キバッて魔入ります!入間くん   作:MTHR

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鈴木入間と紅渡の共通点


・小さな相棒
・楽器で演奏をする
・女装している
・性格が穏やかかつお人好し


……こんなところですね。


プロローグ

 

 既に日が落ち、夜空の星と三日月、そして町の街灯だけが光源となった道を、一人の小さな影がトボトボと重い足取りで歩いていた。

 

「……ハァ、バイト料半分か。今月は節約しないと…」

 

 アンテナのある青みがかった髪にヨレヨレの服を着たその少年──【(くれない)入間(いるま)】は、手元のがま口財布の中身を見て、憂鬱そうに呟いた。

 彼の重い足取りの原因は、先程まで勤めていたバイト先でミスをし、夜遅くまで働いたにも関わらず、バイト代を減らされてしまった事だ。

 

 今の時間は既に0時を過ぎており、普通なら彼程の年齢の者は既に家の布団で熟睡するのが普通だ。だが、入間はある事情から、ロクに学校も通えず、土日だろうと長期休暇だろうと常にバイトや金儲けの為に奔走する人生を送っていた。

 

 彼の両親は入間が生まれた時、既に他界しており、入間は親戚筋の夫婦に引き取られたのだが、その夫婦は常識と言う言葉とは無縁で生きてきたような人物達だった。

 暴力を振るうこと等はないが、入間が齢一歳で両足で歩けるようになったら「今日から自立だな。マグロ漁に行くぞ」とマグロを釣る餌にされ、それから入間のある意味で壮絶な人生が幕を開けた。

 時には熊と格闘させられたり、時にはギャングの金を持ち逃げさせられてギャングから逃げ回ったり…。

 トラブルだらけの英才教育を無理矢理受けさせられた結果、入間は何事も素直に受け入れ、お願いを断らないと言う癖が身に付いてしまった。

 

『入間、溜め息つくくらいなら親元から離れた方が良いんじゃねえのか?』

 

 突如、入間の肩の上に小さな影が乗り、その物体から男の声がした。

 

 その姿を形容するなら、蝙蝠だ。しかし身体が金色で楕円形の体は殆どが顔、そして金属のような光沢を放っている、奇妙な蝙蝠だった。

 彼の名は【キバットバットⅢ世】。入間が5歳の時に出会い、一悶着あった後に仲良くなった。本人曰く、彼は由緒正しき名門、キバットバット家の三代目らしく、プライドが高くて気取った所があるものの、基本的に世話好きな彼には入間も深い信頼を寄せていた。入間にとって、唯一の親友とも呼べるだろう。

 

「キバット、気にしないでよ。確かにあんなんでも保護者だし」

『入間……』

 

 あんな親からはさっさと離れた方がいいと進言するキバットに苦笑いでやんわりと断る入間に、キバットは困ったような、悲しそうな目を向けた。

 

 

 

 

 そんな時だった。

 

 

 

 

「『ッ!!?』」

 

 突如、入間達の周りが赤黒い不気味な空間に変わった。

 明らかに現実とは思えない事態に、入間とキバットは咄嗟に身構えた。

 

 そして、声を上げたのはキバットだった。

 

『おい入間!前見てみろ!!』

「え?あっ…」

 

 言われた通りに前を見てみると、そこにはメガネをかけた、頭から角を生やした背の高い老人が立っていた。

 キバットは、その老人よ計り知れない危険性を本能で察知し、咄嗟に入間に声をかけた。

 

『入間!コイツは相当ヤバ……って、お前縛られてるぞ!?』

「え?えーーーーーっ!!?」

 

 入間は自分の体を見下ろすと、いつの間にか入間は胴体を縄で縛られており、ロープには『売却済』と書かれた張り紙が貼られていた。

 

 怒涛の展開に驚愕する入間とキバット、そして老人は、まるで景色と同化するようにその姿が透明になっていき、完全に消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──これが、やがて悪魔が暮らす世界を統べる魔王(キング)となる男の、覇道の始まりであった。





入間くんやキバットの口調は意識したつもりですが、これで合っているのかは少し疑問です。
原作にない台詞を考えるのは難しいです……。
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