アカネアイ   作:青空の夜天

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この作品のあかねちゃんは精神が強いので原作みたいな今ガチにはならないかも?

今ガチ編ではあかねちゃんの過去、心が強くなった一端を明かすつもりでいます。




今からガチ恋始めます編
先輩姫川と後輩黒川


 

 

 

 

 もう春だと言うのにまだ少し肌寒い今日この頃。今私は都内某所にある会員制のBARの扉の前に立っていた。ここに来るのは実に一年振りくらいになる。中学生の時は何回か無理やり連れて行かれたのも今となってはいい思い出だ。

 

 お酒も飲めない歳である私がなぜこのような場所を訪れたのかと言うと理由は単純明快。ただ呼ばれたから来たというだけのこと。

 

 空も暗くなってきたので私はさっさと店に入る為に扉を開け放つ。すると目に飛び込んできたのは前と全く変わっていない、落ち着いた間接照明に照らされた雰囲気のある店内の光景。

 

「いらっしゃい…………ああー!!も、もしかして!黒川ちゃん!?」

 

「ええ、お久しぶりです。ルナさん」

 

 今私の前に居るロングヘアーの女性はルナさん。役者をやりながらこのお店で働いている人で、私が中学生の時もお世話になった人物だ。

 

 私をいつもここに連れて来てたあの人は、私なんか放っておいて女の子の方へ行ってしまうので心細くしていた所を。同じ役者というのもあってか彼女がよく話し相手になってくれていたのは今でも感謝している。

 

「え!?え!?ほんと久し振り!ちょっと見ないうちにおっきくなったね〜!いま何年生?」

 

「この前、高校二年生になりました!」

 

「嘘!?もう二年生!?時間の流れは早いね〜。初めて黒川ちゃんが来た時なんてこーーんな小さかったのに」

 

 懐かしいな〜。初めて来たのは中学二年生の時だったからそれはもうお店で大騒ぎになったものだ。「とうとうお前こんな子に手を出したのか!」なんて。この店のマスターに胸倉を掴まれてるどっかの女たらしがいたっけな……

 

「あの……ルナさんと話したいのもあるんですけど今日は用事があって……姫川さん、もう来てますか?」

 

「ああ〜姫川さんね……来てる来てる。いつもの席に居るから案内するよ」

 

「ありがとうございます」

 

 ルナさんに(うなが)されるまま私は歩きだす。途中で何人かに挨拶をされたので軽く返しながら奥へと進んで行くと大きいソファーが並べられた客席へと案内された。

 

「じゃあまたね〜黒川ちゃん。何かあったら遠慮なく言ってね」

 

「手間をとらせてしまってすいません……」

 

「全然おっけ!ではごゆっくり〜」

 

 席へと着くとルナさんはそのままカウンターの方へと戻って行く。どうやらこの席に居る気はない様だ。

 

 ルナさんを見送ると私は目の前に座っている人物へと目を向ける。そこに居たのは……

 

「よう、来たか黒川」

 

 いつもの様な無表情で左手で女の子の肩を抱き、右手で別の女の子の頭を撫でている私の先輩、姫川大輝と言う人物がそこには居た。

 

「黒川が来たから今日はここまでだ。お前ら席を外してくれ」

 

「え〜姫川さんに私の話し、もっと聞いて欲しいな〜」

 

「ずるい〜あたしもー!」

 

「悪いな、今日は黒川が先約だ。お前らのくだらない話はまた今度聞いてやるよ」

 

「む〜、残念。でも……あかねちゃんが来てるなら仕方ないかー」

 

「あかねちゃん。私達は()けるから遠慮なくゆっくりしてってね!」

 

 私に手を振りながら彼女達は立ち上がると足早にこの客席を後にする。

 

「どうした?早く座れよ」

 

「……ああ、すいません。姫川さんは相変わらず女の敵だなーと再確認してたらぼーっとしてしまいました」

 

「……お前も変わらず俺に対して辛辣だな。代役を頼んできた時は少しマシになったと思ったんだが」

 

