山賊砦の山賊討伐から、いくつもの依頼を解決に導き、ニニャと死の宝珠はレベルアップして、ニニャが第3位階、死の宝珠は第6位階までの魔法が使えるようになっていた。
アインズもニニャがワールドアイテム【強欲と無欲】で貯めていた経験値を使い、レベルは102となっていて、ナザリック・キング(エクスキューショナー)の職業レベルがレベルアップしてスキルも獲得していた。
ナザリック地下大墳墓の玉座の間にてアインズと死の宝珠は、ギルド武器であるスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンに幻術を教え続けて、ようやくギルド武器が人の姿を取る事ができるようになった。
ギルド武器の人の姿は、まだ位階の低い幻術で創られているせいか触ると擦り抜ける以外は実際の人にしか見えない出来栄えだった。
容姿は、金色であるスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンに合わせたのか金色の長い髪、髪には様々な色の宝石がついた頭飾り、ぱっちりした大きな金色の瞳、白い肌の10歳ほどの女の子が白いワンピースを着た姿だった。
「大人の女性に成れないか?あと、なんで女性なんだ」
アインズが聞くと魔法無詠唱化した《メッセージ/伝言》でスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンからの返事が来た
(成れるけど幻術で体を大きく創るのは疲れるから無理です。あと、女性じゃないと宝玉に対応した頭飾りがつけられないからです)
「……そうか、なかなか良い出来ではないか。体は後で人形を用意させよう。それに幻術を掛け、《サイコキネシス/念動》で動かし《フローティング・アイ/浮遊する目》、《フローティング・イアー/浮遊する耳》《フローティング・ノーズ/浮遊する鼻》《フローティング・ハンド/浮遊する手》で視界と聴覚と嗅覚と触覚を飛ばしてやれば普通に活動できるな。人形に魔法を中継させるアイテムを付けないと長旅はできないか、パンドラに良いアイテムがないか聞いておこう」
「さあ、各階層守護者に御披露目に行こうか。付いて来てくれ、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンよ」
各階層へ幻術で創った姿を御披露目して帰ってきた。ナザリックにいた守護者達は可愛らしいとか可憐だとか褒めてくれたのでアインズの感性は間違っていなかったようだ。
パンドラにギルド武器の幻術に使うので人形と魔法中継用アイテムを探しておくように言っておいたので、これで後は修練を積めば私達の冒険者稼業にも着いていくこともできるだろう。
スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンは幻術の出来映えを褒められたのが嬉しいのか機嫌が良いようで宝玉を光輝かせて、ぷかぷか浮いている。
「さて、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンよ、……名前が長いな、何か良い略称とか愛称とか付けないと言いにくいな。死の宝珠よ、何か案はないか?」
『略称で良いのなら頭文字ではどうでしょうか?スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンですので【SoAOG】と成りますね』
「【SoAOG】か、とすれば頭文字の3文字使ってソアというのはどうだ?スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンよ」
(はい、とっても良いです。これからは私はソアです)
「そうか、気に入ったか。ただしこの名称は愛称だ。正式名称はスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンであることを忘れてはならないぞ」
(はい、アインズ様)
「さて、そろそろ昼ご飯の時間だな、私は自室に行くのでソアは魔法の自習をするように、ニニャと死の宝珠は付いて来い」
アインズ達は、第九階層「ロイヤルスイート」の荘厳と絢爛さを兼ね備えた階層に辿り着いた。
見上げるような高い天井にはシャンデリアが一定間隔で吊りさげられていて、広い通路の磨き上げられた床は大理石のように天井からの光を反射して輝いているようだった。一般メイド達の掃除の徹底ぶりが窺い知れる。
自室の前に着くとアインズ私室の警備兵達と一般メイドの金色の髪をしたシクススと他二人の一般メイドが待っていた。シクススが食事の際の憑依先を行うことになっている。
一般メイドにとってアインズの憑依先となることは、アインズ様の食事当番と言われ、主と一体に成れる気がするとの事で大人気だったので、他二人の一般メイドに羨ましそうにシクススは見られていた。
