モチベーションが中々上がらなかったのと、アニポケ二次創作に熱が入りすぎて遅れました。
少し前から、pixivでも投稿を始めたので宜しくお願いします。
サリバン邸
ベッドから起き出して朝の身支度を済ませた入間は、広大な屋敷の誰もいない廊下を歩きながら、何かを探すようにキョロキョロと辺りを見回していた。
『サリバンのじいさんを探してんのか?』
「理事長なら、まだ帰ってきてませんよ」
その時、背後から二つの声をかけられ、入間はビクッと肩を震わせながら振り返ると、案の定そこにはキバットとオペラの姿があった。
「心配ですか?」
「いやっ、なんか、ソワソワしちゃって……ほら、大きい行事ですし!緊張してるのかも……」
入間は誤魔化すように笑みを浮かべる。
本当は、
だから我が儘を言ってはいけないと、入間は本音を隠して笑顔を見せる。
そんな入間に、オペラは真っ直ぐに入間の目を見ながら、言った。
「理事長は、ちゃらんぽらんで、適当で、大雑把で、ひたすらに自由人です」
「ですが……約束は守るお方です」
しかし、次の瞬間にオペラの口からでた言葉に、入間は目を見開く。
主従関係であるが、オペラは時々主人であるサリバンに冷たい態度をとることも多く、それを見るたびにキバットと共に苦笑いしていた入間にとって、オペラの言葉に少し驚いていた。
しかし、それがサリバンを『信頼』しているからこそ分かるのだと知ると、イルマは不思議と笑みを浮かべてしまった。
「
「………!」
『悪いが入間、俺とオペラは前々から分かってたからな?』
「ぼ、僕ってそんなに分かりやすい……?」
どうやら、オペラとキバットには、入間がサリバンが中々帰ってこないことや、
「入間様は、心置きなく、いってらっしゃいませ」
「はい!いってきます!」
『お~い、イルマ!俺もいくぜ~』
オペラの言葉に元気をもらった入間は、嬉々として玄関を飛び出してき、キバットはそんな入間の背中を追いかけていった。
『
食物
「ヌッハッハッ。いい食いっぷりだな、我がライバル!前夜祭は楽しまねばなァ。教師陣が師団を本格的に審査するのは、明日の本祭。前夜祭は明日への英気を養い備える、学生達の祭だ!」
「サブノックくんは、本祭でなにやるの?」
「よくぞ聞いた!ズバリ、“魔王活劇”!過去の魔王の逸話を、舞台で披露する!最高傑作よ!特賞、間違いなし!」
「へぇ、スゴい!」
「おっと、それはどうかな?」
入間が拍手していると、後ろから声が聞こえてきた。
振り返ってみると、アンドロ・M・ジャズ、シャックス・リード、カイム・カムイの三人がこちらにやって来ていた。
すると3人は、得意気に自身の師団の出し物を話し始める。
「
「おぉ~」
「
「へぇ、すごい!」
「熱中しすぎると、帰ってこれないんだけどね!」
「いや、それは大丈夫なの……?」
「
「結局作ったの!?」
カムイは以前自分で女体研究
「他にも、水中サーカスとか、魔獣格闘技とか、今年はレベル高そうだよ、入間くん──兎に角、目立ったもん勝ちだろうね!」
一番目立つのは自分の師団だとやいのやいのと話を始めるジャズ達を眺めている入間に、サブノックが顔を覗き込んでくる。
「なんだ、イルマ。ニヤニヤして。何かあったのか?」
「いやっ、なんでもないよ!アズくん達が待ってるから、行くね」
「おお!イルマ!ヌシの
「うん、してて!」
入間は手を上げて答えながら、心の中で自信満々に思った。
(一番目立つのは、きっと
魔具研のスペースに戻った入間は、先に戻っていたアスモデウスとクララと共に、三角形になって
「では、説明します。作戦名は『即撃必勝』。狙うは学校、中央広場の注目。皆が集まり、前夜祭終了と同時になる本祭の鐘。これが鳴り終わった瞬間に、花火を打ち上げる」
本祭開始を待って、中央広場には数百人もの生徒が集まってくる。
「要は、スタートダッシュで出し抜く作戦です。その後の本祭は、小さめの華やかで美しい花火を打ち上げてアピールする……と。以上が、作戦概要になります」
「まさに、即撃だね!」
「アズアズ、すごい~~」
説明を終えたアスモデウスに、入間とクララがパチパチと拍手をする。