 俳優、姫川大輝と言えば。やる事なす事全てが高次元の天才役者で通ってる。その知名度は演劇の世界だけに留まらず、テレビを観た事があるならば名前くらいは知っている。それほどまでに世間に浸透しており、私なんかとは比べものにならないくらいの芸能人である。

 

 しかしその実態は可愛い女の子が大好きな"女たらし"。いつ女性関係の不祥事で記者にすっぱ抜かれるのかと私はいつもヒヤヒヤしている。そんなちょっと変わった人物が私から見た姫川さんなのだった。

 

 もちろん役者である姫川大輝を私は尊敬している。しかし人間としての姫川大輝は尊敬に値しないのだと常々(つねづね)思わされてしまう。

 

 冷ややかな視線を向ける私に、姫川さんは反論をしてきた。

 

「……いつも言ってるだろ?俺はただ可愛い女の子と楽しくお喋りしたいだけなんだって……そこにやましい気持ちは一切ない。だからその目をやめろ」

 

「ふーーん、まあ今に始まった事ではないので安心はしましたが……」

 

 今も変わらずに役者が出来ているという事は大丈夫ではあるのだろう……しかし仮にも後輩との待ち合わせ場所で女の子と遊びながら待っている先輩を見たら冷たい視線になってしまうのも致し方ないと思うのだけど……

 

「それで?今日は何の用で私を誘ったんですか?」

 

「いや、特に用なんてない。強いて言うならお前の近況が知りたいだけだ。この前久し振りに話した時に言っただろ?たまには店にも顔を出せって。それも兼ねてる」

 

「はぁ〜……そんな事だろうと思いましたよ」

 

 この人は(とら)え所のない人物だから私には彼が何を考えているのかは分からないけどこの理由は本心だろう。ちょうど私も久し振りに話したいと思っていたのでいい機会だ。

 

「えーっと……まずは何から……黒川、学校で友達とか出来たか?」

 

「いや、久し振りに娘と再会した口下手なお父さんですか?貴方は……」

 

 開口一番に出す話題がそれでいいのか……私としてはもっと真剣な話しが来ると思ったんだけど。

 

「別にいいだろ。お前は俺に対して言動がキツい時があるからな。学校でもそんな感じで馴染めないんじゃないかと気になった」

 

「へぇー、キツい態度を取られてる自覚があったとは少々意外です。その調子でご自身の胸に手を当てて日頃の行いを反省してください。そうすれば私も安心なんですけど……」

 

「俺に反省すべき点は無い」

 

「その清々しいまでの態度は尊敬の念すら覚えますよ……」

 

 もし姫川さんと付き合いたいなんて人が居たら大変だろうな〜。この人をコントロール出来る女性なんて想像もつかない。

 

「それでどうなんだ?高校生活ってやつは」

 

 きっと姫川さんは私が昔と変わらずに寂しい学校生活を送っていると思っているのだろう。

 

「ふふん!よくぞ聞いてくれました!」

 

 しかし、もう私は昔までの私では無い。確かに中学生の頃は惨めだった。休み時間には誰にも話しかけられずに読書。一緒にお昼を食べる相手は居ないので校舎の隅か教室の隅で過ごす毎日。アイさんと会話をしていたら虚空に話しかけるヤバい人だと思われ人が離れていく。そんな学生生活であったのは事実だ。だけどそれは昔の話。いつまでも子供扱い出来ると思わないでください姫川さん。

 

「驚かないでくださいね!なんと友達出来ました!しかも"二人"も!!私凄くないですか!?」

 

「…………」

 

 あれ?おかしい……心なしか姫川さんの目から憐れみを感じる気がする。

 

「悪かったな……嫌な事聞いて……」

 

「な、なんで謝るんですか!?言っておきますけどこれ、本当に凄い事なんですからね!私の通ってる学校はかなり特殊で皆んな損得で交友を(はか)ったりしますし。一貫校なので元からグループが出来てて途中から入学した私はかなり不利なんです!そんな中で一緒にお昼を食べる事が出来る人を作るのがどんなに難しいか!ですから決して私に問題がある訳じゃなくてですね!そもそもの話しとしてどこからがともだ────」

 

「分かったからそれ以上喋るな。傷口を広げるだけだ」

 