「アインズ様、御待ちしていました。今日の御昼のアインズ様の食事当番のシクススです。御任せ下さい」
「うむ、頼んだぞ」
アインズは、一般メイドから料理の説明を受けた後、死の宝珠の《ポゼッション/憑依》によってシクススと成り、食事を楽しんでいた。
美味い、実に美味しい、この分厚い肉の旨味を通り越して甘みを感じる味、噛み締めると肉が嚙み切れる柔らかさ。スープも野菜と肉が入っていて食べるたびに思わず笑みが零れる美味さだ。パンには、たっぷりバターが練り込まれていて、焼き立てのパンは暖かくバターの香りが鼻腔をくすぐる、しっかり噛み締めると小麦のほのかな甘さとバターの旨味が口の中で合わさる一品だった。
食事を終え、今は御茶を食後のデザートと共に味わう時間だ。ニニャも食事を終えたようだし冒険者活動の今後を決めようか。
シクススと成ったアインズは、御茶を飲みつつ、その可愛らしい声でニニャと死の宝珠に語り掛けた。
「さて、御茶を飲みつつで良い。これから冒険者活動で金、つまりユグドラシル金貨でなく此処の金をどう稼ぐべきだと思う」
「アインズ様、エ・ランテルでは、もうそろそろ御金稼ぎは無理じゃないでしょうか、王都で稼ぐ所が有るか他国で稼ぐかしか無い気がします。他国なら竜王国かローブル聖王国が良いかと思います」
『アインズ様、単に稼ぐなら魔法を試してみては如何でしょうか?冒険者活動は名声のみに絞っていけば良いと思います』
シクススと成ったアインズは、思案を巡らせて、どうすれば金を稼げるかと小さな顎に手を当てて考えて、皆の意見を聞いていた。
エクスチェンジ・ボックスの実験の為に様々な物を買い漁っているし、セバスや他にも活動資金を必要としている下僕がいるので家計が火の車なのだ。
「ニニャの意見はもっともだ。そろそろ場所を変えるべきだろう。死の宝珠は魔法で稼ぐと言ったな、どの魔法で稼ぐのだ?」
『はい、紙作成の魔法を改良して最上級の紙を創り出したり、石作成や土を低位の金属等に変化させる魔法や鉱物を生み出す魔法を取得して改良すれば、この世界で価値のある金属、例えば宝石だったり金や銀を創り出す等が、今は思い付きます』
「ほほう、最上級の紙はできるだろうが労力の割に金には成りそうもないな。だが鉱物を生み出す魔法の改良で宝石等を生み出すのはできそうだな。……死の宝珠よ、石作成と土を低位の金属等に変化させる魔法と鉱物を生み出す魔法を取得し改良せよ」
『はっ、アインズ様、お任せください』
アインズは、時間経過で魔法が解けたので御茶を終え、シクススに礼の言葉を言ってから玉座の間に戻り、ソアの魔法を死の宝珠と見てやりながら夜は、夕食後に執務をして、朝食後に冒険者組合に一行を連れ掲示板を見に行った。
うーん、そろそろエ・ランテル周辺じゃ御金稼ぎが厳しくなってきたな。〈ゴブリン/小鬼〉や〈オーガ/人食い大鬼〉、それに〈トロール/妖巨人〉の群れの討伐ぐらいしか無いぞ。
アダマンタイト級の冒険者用の依頼がニニャに聞いた範囲じゃ見つからないぞ、かと言って少し安めの依頼を受けちゃうと他の冒険者の迷惑になってしまうだろうし、やっぱり他の冒険者の顔は立てたげないとな。
宿代も黄金の輝き亭を使っているせいか飛ぶように無くなるし、かといってアダマンタイト級の冒険者が安宿を使う訳にもいかない。
なんといってもアダマンタイト級の冒険者、花形の立派な人となりを世間は評価するだろうし、ああ、高級車を乗り回していた重役の気持ちが分かってくるとはな。
モモン達一行が掲示板を眺めてから受付で依頼を請け負っていると、受付嬢から組合長から依頼があるので2階の組合長室に来てくださいと言われ、組合長室にノックをして了承を得てから一行は入って行った。
「よく来てくれた、モモン君」
「アインザックさん。冒険者組合の長、貴方じきじきに依頼があると受付で聞いたのですが」
「ああ~、その件なのだが立って話すのも何だ。さっ、モモン君と御一行、ここに座ってくれたまえ」
「ささ、遠慮せずモモン殿上座へ」
「ラケシルさん、冒険者組合長と魔術師組合長の御二人を前に上座など」
「かまわんともさ、ささっ遠慮しないで」
「君たちは、何か飲み物はいるかね」
「ああ、それは結構。請け負ったゴブリンやオーガ、それにトロールの群れの討伐に赴かなくてはなりませんので」
「そ、そうかね。うーん」
ああ、そういう事か。いわゆる面倒ごとだな。
エ・ランテル周辺じゃ御金稼ぎが難しくなってきたけど、これは儲ける機会が回ってきたという事だな。腕が鳴るな、レベルアップもしたし、新スキルも実戦で試したかった所なんだ。
「どうぞ、御話をお聞かせください。場合によっては、そちらを優先させましょう」
「それは心苦しいが」
「いえ、お気になさらず」
「そ、そうか。なら、実は北に広がるトブの大森林の中に特殊な薬草が生える場所がある。非常に効能高くどんな病も癒せると言われる物だ」
「ほう」
ほーう、どんな病もか、それはそれは。
依頼品として半分を渡して、ナザリックで残り半分の薬草を栽培すれば良いのでは?