「ここから中央広場までは少し遠いですが、夜ですし、音と光で十分目立つ筈です。組み立ては万全。発射もスムーズに、点火5秒で打ち上がるようになってます。点火は私が火種を渡すので、入間様が導火線に火を……」
「こう?」
「そうそう、そうやって……」
指先に灯したアスモデウスの火に導火線が差し出される。
「ついた」
「「……」」
見ると、クララが差し出した導火線に火が灯り、「ジジジジジ……」と音を立てながら、火が発射筒へ伝っていく。
「ひ、バカ者!早く消せ!」
「水ッ、水ッ!!」
大慌ての入間とアスモデウスを他所に、クララはキョトンとした表情だ。
そんな間にも、火は直ぐ様導火線の根本までやって来て……
「打ち上がるううううぅぅぅぅっ!!」
──ポ……ヒュン
しかし、発射筒から飛び出したのは、気の抜けた煙だけだった。
アスモデウスは怪訝そうに筒の中身を覗き込むと、その中身を見て目を見開いた。
「空砲……!」
「助かった~~~~」
誤爆の危険はないと知り、入間とアスモデウスは大きく脱力しながらへなへなと座り込んだ。
「お前というやつは……!玉が入っていないなら、そう言え!」
「私知らないよ!」
直ぐに気を取り直してクララを叱りつけるアスモデウスだが、クララは本当に分からないというような表情で首を降る。
「?しかし、ちゃんと中に玉をいれた筈だが……」
「えっ、じゃあ、玉は何処に……」
入間達は顔を見合わせた。
「ふー……。重たいなあ、この玉……」
魔具研の部長──キリヲは、隠し部屋に大きな玉を運んでくると、それを置いて息を吐いた。
「イルマ様!やはり、何処にもいません!やはり何処にもいません!
「そっか……」
前夜祭が始まってから姿を見せないキリヲを探して校内中を走り回っていた入間、アスモデウス、クララ。
一通り捜索してみてもキリヲの姿は見つからず、一度合流した後、アスモデウスの言葉に入間は考え込む。
「キリヲ先輩、何処に行っちゃったんだろう……?」
「きっと、一人で前夜祭巡りしてるんだよ!ズルいね!」
「それは貴様だ!!」
「先輩、体弱いから、そんなに遠くへは行けないじやわなきかな……」
「やはり……逃げたんでしょうか。披露に自信がなくなって、直前で怖くなったとか……もしそうなら、打ち上げは……」
アスモデウスは難しい表情で唸る。
それを聞き、イルマは真っ先にその推測を否定した。
「大丈夫だよ。花火の玉を持っていったのが先輩とは限らないし。それに、あんなに自分の目標に一生懸命な先輩だもん。心配いらないよ。だから僕達は、キリヲ先輩を信じて待とう」
少し前、入間はキリヲを探しているなかで悪食の指輪がキリヲの首輪の金属に反応して引き寄せられた事で、入間は屋根裏部屋のような部屋を見つけ、そこにいたキリヲか、魔具研が昔、学校の教職員にバレたら罰せられるような危険な魔具を作っていたという事を教えてもらった。
そこで入間は、キリヲがかつて言っていた『弱い悪魔でも使える魔具を作って、
あれだけ大きな野望をもつ彼が、こんな所で諦めるはずがないと、入間は彼を信じて、花火の打ち上げを諦めない。
その瞬間──地面が揺れた。
校舎全体に轟くような振動に、あちこちで悲鳴が上がり、出店の屋台が崩壊し、並んだ看板が打ち倒れていく。
「今の、なんだ!?」
「教職員は持ち場確認!急げ!」
あちこちで飛び交う叫び声。
振動でバランスを崩して尻餅をついていた入間は、立ち上がりながらアスモデウスとクララに声をかける。
「アズくん、クララ!大丈夫!?」
「はい!大丈夫です!」
「だいじょうぶ~~」
返事が返ってきて、イルマはホッと息を吐く。
「今のは一体、何でしょうか……?」
「分からないけど、兎に角外に出よう」
入間はアスモデウスに歩み寄ろうとすると、ゴッと音を立てながら何かにぶつかった。
「イルマ様!?」
「いてて……何かにぶつかった……」
入間は手のひらを伸ばしてみると、何もないはずの空間にひやりとした何かが触れた。
「廊下に見えない壁が……ッ!!?」
それは、入間とアスモデウス達の間を阻むように、廊下にガラスのように透明な壁が突き立っていたのだ。
「壁……のように巨大なバリアですね。何故、いきなりこんなものが……」
(!これって、先輩の……?)