 何故姫川さんはそんな悲しい生き物を見る目をしているのだろう?中学時代の私と比べれば見違える程の進歩だというのに。

 

「まあ落ち着けって。そうだな……話題を変えるか。お前が代役を頼んできた今日あま。随分評価を上げたみたいじゃないか。一体何をしたんだ?」

 

 私はまだ学校の友達について語りたりないけど、姫川さんが話題を変えてきたので気持ちをなんとか落ち着かせて話を合わせる事にする。

 

「別に私は何もしてませんよ。あの作品に関わった全ての人が頑張った結果です」

 

「ふーん……」

 

 どうにも納得がいってないという顔をしているが私は嘘をついている訳ではない。あの作品が評価を持ち直したのは私達演者だけではなく、関わった全ての人達のお陰なのだから。

 

「主演の鳴嶋メルトだっけ?最近よく聞くな。何でも深夜ドラマとは言え地上波の出演が決まったとか。俺の耳にも入ってきてる」

 

 そう、今メルトくんは数多の仕事が舞い込んでおりかなり忙しいみたい。深夜ドラマの助演ではあるが俳優としての仕事が決まったと嬉しそうに教えてくれたのは記憶に新しい。

 

 正直先を越されていくようで気持ちは複雑だけど、私としては鼻が高いというのも偽らざる本音だ。

 

「それがどうかしましたか?」

 

「今日あまの演技を見た時、疑問に思ってな。なんつーか鳴嶋メルトの演技から癖を感じた。まるでララライに居た時のお前が移っているみたいにな。黒川、あいつに演技指導でもしたのか?」

 

 流石は天才と呼ばれる姫川さんだ。メルトくんの演技を見ただけで私が関わった事を見抜いてしまうとは。姫川さん相手に隠す必要もないし、ここは素直に白状するとしよう。

 

「おっしゃる通り、メルトくんには私が指導にあたりました。ですが結果が出たのは彼の努力によるものです。それと……この件はくれぐれもご内密に……」

 

「分かってるって」

 

 やれやれという雰囲気でグラスの飲み物を口に含む姫川さん。あれ、アルコールとか入ってないよね?

 

「それにしても流石と言う他ないですね。まさか彼の演技を見るだけで私の関与がバレるとは思いませんでした。癖とかって画面越しでも分かるものなんですか?」

 

「は?そんなもん分かる訳ないだろ。演技の癖とか全部嘘。お前がなんか後ろめたさそうにしてたから、ちょっとカマかけてみただけ」

 

「…………ちっ!あはは!もー意地悪ですね姫川さん。まんまと引っかかっちゃいましたよー」

 

「おい、先輩への敬意はどうした?」

 

「現在進行形で薄れていってます」

 

 アイさん(しか)り、かなちゃん然り。どうして私の周りには変人が多く集まってくるのだろう。こうやって会話をしていると純粋に私を慕ってくれている常識人のメルトくんが恋しくなってくるくらいだ。

 

「まあ、人に教える事で見えてくる物だってあんだろ。せいぜい後輩は大切にしてやれよ」

 

「ええ、初めて出来た可愛い後輩ですからね。どこかの先輩みたいにならないように気をつけます」

 

「そうか、俺も可愛い後輩が欲しかったな……」

 

 間接的に私が可愛くない後輩と言われたがまあいい。

 

 今後のメルトくんに関して私は心配していない。この前皆んなでドラマの評判で出来た"今日あまコラボカフェ"に行った時にメルトくんは言っていた。芸能活動が前よりも楽しく感じている事。活動そのものも順調だと。そう思える様になってくれたんだと思うとこっちとしても素直に嬉しく思う。

 

 余談だが、その時撮った写真をSNSに上げた時は思ったよりも反応があって驚いた。

 

『今日あまの皆んな仲良さそうでホッコリする〜』

 

『メルトくんが良い笑顔で超推せる!』

 

『これがストーカー役の子!?ドラマだとフードを被ってたから分からなかったけどすっごいイケメンじゃん!私ファンになろうかな〜』

 

『あれ?誰か足りなくね?』

 

『ホントだ、メインヒロインの有馬かながハブられてて草』

 

