アカネアイ   作:青空の夜天

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評価、感想、誤字報告などありがとうございます。

これで今日あま編は終わりとなります。


同じ星空の下で

 

 

 

 煌びやかで騒がしい会場。そのなかでも特に目を引く二人の男女が会話をしていた。

 

「こうやって改めて見ると、この作品にも多くの人が関わってるんだと感じさせるな」

 

「そうよ、今回評価が覆ったのだって私達だけの力じゃない。色んな人の協力があって成り立ってるの」

 

 どんなドラマであろうともその完成には多くの人が携わる。金を工面する人、品質向上の為に知恵を絞る人。その役割は様々だが、皆一つの目標の為に奔走している。

 

 その中でも功労者と言ってもいいであろう人物である有馬かなと星野アクアはお互いにこの作品に関わっていた人の多さを再認識している所だった。

 

「あの〜有馬かなさんに星野アクアさんですよね?」

 

 突然恐る恐る声をかけてきたのは眼鏡をかけた女性。かなはその人物に見覚えがあった為、身を引き締める。

 

「き、吉祥寺先生!?」

 

「そう身を固くしないでください。ただ一言、お礼を言いたくて」

 

 

 

「……この作品は有馬さんの演技に支えられていたと思います。本当にありがとうございました」

 

「先生……」

 

 有馬かなが吉祥寺頼子を直接見たのは撮影の様子を見に来た時の一回だけ。その時の失望しきった顔を見てしまったからか、彼女に対して後ろめたい気持ちが何処かにあった。

 

 だが、今の言葉を聞いて確信する。やはり自分がやってきた事は間違いでは無かったし、頑張りを見てくれる人は確かに居たのだと。

 

「星野さんも代役だというのに凄まじい演技でしたね。わたしが(えが)いたストーカーよりも迫力がありました!」

 

「いえ、素晴らしい演技になってるのだとしたら、先生の原作があったからだと思います」

 

「あら、お世辞でも嬉しいですね」

 

 嬉しそうに語る吉祥寺先生。その姿はドラマ化を受けて後悔している様にはもう見えない。嬉しさと共に一抹の安心が心に浮かび上がってきたかなの視界の端にこちらをチラチラと見つめる影が映る。

 

(ん?あれって……)

 

「先生、ちょっと失礼します」

 

 一言断りを入れると、かなはその影に向かって歩きだす。その人物が何故こちらの様子を伺っていたのか、何故出ることに戸惑いを持っていたのか。その理由が分かっているかなは、無理にでも引っ張り出そうとしていた。

 

「ほら、メルト!こっちきなさい主演でしょ!」

 

「いや、俺はいいって……」

 

「ごちゃごちゃ言わずにさっさと来る!」

 

 今も見苦しく抵抗するメルトを無理矢理引っ張り出すと、そのまま原作者である吉祥寺の元へ立たせる。

 

「あ、あの先生……」

 

「…………」

 

 鳴嶋メルトは今とてつもない緊張を感じていた。演技未経験で主演に抜擢されこの作品の評価を落とす一因になっている自分。そんな自分が原作者に合わせる顔がある訳がない。そう思いつつもいざ目にしてしまったら無視が出来なかった為様子を伺っていたが、有馬かなに見つかり目の前まで引っ張り出されたからだ。

 

 自分は原作者に何を言われても仕方がない。そう言い聞かせ俯いていた顔を上げると、彼女と向かい合う覚悟を決める。そんなメルトにかけられた言葉は自身が予想していたものと全く違っていた。

 

「鳴嶋メルトさん……主演お疲れ様でした」

 

「え……?」

 

「貴方が今日あまを愛してくれているのは演技から伝わりました。作者として嬉しく思います」

 

 そう言いつつ頭を下げる吉祥寺の事をメルトはただ茫然と見つめることしか出来なかった。

 

「では、私はこの辺で……他の方にも挨拶をしなければならないので」

 

「あ、あの!」

 

 去ろうとする吉祥寺をメルトは呼び止める。恐らく長く話す事は出来ないだろう。彼女がこのドラマについてどう思っているのか、周りからどう言われているのかは分からないが。メルトにもただ一言だけ彼女に伝えたい事があった。

 

「俺がこれを言うのは可笑しいかもしれませんが……素晴らしい作品を生み出してくださり、ありがとうございました!」

 