希少な薬草の販売事業というのは金稼ぎに使えるのではないだろうか。
それともカルネ村に送ったンフィーレアやリイジーにポーションを作成させてみるのも良いかもしれないな。
「それを持ち帰って来て欲しいんだ。なぜそれが必要かは聞かないでくれると有難い」
「守秘義務ですね。なるほど、了解しました。早急に手に入れましょう」
「だが非常に困難な依頼だ。じっくりと腰を据えて行ってくれても構わない。準備に多少時間が掛かっても仕方がないからね」
「それほど時間が掛かる仕事とは思えませんね。どこに生えているか捜索せねばならないとすると多少苦労するとは思われますが」
「いや、薬草の生息地は既に判明しているのだが」
「ならば」
「モモン君の強さは十分に承知している、しかし、これは非常に危険な仕事なんだ。かつて、この仕事を熟したのは30年前、今は引退してしまったアダマンタイト級の冒険者チームのみ。それも同時にミスリル級冒険者チームを2つ同行させてやっとというレベルの仕事なんだ」
「もし、モモン殿に何かあったら昨今類を見ない大英雄を失ったら、それは人類の大きな損失になってしまう充分に注意を払ってもらいたい」
「なるほど」
確かにな、未知の多い世界で油断は致命的な何かをもたらす可能性がある。シャルティアを支配した謎のワールドアイテム保有者の正体も分からない。
ただ、それほど危険と思われている仕事を熟せば、この仮の姿、モモンの知名度は、より一層高まるだろう。
だからこそ、ここは傲慢な態度で請け負うべき。
昔のサラリーマンの先輩も言ってたし、モモンの知名度をぐんと上げる為だ。
「問題は無い。そうゆう事です」
「モ、モモン君」
「アインザック組合長、この程度、容易く熟せます」
「しかしモモン君、これはアダマンタイト級冒険者が……」
「アダマンタイト級の冒険者もピンキリだと思われませんか」
「確かにその通りだ」
「ラケシル」
「認めるべきだろう、アインザック。あの戦場跡を思い出すべきだ。あれほどの戦いに勝利する此の方の力は我々の想像を超える。モモン殿、あなたには自信の根拠があるのだろう?」
「フッ、私が騎乗している魔獣を思い出してもらえますか」
「森の賢王、なるほどトブの大森林内で伝説とまで言われていた魔獣であれば森の踏破も容易い」
「そうでなければ、さすがに私もここまで語ることはできませんよ」
まあ、本当の切り札は他にあるけどね。
トブの大森林で私達だけなら人目を気にせずにナザリックから人が呼べるしな。
「よし、ではモモン君が引き受けた仕事は誰かに廻すように手配し……」
「その必要は有りません」
「はっ、いやしかし」
「今受けている仕事はナーベに任せ、私達が薬草の方に……」
死の宝珠が魔法無詠唱化した《メッセージ/伝言》で連絡してきた。
(死の宝珠です。モモン様、トブの大森林では何が起こるか分かりません。念の為にナーベさんも連れていったほうが宜しいかと)
ふむ、アウラからの連絡ではトブの大森林での脅威度は低いはずだが念の為ね。
シャルティアの件もあるし注意するに越した事は無いか。
「いや、やはり全員で行きましょう。アインザックさんの御注意もあることですし、万全の状態で臨むべきです。申し訳ないが引き受けた仕事は誰かに廻すように手配して頂けますか?」
「ああ、もちろんだとも」
「では、薬草の件、詳しい話をお聞きしましょうか」
モモン達は、その後薬草の詳しい話を聞き、注意事項なども聞き入れて冒険者組合を離れた。
モモン達は、荷造りをしてエ・ランテルを離れ、人目を気にする必要がない場所まで来ると《ゲート/転移門》を開き、カルネ村まで転移した。
カルネ村では、土木作業に〈ストーンゴーレム/石の動像〉を運用して、高く頑丈な塀を村全体を囲うように建てている。
周囲では絶えずに釘を打つ音、塀用の木杭を地面に打ち込む音が聞こえていた。
