オーバーロードと死の宝珠   作:NEBUSOKU

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ナザリック地下大墳墓の第五階層「氷河」

 大陸中央の決戦から戦闘参加国の吸収と属国化と後始末で1年が過ぎ、ようやく暇が出来た。

 軍師サーロが、吸収される国から出る反乱軍を軍略や何れ出る蜂起の兆しを謀略で壊滅させる事で魔導国に貢献していた。

 5大国の反乱全てを平らげてみせた手腕には脱帽だ、魔導軍は強い、だが〈エルダーコフィン・ドラゴンロード/朽棺の竜王〉キュアイーリム=ロスマルヴァーとの大戦で多くの兵員を失い、再編中で大した数を動員できない中での此の手際は素晴らしいというほか無かった。

 

「お前は良く働いてくれた。何が望みだ、私に出来る事なら叶えてやろうではないか?」

「はっ、有難き御言葉です。私の褒美は〈不死の指輪〉で結構で御座います」

「謙虚な事だ。〈不死の指輪〉を下賜するにしてもお前の褒美には足らないな。宜しい、お前には「命名」の儀式でレベルを上げてやろう。後で共に玉座の間に行こうか」

「はい、ありがとうございます」

 

 軍師サーロは、片膝を付き立派な角の生えた黒髪を揺らし答えた。

 〈不死の指輪〉を下賜して玉座の間で「命名」の儀式を行いレベルを上昇させて、軍師サーロのレベルは、「命名」の儀式によりミノタウロスの種族限界レベル50に到達しており、これは牛魔王ミダスに匹敵するレベルだが、戦闘職で無く、指揮官系の軍師職の為に其処までの強さでは無いが只の兵士なら片手で捻れるほどの力がステータスで手に入れられた。

 軍略や謀略に明け暮れていた所為か職業欄も、それっぽいので埋まり、ニニャの魔法《パーフェクト・ロアー/完全なる伝承》で触れて確かめて貰うと「グンシ」、「ハイ・グンシ」、「グンシ・マスター」や「コウメイ」、「ストラテジスト」、「ボウリャクツカイ」等々が並んでいるのが分かった。

 

 レベル50とは言え、此処まで極端に軍師の職業に偏った者は、此の世界では珍しいだろう。

 一層の働きを見せて欲しいものだ。

 

 アインズ達は1年のあいだ、山奥ダンジョンやナザリックの闘技場、カッツェ平野やエイヴァーシャー大樹海でのレベル上げ、属国となったバハルス帝国の武王に武技の手ほどきをモモンとなって教えて貰ったりと様々な経験を積み重ね、アインズはレベルが10上がり、ニニャと死の宝珠もレベルが上がっていた。

 アインズの職業レベルは「ハイ・プリミティブキャスター」が最高値の10レベルに達し、タレント〈貴秘雫〉を消費して使用回数の増えた〈流れ星の指輪〉に願い「プリミティブキャスター・マスター」を1レベル獲得して総合レベルは127、双大剣【世界意志(ワールドセイヴァー)】は、ユグドラシル時代の記録を抜き去りレベル230になっていた。

 これで使える始原の魔法は、更に30種類を超えアインズは竜に近づくが、アインズのままでという内容で〈流れ星の指輪〉に願っているので問題は無かった。

 

 此の世界では経験や事前の勉強結果によって取れる職業が変わる為に成りたい自分とのギャップに苦しむ者も居ると死の宝珠から聞かされていたので、アインズは頭に浮かぶ職業欄から選んでいたがナザリックのNPC達は出来ないかもしれないと考え、〈流れ星の指輪〉でどのような願いなら叶いそうなのかを死の宝珠やニニャと話し合って魔法《ウィッシュ・アナライズ/願い分析》を使い決めた後、一週間に一回しか使えないタレント〈貴秘雫〉を消費して使用回数の増えた〈流れ星の指輪〉に願っておく。

 

「〈流れ星の指輪〉よ、超位魔法《ウィッシュ・アポン・ア・スター/星に願いを》!、ナザリックに属する者達にレベルアップによる職業選択の自由が欲しい!」

 

 問題無く〈流れ星の指輪〉は光輝き、星は願いを聞き届けたのがアインズには分かった。

 早速、貯めた経験値を使い、論功行賞という事で玉座の間で皆に傅かれる中、階層守護者達やナザリックで働く者達に「命名」の儀式を行い、名前の後ろにレベル値を付け、レベル上げを行っておいた。

