ここ最近ずっとありふれた職業で世界最強やポケットモンスターの小説の執筆に夢中になっていたMTHRです。
別の小説で主人公をする入間君をキャラ崩壊させ過ぎたので、一度原点に戻ろうとこの話を投稿します。次話投稿はまだ未定ですが、何とか投稿したいと思います!
話の都合上、処刑玉砲編はまるっとすっ飛ばしております。処刑玉砲は位階昇級試験なのでライダー要素を入れられなかった作者の力不足です。尚、したがって『クララにメロメロ』も飛ばしています。誠に申し訳ございません。
「ハッ!」
『ぐぁあっ!?』
蜘蛛を擬人化したようなステンドグラスのような身体を持つ怪物──【スパイダーファンガイア】は、身体中の痛みを堪えながらヨロヨロと起き上がる。
彼の視線の先には、肩と右足に鎖を巻き付けた黄色い複眼の戦士──仮面ライダーキバが、ゆっくりと此方に向かって歩み寄ってくる姿があった。
キバは唸り声を上げながら迫り来るスパイダーファンガイアの拳を合気道ばりの動きで的確にさばいて行き、パンチを繰り出そうとした右腕をつかむと、そのまま背負い投げをかました。
地面に倒れたスパイダーファンガイアを見据えたキバは、ベルトの側面からウェイクアップフエッスルを取り出し、ベルトにぶら下がるキバットに吹かせる。
『ウェイク・アップ!』
笛の音が鳴り響き、辺りが夜に変化すると同時にキバは無言のまま姿勢を低くする。
振り上げた右脚の封印がキバットによって解放され、三日月をバックにしてジャンプ。空中でキックの体制を取り、スパイダーファンガイアに“ダークネスムーンブレイク”を炸裂させた。
『グァアアアアアアアッ!!!?!?』
『ギャオォオオオオオッ!!』
『ほらほら、キバッて行け』
空が元に戻ると同時に、キャッスルドランが姿を現し、光の球体を求めた飛んでいく。キバの顔の横を飛ぶキバットの言葉を聞きながら、キャッスルドランはドスンドスンと地面を揺らしながらも光の球体に追い付き、その大きな口でバクンッと呑み込んだ。
大きくゲップをしながら翼を羽ばたかせ、何処かへと飛び去っていくキャッスルドランの背中を見送った
「……なんか、何時もと違くない?」
『なんつーか…ゴージャスだな』
そう、今日のキバの紋章は、何時ものキバの仮面を模した紋章の周りに、まるで王冠のような物が追加されている。何故か入間とキバットの脳裏に『ゴ・ゴ・ゴ・ゴージャスッ!!』という音声が聞こえたような気がする。
すると、騒ぎを聞き付けた教師陣や生徒会の面々が向かってくることに気付いた入間は、キバットを連れて慌てて後者の方へと戻っていった。
「…またキバが出たのか」
「うん。生徒会や教師陣が来る前にどこかへ行っちゃったみたいだけどね」
本棚に敷き詰められた無数の本。木製の机の上には書類や紙、鳥籠等様々な物が置かれ、床にも色々な物が錯乱している。
天井には木の幹の様な物が張り巡らされたその部屋に、二人の男が椅子に座って向かい合っていた。
一人は
もう一人は、大柄な体躯に無造作に伸びた長髪に口元を拘束具の様なマスクで覆った恐ろしげな風貌の男────【バラム・シチロウ】であった。
バラムは机に置かれた写真を手に取り、に写された蝙蝠の戦士──キバの姿を見て、考え込むように口を開いた。
「これでキバを目撃されたのは二回。どちらもファンガイアの戦闘で、生徒や教師陣には目もくれずに逃走。この様子を見るに、少なくともキバの狙いはライフエナジーじゃないと思うよ」
「成る程な…。正体は特定出来んのか?」
「出来ないんだよねぇ、何故か。キバもファンガイアだからって言う可能性もあるんだけど、腑に落ちない部分もあるんだ。あのドラゴンも僕の観察領域の外に行っちゃうから、何処に行ったのかも分からないしね」
バラムの家系能力、“