村長に挨拶して、今は、村の外れで周囲に誰も居ない事を確認してルプスレギナ・ベータと話していた。
ルプスレギナ・ベータは、褐色の肌をして、髪型は三つ編みで帽子を被ったメイド服にシスターが着るような修道服を合わせたような服を着込んでいる。背中には聖印を象ったような巨大な武器を担いでいた。
「ルプスレギナ、村には異常なしか」
「はい、異常ありません。モモン様」
『ルプスレギナ様、此処はナザリックでは無く、今は誰も見ていません。モモン様は、冒険者なのですから砕けた話し方でも宜しいのでは?』
ちらっとこちらを伺うルプスレギナに、モモンは、いいぞと意味を込めて片手を上げて親指を立ててやった。
ルプスレギナは、にかっと笑いながら人懐っこく明るい感じで話しかけてきた。
「いやー、あの話し方は疲れるので助かるっす。TPOは弁えているのでナザリックでは真面目に振舞いますよ。それでモモンさんとナーベちゃん、ニニャちゃんは、何故この村に来たんです。さっきも言ったように別に村に異常なしですよ」
「ああ、それはね。ルプス、このトブの大森林の奥にモモンさーんの探す特殊な薬草があるらしいの」
「うむ、その通りだ。ついでにカルネ村の土木工事の進捗も見ておこうと思ってな」
「はーい、わかったっす」
『ルプスレギナ様、村の周囲に危険なモンスターは居ませんか?村人を害するようなモンスターです』
「そうっすね、トブの大森林で〈西の魔蛇〉、〈東の巨人〉なんかが色んなモンスターを率いているみたいっす」
いや、いんのかよ。もっと村の安全の事を考えて!
モモンは頭を抱えて、いや村の重要性とバレアレ家のポーション作成がナザリックに重要である事を今まで教えていなかったな。これは俺が悪いのか。
「カルネ村は重要な場所だ。我らが最初に友好を築いた村で今失うのは惜しいのだ。ンフィーレアやリイジーは我らにはできない、この世界独自のポーションを作成させている。彼らも我らに忠誠を誓った身、いわばナザリックの者といえよう。そして今回の冒険で入手予定の特殊な薬草で、この村に引っ越してきたンフィーレアやリイジーにポーションを作成させてみるつもりだ。重要度は、バレアレ家の安全を確保するのが1番、次にンフィーレアが親しくしているエンリの家族の安全が2番、最後に村の安全を確保するのだ。今後は、上司に報告、連絡、相談をするようにしなさい。ルプスレギナと我らの間との意見の擦り合わせが必要なのだよ」
「そうっすか、てっきり村が滅びるのを見てなさいって事かと思ってたっす」
「……わかって貰えて嬉しいよ」
トブの大森林でカルネ村の安全の為に〈西の魔蛇〉と〈東の巨人〉を討伐しないとな。
待て待て、森の賢王ことハムスケみたいに話が通じる可能性もあるな、まず話をしてみるか。
モモンは、懐から木彫りの人形を取り出して落とした。
「殿、何か落としたでござるよ」
「気にするな。その木彫りの人形自体には何の価値もない。私達は、これで転移してきた、という言い訳の為のアイテムだ」
「転移、言い訳、ん~、よくわからないでござるが、わかったでござるよ。それで殿、このまま、それがしの背に乗って森の中を目的地まで向かわれるのでござるか」
「そうなるな、ハムスケ。ここに来たように転移を使って一気に向かいたいのは山々だが、見たことのない場所には残念ながら転移はできない。誰かを送り込んで、そこを〈ミラー・オブ・リモート・ビューイング/遠隔視の鏡〉を使って目にして転移するという方法も無いわけではないが。まあ、お前を頼るとしよう」
「おお、殿。このハムスケにお任せ下さいでござる。ただ、それがしも、かつての縄張りであれば問題無く案内できるでござるが、そこから先は、ちょっとだけ不安でござる」
「ああ、分かっている。例え地図があるといってもかなり昔の物だし、これを頼りに向かうのは不安があるな」
「そうでござるか」
「だが、大丈夫だ。完璧な道案内を呼び出している」