 コキュートスは「ジェネラル」を選び、魔導国で将軍職としてやっていく事を決め、デミウルゴスは「キング・オブ・ダークネス」を取り、アインズ様の御世継を作る時の「変身」の際に御手本になればと述べていた。

 他にもアルベドやシャルティアは、二人で話し合って「クイーン」の職業を取り、アインズの妻の座を狙うそうだ。

 セバスは執事としての職業を取り、自らの仕事に磨きを掛け、パンドラは演技に幅を持たせるために「アクター」の職業を選び、アウラはテイマー関係、マーレはドルイド関係の職をそれぞれ取っている。

 一般メイドの皆は、メイドの職業を選び、戦闘メイドのナーベラルやユリ、ルプスレギナ、ソリュシャン、エントマ、シズは戦闘系の職業を伸ばして、いざという時に戦えるようにしている。

 他の召喚生物以外のナザリックの者達も自らに関係ある職業をそれぞれ伸ばして喜んでいるようだ。

 最近加わったラナーは、「レジェンダリー・ジーニアス」とかいう一日に此の職業のレベル回数ほど全ての職業レベルを入れ替えられるというとんでもない職業を手に入れていた。

 つまり戦士系や魔術師系、神官系、鍛冶系、商人系、政治系など色々な職業になれる特殊な職業だ。

 前提条件で「ジーニアス」の職業を手に入れる事と職業を経験しないと駄目だと、ニニャの魔法《完全なる伝承》でラナーに触れて分かり、アインズも「レジェンダリー・ジーニアス」の習得を泣く泣く諦めたのだった。

 数日後、ラナーから吸収した5大国で新たなタレントを住民台帳を作る際に発見したと報告が入り、エ・ランテルの魔導王邸宅の謁見室に転移して報告を聞いた。

 有望そうなタレントかつタレント移譲に対する報酬も問題無いものを選び、早速《タレント・トランジション/異能移行》の魔法で相手からタレントを貰い、報酬を手渡しておく。

 目立つタレントは、タレント「ジーニアス」、職業のジーニアスと同等、自らの職業レベル最大5レベル分を別の職業に振り分けられる物だ。

 

 これがあれば「レジェンダリー・ジーニアス」の職業にも手が届くやもしれないな。

 後で検証が必要だろう。

 

 後の検証で魔法《ウィッシュ・アナライズ/願い分析》を使い調べた所、完全に同じ物では無いので〈流れ星の指輪〉でアインズ本人限定でタレント「ジーニアス」を改変して、職業レベル「ジーニアス」に変更する事で獲得が出来ると分かったが、まず職業レベル「ジーニアス」5レベル分と同等の効果を持つタレント「ジーニアス」の変換にはレベルを5レベル上げなくてはならず、先は長いと感じるのだった。

 次にタレント「クラフト」、料理や鍛冶や工作など自らの手で作り上げる物に補正が入り、綺麗に完璧に近く仕上がる物で、これはタレント「ジーニアス」との相乗効果が期待できる。

 まずタレント「ジーニアス」で職業を5レベル分ほど料理人に変えて、タレント「クラフト」の効果で料理すれば万人の目から見ても綺麗な料理で味も素晴らしい物が出来あがる訳だ。

 他は戦闘系のタレント「魔法威力増加」、「近接戦威力増加」、「遠距離戦威力増加」、「武技熟達度増加」などなどが手に入っていった。

 又、死の宝珠の助言通り、ネクロマンサーなどの魔法を訓練で使い続ける事で遂に職業「ネクロマンサー」などが「ネクロマンサー(レジェンダリー)」などの進化を遂げ、ステータスの増加と新たな魔法の獲得量の増加に繋がり大幅な強化になった。

 アインズの強化結果を受けて、ナザリックの皆は職業が(レジェンダリー)を獲得できるようにアルベドは暇を見つけて闘技場で訓練して、シャルティアやコキュートスは闘技場で普通に訓練し、デミウルゴスは闘技場で経験値が増大する首輪を身に付けて首輪を付けないシャルティアやコキュートスと比較する事でどちらが効率が良いかを計り、アウラやマーレやパンドラは最古図書館で知識を深めて自分の階層で魔法やスキルを試しているようだ。

