モモンとしてイビルアイ、ラキュース、アンティリーネとの結婚を承諾して、忍者娘のティアとティナそして戦士のガガーランを起こし、ササシャル遺跡のボスモンスターを倒した報酬としての宝箱の中身を回収して地上で宝物を奪おうと襲い掛かって来た冒険者擬き共を山の彼方まで吹き飛ばして魔導国王都エ・ランテルへの帰路に着いた。
「俺達が気絶してる内に結婚話が纏まるとはな。惜しいことしたな」
「鬼ボスが結婚。おめでとう」
「イビルアイと鬼ボスも結婚となると誰を愛でれば、ガックシ」
「皆さんも結婚式には参加して下さい。一夫多妻の結婚ですが私は婚約者達の女性を愛してます。決して不幸にするつもりはありませんから祝福してくれると助かります」
「おう、任せときな」
どうやらガガーランや忍者娘達も祝福してくれるようで何よりだ。
若干、女忍者のティアが不満そうだが女性を愛でるとか言ってるし、ほっとこう。
その後、魔導国王都エ・ランテルへ帰って来たモモンは冒険者組合長にササシャル遺跡の探索結果を話し、かつて他の冒険者に倒された大トカゲが復活していた事から時間さえ掛ければ何度も敵や宝物が戻るダンジョンなのではと持論を話し、最奥部の壁の向こう側にダンジョン用の管理用コンソールがありそうな気配を始原の魔法《竜感覚》で感じた事は黙っておき、自分の結婚式を開くので是非参加して欲しい件を話した。
「おおっ、モモンくんが結婚とは、めでたいな。まあ、モモンくんほどにもなれば複数の奥さんを持つのも珍しくは無い。貴族や富豪なんかは奥さんを何人も持っているしね。うんうん、結婚式には是非とも参加させてもらおう」
「ありがとうございます」
組合長に報告した後は、モモンが世話になった様々な組織に話を持って行ったり、ラキュースの実家の貴族邸にラキュースと共に挨拶に行ったり、アンティリーネが根城にしているエ・ランテルのスレイン法国支部にアンティリーネと顔を出したり、ナザリックで新たに嫁を3人取った事を宣言したりとアインズは忙しく走り廻った。
ナザリックでは、アルベドやシャルティアがアインズに新たに嫁が増えた事を喜んでいた。
アインズの夜の相手をするのは、2人では無理だったからで嫁が増えたなら以前のように倒れる事が無くなるのでアインズ様にまた夜の相手を御願いしたいと言っていた。
「ま、まあ、私もお前達の相手をする時には細心の注意を払おう。今度は前のようには、いかないだろう。ところでシャルティア、前の時は私の相手は辛くなかったか。ギルドメンバーのペロロンチーノさんが創り出した体とはいえ、お前の体は小さいからな。〈人化の指輪〉を授けよう、これで少しでも成長すれば吸血鬼に戻っても成長したままだろう。なに、ペロロンチーノさんが戻って来る事があれば私の〈流れ星の指輪〉を使用して成長した姿を元の少女姿に戻してやろう」
「私の体を気遣って頂いてありがとうございます。この指輪は大切にするでありんす」
シャルティアが微笑んで指輪を大切に胸に押し頂いてると、アルベドが悔しそうな顔でアインズに言い募る。
「御願いします。私にも〈人化の指輪〉を下さい」
「お前は、そのままでも十分に美しい。人に成る事は無い、今度、鍛冶長に頼んで綺麗な指輪でも創って貰って私がお前の為に指輪に魔法を付与しよう。これで我慢しておくれ」
「うふふっ、私の為の魔法の指輪、とても嬉しいです」
結婚式は王都エ・ランテルのアインズ・ウール・ゴウン教会で神官サルビアさんの手により行われた。
沢山の人々に祝福され、3人の花嫁も嬉しそうに笑っている。
ラキュースは白いウェディングドレスを着てモモンの右側にイビルアイは事前に渡した〈人化の指輪〉を嵌める事で人間と成り、仮面を外して可憐な顔を晒し、紅いウェディングドレスを着てモモンにお姫様抱っこされていた。