アスモデウスがペタペタと壁を触り、クララがドンドンと壁を叩くなか、入間はこの壁が、先程まで校内中を探し回っていたキリヲの家系能力“
しかし、以前見せてもらったキリヲが作るバリアとは比べ物にならない程の規模である。
しかもこのバリアは校内の至る所に出現しているらしく、校内のあちこちからドンドンと壁を叩き、パニックに近い声が上がってくる。
『ピンポンパンポーン』
あわやパニックになりかけたところで、校内放送が鳴り響いた。
『はいはいはーい、皆さん聞こえる~~?ビックリしたかな?しかし、安心めされい!これは魔術開発
校内放送を聞き、パニックになりかけていた生徒達が沈静化し、迷路に挑み始めるなか、アスモデウスは透明な壁を押し込んでみるが、ビクともしなかった。
「直ぐにでも行きたいのですが……!!」
一緒に歩いていた時の本の僅かな差の間に壁が差し込まれたせいで入間と分断されてしまっていた。
「しかし、確かにこのバリア……先輩の家系能力と同じですね」
「キリやん先輩ズルい!私もサプライズやりたい!」
「アホ!そんな呑気な話ではない!校内放送ではサプライズイベント等と言っているが……先輩の魔力量では、これほど強固なバリアを学校中に張るなんて信じがたい……。これがもし、姿を消した先輩の単独行動だとすれば…途方もなく入念に計画された騒動ということになる……」
だとすれば、キリヲ先輩は何処に……。
アスモデウスがそこまで推測したところで、入間の脳裏にある考えが浮かび、入間は壁の向こうにいるアスモデウスとクララに声をかけた。
「1つだけ……先輩の居場所に心当たりがあるんだ」
「本当ですか?入間様」
「流石、イルマち!」
「迷路を抜けてたどり着ける保証は無いけど……先輩の事が心配だから。僕が向かうのを手伝って欲しい!……いいかな?」
入間は真っ直ぐに二人を見つめて聞くと、2人は笑顔を浮かべて頷いた。
「勿論です!ウァラク、大きめのペンと紙を」
「よしきた!」
クララは家系能力を発動させ、そそくさと模造紙とマジックを取り出し、それを受け取ったアスモデウスはペンで紙に何かを書いていく。それは、学園の見取り図だった。
「コレがここ、3年塔の見取り図です」
「凄い!見取り図、覚えてるの!?」
「はい!学校案内に載ってましたから、暗記しました!」
入間に誉められてパアッと顔を明るくするアスモデウス。
いくら学校案内に載っていたとはいえ、見取り図を暗記なんて簡単に出来るものではない。流石は入試首席である。
「この地図上の何処にバリアの壁があるのか分かれば、スムーズに目的地にたどり着ける筈です」
「なる程!」
「問題は、人手。三人でバリアの一を把握するのは、厳しいかと。どうすれば……」
しかし、見取り図が分かったとはいえ、肝心の部屋に行くまでのバリアがない道を割り出す手がなく、入間とアスモデウスが頭を捻っていると、今度はクララが手を上げた。
「出せるよ!兵隊!!」
その瞬間、クララは家系能力
これは、キリヲが作った魔具の一つ『魔力紙兵隊』と呼ばれるものであり、魔力を込めた分だけ、使用者に従順になって動く紙人形だ。
「成る程、これを使って……」
ウァラクにしてはナイスアシストだなと心の中で思いつつ、アスモデウスは紙人形達に魔力を送り込むと、炎のようなオーラを纏った紙兵隊達は、縦横無尽に校舎内を飛び回った。
「よし、次!」
「ほいほい」