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 死の宝珠が第10位階魔法を使いこなすようになり、他国を併合、吸収、属国化した事で魔導国は大陸での敵は居らず、ほぼ安泰となった。

 アインズは、ナザリックの宝物殿でパンドラとセバスと死の宝珠と共に内緒話をしようと宝物殿の外に戦闘メイドのシズを待たせていた。

 

「うむ、魔導国は安泰、死の宝珠も第10位階を収めたそうだな?」

『はい、その通りです。アインズ様』

「……うーむ。……その、だな」

「んんっ、アインズぅ様!ご用件は何でしょうか?」

「そうですね、アインズ様。何か心配事がおありなのでしょう?我々で解決できると良いのですか?」

「……ごほん、実はアルベドとシャルティアとの結婚の事で悩んでいてだな。彼女達が私を好きだという気持ちはシステム、分かりやすく言うと、そう運命づけられているのではと考えてしまってな。どうすれば良いのかと相談したいのだ」

 

 アインズが咳払いして話始めるとセバスとパンドラは互いの顔を見て、アインズに語り掛ける。

 

「お嬢様方をお待たせするものではありません!今すぐ結婚なされるべきかとっ!運命という船をアインズ様は乗りこなせると私は信じております!」

 

 パンドラが大仰な身振りで声を張り上げて言っている。

 まったく、大仰な身振り手振りは止めろと言って聞かせたのに、まあいい、それよりも結婚の方が大事だ。

 

「そうですね、運命かどうかは知りませんが御二方は結婚を待ち望んでおられる。アインズ様も御二人の事を憎からず思っておられる御様子、結婚なされるべきかと愚考致します。私は結婚しておりますが、下賜頂いた〈人化の指輪〉のおかげかツアレとの間に子が出来ましてね。実に幸せです、ドラウとの間にはドラウが人化せずに竜人の血を入れたいと願うのでまだ子が出来ておりませんが、カルネ村の錬金術師ンフィーレアさんにお願いして〈子宝の霊薬〉を開発して貰ったので今後に期待しております」

「ほう、ツアレとの間に子が出来たか。出産の際にはナザリックの救急メンバーを編成して迎えよう。知らせてくれよ。しかし結婚か、……うむ、私もアルベドやシャルティアの事を愛してるとも、二人とも相談に乗ってくれてありがとう。ところで死の宝珠よ、以前に頼んでいた「変身」の魔法は万全に使いこなせるか?」

『はい、アインズ様。魔法《パーフェクト・シェイプチェンジ/完璧なる変身》は、十全に儀式無しで使いこなせます。無詠唱で唱えますので私を御部屋の隅にでも置いていて下されば、後は機を見て唱えましょう』

「うむ、そうか。結婚の日取りは後程セバスに報せよう。一先ずはアルベドとシャルティアを玉座の間に呼び出して求婚するか、いや本人の居る所へ行って求婚した方が良いか?」

 

 後日、ナザリック地下大墳墓でアインズが自らの結婚式を執り行うとの事で各国の重鎮が集められた。

 転移する鏡を潜り抜けて来た客人が見たのは白銀の世界、そこは氷結した世界。

 壁や床、そういったもの全てが青みがかった氷から削りだされて、氷のシャンデリアが吊るされ、意外に柔らかな白色光が室内を照らしており、なぜか寒さを感じない氷の世界だ。

 赤い布が敷かれ、金の燭台が置かれた氷のテーブルには見た事も無い豪華そうな食事が置かれている。

 ナザリック地下大墳墓の第五階層「氷河」に存在する式典会場は、もし此処を出ても極寒の世界に紛れ込み、適切な装備品を持ち込んで無ければ凍結で死亡する事が確定してしまうので防諜の面もあり此処が選ばれた。

 式典が終われば此の部屋は埋め立てられる事も転移を使った移動を阻止する為の危険回避の為だ。

 列席者は、スレイン法国から漆黒聖典の第一席次と六色聖典のまとめ役レイモン・ザーグ・ローランサンが出席していた。

 漆黒聖典の第一席次は、黒い長髪を靡かせた青年で式典の為か貴族服に似た神官服を着込み、レイモンに話しかける。

 

