雀鬼ドラえもん   作:クリリ☆

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闘牌シーンは漢数字はマンズ、英数字はソウズ、〇囲み数字はピンズを表しています。

また、ワシズ麻雀のため青字はガラス牌で全員が分かる牌、黒数字が自分にしか分からない牌となります。また、他家から見た黒牌は■で表しています。

※は最後に用語解説があります。

その他分からない用語などは感想などでお知らせいただければ個別にご説明いたします。


ワシズの実力

 

そうして、ワシズとのび太のワシズ麻雀による闘牌が開始された。

ちなみにワシズ麻雀では2対2の図式になる。のび太のサポート役(オヒキ)はニセアカギと組んでいた白服の男がそのまま引き継ぐことになった。

 

 

ワシズ麻雀ルール

 

・1種4枚の内3枚がガラス牌で他者から見える。

・ガラス牌で山を積むと、先々のツモが見えてしまうため、山は存在せず、卓の中央の穴に手を入れツモ牌を掴み取る。

・牌を掴み取る際に盲牌(※1)できないように、ツモる手には黒の革手袋を装着する。

・ドラは必要に応じて中央の穴からドラ表示牌を掴み取る。(開局時、裏ドラ時、カンなど)

王牌(ワンパイ)(※2)は存在せず、全牌を使い切る。

・ワシズとのび太の間に直接点棒のやり取りがあった場合、点棒の他に血液か金銭のやり取りが行われる。 千点=10万円=10cc(原作では、アカギの提案によりこの10倍のレート 千点=100万円=100ccで対局が行われている)

・ドボン(※3)なし。箱下精算も行いゲーム続行。

 

 

東1局

東家:ワシズ

南家:鈴木(ワシズのオヒキ)

西家:のび太

北家:白服(のび太のオヒキ)

 

 

 

「リーチ」

 

開始して10巡目。ワシズが先制のリーチをかける。

ずっと自分の手に集中していたのび太は慌ててワシズの捨て牌を見つめた。

 

「どうしよう、安牌がないよ。えっと、筋ー!(※4)」

 

のび太はワシズの一打目に切られていた五萬に着目し、その筋の二萬を切り出した。

 

「クックック、なんじゃそれ?」

 

「えっ!?」

 

「通常、直撃は滅多にないワシズ麻雀で、まさか一発目にそこが出てくるとはな」

 

「!!」

 

のび太は慌てて捨て牌からさらに目線を上げワシズの手牌を見つめた。

 

 

一一二三12①②③  ※■は通常の牌

 

 

 

「貴様、ちゃんとワシの手牌を見ているか? まるで盲人じゃの、どう考えてもマンズの下目はド本命じゃろうが」

 

 

ワシズは黒牌の位置を並び替えて相手の読みを撹乱するような真似はしない。今まで真っ向勝負で相手をねじ伏せて来た。結果的に捨て牌の五萬の筋引っかけになったが、これも決して相手を惑わせる意図は全くなかった。ただ、手なり(※5)で打っていて自然にそうなったのだ。しかし、のび太は自分の手作りで必死だったために、ワシズの手牌などほとんど見ていなかった。

 

 

一一二三12①②③ ロン二萬   ドラ2索

 

※■は通常の牌

 

「リーチ一発、ジュンチャン、三色、イーぺーコー、ドラ1」

 

さらにワシズは卓の中央の穴に手を突っ込んで裏ドラを掴み取る。すると、それは九萬だった。すなわちワシズの手の一萬がドラになる。

 

「裏裏、11本折れて三倍満、36000点じゃ」

 

「し、しまった」

 

のび太は早くも点棒が無くなり、箱下精算用の黒い一万点棒をワシズに渡した。さらに、360ccの血抜きが行われる事になった。すでにのび太の左腕には採血用のチューブが取り付けられている。

 

 

(ど、どうしよう。本当に抜かれちゃうのかな。でもぼく子どもだし、泣いて謝ったら許してくれるかも知れない)

 

「ごめんなさいー、ほんの出来心だったんです。許してくださいー」

 

しかし、のび太の泣き言を聞いて、ワシズはニタリと満面の笑みを浮かべた。

 

「くっくっく、実にイイ声で鳴きよる。こいつは良い拾いものじゃ…」

 

ワシズの口元から涎が溢れかけ、ワシズは袖口でそれを軽く拭う。

 

(駄目だ。謝っても逆効果だ。このままじゃ本当に殺されちゃうよ…)

 

白服の一人が注射器のような形の採血用のシリンダーを引くと、シリンダーの中が真空状態になり、その吸引力でのび太の血液が流れ込んでくる。その血液を吸われる奇妙な感覚にのび太は軽い吐き気を覚える。

そうして250ccのシリンダー1本と、110cc入りのシリンダーが出来た。

 

 

そうして東1局1本場が開始される。

ここでワシズの手にマンズが集中して入ってくる。12巡目にワシズの手はこんな形でテンパイする。

 

一一二四五六七八九九

 

そのテンパイ直後、のび太がロン牌の一つである三萬を切り出した。しかし、ワシズは不気味な笑みを浮かべたまま、それを見逃す。その同巡のワシズのツモ時、二萬をツモる。

 

「ツモ! チンイツで6000オールは6100オール!」

 

 

一一二四五六七八九九 ツモ二萬

 

 

ワシズが手を倒すと、ワシズのオヒキの鈴木が言った。

 

「ワシズ様、その直前の少年の三萬でアガりだったのではないですか?! しかも三萬なら九蓮宝燈じゃないですか。どうしてアガらなかったんですか?」

 

「バカモノ! このような逸材をすぐ殺してどうする! じわじわと血を抜いて楽しむんじゃ」

 

「ワシズ様…」

 

「カァカァカァ、キィキィキィ、クゥクゥクゥ…。さあ、のび太とやら、もっと、もっとワシを楽しませてくれよww」

 

のび太はさらに血液を61ccを抜かれる。瞳には恐怖の色が浮かび、思わずとっさに泣き叫ぶ。

 

「助けて、ドラえもーん!!」

 

のび太の悲痛な叫びは室内全体にこだました。

 

 

続く☆

 

 

 




※1 盲牌(もうぱい)
牌の絵柄を指でなぞり、感触で牌を識別する方法。マナー違反なため、基本的にはやらない方が良い。


※2 王牌(ワンパイ)
山の最後の14枚。ドラ表示牌などになり、対局では直接使用しない牌。カンなどでワン牌が減った場合、最後から15枚目がワン牌になり、14枚は絶対使われずに残る事になる。


※3 ドボン
対局者の持ち点が0点を下回り、そこでゲームが終了となる事。


※4 筋(すじ)
147,258,369の組み合わせ。
今回の例では5が捨てられている事から、相手の手牌に34、または67の形がないため2または8は振り込む危険が下がるという手牌読みのテクニックの一つ。


※5 手なり
余計な小細工や変則的な打ち方をせず、自然の流れに任せて打つ事。
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