Fate?☓Faith〇 作:Faith
あの後、俺達は自宅に帰ってきた。そして変なんだ、状況は常に変なんだけど…蘭の奴が普通に俺の家に入ってる。あんた、俺にこれから敵って言ってたのに、バーザーガーをセーファーが倒してから同盟組みましょうとか言ってきた。そして、合意のないまま俺の家にいる。
「俺達は敵なんだろ」
「あら、もうゴローったら、うふふ」
「え、なに、こわ」
「ゴロー、私はお腹が空きました。ゴローのゴローもお腹が空いているのでは?魔力供給にしましょう」
「女性って怖いな…」
「もう、ゴローったらおマセちゃんなんだから。お姉ちゃんに任せなさい!」
「貴方もしれっといるよね?確か一緒に吹き飛んでなかった?」
「私はロリヤ…貴方のお姉ちゃんよ!」
「お兄ちゃんって言ってなかっけ、設定ブレブレだね」
え、なんなの…長年連れ添った感出してるけど、この痴女や阿婆擦れ、挙句の果てにお姉ちゃん詐欺?しかも、教会の神父様が一方的に説明してたけど、聖杯戦争のマスターは全員魔術師らしい。今更だけど、俺は魔術師失格かもしれない。魔術師ってこんな奴らしかなれないんだろ?俺みたいな一般人じゃついて行けないよ。
コンコン
家の扉が叩かれた音がする。誰だこんな時間に。俺は食っちゃべってる、我が家みたいに居座ってる阿婆擦れ共を置いて、玄関まで行く。誰か尋ねると『私です先輩』と聞こえた。…俺に後輩の知り合いはいない。生徒会以外での知り合いはいないはずだ。
俺は人違いじゃないですか?と扉越しに伝えると、扉が…開いた…。
「先輩?来ちゃいました」
「え、何で合鍵持ってるの…あんた誰?」
「もう!私です、ザクロですよ」
「知りませんね」
「お邪魔します」
「邪魔だから出てって」
俺はもうわかっていた。この後輩を名乗る不審者も魔術師だという事を。だって、常識外れな思考してるもん。
「な、ザクロ!」
「姉さん!」
「あ、姉妹なんだ。似てないね」
ザクロと蘭は姉妹らしい。見た目も年齢も違いそう…うん?蘭はまあ、老け顔の女性で何とか、なんとか学生?ザクロは…‥う~ん、無理じゃね?あれ、俺の後輩名乗ってたよな?嘘だろ、俺より年下でこれって…そうか、きっと魔術だ。
「戦うしかないんですね…」
ザクロの手にマジックで書いたような痣が!やっぱりマスターだった!
「来て、ライドオン!」
彼女がサーバントを呼び出すと、馬の鳴き声が聞こえ出した。すると家の前に馬のイラストが付いた痛車が止まった。
「ライドオンです。吸いつくして差し上げましょう」
「違法駐車しないで」
車から飛ぶように出てきたのは、ボンテージ姿で何かダンボール?みたいな物で目を隠してる女性。うん、サーバントだ。貴方さ、そのダンボールに小さな穴開けるぐらいなら付けなきゃいいじゃない。
「ゴロー!敵ですか、魔力供給を!」
「俺の後輩なんだって、凄いね」
「ザクロ!これは違うの!私は別にゴローの事をッ」
「いいの姉さん…私はッ!」
「別に何も起きてないからな?」
「もういや!倒してライドオン!」
「ヒステリーだな~」
俺はもう驚かない。魔術師は一般人には理解できない思考で動いてるんだ。この聖杯戦争で学んだ。だから俺は普通の思考で魔術師を目指したいです。なので、ズボンを下ろさないでね、自分で降ろすから。
「イクスカロバー!」
「ペガサス号!」
「車が空を飛んだァァ!?そして爆発した!」
もう意味がわからないよ。軽トラが空飛んで、オレンジ色のビームにぶつかって爆発して…ザクロが倒れた。え、何で?
「ああ、なんて事!ザクロは聖杯の器になっているんだわ!きっと、ザクロが引き取られたマニョウの術式で幼少期から改造されて聖杯になっていたのよ!そしてサーバントの魂が限界になったんだわ!どうすればいいのかしら、そうよ!教会の神父が犯人に違いないわ!あいつを倒せば全て上手くいくはずよ!行くわよゴロー!裏山に奴がいるわ」
「なあ、蘭?何でそんなに詳しいの、そもそも神父さん紹介したの君だよね?」
「早く行くわよ!アーチ!」
『どっこいしょういちだ。蘭』
…行っちゃったよ。俺も行かなきゃ駄目?…ザクロさん?「私の事はいいから、行ってください」って何で俺を行かせようとするの。そもそも、何なのこの状況。
「行きましょう。ゴロー、最後の決着を付ける時です」
「まだ、一日目なんだけど」
「…これが、私達にとって最後の戦い。気を引き締めて望んでください」
「決戦の雰囲気出してるけど、俺は納得してないぞ」
「そう…行くのねゴロー。キスしてあげる」
「ロリヤさん、止めてください。そんなことより、早く出てって」
うん。駄目だったよ…セーファーに拉致られて近所の山に担がれながら登らされた。道中で寺があって、サーバント三人がいっきに出て来た。
「私は佐々木兼五郎。名もなき農民よ」
「でしょうね。鎖鎌もってるもんね、稲狩ってたの?」
「ふふ、飛んで火にいる夏の虫…私はキャンサー、聖杯は頂くわ」
「ダンボールの杖持ってるけど、手作り?良くできてますね」
「くくく、私は忍者。我がカラクリの右腕が貴様の心臓をぶち抜くだろう」
「そうだね。なんかコスプレ衣装みたいだけど、作ったの?」
イクスカロバー!…もう何も言うまい。何かもう、ズボン履いてるのが鬱陶しい。もう魔力供給したまま突撃じゃ!