「これは見た事が無いほどに凄いですね。この胸に付けられた水晶の薔薇を見て下さい。持って帰って良いそうですよ。それに旨そうな御馳走の数々、此の国の経済力は底なしですね。やはりプレイヤーでしょうか?」

「そうだな、誰もが成しえなかった大陸の平定。魔導国の友好国、同盟国、属国を含めると中立を保っている我が国の方が珍しいのだろうな。こんな事が出来るのは、プレイヤーしか居ないだろう。さて我が国は如何にすべきか……」

 

 広間の隅々まで届く拡声の魔法で拡大された声が魔導王と2人の花嫁の来訪を告げる。

 魔導王は白いタキシードに身を包み、両腕に花嫁達が腕を絡め、右隣りの花嫁は白いウェディングドレスを身に纏い腰から黒翼、頭から突き出した山羊のような角を生やし、微笑みを浮かべてアインズを見つめる姿は異形ではあるものの女神のようにも思える。

 魔導王の腕を絡める左隣の花嫁は紅いウェディングドレスを着込み、女性と言うよりはもっと年若く成人したばかり程度の年齢に見える銀髪の赤目の少女だ。

 少女は、女王の如く辺りを見廻すとアインズを見つめ可憐な少女の顔を浮かべる。

 3人は広間前方の席に着き、食事が開始され第一席次とレイモンは、はしたなくも旨さのあまり頬一杯に見事な料理の数々を詰め込んでいた。

 だが、その時に第一席次は見ては成らない物を見てしまう。

 

 各国に報せる為に結婚式を開いたが緊張するな、こんな事ならデミウルゴスの話は無視して内輪だけで結婚式をした方が良かったよ。

 まあアルベドやシャルティアのウェディングドレス姿は美しいし、見てて目の保養になるって物だ。

 2人共、アルベドが白妃、シャルティアが紅妃として別名を付け、対等として上下関係なく仲良くしようなと言っておいたんだが2人共争ってないか?

 

「だ、か、ら、先に御世継をこの手で抱えた方が上でありんす。大口ゴリラは黙るでありんす」

「なんですって!このヤツメウナギ、私の方が先にアインズ様の寵愛をより多く受け取って赤ん坊を作るのよ」

 

 アルベドとシャルティアの二人は席を立ちあがり、アルベドの両腕が白いウェディングドレスを引き裂き毛むくじゃらの猿のような手でシャルティアに掴みかかろうとし、シャルティアも紅いウェディングドレスを引き裂きヤツメウナギに似た禍々しいモンスター「トゥルーヴァンパイア/真祖」の姿を取り、大口から長い舌を出し、アルベドの掴みかかりを捌こうと手を振り上げる。

 

「止めないか2人共、《世界鎮静》!、まったく結婚式は中断するが客人達は御馳走を食べてゆっくりしたまえ、豪華な土産も用意してあるので是非持ち帰って欲しい。では私は二人を連れて自室に戻らせてもらおう」

 

 始原の魔法《世界鎮静》の効果でワールドアイテムを外していたアルベドとシャルティアは気勢を削がれて、すっかり元の姿を取り戻しアインズに謝っている。

 

「申し訳ありません、此の失態は命に代えてでも取らせて頂きます」

「申し訳ありんせん、処罰は如何様にでも取ります」

「いや、良いのだ。皆を呼んでの結婚式は私達には早すぎたようだ。さあ、来なさい自室に帰ろうではないか」

 

 転移で消える魔導王と魔導王に優しく腰を掴まれた2人の花嫁を見送り、スレイン法国の第一席次は口を押さえ、今見た者を思い返していた。

 

(あれは【ケイ・セケ・コゥク】を使ったモンスターに違いない。魔導王の花嫁だと馬鹿な、スレイン法国は魔導国に喧嘩を売ったも同じでは無いか。どうする、どうすればスレイン法国の滅亡を防げる?)