 その言葉を吉祥寺頼子は小さく手を振る事で返す。本当は演技が下手だったメルトや、他のモデル達に言いたいことがあったのかもしれない。その思いを心にしまい込んでいるかもしれない。それでも、自分と向き合ってくれた人には本心を伝えるべきだとメルトは思った。

 

「ほら、先生と話せて良かったでしょ?」

 

「ああ……そうだな……」

 

「どうしたの……?」

 

 何故か元気が無いメルトをかなは不思議に思う。傍目から見ればお互い気持ちよく挨拶が出来た様に見えた。

 

「なあ、もし俺が最初から上手くやれてれば……この作品の評価はもっと良いものに……」

 

 瞬間、メルトの背中にバチンという強い衝撃が走る。

 

「いってぇな!なにすんだよ!」

 

「あんた……いま一丁前に悔しいとか思ってるでしょ?」

 

「悪いかよ、主演の俺が最初からしっかりしてれば先生も苦労しなくて済んだかもしれない。多分……俺の知らない所で色々言われてんだろ……」

 

「馬鹿ね……撮影が終わってもその気持ちがあるなら、あんたはもう立派な役者よ」

 

「俺が……?」

 

「そう、だから──」

 

 

 

「胸を張りなさい!」

 

 

「うおっと!押すなって!」

 

 いくら他の要因があったとしても。メルトが主演だった事で評価を下げたのには変わらない。だが、メルトでなければ評価が覆る事もなかったかも……そんな"もし"をずっと考えていたって何かが変わるなんてのはない。大切なのは本気になると決めた時の目標。初めての主演に悔いがあったのかどうか。その答えはメルトの中でもう決まっていた。

 

「それに、ここで落ち込んでる暇なんかないわよ。あんたにはまだ、挨拶しなきゃいけない人が居るでしょ?」

 

 挨拶をしなきゃいけない人物と聞いてメルトは思い出す。自身が無力だと気づかせてくれて、ここまで面倒を見てくれた人物の事を。

 

「そ、そうだ!誰か黒川先輩を見てないか!?」

 

「黒川ならあっちで見たな……」

 

「さんきゅーアクア!お前とも話したかったけど……わりぃ!また今度な!」

 

 軽く手を上げながらメルトはアクアが指差した方へと走っていく。その姿はやる気に満ち溢れた一人の役者。

 

「なあ、有馬」

 

「なによ……」

 

「お前って意外と面倒見が良かったんだな……」

 

「そんなんじゃないわ、ただ……頑張ってる奴を応援したいなんて当たり前の事でしょ?」

 

「それもそうか……」

 

 星野アクアはメルトが走り去って行った方を見つめながら思う。素人からあそこまで持ってこれる奴が居るなら、自分も諦めるには早いのかもしれないと……

 

「……そういえばあんた彼女とか居るの?」

 

「は?なんで?」

 

「せ、せっかく作品の評価が上がってきたのにスキャンダルとかにあったら大変じゃない?」

 

「あー、別に居ないから心配には及ばない」

 

「ふーーん……へー……へー……ふふふ……」

 

「何なのお前?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ〜風が気持ちいいですね」

 

『外に出ると一気に肩の荷が降りた気がするよねー』

 

 今私が居るのは夜景が見えるラウンジ。外に席が用意されており、ここで飲食をとることも出来る。

 

 私がここに来た理由は中だと息が詰まりそうだったから気分転換に外の風に当たりたくなった。ただそれくらいの理由だ。

 

「ここに居たのか黒川先輩!」

 

 声が聞こえた方を振り向くと、そこに居たのは多分このドラマの共演者で一番話したであろう人物。

 

「あ、メルトくんおつかれー」

 

 今世間で演技の方面でも評価があがりつつある男性モデル。鳴嶋メルトが私の前に立っていた。

 

「いや、何でそんな軽いんだよ。今日あまの仕事も今日で最後なんだから皆んなに挨拶くらいしたって……」

 

「別にもう会えなくなる訳じゃないんだし、それにちょっと色々あってね……疲れたから休憩してたの」

 

「──そっちも色々あったんだな……」

 

 そっちもって事はメルトくんの方でも何かあったのかな?顔色を見るに悪い事じゃなかったみたいだけど。

 

「もしかしてメルトくん、私の事探してた?」

 

「まあな。俺、どうしても黒川先輩に言いたい事があって……聞いてくれるか……?」

 

「ん?どうしたの?」

 

 

 

 

 

「黒川先輩──今まで本当にお世話になりました!!先輩のお陰で今回の仕事に悔いはありません!」

 