観察対象の嘘や不正を瞬時に察知する事ができる能力だ。さらに魔力を学校全体に水面のように広げ、全生徒を監視する事が出来る。
だが、その能力には例外があった。ファンガイア全てが持つ“擬態能力”だ。ファンガイアは悪魔に擬態してしまえば、バラムの“虚偽鈴”にすら反応しない。それ程までに擬態は完璧なのだ。反応出来るのは、ファンガイアの化けの皮が剥がれて悪魔を襲おうとした時くらいだ。
しばしの沈黙の後、カルエゴとバラムは重々しく口を開いた。
「…今の所、キバは生徒を襲う気はないらしいな。だが…」
「悪魔からすれば害獣駆除。でもファンガイアからしたら『同族殺し』だ。安全だと決めつけるのは少し楽観的すぎるかな…」
「少なくとも、次の職員会議や“
そう言って、カルエゴは重たい空気を纏ったまま、無言で部屋を退室した。
入間が
ある日、アメリは入間に“野望”を訪ね、それに入間は『皆と楽しく過ごせればそれでいい』と答えたが、アメリがそれは“理想”であって“野望”ではないも一周すると、再び入間の野望を訪ねる。だが、義両親の教育から“他人が自分にどうしてほしいのか”しか考えられなかった入間にはこれを答える事が出来ず、そこでアメリは野望を作る前に
昇級試験の内容は“処刑玉砲”。名前や逸話は恐ろしいが、ようするにただのドッジボールである。
だが周りは悪魔だらけであり、変身しないと普通の人間と大差がない(と思い込んでいる)入間が叶う筈もなく、そこでサリバンが紹介したオペラさんとの特訓が始まった。
その結果、チーム分けの末にアスモデウスと対決となり、お互い全力を出しあってアスモデウスに勝利し、入間は見事に
そして、今朝方暴れだしたファンガイアをキバに変身して倒した後、昼休みに
「一年はいねぇがぁ~!!」
大多数の悪魔に、
その内容は、共通の特技や趣味を持った悪魔達が交流する課外活動の事であり、魔力・知力・体力の向上と統率訓練をかねており、師団での活躍に応じて
そして、
「一年はいねぇがぁ~!!!」
「えええええっ!!?」
一年を
思わず入間が目を瞑った瞬間、入間と同級生の間に割り込んだアスモデウスが炎で上級生を牽制し、入間に突撃しようとした上級生は咄嗟に急ブレーキを掛けて寸でのところで止まった。
「まったく、イルマ様に対して無礼な……」
「おい、アレ!」「!間違いない、アスモデウスだ!!」「一年首席!」「是非、我が
次の瞬間、上級生達がアスモデウスに向かって殺到する。
しかしアスモデウスは動じない。手から炎を迸らせると、くるりと円を描いて回転し、入間とクララとアスモデウスの周りに炎の輪が立ち上った。
流石の上級生達もこれには怯み、チラシを燃やされては堪らないとアワアワと騒ぎながら走り去っていった。
「さっ、イルマ様。
「ご覧って……」
入間は顔を青くして、炎のバリアの向こうを見た。
飛行師団の生徒数人と、筋肉活動師団の筋肉マッチョな悪魔が貧弱そうな生徒を取りあって綱引きし、一年の身体から鳴ってはいけない音が聞こえてくる。
別の場所では黒魔術師団の生徒が一年生達に催眠術を掛けて、見学申込書にサインを書かせている。
他にも捕まった一年生が縛られたり、グツグツと煮え立つ壺に入れられたり、ギロチンにかけられたり、何故か巨大な悪魔に食べられる者までいる。阿鼻叫喚、そうとしか形容出来ない光景が広かっていた。
「凄まじい…」
「大丈夫ですよ。こういった時に生徒の統率を取る
その時、甲高い靴の音が聞こえてきた。
同時に黒地に赤のラインが入った制服を着た生徒が悠然と廊下を歩いてくる。その瞬間、その場にいた上級生達が一瞬で治まり、ピシッと背筋を立てて生徒会に道を譲った。
(生徒会!?確か前に“会長”が僕の事を探し回ってた筈……)
イルマは顔を青くして振り替える。
そこには……入間も見知っている、大柄な赤い髪の女悪魔の姿があった。
(……え?)