クララは次々と紙兵隊を取り出し、アスモデウスがそれを操って校舎内を散策に向かわせていく。
「操作している人形の魔力を辿る……一階東玄関、職員室前通路、北階段の三段目……」
アスモデウスが矢継ぎ早に言うと、クララは校舎の見取り図に印をつけていく。
「情報は適宜、ス魔ホでイルマ様に報告します!」
「分かった!」
「さあ、入間様!行ってください!お気を付けて!」
「うん!!」
アスモデウスとクララの奮闘を背に、入間は勢いよく踏み出そうとして──、
「あの……廊下走ってもいいかな!?」
「えっ、あっ、いいと思います!」
今度こそ走り出した。
入間はス魔ホの通話から送られるアスモデウスからの情報を頼りに、3年塔の校舎内を全力で駆けていく。そんな入間の隣に、小さな金色の影が並ぶ。
『だから言っただろう、アイツは普通じゃねーって』
「キバット……」
『甘いんだよ、お前は』
以前からキリヲが普通の悪魔とは何か違うと感じていたキバットの言葉に、入間は言い返すことが出来ずに視線を落とす。
入間も、校内放送のサプライズというイベントが、混乱する生徒達を静めるための嘘だと薄々感じていた。魔術開発
『どうすんだ?アイツが何かヤベー事を仕出かそうってなったら、アイツと戦えんのか?』
「僕は……」
キバットの辛辣な、しかし決して目を背けてはならない問いに、入間は走りながらも黙り込むが、直ぐに決然とした表情で顔を上げた。
「……それは、キリヲ先輩と話してから決める。僕は、僕の思いを貫く」
『……分かった。手を貸してやるよ』
入間の言葉に、キバットは短く答えた。
その時、廊下の曲がり角のところで、何者かの影が入間に飛び付いてきた。
「ッ!?」
『なんだなんだ!?』
入間は咄嗟に真横に転がり込み、襲い掛かってきたものの全容を確認する。
それは、カミキリムシのような姿をして両腕に巨大なハサミの形をしたアームを携えた怪物、イヤーウィッグファンガイアであった。
「ファンガイアまで出てくるなんて……いよいよ混沌としてきたね」
『グァアーーーッ!』
「!」
イヤーウィッグファンガイアはハサミを手にして襲い掛かるが、入間はそのアームを掴んで受け止めると、腹部を蹴り上げてイヤーウィッグファンガイアを怯ませる。
「はぁああっ!」
『ッ!!?』
更に、入間は右足を軸に回転してイヤーウィッグファンガイアの顔面に回し蹴りを御見舞いする。
不意打ちを受けたイヤーウィッグファンガイアは、溜まらず蹴り飛ばされ、バリアに叩きつけられる。
『イルマ様!轟音が聞こえましたが、何があったのですか!?』
「ありがとう、アズ君。ちょっとトラブルがあったんだ。5分だけ待ってて」
ス魔ホの向こうから聞こえるアスモデウスの言葉にそう返し、イルマは一旦通話を切った。
その瞬間、再びイヤーウィッグファンガイアがハサミを振りかぶって襲い掛かり、入間は仰け反るようにそれを避け、そのままバク転してイヤーウィッグファンガイアから距離をとる。
「キバット!」
「オーライ!キバっていっちゃおーか!ガブッ!」
入間は即座に飛んできたキバットを左腕に噛みつかせると、腰にキバットベルトが出現し、入間はキバットをベルトにぶら下げた。
「変身!」
その言葉と共に入間の姿が変貌し、入間は仮面ライダーキバに変身。拳を握り締め、イヤーウィッグファンガイアに向かって走り出した。
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