 その言葉は力強く、その瞳は真っ直ぐと私を見つめていた。初めて会った時は挨拶も出来なかった彼も見違える程成長したものだ。

 

「俺、これからは演技の仕事をもっと増やそうかと思っていて。勿論モデルの方も一緒に……役者とモデル、両方とも出来るすげー芸能人になってみせます!」

 

「ふーん。でもそれ、結構大変だよ」

 

「分かってるよ。でも俺はどっちもやりてぇ!モデルと俳優を一緒にやるなんて珍しくも無いんだ、だったら俺もやってやる!」

 

「ふふふ、そっか……じゃあ楽しみにしてるね!」

 

「おう!」

 

 確かにモデルから俳優業にいく人は結構多い。だが、それで売れるかというのはやはり本人次第であり、厳しい道のりになることには変わりない。

 

『どっちもやりたい!か……一体誰に似たんだろうね?』

 

 アイさんの声を聞き流しつつ私は今日あまでの思い出を振り返る。最初は私の独りよがりだとすら思っていたけど、ここまで言ってくれるなら冥利に尽きると言うものだ。

 

「そうだ、ついでにもう一人の黒川にも挨拶しときたいんだけどいいか?」

 

「うん、いいよ。すぐ変わるからちょっと待ってて」

 

『ちょっと!?あかね!』

 

(アイさん、もう関わるつもりがないなら。それこそ最後に話すべきじゃないですか?)

 

『うぅ〜分かったよ……』

 

 前から私にアイさんは言っていた。教えるのはいいけどそれ以降は関わるつもりがないと。アイさんは何故か人と関わる事を嫌がる傾向にある。それは過去の人間関係が原因なのかもしれないし、それとは別にアイさん自身の問題なのかもしれない。

 

 昔からずっと思ってた。アイさんは明るくて自信があって私なんかとは違う、才能にありふれた。選ばれた特別な人間なんだと。でも、最近はこうも思う。アイさんだって何も特別なんて事はなくて、本当は何処にでもいる普通の人なんじゃないかと……

 

 今まで私はアイさんの本心が見えていなかった。いや……見ようともしていなかった。

 

 アイさんの悩みはきっと私一人の力では解決できないものなんだろう……でも、だからと言って見て見ぬ振りをするつもりはない。

 

 アイさんに必要なのは彼女自身を見てくれる人なんじゃないかと思っている。悩みの原因は恐らく過去の対人関係。私の知らない過去の出来事がアイさんを臆病にしてしまっているのだろう。

 

 でも、私は思う。関わった人とはしっかり話をしてほしいと。これは余計なお節介かもしれないし、私のエゴかもしれないけど……色んな人と関わる事が今のアイさんには必要なんだ。それがきっと、彼女の子供達と向き合うことにも繋がると思うから……

 

「お待たせーメルト!こうやって話すのは久し振りかな?演技見てたよ、バッチリだったじゃん!」

 

「サンキュー、お前の指導が良かったのかもな?」

 

「お、今日は褒めるねー。いつもだったら『でけー口叩くな』とか言うくせに!」

 

「それはお前がドジるから……いや、今日くらいはいいか。こう見えても俺、お前にだってすげー感謝してんだ。だから……ありがとな……」

 

「ありがとうか……なんか久し振りに聞いた、その言葉……」

 

 普段は顔を合わせたら色々言いあったりする二人だけど、今日はやけに素直だ。

 

 そんな明るいと思っていた空気のなか。不意にアイさんは俯くと、自身の思いを静かに語る。

 

「ねえ、前に言ったこと覚えてる?全部終わったら私こと、忘れていいって……」

 

「あー。そんなの言ってたっけ?」

 

「言ったよ。だから今日で話すのは最後。ここからは私を忘れてキミはキミの道を進んだらいい」

 

「…………」

 

「あっ!勿論あかねとは仲良くしてあげてね!あかねってば友達少ないからさ!」

 

 余計な事を言うアイさんに少し苛立ちを覚えるが、今は静かに見守るとしよう。

 

「うーん……何でそんなこと言ってんだ?」

 

「それはね……私と関わった人は皆んな不幸になるんだ。いつもそうだった……不幸を運ぶ私なんかと関わってたらこの先、メルトまで不幸になっちゃうよ……」

 

「へー、それは大変だな。まあ、これからも仲良くしようぜ!」

 

「ちょっと!?話聞いてた?私と居ると不幸に──」

 

「それが?」

 