アンティリーネは黒の模様が入った白銀のウェディングドレスを着てモモンの左腕を抱いている。
新郎であるモモンが代表して皆の前で声高らかに宣言する。
「本日、私たち、モモン、イビルアイ、ラキュース、アンティリーネは皆様の前で結婚式を挙げます。これから私たちはお互いを思いやり、励まし合い、喜びを分かち合い、冒険者生活を互いに助け合う事を誓います」
大勢の拍手と歓声に包まれ、モモンの結婚式ということでモモンから街中の酒場や食事処や出店に御金を存分に払われ、今日限りは幾ら食べても飲んでも「モモン様万歳」と言えば無料ということで街中の人々が様々な食事や酒を楽しみ、偶々立ち寄った商人や護衛の方々も大いに飲み食べたという。
こうしてモモンの結婚式は終わり、一夜明けて、花嫁がベッドで撃沈する中でモモンは人化を解除して髑髏姿に戻り、自らに幻術を掛け見た目は人の姿を取り、漆黒の全身鎧を着込んでイビルアイの裸体にシーツを掛けて抱っこしてあげた。
「……あ、モモン様」
「今、イビルアイさんの〈人化の指輪〉は外してあります。以前イビルアイさんに自分は負のエネルギーで回復できると聞いたので、魔導王の骸骨姿の体には負のエネルギーにも似た波動が溢れてるとか、とある人物?物体?に聞きましてね。生命力は負の魔法で回復しましたが精神力は回復できませんから少しでも回復できればと、如何でしょうか?」
「ええ、なんだか頭の奥からスッキリと淀みが消えて行くような感じがします。魔導王の姿にそんな効果があるとは思いませんでした。いつもは墓所や霊廟などの負のエネルギーが充満する所で休息をとって魔力を急速に回復させていたのですが、流石、モモン様、あっいや、アインズさま?」
「この漆黒の全身鎧を着込んでいる時はモモンで良いですよ。精神的にも回復出来て良かったです。〈人化の指輪〉はお貸ししますので付けられた方が良いですよ。その少女の体では私の相手はキツイでしょうから、指輪を長年付けていれば体も成長していくでしょうからね。ラキュースとアンティリーネの二人には生命力回復とスタミナ回復の霊薬を飲ませましたが精神力は自然回復を待たなければいけません。今、二人は体を綺麗に拭き清めて安静にして寝かせてありますよ」
こうしてモモンはイビルアイに実は死の宝珠と言うインテリジェンスアイテムを所持していまして其れの話で私の体に負のエネルギーに似た力があるのではと今回、試してみましたとお喋りを楽しみながら、負のエネルギーに似た力をイビルアイに充填してあげる事で、一足早くイビルアイは元の調子を取り戻した。
まあ少女の姿では俺の相手をするのはキツイだろうってのは、シャルティアにも言ったんだけど重要な事だからな。
その後、ナザリックに戻り、アルベドとシャルティアを寝所に呼び寄せて充分に2人の体調に気を付けて、半日を使い、二人ともにベッドで気絶しているようだがナザリックの医療班に見せても2人の体調に問題無い所まで自制する事に成功した。
今後は、5人の嫁と共に過ごす事になるだろう。
その内、アルベドやシャルティアにも地上のイビルアイとラキュースとアンティリーネを目通りさせておく必要があるが、まあ全員の予定を聞いて会談日を決めておくか。
とある拠点攻略の為、数か月の間、アインズはナザリックの闘技場での戦いやモモンになって冒険者組合の掲示板の討伐の仕事を請け負いレベルを上げていた。
おかげで死の宝珠やニニャもレベルが上がり、なんとニニャは職業レベルの魔法使いでは死の宝珠を越えてレベルが上昇して、第10位階の魔法ですら幾つも覚える程に成っていた。
だが死の宝珠の総合レベルが81、ニニャが総合レベル77に達しても2人共に超位魔法は憶えなかった。