 と、かなり好評で仕事としても成功。仕事の一環とはいえ、皆んなで遊ぶのは本当に楽しかったのでまた行きたいものだ。

 

「他は有馬かなに、"星野アクア"か……随分楽しそうな現場だったみたいだな。これは無理してでも引き受けた方がよかったか……」

 

「それはそれで面白かったかもしれませんね」

 

 最も姫川さんが引き受けていたら彼と会う事はなかったのだけど。偶然なのか運命なのか、それこそ"神のみのぞ知る"と言うやつなのかもしれない。

 

「まっ、過ぎた事はしょうがない。それで黒川、次の仕事とかは決まってるのか?」

 

「あまり甘く見ないでください。勿論決まってますよ。【今からガチ恋始めます】と言う番組に出演する予定です!」

 

「あー、恋愛リアリティーショーか……」

 

 まさか姫川さんが今ガチを知っているとは意外だ。まだ収録も始まっていない番組なのに。

 

「俺が知ってる事が意外か?別に大した理由はねぇよ。ただララライにも今ガチのオファーが来たって話を聞いただけだ」

 

「ララライにですか?」

 

「ああ、今ガチのプロデューサーである鏑木さんは金田一さんとも古い仲でな。そのツテで話を回してきたんだろ」

 

「へぇー、金田一さんと鏑木さんが……」

 

 この情報は初めて聞いた、まさか二人が知り合いだったとは。本当に世間とは狭い。

 

「まあ二人ともこの業界に入って結構長いからな。最も、ウチに居る連中は演技バカばっかりだから受ける奴は居なかったみたいだけど」

 

「確かに参加したい人、居なさそうですね」

 

 私もララライにいた事があるので知っているがあそこは良くも悪くも演技一筋みたいな人が多い。彼氏彼女を作りたいとか誰とくっつくみたいなそう言った番組に出たがる人なんて居ないだろう。

 

「てかお前、アイドルになりたいんじゃねぇの?恋愛リアリティショーなんて真逆もいいとこだろ」

 

「勿論私は恋愛をする気なんてありませんよ。この仕事も鏑木さんから直々に勧められたものであの人との関係を切りたくないっていうのが引き受けた一番の理由ですし」

 

 理由はそれだけじゃないけどね。

 

「ふーん、プロデューサーに気に入られたなら今後の為にも関係は切りたくないか……」

 

「そうですよ。いつかの為にコネクションを作っておくのは大事ですから」

 

 鏑木さんは芸能界で仕事をしている時間が長いだけあって色んな所に顔が効くらしい。なので今の内に恩を売っておけば将来私がアイドルになった時に助けてくれるかもしれない。芸能界は実力も大事だけど人との繋がりが生き残る上で何よりも大事なんだ。

 

「だけど……分かってるのか?リアリティショーはリアルを売りにしているだけあって危険も伴う。一歩間違えれば……」

 

「大丈夫ですって。もしかして姫川さん、私の事を心配してくれてるんですか?」

 

 リアリティショーの怖さを語る姫川さんに少し意地の悪い質問をぶつけてみる。さっき可愛くない後輩と言われたのでちょっとした意趣返しだ。最もこんな事を言った所で素直じゃない姫川さんはきっといつもみたいに────

 

 

 

「当たり前だろ。心配に決まってる」

 

 

 

 驚いた。予想と違って返ってきた言葉は真剣そのもので。その瞳からは珍しく彼の感情が伺える様に見えた。

 

「……黒川、もし無理をしてるのなら受ける必要はない。仕事なら金田一さん経由で俺から回してやる。実は頼みたい役がいくつかあってな、今回お前を呼んだのもその話をしようと思ったからだ」

 

 優しく諭すように私に問いかける姫川さん。やっぱり姫川さんは理由があって私をこの場に呼んだのか。全く、彼も意地が悪い。

 

「オーディションを受ける必要はあるがお前なら問題ないだろ。むしろ知名度を上げるならこっちの方が──」

 

「申し訳ないですが……お断りします」

 

「何故だ……?」

 

「もう私、今ガチに出るって決めましたから。それに……いつまでも甘えたままの子供ではいられません」

 