 感情的になるアイさんにメルトくんは平然と返す。

 

「二重人格なんて特別な事情があるんだ……お前も色々あったんだろ?その事についてとやかく聞いたりはしねぇ。ただ、一つだけ言っておくぞ」

 

「俺はお前と会ったのを不幸だなんて思ってない」

 

「何で?何でキミはそんな……」

 

「いや、何でって……事実を言っただけなんだけど。それに俺たち友達だろ」

 

「……とも……だち……?」

 

 メルトくんが放った友達と言う言葉を聞いた瞬間。アイさんの表情が大きく変わった。

 

「あは……私とキミが友達?やめといた方がいいよ。メルトは本当の私を知らないから……」

 

「本当の自分なんて知ってる奴の方が少ないんじゃね?俺だってお前達に会うまでは演技に本気になれる自分なんて知らなかったし」

 

「でも……私はあかねと違って、無責任で……どうしようもない人間だし……」

 

「なんか今日はえらく卑屈だなー。そんなの気にすんなって、俺も褒められる性格してる訳じゃねぇから」

 

「…………」

 

 黙ってしまったアイさんにメルトくんは楽観的に告げる。

 

「じゃあさ、今度遊びに行こうぜ!考えてみたらお前とは仕事の話ばっかりだったろ?だから、有馬誘って、アクアも誘って皆んなで。そんで、世話になったんだから飯くらいは奢ってやる」

 

「……皆んなでか……ふふ……それは楽しそう……だね!」

 

「だろ!あ、でも高いのは勘弁な!モデルやってるっつっても中学生はあんま金持ってねーんだから!」

 

「…………私、銀座にあるアイスクリーム屋に行きたいなー!」

 

「任せとけ!アイスくらいなら良い……のか……?」

 

 メルトくんの明るい対応でアイさんの表情が少し良くなった様に私は見えた。やっぱりアイさんに必要だったのは人と接する事だったのかもしれない。

 

 それにしても不幸を運ぶか……もしかしてアイさんは昔の事件や出来事を全部自分のせいだと思っている?だとしたら人を避けるのにも納得だけど……やっぱり過去の対人関係が原因なのかも……

 

「ありがとね、メルト。まだ皆んなには私のこと、話せないかもしれないけど。皆んなと遊べるようになったらさ……私とも今日あまの話をしてくれないかな?」

 

「ああ、もちろん!」

 

 多分、これで良かったのだろう。人と接する事が大事なんて皆んな知ってるかもしれないけど、実感はしにくい。私だってアイさんを含めて色んな出会いがあり、向き合ってくれた人が居たからこそ今ここに居られる。私一人だけだったのなら芸能界に潰されてたかもしれない。

 

「じゃあ俺、そろそろ行くわ。改めて…………世話になった」

 

「待って。友達記念って訳じゃないけど一つ、キミに伝えておきたい事があって」

 

「なんだ?」

 

「ちょっと耳貸して……ごにょごにょ

 

 何やらヒソヒソと耳打ちしてるけど、うん?この内容はもしかして……

 

「それ、私達の名前ね!同じ黒川じゃ呼びにくいでしょ?だから……私達がアイドルとしてデビューしたらそう呼んで」

 

「確かにややこしいもんな……それにしても先輩達がアイドルを目指してたなんてな……」

 

「あれ?意外かな?」

 

「まあな、ちょっと意外……でも、ライブとかあったら絶対応援に行く!」

 

「やったー!早くもファンをゲットしちゃったかな☆」

 

「はっ!そういうのはデビューしてから言えっての」

 

 まさかアイさんが自分からあの名前を人に教えるなんて思わなかった。いい心境の変化でもあったのかなー?

 

「じゃあな先輩方!お互い頑張ろうな!」

 

 最後にそう言い残すと、メルトくんは足早に去って行く。私とアイさんはただそれを見つめていた。

 

「ごめんねあかね。勝手に私達の名前を教えちゃって……」

 

『良いですよ、必要だと思ったから教えたんですよね?いずれは知られるんですから遅かれ早かれってやつです』

 

 別に怒ったりはしていない。隠している訳じゃないし、アイさんの変化が見れたのなら充分。

 

『それに、ちゃんと話せて良かったでしょ?』

 

「どうかな……自分のやりたい事とかもっと分かんなくなったよ。でも不思議と、悪い気分じゃない」

 

 その言葉は迷っているようにも、気が晴れたようにも聞こえる。いつもハッキリしているアイさんからは滅多に聞く事ができない、普通の人間らしい言葉であった。

 