 

 やがて披露宴は食事会に変わり、土産を持って各国の重鎮達は帰っていた。

 次の日の朝、執務室の人払いをした中でアインズと死の宝珠はパンドラに怒られていた。

 

「加減ってものが無いのですか、父上っ!今、一般メイドが部屋の掃除をしていますが酷い物です。御二人は医務室に運び込んで治療中です。お嬢さん方は、あの様子では昼まで起きれませんよ」

「そのな、高レベルによる生命力と体力の差が悪く作用したのか生の体は加減が効かないみたいでな。つい羽目を外し過ぎてしまったのだよ。お前に勧められた本「夜の48手」も何周した事か覚えてないのだ。その二人にも謝らなければな、やり過ぎだった」

「「紳士の心得」の本の内容は、頭からスッポ抜けたようですね。父上!」

「すまん、我を忘れてしまった」

『申し訳ないです。アインズ様と2人の花嫁も喜んでいるので良い事かと普通の人間は多くても数回で打ち止めでしたね』

「はぁ~、生の体は加減が効かないのですか、此れからは父上を受け止められる花嫁を多く見つけないといけません!此のままでは2人共壊れてしまいます」

「そうか、花嫁を見つけるまでは寝室に呼ぶのは禁止としよう。流石に懲りたよ」

 

 その後、新たな花嫁というか妾に立候補する戦闘メイドや一般メイド達、5大最悪の拷問官ニューロニストがアインズの部屋に押しかけて今は募集してないと追い返す日々もあり、数日が経過した所、スレイン法国の使者の一団が現地の言葉で【ケイ・セケ・コゥク】、ユグドラシルの言葉でワールドアイテム【傾城傾国】を持参して属国化を御願いに来た。

 ワールドアイテム【傾城傾国】は、白銀の生地に天に昇る龍が金糸で刺繍されたチャイナ服で精神支配無効の者でも精神支配を与える効果があるのは、アインズの《オール・アプレイザル・マジックアイテム/道具上位鑑定》で鑑定して分かった。

 アインズは激怒しそうになり、属国化を申し出た使者の代表を殺そうとしたがアインズにも見えない緑の光がアインズの体を立ち昇り、たちまちの内に鎮静化してしまった。

 だが沸々と弱い怒りの感情が湧き出て来るのを煩わしく思いながら、紅妃シャルティアを呼び出す。

 

「シャルティアよ、お前を洗脳した者が分かったぞ、スレイン法国だ。どうやら手違いでお前を洗脳してしまったとかで、こうしてワールドアイテム【傾城傾国】を魔導国へ献上して戦争は嫌だから属国にしてくれと泣きついて来たのだよ。どうするかね、シャルティア」

 

 シャルティアは実際の洗脳の記憶は無く、恨みと言えばナザリックで皆にアインズ様に牙を向いてと言われたことぐらいが何よりも苦しいものだった。

 だがワールドアイテムを捧げられるなら、私の屈辱の日々も多少はマシになるのではと考え発言する。

 

「そうでありんすね、ワールドアイテムを献上してくるのは気に入ったでありんす。だけど其れだけで許すのは道理が通りんせん。スレイン法国の上層部は死刑という事でどうでありんしょう」

「ふむ、死刑か。それで如何かな使者殿」

「はいっ、私はスレイン法国の全権を委任されており、上層部は死刑と伝えます。速やかに実行されるでしょう」

「ほほう、……ふむ、スレイン法国の上層部は死刑、だが復活させないとは言っていない。もし復活したとしても元の役職ではなく引退して貰う事も書状に纏めておこう」

 

 こうして使者の一団は冷や汗で背中を濡らし、スレイン法国の上層部は死刑の後、復活して引退する事が決まった。

 アインズは、他にもワールドアイテムをスレイン法国が所持している可能性を考えるが、片方が白銀、もう片方が漆黒の色の奇妙な髪色をしたハーフエルフの少女アンティリーネの事を思い出し、階層守護者達にスレイン法国には手を出すなと釘を刺すことで、エルフの王を倒す為に共闘したりモモンとの決闘を止めて子作りを迫られた彼女への小さな借りを返すのだった。

 この後、スレイン法国は、比較的平和に魔導国の属国となるのであった。




・レジェンダリー・ジーニアス
 オリジナル職業
 ジーニアスと違い、一日に職業のレベル回数ほど全ての職業レベルを入れ替えられる。

・《世界鎮静》
 オリジナル始原の魔法
 周辺の対象を強制的に鎮静化させる。

・アルベドの真の姿
 シャルティア曰く「大口ゴリラ」。
 オリジナル設定
 読者間の考察では、真の姿はクトゥルフ神話の「ガグ」ではないかとされていると記述があり、此の小説では採用しています。
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