 確かに仕事をくれるのは凄くありがたい。今すぐにでも飛びつきたい程に。姫川さんが私の事をそこまで考えてくれてたというのも純粋に嬉しい。

 

 この厳しい業界。時には人に頼るのも必要だ。しかし誰かに頼りっきりでは芸能界で生き残る事は難しい。私は……私の力で手に入れた仕事を手放す気はない。それに今ガチの仕事を受けたい理由は一つだけじゃないからね。

 

「心配には及びませんよ。こう見えて私、結構な修羅場を潜り抜けてますから!」

 

「……成程、それもそうか……」

 

 納得いったという顔で引き下がる姫川さん。

 

「でも……本当にどうしようもなくなったら、優しい先輩に頼っちゃおっかな〜?」

 

「フッ……暇だったら話しくらいは聞いてやるよ」

 

 今回は断ったけど、何もこれから一人で生きていくなんてつもりは毛頭ない。困った事があれば誰かに相談するし、誰かが助けを求めているのなら立ち上がれる様に手を貸す。生きていく上で人との繋がりが大事なんだと私は身を持って知っているから。

 

「だが、勿体ないな。お前に紹介しようと思ってた仕事の中には舞台以外にも端役とはいえ、朝ドラとか昼の刑事ドラマとかもあったんだけど……」

 

「……え……?」

 

 ま、まさかそこまでの大口案件だったとは……悔しいけどあんな風に言った手前やっぱやりたいですとは言えない。うぅ……後ろ髪を引かれる思いとはまさにこの事か……

 

「見ない内に、お前も大きくなっていってるんだな……」

 

「セクハラですか……?」

 

「違ぇだろ……いや……この現代社会、発言にも気をつけなきゃいけないのか……どう受け取るのかはそいつ次第な訳だし……」

 

「じょ、冗談ですよ!冗談!そんな真剣に悩まないでください!」

 

 もしかしたら人気俳優の姫川さんにも苦労している事があるのかもしれない。芸能人の一番のゴシップは男女関係だからね。大衆の食いつきが段違いにいいのでマスコミも躍起(やっき)になってる訳だし。

 

「よし、今日は好きなもん頼め。全部俺が奢ってやる」

 

「マジですか!?」

 

「ああ、マジだ。ついでにルナとかも呼んで来いよ。俺に今日あまを勧めたのはアイツだからな。お前も交えて話しがしたいはずだ」

 

「やったー!!さっすが!姫川さん!」

 

 こうして久し振りに訪れたBARでは珍しく騒がしい光景が繰り広げられる。姫川さんとも今日あまの話が出来たし、より一層次の仕事に気合いが入る。

 

 

 

 

 私が恋愛リアリティショーというアイドルにとってプラスにならない仕事を引き受けたもう一つの理由。それは鏑木さんから送られてきた今ガチの資料の中にあった。

 

 資料に書かれていた私以外の五名の出演者。その中には彼の名前もあったのだから……

 

 

 

 

 高校一年生 役者

 

 

   星野アクア

 

 

 

 

 

 

 






 『おまけ』
今日あまカフェのお誘いをした時の重曹ちゃんとあかねちゃん


「はぁ〜?来週、今日あまカフェに行かないかですって?」

「うん、忙しい中メルトくんが計画してくれてね。仕事の一環として楽しもうって話なんだけど……」

「ふん!お生憎さま。私はその日、CMの撮影があるから行けないわ。あんたと違って忙しいのよ」

「へぇー珍しいね」

「ふふん!羨ましい?羨ましいでしょ!やっぱ見てる人は見てるのよね〜。あっ、ごめんなさーい!話題にものぼらないあんたには関係なかったかしら〜?」

「……そうだね、羨ましいなぁ〜。うん、お仕事があるんじゃ行けなくても仕方ないもんね。じゃあまたねー」

「ちょっ!ちょっと待ちなさいよ!もっと私になんかあるでしょ!?他に空いてる日を聞くとか!ま、まさか!?あんた達……私を除け者にして皆んなで楽しんでくるなんて事、しないわよね………?」

「え?行くけど、普通に」

「ぞんなぁぁぁ!!な゙んでよ゙ぉぉぉぉぉっ!!」

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