入間はフリーズした。
何せ、最近知り合って自分に良い意味で影響を与えてくれた人が、自分を探しているという生徒会長だったとは夢にも思っていなかった入間は、横で何かをいっているアスモデウスの言葉も耳に入っていない。
すると、今度は生徒会長──アメリが、靴音をならしながらこちらに向かって歩み寄ってくる。それを見て、アスモデウスは炎のサークルを消し、入間は思わず背筋を正す。
そして
入間は恐る恐るそのチラシを受け取る。
「せっ、生徒会も
ものすごい早口で言うと、アメリは踵を返してツカツカと歩いていった。部下達が慌ててアメリの後を追う。
「……誘えた!ものすごく自然に、誘えた……!」
ボソボソと、誰にも聞こえない程度の声で呟くアメリ。
自然処か物凄く不自然だったし、若干本音が漏れたいたのだが、アメリ的にはあれが自然に誘えたという認識らしい。
「びっくりした…後でアメリさんにメールしよう」
だがまぁ、肝心の入間はアメリが生徒会長であったという事実による衝撃か、もしくは単純に鈍いのか、アメリの真意に気付くことは無く、他の生徒達も気付くことは無かった。
「イルマ様!勧誘も落ち着いてきましたし、教室塔の方に行ってみましょう!」
「あ、うん!」
アスモデウスな促され、入間と何故か膨れているクララは教室塔に向かっていった。
教室塔は、先程の阿鼻叫喚とは違ってちょっとしたお祭り騒ぎとなっていた。師団に所属する悪魔達は紳士的に一年にチラシを配っており、中には一見仮装している(人間界育ちの入間からすれば悪魔全員が仮装パーティーしてるみたいだが)様な服装をして師団をアピールしている所もある。
次から次へと渡されるチラシが積み重なってチラシの山を抱えていた入間をクララが注意した瞬間、
数日前、選択科目で処刑玉砲の影響で全身筋肉痛になった入間は座学を選択し、それに追従してアスモデウスも座学を選択したのに対し、クララは何とサキュバスの誘惑授業を選んでいたのだ。アスモデウスが字が読めなかったのかと哀れんでいたが、どうやら本気だったらしく、真意は分からないがクララは『メロメロにしてやるぜ』という言葉を残して誘惑授業を受けに行った。
それから、クララの奇行は始まった。突然入間の前に出てきたと思ったら訳の分からないポーズをしたり、入間の背中におぶさったかと思えば両手を掴んで遊んだり、チアガールのポンポンのような格好をして揺れたり、強烈な匂いを纏って教室に来たことで異臭騒ぎになったり、福笑いのようなお世辞にも綺麗とは言えない(カムイはそれはそれでアリだったらしいが)メイクをしてきたり。
最終的には、突然入間の前に現れて変なポーズを取りながら
その後クララは落ち込んでしまったのか夕日を見て黄昏ていたが、クララを探していた入間が『女の子一人じゃ危ないからね』というと、何故か直ぐに元気を取り戻してしまった。嫌とは全く思わないが、やはりクララが考えている事を理解するのは至難の技である。
『中々賑やかな部活の勧誘だな』
「ッ!キバット!なに出てきてるのさ!今すぐ隠れて…」
『大丈夫だよ。こんなに
すると突如、入間の服の中に潜んでいたキバットが顔を出した。
入間は慌ててキバットを隠そうとするが、キバットは大丈夫だと首を振る。入間は焦りながらも周りを見渡すと、確かに生徒達は師団の勧誘と見学に夢中でありアスモデウスはクララに説教中であることで、キバットに気付いた者は一人もいなかった。
「…それで、何しに出てきたの?ファンガイア?」
『いや、注意しに来ただけさ。お前の持ってる指輪にあるサリバンの爺さんの魔力は桁外れだ。
「…お爺ちゃんの魔力、かぁ……」
『?どうした?』
改めて入間は思う。
魔界において人間とファンガイアのハーフであり、キバである入間がこの学校で過ごせているのは、サリバンが与えてくれた魔力のお陰であると。しかし、これは入間自身の力ではない。だが周りから見たら、その魔力は入間の力に見えているわけで……。
そうして入間はモヤモヤしたものを感じていると、突如、その右手の指輪がポワッと光った。
「……ん?」
『「ッ!!?」』
次の瞬間、入間はの右手が持ち上がる。入間は腕を自分の意思で上げてなどいない。まるで何かに引っ張られているかのように……。
更に、指輪は
「えっ!えぇぇ~!まさかまた暴走を…!!ちょっ、すいません!退いて!どいっ…!!」
慌てて入間を追いかけようとするアスモデウスとクララ。
バッと身を引いて入間に道を作る生徒達。
そして、入間は人混みの奥にいる、デッカイ風呂敷包みを背負った緑色の髪をした悪魔のもとに突っ込んで行き……勢いよく、衝突した。
轟音が響き、緑髪の悪魔が背負っていた風呂敷の中身が辺り一面に錯乱する。
衝突の際の痛みに顔をしかめていた入間は、ふと自分の右手が何かを掴んでいる事に気付き、自分の右腕の先に目を向けると……先程の生徒に入間が馬乗りになって、その生徒の首を右手でつかんでいる事に気がついた。
「「ごっ……ごめんなさい……」」
入間と緑髪の悪魔は、同時に謝った。
謝るしかなかった。
これが、お互いにとってある意味において運命的な出会いであると言う事を、この時の入間と男子生徒はまだ知らない…。
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