『あ、アイさん上を見てください!』

 

「上?」

 

 何となしに見上げた夜空には都会の空とは思えない程、ハッキリと見える星々が私達を照らしていた。こんな夜空は田舎でもそう易々と目にする事は出来ないであろう。

 

『珍しいですよね。都会の中心でこんな星空』

 

「ほんとだね〜。なんだか昔を思い出すよ……」

 

「前もね、こんな感じの星空を見たことあるんだ〜。えっとあれは……そうだ!センセと見たんだっけ……」

 

『先生?』

 

「うん、アクアとルビーを産んだ時にお世話になった先生。今思えばあの人も私の友達と呼べたのかも……まあ、そう思ってたのは私だけだろうけどね……」

 

 アイさんが双子を産む時にお世話になった先生か……初耳だ。

 

『と、言うと……その先生と何かあったんですか?』

 

「よく聞いてくれました!センセったら酷いんだよ!私が出産する時は絶対来てくれるって言ってたのにちっとも来なかったんだから!私が退院する時だって居なかったし!」

 

『えーと、それは大変でしたね……た、多分何か事情があったんですよ!』

 

「だといいけどね!あの人ちょっといい加減なとこあったから。私のことなんか忘れてどっかで楽しくやってるよ!」

 

 アイさんが他人をこんな風に言うなんて……それなりに仲が良かった人なのかな?きっと、何も言えないで別れてしまった事をアイさんは後悔しているのだろう。

 

 でも、その先生の事を話してる時のアイさんの顔、楽しそうだな……私が何か言うのは筋違いかもしれないけど、ちょっとした慰めくらいは言ってみようかな。

 

『そんな事ありませんよ……繋いだ心はそう簡単に途切れたりしません。アイさんがまだその人を友人だと思ってるなら……彼も何処で……アイさんと同じ星空を見てるんじゃないでしょうか……』

 

「あかね……」

 

 私にはその人がどんな人物なのか、何処にいるのかなんて分からないけど。どれだけ離れていたって心で繋がってるなら。いつか絶対にまた会えるはずだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

「意外とロマンチストだね!恥ずかしくないの?」

 

『うるさいなぁ!!ほっといてよ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああーー!!やっと見つけた!急に居なくなって、あんたこんなとこで何してんのよ」

 

「なんだ有馬か……別に……ただ────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「星が綺麗だなって……」

 

 

 

 





【鳴嶋メルト】

今日あまで主演デビューを果たした売り出し中の若手モデル。今日あまでの出来事がキッカケでモデルと役者を両立しようと心に決める。

昔は自身の力を過信し、増長する傾向にあったが。色々あって、今の性格は気さくな好青年。学校でも男女共に人気があり友達は多い方。反面、昔の性格の方が好きだったと言う女子も居るとか居ないとか……

演技力はまだ素人の域を出ないが、先輩達から教わった技術を駆使したここぞいう時の爆発力で普段とのギャップを見せる"相違型"の演技には目を見張るものがある。

黒川あかねと星野アイは演技を基礎から教えてくれた尊敬する先輩であり共通の友人。あかねに対しては丁寧だが、アイに対しては結構ストレートにものを言ったりする。主にアイの普段の行いが原因である。

有馬かなとは、会ったら口喧嘩をする仲ではあるが意外にも相性はそこまで悪くない。なんだかんだ言いつつも大切な友人の一人で、指導してくれた事に関しても感謝している。因みに有馬かなに対して当たりが強いのは、主にかなの普段の行いが原因である。

星野アクアとは初めて出来た同い年で同性の芸能界での友人だと思っている。しかしアクアの距離間が独特なのでイマイチ性格を掴みきれていない。今度アクアを遊びに誘おうと画策していたり。



【有馬かな】(今日あま撮影後)

強くなったあかねから影響を受け、対等にやり合える友人が出来たことによって精神的に強く成長。

ただ、本心では自己評価が低いなどの根本的な部分は変わっていない。

あかねの事を気にくわないと思っているのに変わりはないが、共通の話題や目的を持ったことにより態度は大分軟化した。

今日あまの評価が覆ったのは関わった人達皆んなが頑張った結果だと思っている為、原作よりもアクアへの依存度は低め。

しかし代役を引き受けてくれて想像以上の演技をし、倒れるまで頑張ってくれたのを見ているので。そのことに深く感謝しつつ、星野アクアという人物が少し気になっている?
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