超位魔法は、70レベルを超えると、10レベルごとに超位魔法の使用回数が一回ずつ増えていくというスキルの様な魔法の筈なのにだ。
『超位魔法は「ぷれいやー」のみが覚えるのやもしれません。此の世界では物語上でも使用例は「ぷれいやー」のみが超位魔法を使用しております』
死の宝珠がニニャや自分達では、アインズと世界の理が違うので超位魔法が覚えられないのでは言われ、アインズもNPCは基本的に超位魔法を使えない事を思い出す。
しかし代価を払う代わりに超位魔法を使えるクラスがあるので、そのクラスをNPCに取らせることで使用させることはできる筈だ。
ただし、発動できる種類は少ないというデメリットが存在するのと、わざわざ階層守護者に超位魔法を発動させる時間を取らせるナザリック攻略者の集団はおらず、階層守護者が現れれば即戦闘に入ってしまい超位魔法の発動時間が中断されて役に立たないと判断されたので取らせていなかった。
「ふむ、ニニャは今はアンデッドだが元は冒険者、死の宝珠も知性あるアイテム、NPCとは呼べないな。世界の理の違いは少ないと言えよう。お前達には強くなってもらう必要が有る。〈流れ星の指輪〉で消費する経験値も少なく済むだろうし、お前達2人は、私のタレント〈貴秘雫〉を消費して使用回数の増えた〈流れ星の指輪〉を使用して超位魔法を使えるように叶えておこう。」
死の宝珠とニニャの2人に超位魔法を覚える下地を〈流れ星の指輪〉で創り上げておき、二人には最古図書館で何の超位魔法を覚えるのかを考えさせておいた。
闘技場や冒険者の討伐などで鍛え上げたアインズのレベルが137と成り、「レジェンダリー・ジーニアス」の職業レベルは最大の5となり、最大レベルまで上がった事で〈特殊技術/スキル〉で回数制限なしで何回でも職業を全て入れ替えられるようになった。
アインスが装備した双大剣【世界意志(ワールドセイヴァー)】のレベルが330となり、レベル300を超えた時点で持ち主が装備して双大剣を抜き放った時に魔法を付与していないのに双大剣の刀身が光輝くようになった。
ナザリックの鍛冶長によると光輝く刀身には武器としては最大級の上昇効果が十数個も掛かっており、代表的なのを述べると。
「属性無属性、最高位魔法効果、物理障害に対する斬撃効果200%向上、物理ダメージ50%向上および一時的効果+100%、非実体に対し300%のダメージ効果、クリティカル率50%向上など」
と破格の性能を誇っていた。
ナザリックの鍛冶長によると持ち主が望めば生命力や精神力などを代償として更なる力も引き出せるとか実に楽しみだ。
拠点攻略の為の準備時間にアインズが自らの装備品を創り上げる為に、パンドラにギルドメンバーの「あまのまひとつ」さんや「武人建御雷」さんに変身して貰い、ナザリックに眠っていた未完成の武器を鍛え上げる為に鍛冶長とパンドラと協力してアインズが鍛冶ビルドに入れ替えて武具を創り上げていった。
ナザリックの食堂では料理長のシホウツ・トキツに弟子入りして、肉体強化用の上昇効果が数多く入った弁当を料理ビルドに入れ替えて創っていく。
最古図書館では死の宝珠の意見を聞きながら、魔法を組み替えて新たな魔法を開発していった。
万全の準備を整え、ナザリックの玉座の間で階層守護者達と其の精鋭達とニニャが色を変えた黒宝珠の杖を握り、ナザリックでアインズが創り上げた鳥仮面の装備一式を身に付けて片膝を付いて見守る中、アインズは豪華なローブに漆黒に金飾りが付いた重装鎧を着込み宣言する。
