安アパートの一室。その中で大の男3人が体育座りして落ち込んでいた。
「勢いに任せたとはいえまさか宝具を使って喧嘩するって……」
「馬鹿とはいえここまで馬鹿だっけ俺ら」
「しかも見ろよこれ」
無駄にギンギラギンに光っているテレビを黄金の波紋から取り出したギルガメッシュは、これまた無駄にギンギンに光ってるリモコンを使ってあるチャンネルを表示した。
『ご覧下さい!この大雨を!記録的大豪雨です!東京が──東京が雨によって浸水させられています!!!』
大粒どころの話じゃなく、ほぼ石サイズ程の大きさの雨粒が東京を穿っていた。尚且つ量が量なので排水できておらず、そこかしこの排水溝、マンホールからは大量の水が溢れ出てきておりリポーターの足首まで水が溜まっていた。しかもこれが東京全土で発生しているのだ。
「「「……」」」
「や、やっちまったな〜」
「これギルガメッシュのせいでいいだろ、な?始皇帝」
「は?」
「だよな、途中こいつが姿隠すためとか言って雨乞い+雨雲生成宝具を大量に使わなければこうならなかっただろ」
「うぐ」
「いや、これに関してはマジでそうだろ」
「え、あ、いや!でもオジマンディアス、お前が持ち出したスフィンクスもやらかしてただろうが!」
「んだと?」
「体が宇宙だかなんだか知らんがそこから水の惑星取り出して水追加してたじゃねぇか!」
「たしかに!お前もじゃねぇか!!」
「黙れ始皇帝!お前もだろ!」
「はぁああ???俺がなんかしましたかぁ????」
「しただろ、思いっきり雲の中心で有り得ん速度で回転して積乱雲にしたのおめぇだろうが。あれがなきゃまだ大きいだけの雨雲だったんだぞ」
「ギルガメッシュの宝具を弾くための不可抗力ですぅ!」
「お前爆笑しながらホワイトハリケーンとか言ってたじゃねぇか!!!超次元サッカーじゃねぇんだよ!!!」
醜い。罪を擦り付け合いながら先程までの落ち込んでいた姿はどこへ行ったのか。もはや取っ組み合いへと移行してドッタンバッタン大騒ぎ、更にはまた宝具を使おうとしている。
「ちょ、お前ら落ち着け!」
「始皇帝!!お前に貸したSwitch返ってきてねぇんだよ!!返せよ!!」
「死んだからノーカンだ!!それ言うならお前に貸した呪術廻戦返せよ!!!」
「落ち着けや!!!まずこの雨どうにかすることから考えろや馬鹿ども!」
「お前がエヌって来れば終わりだろ」
「東京消し飛ばす気か?」
「これで万事OKだわ」
「やかましいわ!」
ひとまずエルキドゥを使い2人を拘束したギルガメッシュ、なお始皇帝にはただの鎖のためすぐ抜け出せるが事態が事態のため大人しくしている。
「んで、だ。どうするよ」
「どうするって言われてもなぁ……高火力で消し飛ばすか、このまま自然に消えるのを待つしかなくね?」
「ん、いやその前に気になってる事項がひとつあるんだわ」
「それはどういうことだいオジマンディアス」
「魔術協会とか聖堂教会ないのかこの世界?院の方はどうでもいいとして」
「あー……なんだそれは?」
「魔術協会は一応知ってるが、聖堂教会?もしかしてあれか、聖四文字関係か?」
「いんや、キリスト教の暗部。主に裏に関係する事柄をやるタイプ。死徒とか吸血鬼を殺すのが目的のひとつの集団」
キョロキョロと、いきなり挙動不審になったオジマンディアス。その眼光は先程より鋭くなっており全文警戒するように周囲を睨み続けている。
「そいつらがどうしたんだ?」
「いや、よく考えたらわかるだろ?多分こいつが言いたいのは裏って概念があることだろ?てことは裏を表に知らせない為の組織がある、それが魔術協会とか聖堂教会ってことになるわけだ」
「そういうことだ。基本的に奴らは神秘の漏洩を許さないからな……」
「ふむ?だが……この世界多分神秘ないぞ?」
「は???」
赤い目をさらに光らせながら虚空を睨むギルガメッシュ、始皇帝はもはや会話がめんどくさいのか寝転がりながら子猫サイズのスフィンクスと遊んでいた。
「え、それマジなの?」
「
「てことはもしかして魔術協会も聖堂教会もないのか……?」
気づいてしまった。この世界の真実に気づいてしまった。つまりどういうことかと言うとぉ?
「ヒャッハー!!!!遠慮なんかする必要ねぇぜぇ!!!」
「お、おい?」
発狂、からのダッシュ。船を呼び出し上空へ向かい全身の魔力を奮起させたオジマンディアス。こいつの中身は馬鹿だ、つまり遠慮なんて言葉は無い。自身を束縛するであろう存在がいなかった場合──止まることを知らない。
「
超巨大積乱雲にピラミッドがぶつかった。
その日、精神病院へ向かう人達の姿が東京中で見受けられた。