「たーのもー!」
「うっるさ……さっきのやつか?本当に数分で来るとか早いな」
「嫌じゃ嫌じゃ!朕はこんなことしとうな──アッチョンブリケ」
「じゃかやしいヒキニートが、働けカス」
ある事務所前、非常にやかましいやり取りをする奴らが扉を開け事務所内へと入っていった。
(うっわ超イケメンじゃん、うっざ)
「さっき連絡したものだ、名前はオジマンディアス。こいつは始皇帝だ。よろしく」
「オジマンディアスに始皇帝ぃ??おふざけしてるんでございましょうか???」
その中には異常に砂糖を摂取する不健康そうな顔立ちをした女性が椅子に座りこちらを見ていた。まぁこの2人の名前は確かに傍から見るとふざけているように思えるが本名なので仕方が無い。
「まぁ疑問に思うのも仕方があるまいが、事実故なぁ……まぁ呼び辛いならラムセスと呼んでもいい」
「あ、なら朕のことは
「……えぇ、あぁはい。別にいいですよえぇ。ここは裏バイトの仲介をする場なので名前なんざ……えぇほんとにぃ!」
青筋を浮かべながら先程の倍の速度で砂糖を摂取していく、さすがの二人も止めた方がいいだろうと思っているが妙な威圧感を纏っているので口に出すことが出来ないでいた。
そんなこんなでソファに座った2人は向かいに座った女性と向かいになり、ようやく本題へと入っていく。
「えぇ〜、遅れましたが私がここ赤川事務所の所長の赤川ですぅ」
「うむ」
「おん」
「で、お二方は裏バイトをしたいと、そういうお話でしたよねぇ?」
「そうだな」「違いま──オルレアン」
何か余計なことを言おうとした始皇帝が速攻で沈められたその姿に赤川は眉がぴくりと動くが、何事もなく話し始めたオジマンディアスによってスルーされた。
「んで、だ。なんかいい裏バイトないのか?」
「えー、あー……はー……ちょっと待ってねぇ」
一センチほどの厚みの紙束をペラペラと捲り、 あるところで止まった。その1枚を紙束から取り出しこちらはと差し出してくる。
「じゃあこの夜間警備のやつどうっすかぁ。腕っぷしはある方でしょ?」
「あぁこれか……なるほどね」
原作第2話の夜間警備らしき裏バイトを出された。時給1万円でかなり稼ぎになるが中身を知ってる側からするとやっぱり安いと思ってしまうところがある。
(なぁ、オジマン。これ原作の話なのか?)
(そうそう、原作第2話の話。てことでやるぞ?)
「いやじゃ!!!」
「うるせぇ!!!!やるぞ!!」
「うるさいっち!!!黙れっち!!!!」
カオス。
「とりあえずこれやるってことで。他に参加するヤツいてもいいのかね?」
「あー、定員数書いてないっしだいじょぶっす。うん(いくら数いても死ぬ時は死ぬし)」
内心怖いことを考えるが、裏バイトは良くも悪くも弱肉強食なので仕方が無い部分もある。裏バイトに参加して3分の2くらいはだいたい死んでいるからだ。
「じゃあそういうことで」
後日、警備員の裏バイトをするために現地集合だったのでそっちへ向かうとそこには既に3人の人物の姿があった。
「あ、来た来た。残りの2人って君たちだよね?」
「そうだな」
「君たちは警備員の経験はあるかい?」
「俺ら2人はないな」「無いね」
「あ、私は昔少し」
「そうか!じゃあ後は大体わかるだろ!後は任せた!」
そういわれた年配の男は立ち上がって部屋を出ていこうとしたが少し止まって。
「そっちの2人には言ったけど七階は念入りに見てくれよ」
そう言うだけ言って速攻で部屋から出ていく年配男。残された4人はその姿に呆然とし、オジマンだけは何故か憐れみの目線を向けていた。
「いくら人手が足りないからってふつー新人に初日から任すかねぇ……そこのお2人さんもどう思います?あー……きゃんゆーすぴーくじゃぱにーず??」
「まぁ非常識だけど、裏バイトだからねぇ〜。自己紹介しとくか?俺はラムセス、エジプト人だが日本語は喋れる」
「朕は趙政、おふたりは?」
「私は白浜和美ってんだ、よろしく」
「黒嶺ユメです、よろしくお願いします……おふたりは何故裏バイトを?」
その言葉は2人にとって言いづらい質問だった。ほぼお遊び感覚で来たオジマンと連れられた始皇帝からすると無理して裏バイトをする必要性は皆無なのだ。金なら無限にあるが故に。
「あー……まぁ色々としくってなぁ。ちょいと、ね?」
「ホントだよ。こいつは──」
「あぁ、こいつは引きこもりだから引っ張り出しただけ。人に金を無心する阿呆だからなぁ」
「は、はぁ」
「えー、色々ってどういうことっすかぁ?」
「まぁそれは警備しながら話すから、とりあえず俺ら着替えるから。また後で」
「りょーかいっす!」
「分かりました!」
そのまま更衣室へ向かい、会うサイズを探すも──なかったのでパッツパツのまま警備服へと着替える2人。さすがは恵体のオジマンと真人の始皇帝である。