・ウール・ゴウン魔導国の慈悲を示して置けば良いだろう。

 

「うむ、審判、そう嘆くな。アインズ・ウール・ゴウン魔導国の名に掛けて、戦いの死亡者は復活させてやろうじゃないか。ナーベ、ナザリックからペストーニャをシャルティア経由で呼び寄せ、負傷者の治療、死亡者は復活させてやれ」

 

 ペストーニャの手により斬撃によってバラバラに成った霜の巨人王、骨になったフロスト・ジャイアント達とフロスト・ドラゴン達が無事に生き返った。

 山頂から転げ落ちたハムスケやフロスト・ジャイアント達とフロスト・ドラゴン達もようやく山頂に辿り着き、ペストーニャの治癒が施されている。

 

「……復活か。アインズ・ウール・ゴウン魔導国だったか、お前も含めて恐るべき力を持つ国のようだ。属国にしてくれないか、モモン」

「……そういう属国とか、後で担当の者が此方に来るので其の人と話してくれ。さあ戦いに勝ったぞ、長老に合わせてくれ」

「ああ、いいだろう。こっちだ」

 

 モモンは霜の巨人王と御供の巨人達に連れられ、フロスト・ジャイアントの長老に会ってドワーフの国への入口を教えてもらい、フロスト・ジャイアントの案内人を付けられドワーフの国へと旅立つのであった。




・《ウォール・オブ・カウンターフロムアローズ/矢返しの障壁》
 オリジナル魔法
 《矢守りの障壁》の上位魔法、射撃攻撃を跳ね返す魔法。
 ただし魔法攻撃や魔法が付与された矢や投石器での岩は跳ね返せない。

・《インセンディエリ・クラウド/焼夷の雲》
 オリジナル魔法、第8位階魔法。
 火炎の雲を作り出す。
 元ネタはD&Dにある第8位階魔法《インセンディエリ・クラウド》です。

・《サモン・グレート・ファイアサラマンダー/偉大なる火蜥蜴の召喚》
 オリジナル魔法。
 レベル60を超える〈グレート・ファイアサラマンダー/偉大なる火蜥蜴〉を1体召喚する。
 燃え盛る炎が纏わりついている巨大な火蜥蜴を召喚する。

・〈武技・回転斬撃〉
 オリジナル武技
 回転して周囲の者に斬撃系のダメージを与える。

・〈武技・雪崩波〉
 オリジナル武技
 地面に武器を叩きつけ、雪崩を起こし直線状の範囲の敵を凍気によるダメージを与える。
 魔力と集中力を消費して発動する。

・〈武技・炎滅撃波〉
 オリジナル武技。前提:〈武技・武器魔法付与:炎系〉〈武技・撃波〉
 武器を地面に叩きつけ前方直線上に地面を這う炎の衝撃波を放つ武技。
 威力は炎を付与した武器を振り下ろした程度の攻撃力が出て、敵に物理ダメージと炎の力を付与したダメージを与えている。
 攻撃範囲は、原作で出た〈武技・空斬〉の飛距離ほどの長さの衝撃波を放てます。
 魔力と集中力を消費して発動する。

・〈武技・白竜斬撃〉
 オリジナル武技
 〈武技・斬撃〉の派生武技。付加効果として、冷気の追加ダメージを与える。

・〈武技・巨神十字斬〉
 オリジナル武技。前提:〈武技・巨神斬〉
 上段の構えから天空の雲を割り、大地を切り裂いた後、双大剣を大きく広げ交差して十字の形を描く様に連続で巨大斬撃を繰り出す。
 空間を歪ませて十字の形に、ありとあらゆる物を切り裂くといわれる。
 縦の攻撃からの横の攻撃なので相手は非常に避けづらい攻撃となっている。
 弱点は攻撃を繰り出す際に若干の力の溜めが必要な点、防御を固めた敵か避けられないほど弱った敵への攻撃が有効だ。
 魔力と集中力を消費して発動する。
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