「これより我らナザリック地下大墳墓の精鋭をもって、リ・エスティーゼ王国より遥か南方の砂漠の真ん中にあるとされる浮遊都市エリュエンティウの攻略を開始する。かつて八欲王が作り出したとされる浮遊都市の事だ。此処にはナザリックの諜報部隊でも都市全域が魔法的結界に包まれており入れなかった。だが予め作っておいた人間の諜報部隊、ナザリックに服従した女頭領ティラ率いるイジャニーヤが様々な情報を手に入れている。皆に渡した資料の内容がそうだ。天に浮かぶ都市の城には、桁の違う魔法の武具を装着した30人の都市守護者なる人物達がおり、この都市には八欲王の残した超級のマジックアイテムがあるそうだ。浮遊都市エリュエンティウの攻略の件は、竜王ツァインドルクス=ヴァイシオンからも了承を得ている。既に都市守護者達は、精神に異常をきたし始めており、いつ魔神化して周辺を地獄に落とすかとヒヤヒヤしていたそうだ。我らで奴らに引導を渡してやり、浮遊都市エリュエンティウを我が手に!」
階層守護者達が歓声を上げ、戦意を露わにする。
アインズは、セバスに予め作っておいた弁当を配らせて、アインズも一時的に人化して弁当を楽しみ、皆が弁当を食べて肉体強化や精神強化の上昇効果が隈なく行き渡ったのを見て満足する。
予め転移する場所を見ておいたアインズが《ゲート/転移門》の魔法を唱え、球体の闇の扉を作り出される。
闇の扉を潜り抜け、アインズ達の階層守護者達が率いるナザリック精鋭部隊は砂漠の真ん中に辿り着く。
すぐ傍には、巨大な都市の上に浮遊する都市と其れを統括するであろう城が浮かび、浮遊する都市から下の都市に向かって綺麗な水が滝のように何本も流れていた。
アインズ達が率いる精鋭部隊の近くで、白く光輝き転移してくるのは「白金」のツアーだ。
精鋭部隊が武器を向ける中、敵意は無いと示すように実は伽藍洞の鎧の両手を軽く上げている。
「アインズ、来てくれて嬉しいよ。浮遊都市エリュエンティウの攻略には私も参加させて貰おう。この姿では後方援護になるが構わないよね」
「皆、武器を下げよ。ツアーは協力者、いわば同盟関係にあるともいえる。協力には感謝するが攻略の報酬には期待しないで貰おう。それで良いなら受け入れようではないか」
「ああ、それで良いとも。なんせ無理を言って、浮遊都市エリュエンティウの攻略をアインズに勧めたのは私だからね」
ナザリックが誇る精鋭部隊、コキュートスは甲冑を着込んだ直立するクワガタやカブト虫達や〈フロスト・ヴァージン/雪女郎〉達を率い、アウラはモモンが冒険の旅で捕まえてアウラが手懐けた不死鳥や黒鱗の巨大飛竜と多くの魔獣達を従えて、マーレは成長して竜程の大きさになった世界を滅ぼす魔樹「ザイトルクワエ」の子供を数体と課金ガチャで非常に低い確率で手に入れたレベル90に近いマーレのドラゴンを連れて、デミウルゴスが引き連れた80レベル台のモンスターの〈イビルロード・エンヴィー/嫉妬の魔将〉、〈イビルロード・グリード/強欲の魔将〉、〈イビルロード・スロウス/怠惰の魔将〉、〈イビルロード・ラース/憤怒の魔将〉、皆の世話係として戦闘メイド「プレアデス」を統括するセバスがアインズに続き、浮遊都市エリュエンティウの地上の都市へとアインズが手を近ずけるが、激しい光と共にアインズの手が弾かれる。
「ふむ、これが都市を守る魔法的結界か。此れまで誰も敵意あるモンスターを近づけなかったのも頷けるが、私にとっては此の程度の結界、紙を破るようなもの。全ての結界よ、我が前に開け。始原の魔法《世界解錠》!」
至高の領域まで高められた始原の魔法《世界解錠》により結界を閉じた空間として解き放つ。
ガラスが砕けるような音と共に結界が罅割れ、結界を構成していた七色の欠片は砕け落ちて行く。
アインズ達は、此の世界で史上初めて敵意ある者として浮遊都市へと足を踏み入れた。
・超位魔法について
オリジナル設定
この小説では、超位魔法はプレイヤー専用という説を採用しています。