「むむむ、もしかすると此の前会ったダークエルフの方でござるか?」
「ああ、マーレか。いや惜しいが違う、あれの姉にアウラというのがいるんだ。彼女の力を借りる」
「おお、なるほどでござるよ。あの御方なら大丈夫でござるな」
「ん、アウラに会った事があったか?」
「一応、ナーベラル殿に守護者の方々に面を通させて貰ったてござるよ」
森の奥から走ってくるダークエルフの子供、声の高さから女の子ということが分かる。
第六階層守護者のアウラ・ベラ・フィオーラだ。
アウラは、金色の髪を肩口で切りそろえ、瞳は緑と青のオッドアイでマーレと逆になっている。耳は長く尖ってやや上向き。上下に革鎧を装備し、さらに赤黒い竜王鱗を使ったぴっちりした軽装鎧をまとっている。その上から白地に金糸の入ったベストと長ズボンを履いていた。
ナザリックから走って来たのだろうが、レベルによる身体能力の高さから息も切らしていない。
「アインズさまー、お呼びに従い参りましたー!」
「来たか、さてハムスケ進め、アウラの元へ。ルプスレギナよ、ではまたな」
「はーい、皆さん薬草探し頑張るっすよ」
「森へ向かうでござるな。了解でござるよ」
モモン達一行は、アウラの居る森の奥まで行き合流した。
アウラは、目をキラキラさせてモモンと一緒にいるのが嬉しいのが良く分かる、犬であったなら尻尾が千切れんばかりに振っている事だろう。
モモン達は、アウラに地図を見せ木々が枯れた場所と分かり、夜遅くまで案内してもらって、休憩の為にアイテムボックスから取り出した拠点作成系アイテムのハムスケも休める魔法のコテージ、〈グリーンシークレットハウス〉により休む事にして中に入った。
だが〈グリーンシークレットハウス〉に近づく影に気が付いたモモン達とアウラは、まず《フローティング・アイ/浮遊する目》で問題ないと確かめてから、外に出て話しかけると、ドライアドの彼女、ピニスン・ポール・ペルリアは話し出した。
過去、たくさん太陽が昇った頃に魔樹の「ザイトルクワエ」の一部と戦った大きい人と羽の生えた人とドワーフを含む7人組と再会の約束をしていたけど、また来たのかと期待したが違ったようだ。
封印が解ける前兆を見せている世界を滅ぼす魔樹に半ば諦めていたところにモモン達と出会ったので7人組を呼び出して欲しいと頼むがモモンは、これを断る。
「私達で魔樹を討伐しよう。その代わりといっては何だが私の部下になり畑でも造って欲しい」
モモンはピニスンを誘い、ドライアドは避難するという意味でも受けない選択肢は無く契約は成立した。
明日、モモン達は、世界を滅ぼす魔樹「ザイトルクワエ」の元まで、ドライアドのピニスンに案内してもらう約束をするのだった。
さーて、世界を滅ぼす魔樹「ザイトルクワエ」か、聞いた事無い名前だな。どのくらいのレベルなのか会って見ないと分からないな。話は通じるのか?
ナザリックの近くだし、討伐しないと何が起こるか分からないので危ないんだよな。
まっいざとなったらナザリックの総力を挙げて挑めば何とかなるだろう。
駄目ならナザリックを捨てて、守護者達とナザリックの者達で逃げれば良いさ。
守護者達は今はなき親友達が残していった忘れ形見、俺にとっては子供のような存在だ。
守護者達の居る所がギルド:アインズ・ウール・ゴウンだ。
・《フローティング・イアー/浮遊する耳》
オリジナル魔法。耳(聴覚)を飛ばす魔法。術者のいる場所をスタート地点にして、聴覚だけを移動させることが出来る。
・《フローティング・ノーズ/浮遊する鼻》
オリジナル魔法。鼻(嗅覚)を飛ばす魔法。術者のいる場所をスタート地点にして、嗅覚だけを移動させることが出来る。
・《フローティング・ハンド/浮遊する手》
オリジナル魔法。手(触覚)を飛ばす魔法、実際に物を持ち上げられる。術者のいる場所をスタート地点にして、触覚だけを移動させることが出来る。