「よく来た、間宮ゴロー」
「泥団子作ってんじゃねえよ」
「イクスカロバー!」
話す気はない。何か、黒い泥を頭からかぶって泥団子を作ってた神父に先手必勝ビーム!これで俺は救われるのか!
「くくく、流石は間宮切嗣の息子。容赦がない」
「嘘だろ!無傷だと!?」
「くっ、ゴロー…もっと奥を突いて」
「黙ってろ!」
畜生!何だあの泥、セーファーの謎ビームが吸い取られたように消えやがった!どうすればいいんだ!
「間宮くん」
「蘭!いつの間にそこにって危なってえ、ナニコレ」
「あいつに返してやって…昔…貰ったのよ」
「どう見ても玩具だぞ!これでどうするんだよ」
何か山の中から先に行っていた筈の蘭がボロボロ状態で現れ、玩具の剣を投げてきた。ボタンを押すと、電池がない。なんだか久しぶりの俺の魔術で直してみる。キュイィ…キュイィ…何か光り出して音も出始めた。
「それは…昔、どこぞの弟子に渡した」
もう知らね。この玩具でどうにかなるならなれェェェ!俺はがむしゃらで神父に突撃する。もういい、この玩具の剣でぶっ刺してやる!俺が突撃すると何かスローモーションになって動かなくなってる。つまり、ぶっ刺せば良いんだよ!
「グぁぁあ」
「え、嘘…ほんとにぶっ刺さった!?」
「私の…負けか」
どういう原理なのか、神父が黒い泥になった…え、何で?
「ほう、コントミナがやられたか。雑種」
「お前は…誰」
「我はエネルギッシュ!古代ムラムラパニアの王である!」
「すいません。世界史はさっぱりなんだ」
「この痴れ者が!」
金髪に染めた男性…チャラ男?の後ろから黄金の波が!空間がまるで裂けるように何か飛び出した…バ〇ブじゃねえか!しかも、俺じゃなくてセーファーの方にって、尻向けて受け入れてんじゃねえよ!
「うほぉぉぉ!」
「ハハハ。どうだ小僧?セーファーのあの声は、うん?お前では一生聞くことのない快楽の産声よ」
「よかったな。そのまま貰ってくれてもいいぞ」
「悔しかろう?ハハハっはははは!」
もうどうでもいい…とにかく、この変な男を倒せば終わる。終わらせる!俺が突撃しようとすると「避けなくていいが、頭を下げろ」と聞こえた。咄嗟に頭を下げる。
「がッ馬鹿な…」
目の前の男に…矢が刺さった。先端がやけに赤いような、作り物のような気がするが…刺さったと同時に男の後ろに大穴ができ吸い込まれた。「おのれ!」と言っていたが、知らん。
「終わったのね…」
「…終わったんだな。腕を組まないでね」
こうして俺の聖杯戦争は終わりを迎えた。あと、何かヒ〇シは知らない間にやられていた。ほんと使えねえ。
「ゴロー…」
「セーファー…お前も消えるのか」
「貴方と共に過ごした日々は、我がプリテン復興の夢より輝いていた」
「俺はセーファーの夢、初めて聞いた」
「大好きです。ゴロー」
光の粒子となって消えていくセーファー。…努力は認める。でも俺には歪な笑顔を向けられているとしか感じない笑顔を見せられている。そして…完全に消えた。
「帰ろう」
「ええ」
「ついて来るな」
それから自宅に帰った…けど…
「あら、やっと帰って来たのねゴロー」
「先輩!料理作っておきました」
「ゴロー。魔力供給を先にしますか?」
「何でまだいるの、こわ」
「ほら、さっさと座って食べましょうよゴロー」
「ねえ!さっきセーファー消えてたよね!?」
結局、俺に平穏は訪れなかった。妹と姉を名乗る不審者、後輩を名乗る不審者、友達を名乗る不審者、魔力供給を迫る不審者…俺の人生はこの不審者たちと過ごすことになる。国外に逃げても新しい不審者に合う。俺はそのうち、髪の毛に白髪が目立つようになった。
何を間違えたのだろう?俺は髪の毛を染める。いろんな色で染めてきたが一番合うのは白色…あのヒ〇シみたいな感じだった。地獄を見た、地獄を見た、地獄を見た…どうか願う…もし、もう一度チャンスがあるなら、この地獄を終わらせたい。昔の自分は何で流されてあんな連中と一緒にいたんだ…自分自身に殺意が沸き起こる。
終わらせたい…どうか…
その時、不思議な事が起こった
完結